『響と和音の見つかっちゃった話 ~HOT SUMMER~』/Mitchell&Carroll
外は、蝉の鳴き声やら、運動部の掛け声やら、吹奏楽部の楽器音やらで賑やかだから、この部屋の中の音は、よほど注意をしない限り聞こえない。ただでさえ暑いのに、音が漏れないように窓も全部締めきっているから、部屋の温度はきっと四十度を超えている。汗がボタボタと滴り落ちて、床には幾つもの水溜りが出来ている。
「私、知ってるんだから。響のイイとこ」
「……そこはダメッ!」
「自分から締め付けてるくせに」
和音の肩にしがみ付いて震える響。引き締まった太ももと腰が、悦びを表現してしまう。この大切な今を忘れないように、手当たり次第に和音の体を舐め回す。
「もっと吸って、響……」
響には、奏という名の大切な人がいる。しかし、こういう事の相性となると……
「なんでそんなに上手いの……」
響もまた、和音の体の仕組みを十分承知していた。柔らかくて、優しくて、甘くて……それは奏の方で、和音はもっと獰猛で、火傷しそうで、そしてどこか自分と似た匂いがする。そんな彼女と、痛いくらいにお互いの存在を体に刻み込み、全身を貪り合う――時々、忘れていたかのように唇を交え、息継ぎをしながら。
交わるのは唇だけではない。もっと雄弁に語り合う方法があった。熱く腫れ上がったそれが触れ合えば、何もかも溶けて――あとはもう、外の蝉に負けないように、声を張り上げるだけだった。
ガチャッ。
「あっつ!何この部屋!?あっ、響、和音!助っ人頼んだのに~。部室に居たのね」
「あんた達が来ないから、ウチら負けちゃったじゃないの。女子ソフト部、これで十連敗よ!」
「……てゆうか、なんで二人とも裸なの?」
「あっ、えーと……サウナごっこ!ね、和音」
「そうそう!シボーをネンショーさせないといけないかな~、なんて……」
「そんなことしなくても、あんた達は充分引き締まってるでしょうが。ちょっと、一年、響と和音の体、タオルで拭いてあげて」
「ハイ!……キャッ!?」
「どうしたの?」
「響先輩の太ももの汗、ヌルヌルするんです!!」
「響!あんた、甘いもの食べ過ぎて、体からハチミツ出るようになったの!?」
「そうかも……ハハ……」
「も~響ったら、オッチョコチョイ!」
「うん、ゴメンチャイ!」
――完――
最終更新:2014年11月17日 22:42