『甘く幸せな夢の中』/Mitchell&Carroll
……何やら、楽しそうな歌声が響いている。ヤカンも興奮してシューシューと湯気を出しているし、こたつの上ではミカンが皮をベロベロと脱ぎ捨てている。ストーブだけが、あたたかく部屋中を見守っている。
流行りの歌も、昔から知っている歌も、即興の歌も、皆、ハミィとエレンによって、時にはguiterも交じって、唄い尽くされようとしていた。いつまでも眠らずに喋り、歌い続けているのは、世界中でこの二人だけのようだ。だが、さすがにハミィが大きな欠伸をしたのを切っ掛けに、いい加減そろそろ寝ましょう、とエレンが窘める。
静かにランプシェードの灯りが消える。窓の外は、キラキラと舞い降ちる雪が眩しい。二人はそっと目蓋を下ろす。宝石箱を閉じるように。
最終更新:2014年11月20日 23:14