ねぎぼうの140文字SS【13】
1.ラブせつで『ハッピーエンドの来ない悲恋こそ美しい』/ねぎぼう
夜更かしして観るテレビで、田園を舞台に思い合うもすれ違っていく二人が淡々と描かれていた。
ラブは途中で退屈したのか、せつなの隣で寝息を立てていた。
そのまま思いを伝えることなく、やがて別離の道を歩む二人。
『ハッピーエンドの来ない悲恋こそ美しい』
解説者の言葉に「どして……」とつぶやく。
2.ラブせつで『Marry me?』(1と同じ時のお話)/ねぎぼう
“Marry me?”
“Yes. Of course.”
彼女は遠くの町に去る。
主人公は何もなかったように再び一人で畠の片隅で煙草をふかしていた。
「いいの?それで……」
一人ぼっちにさせないと美希も言ってくれた。
そして、隣で肩を寄せて眠るラブ。
せつなには主人公の気持ちが解らなかった。
3.ラブせつで【 言えない、言わない 】/ねぎぼう
あたし、もう決めたんだ。
世界でダンスするんだって。
そう、パラレルワールドで!
当然ラビリンスにも行くからそれまで待ってて、せつな!
で、また一緒にダンスしよ?
でもね、今はまだ言えない、言わない。
ちゃんと言える日まで精一杯頑張るよ、あたしも。
だから……ごめん、大輔。
「言わなーい!」
4.ラブせつで『入れ替わり』/ねぎぼう
インフィニティはあらわれても、やっぱりイースは帰ってこないぞ。
で、入れ替わりに来たのがノーザ……さん、かよ。
「ウエスターくん!」
ああ、おっかねえ。
「いくよ、パッション!」
「OK、ピーチ」
何だ、見せつけやがって。
最近ナケワメーケ出してないけど、俺がゲージ溜めてるのかもしれんな。
5.ラブせつで『二人だけの王様ゲーム』/ねぎぼう
「王様だーれだ!」
(二人だけの王様ゲームだし、せつなの命令だもん)
「AさんがBさんにニンジン食べさせる」
「え?まさか……」
手元には『B』の籤。
「え、そんなあ~」
トランプだけではなく籤も自在に操れるとは……
「食べて、ラブ」
ニンジンスティックの端を咥えると、
ラブの顔に突きだした。
6.ラブせつで『二人だけの王様ゲーム』2/ねぎぼう
「王様だーれだ」
王冠の描かれた割り箸はせつなの手に。
「1番は何をされても声を出さない」
王様の瞳が獲物を狙う豹のように光る。
1番は震えたようであった。
「1番だーれだ」
ラブは諦めたようにこくりと頷く。
そう、これは二人だけの王様ゲーム。
衣擦れの音がして1番のネクタイは床に落ちた。
7.ラブせつで『来世でもよろしく』/ねぎぼう
『来世でもよろしく』
主人公を庇って致命傷を負ったニヒルな敵役の最期の台詞。
「来世って何?」
せつながラブに訊く。
生死にわたる管理により失われた死生観。
「生まれ変わった後の世界のこと、かな……ごめん」
決着をつけることなく命が尽きることの無念さ。
それが解る自分もまだいる。
「平気よ」
8.ラブせつで【 泣き顔のままで 】/ねぎぼう
「最後にもう一度あいつと会わなくても本当にいいのか?イース」
「ええ、大丈夫」
「じゃあ、行こうか」
ラブはね、笑って送り出してくれたの。
泣きそうになるのを堪えていたのはわかった。
また会ってしまったら、もう堪えきれなくなるじゃない?
ラブも私も泣き顔のままでさよならはしたくないから……
9.ラブせつで【濡れた唇、閉じた瞳 / 胸に抱かれて】/ねぎぼう
「変ね。あれだけ激しく戦ったのに、心が清々しい。
ありがとう、キュアピーチ。私の寿命はこれで終わる。
お前に出会えて本当によかっ……た」
『時間です』
雨に濡れた唇、閉じた瞳はもう開かれない。
「そんなの……いやだよ……」
動かぬ体となったイースはキュアピーチの胸に抱かれていた。
「せつな!」
10.ラブせつで『そのセリフ、そっくりそのまま返す』/ねぎぼう
「今度帰ってきたときには、ちゃんとニンジン食べられるようになってるわよね、ラブ?」
「ふふん。そのセリフ、そっくりそのまま返すよ。せつな」
「私は精一杯頑張ってピーマンを食べていたわ」
「こんな青ぉ~い顔してね」
「何それ!?変な顔」
「ははっ」
「あはははっ」
……
「一緒に酢豚、食べようね」
最終更新:2015年02月04日 00:40