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ねぎぼうの140文字SS【14】


1.ラブせつで『見開いた瞳』/ねぎぼう


「本当は命が尽きてもいいなんて思っていないんだよね!?」

見開いた瞳から涙が溢れる。
私は泣いたりしない。
命も惜しいなんて思わない。
なのに、何故だ!?
何故お前のその手が、温もりが私を……

 ――

「無事でよかったね」

黙れ!
このカードを使って私は無事で、いてしまったのだ。
こんな筈では……


2.ラブせつで『未練たらしい』/ねぎぼう


「お待たせ!」
大輔への『返事』から戻ってきたラブの心の曇りに気付いた美希。
「何て答えたの?お姉さんにだけ言ってみなさい」
『ずる~い』という目をよそに耳元で囁く。
「せつなが夢をみつけて嬉しいはずなのに、あんなことを……あたし、未練たらしいのかな」
「いいんじゃない?それでも」


3.ラブせつで『どんな言葉よりも』/ねぎぼう


「あの時は、これでしかやりとりできないないなんて哀しいと思ったんだ」
ラブは小さな拳を作った。
「でも、せつなの心が響いて来たんだ。どんな言葉よりも」
拳をせつなが手にとると、優しくほどいて繋いだ。
「暖かい……ラブの心……ずっと感じていたいわ。今夜はこうしてていい?」
「……うん」


4.ラブせつで『反則だらけ』/ねぎぼう


「せつな!ピーマンの詰め放題やってるよ?」
「ええ、ニンジンの詰め放題やってるわね、ラブ」

 ――

「もうきついわね……アカルン!」
「え?詰め名人連れて来たって?もうこうなったら、ピルン!」
「先に料理して詰め込むなんて」
「美希ちゃん、これって反則だらけじゃない?」
「完璧にアウトね」


5.日野あかねで『噂の二人』/ねぎぼう


「噂の二人いわれてもなあ……」
再来日後、降ってわいた『ロマンス』にあかねは困惑を隠せなかった。
「そらウチにとっても大事な友達や。でもなあ……そういうのんとはちょっとちゃうねんなあ」
「でもあかねちゃん、ブライアンといるときは本当にきらきらしてるよ。妬けちゃうくらい」
「何て!?」


6.ウン年後のNISSANコンビ『苦しいときもある』/ねぎぼう


「いらっしゃい、何する?」
「豚玉」
「これもやろ?」

135mLの缶ビールを置く。

「ありがと」
「おつかれさん、やったな」
「あたし、どうすればいいんだろう?」

所属するクラブの二部降格で離れていくチームメート、
そして自身にも移籍を勧める声。

「直球勝負、なんやろ?自分、何をしたいのん?」


7.「きずあと」/ねぎぼう


マナの肩口に今も残るマシューの牙の傷跡。
風呂場で偶然見つけたとき、コンタクトをしていたことを後悔したくらい。
後年医師になった私がいくら傷跡の施術を勧めても
「マロの痛みを背負って生きる」
といって治療を受けようとはしなかった。
ねえ、マナ。マロはそんな無理を望んでいないわ、私も……


8.マナりつ「危ないでしょ!」/ねぎぼう


トントントン……玉ねぎを刻む六花。
その姿を愛おしく思ったマナは後ろから
「りーっか!」
ガバッ!
「マナ!今包丁持ってるから危ないでしょ!何度言ったらわかるの!マナが怪我したら私……私……」
「六花……ごめんなさい」
涙目になるマナ。
怒鳴る六花の頬に光るのは玉ねぎのせいではなかった。


9.マナりつで『優しくしないで』/ねぎぼう


「うっ!」
古傷に強く力が加わったせいか、マナの顔が苦痛に歪む。
六花は力を弛めた。
「ごめん」
「優しくしないでもいいよ、六花」
「マナ?」
「二度も目の前で喪ったの。解っててもやっぱり悔しくてね。だからこの痛みはね、あの子の生きた証なんだ」
「この……幸せの王子。痛みまでも背負うの?」


10.マナりつで【吐息まじりに / 無自覚な色気】/ねぎぼう


物語の幸せの王子は台座から動けないけど、貴女はいつも自由に飛び回っている。
だから追いかける方も大変。ツバメになるって言ったからしょうがないけど。
そんな貴女が最近吐息まじりに口にする名前。
それを聴く度に心がチクチクするのは嫉妬のせいだけじゃないみたい。
その無自覚な色気のせいよ。
最終更新:2015年02月04日 00:40