ねぎぼうの140文字SS【21】
1.ひびかなで【だっこしたまま / もっと開いて】/ねぎぼう
「足くじいた。おんぶして」
いつかの意趣返しを目論んだ響。
するとあろうことか奏は響を前から抱えようとする。
「奏、これじゃ『だっこ』……」
奏は響をだっこしたまま座り込んだ。
響の両足で奏を挟ませる。
「もっと開いてよ」
まさに「だいしゅきホールド」の体勢となり、響の顔は真っ赤になった。
2.ひびかなで【指先が / イイ子にしててね】/ねぎぼう
指先で響のお腹を撫でる。
「あんなに私のケーキを盗み食いしてるのにずるいわ」
「奏のはぷよぷよな調べ!」
「その口で言うんだ?」
指を響の唇に押し当てると、そのまますっ、と口の中に。
「甘ぁい……大好き」
響は美味しそうに奏の指を吸う。
小指で顎を撫でながら
「イイ子にしててね?」
響が頷く。
3.マナりつで【シーツにくるまって / 手錠をかけて】/ねぎぼう
今夜は少し寒く、シーツにくるまっていた六花。
なのにマナときたら……こんなにシーツを捲って、風邪ひいちゃうじゃない!
捲れないよう、いっそ手錠をかけておこうかしら?
幸い昨日使ったのがここにある。
ガチャリ……後ろ手に拘束され、それでも目を醒ます様子はない。
「マナ、警戒心無さすぎよ」
4.菱川六花=『古びた本』+「綺麗だね」/ねぎぼう
六花は図書館で古びた本に手を伸ばす。
『源氏物語絵巻』
ふわんとした紙の匂いと共に色鮮やかな絵物語が目に飛び込む。
「綺麗だね」
背中からの声にはっとする。
「相田さん、早く!」
マナを呼ぶ声がした。
「ごめんね六花、また今度ね」
『めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな』
5.マナりつ=『古傷』+「こっちおいで」/ねぎぼう
マナと六花は夏の流星群を一緒に観ている。
今はお互い違う道を歩んでいるけど、この夜は特別。
「こっちおいで」
「……うん」
六花はマナの腕に寄り添う。
この日は必ずノースリーブ。
肩の傷痕も隠そうとはしない。
「今年も六花と……マロと一緒で、キュンキュンだよ」
ずっと一緒に……星に願いを。
6.まこりつで【唇を重ねたまま / あやまち】/ねぎぼう
気が付くと六花は椅子に座らされていた。
後ろで縛られ、手の自由は利かない。
虜の顎に手を添え、親指で唇の感触を確める真琴。
「冷たくて……柔らかい。
ねえ、貴女が氷のプリキュアなら凍らせしまってよ、私の思い」
「そ、そんなこと……」
奪い奪われ、唇を重ねたまま、あやまちへと転がり始める二人。
7.マナりつで【ここが良い / いじられて】× まこりつで【裏切れない / 想像しただけで】/ねぎぼう
『六花、ここが良いのね』
ロッカールームで真琴にいじらることを想像しただけでも
じんじんしてしまう自分がいる。
私の体はもう真琴のモノ?
でも、私はマナのことを裏切れない。
だから、せめて心はマナの所に置いていく。
体だけ真琴に差し出せば……
それで赦されると思っているの?
ひどい子だ、私。
8.六花に真琴は苦しげに笑って言いました。『大好きだよ』/ねぎぼう
六花に真琴は苦しげに笑って言いました。
「大好きだよ。でもね、父さんも、母さんも、王女様も……みいんな遠くに行っちゃったの。
だから、六花も……でも体だけの関係なら、会えなくなることなんてないって思ってた。
それなのに……」
「真琴……それってやっぱり勝手すぎない?私だって心があるのよ」
9.六花に真琴は切なげに目を細め言いました。『大好きだよ』/ねぎぼう
トランプ共和国と地球を結ぶ時空の隙間が狭くなる。
六花に真琴は切なげに目を細め言った。
「六花、大好きよ。なのに私は貴女を傷つけてばっかり。
きっとこれ以上貴女を苦しめないように時空が……」
「そんなことない!お願い、私をトランプ共和国に連れて行って」
「ダメ!貴女には……マナがいるから」
10.りつまこで【あやまち / 無邪気な笑顔で】/ねぎぼう
最初は愛を振り撒きすぎるマナへの当て付けのつもりだった。
今ではママの宿直の日に図ったかのようにやって来ては、
肌をかさねて、貪って……そうして夜が明ける。
そんなあやまちを重ねている私に、
マナはどうしてそんな無邪気な笑顔で愛してるって言ってくれるの?
愛を振り撒くにも、程がある。
最終更新:2015年02月04日 00:44