夏希◆JIBDaXNP.gの140文字SS【1】
1.【美希ちゃん主役になる】/夏希◆JIBDaXNP.g
「はい、頼まれていた物よ」
「ありがとう」
祈里が美希に数冊の本を手渡す。学園祭の劇に使うらしい。
「ブッキーは白雪姫だったね。美希たんは何がいいかな?」
「シンデレラ!」
せつなが即答する。
「アタシにはドレスが似合うからかしら?」
「慌てて靴を落とすところが、美希にピッタリだからよ」
2.【プリティでキュアキュア】/夏希◆JIBDaXNP.g
「ねえナナ、レイカ。もしもプリキュアに選ばれたとしたら、どうする?」
「そうねぇ。興味はあるけど、この歳であのカッコはキツイかな」
「同感。露出には抵抗ないけど、あのコスチュームは……ね」
ミユキは一人浮いた自分の姿を想像してゾッとする。四人目になったら、この二人には絶対に秘密だと。
3.【滑りました】/夏希◆JIBDaXNP.g
「タルト王子ばんざーい」って照れるがな。何々「一番恐ろしかった敵」やて? せやなぁ、やっぱ奴や。
手足が太くて、全身が筋肉の塊でな。頭がでっかくて、顔は皺だらけで、口には牙がビッシリ生えとってな。ワンワンって、恐ろしい唸り声を上げる化け物や。
「……」アカン、皆の目が笑ってへん。
4.【ピルンの想い】/夏希◆JIBDaXNP.g
「それにしても見事やったで。初めてとは思われへん」
タルトがラブの初戦闘を誉める。
「違うの。あの時は、まるで自分が自分でないようで」
「ピーチはんに代わって、何者かの意志が働いてたっちゅうことか」
“もう、あなたたちの好きにはさせない!”それは愛の妖精ピルンの、一度きりの誓いの言葉。
5.【攻守逆転?】/夏希◆JIBDaXNP.g
「せつな、あたしと初めて会った時のこと覚えてる?」
「ごめんなさい。私はイースだったから……」
「謝らないで。だって、『素晴らしい幸せが訪れる』って告げられて嬉しかったもの」
「私は、『別に占いなんて興味ないし、全然信じてないし』って言われて、少しショックだったわ」
「ごめんなさい……」
6.【美希の一言で】/夏希◆JIBDaXNP.g
「なんでワイがプリキュア探しに来なならへんねん。勘弁してほしいわ」
タルトに特別な能力は無く、戦いにも向いてないらしい。
その点、長老は自力で異世界に渡れ、姿を消す能力もあり、不思議な呪文も使えるのにと。
「つまり、役立たずってことね」
次の日からタルトは、芸の道に目覚めたという。
7.【熟れたてフレッシュ】/夏希◆JIBDaXNP.g
「熟れたてフレッシュって変かしら?」
「熟れるって、果物の一番いい状態よ。おかしくないわ」
せつなの呟きに祈里が答える。ラブと美希も頷いた。遅れてきたからこそ、彼女は誰よりも真剣だった。
「タルトもそう思うでしょ?」ラブが振る。
「名前からして変やのに、今さらやんか」
『タルトが言うな!』
8.【カオルちゃん】/夏希◆JIBDaXNP.g
「カオルちゃんは何でもできるのに、どうしてドーナツ屋さんなの?」
せつなの表情は真剣で、冗談なんて通じない。
「何でもできるから、やりたいことをするのさ」
ドーナツの向こう、彼の瞳が映すのは――
「そうか、わかったような気がする」
「この街だから、ね」彼女はそう言って、同じ穴を覗き込んだ。
9.【スイッチ・オーバー】/夏希◆JIBDaXNP.g
“スイッチ・オーバー” 湧き上がる高揚感。突き上げる破壊衝動。虎が兎より凶暴なのを、一体誰が責められようか?
心と体は繋がっていて、一方を強化すれば、もう一方も影響を受けるのだから。
ならば、プリキュアは何故?
その答えを知ったから、彼らは走る。心の闇を払った証、純白の衣装を身に纏って。
10.【ベリーソード】/夏希◆JIBDaXNP.g
「パッションハープって、見たままのハープよね」
「あたしのスティックも、ちゃんとロッドだよ」
「わたしのも、一応フルートになってると思う」
「何か言いたそうね?」
3人の視線がベリー“ソード”に集まる。
「わかってるわよ! どうせアタシだけ翼も違うし、ネタキャラなのよ」
今日も彼女は愛される。
最終更新:2015年02月04日 00:49