■秘境への手掛かりけちな盗みを働いた私を、明らかに堅気ではない男が追ってくる。多分この土地で暗躍する暗殺者だ。私が逃げた先は永い年月、不思議な形に浸食された、切り立った岩がひしめく峡谷だった。ここなら追ってこれまい。だがそう思わせること自体が彼らの罠だったと気が付くには、私はまだ若すぎた――。-ある青年の独白