異国の空から届けられたモノ

19話 異国の空から届けられたモノ

長嶺和歌子は小学生でありながら、犬科の獣との姦淫や露出行為に耽る、少し困った子であった。
友人の籠彩愛も巻き込んで日々快楽を愉しんでいた彼女は、彩愛と共に殺し合いゲームに巻き込まれてしまう。

「ちょっと待ってよぉ!」

廃村、その中に有るとある廃屋の中。
壁際に和歌子は追い詰められていた。相手は、かなり薄汚いオス犬。妖犬か魔犬の類であろう。
首輪をしておりデイパックも所持していたので参加者の一人のようだが、目の焦点は合っていない上ダラダラ涎を垂らし息を荒げているその様からは、
まるで知性を感じさせずまともに会話が通じそうには見えない。
その上、和歌子を憂慮させている事象が有った。

「何で発情してんの……」

オス犬は和歌子に欲情していた。
いきり立つ股間のそれがチラチラと見えていた。

「ウーッ! ウーッ! ***とっオシッコのニオイィ、した! ハァハァヤりたいー!」
「あっ……」

オス犬の言葉に、和歌子は先程その辺りで用を足した事を思い出す。どうやらその時の臭いを嗅ぎ付けたらしい。

「いやえーと待って下さい、あの、ちょっと今、そういう気分じゃないんで」

慌ててオス犬に訴える和歌子。
もしオス犬が小奇麗でまともに会話出来そうであったのなら割とあっさり行為に及んでいただろうが、
今目の前に居るオス犬はとにかく汚く何とも言えぬ悪臭を放ち、無理矢理「する」気も満々のようで、それよりも何よりも。

(何あれ、何か病気持ってるって! あんなの無理! あんなの入れられたら病気移されちゃう!)

オス犬のそれは幾つものイボが出来、明らかに何かの性病を患っているのが見て取れた。
そんな物を受け入れる勇気など和歌子には無い。いつも犬を相手にする時は清潔にしてから臨んでいたのだから。

「ガマンれきなぃいー」
「うわああ!」

逃げ出す間も無くオス犬が和歌子に飛び掛かる。
もう駄目だと和歌子は諦観した。

「〈~~~~~~~~!!〉」

その時突如響く青年の怒声。

「ギャンッ!?」

和歌子の身体に覆い被さっていたオス犬が引き剥がされ、2メートル程離れた壁に叩き付けられた。
建物が老朽化していたせいか壁には大きなヒビが入り建物が揺れ埃が天井から舞い落ちる。
何が起きたのか分からず目を白黒させる和歌子の視界に映ったのは、獣足の有翼獅子獣人の青年。
服を着ない種族なのか、ほぼ全裸の格好だった。

「いっだぁあ、ナンだよおまえっ!」
「ガアアアアアア!!」
「ヒッ……!」

牙を剥き出し獣の形相で威嚇する獅子青年。オス犬は耳を伏せ怯える。この時点で勝負はついたと言って良い。
負けを認めたオス犬は脱兎の如く逃げて行った。

「た、助かった……」
「〈~~~?〉」
「え、あの、何語……?」

話しかけてくる獅子青年であったが和歌子には理解出来ない言語であった。
察したのか青年は一度咳払いをして、流暢な日本語で喋り始めた。

「ごめん、大丈夫? 怪我してない?」
「あ、日本語出来るんですね……はい、何とか」

一先ず危機が去った事で安心しながら、和歌子は自分を助けてくれたらしい獅子青年と対話する。

◆◆◆

裸族でもある有翼獅子獣人種の青年、ウラジーミル・イリイチ・コスイギン。
ロリコンである彼は良質なロリ系のアダルト雑誌や漫画、ゲームやAV等を求めて来日していた。
その矢先に今回の殺し合いゲームに拉致され参加させられた。

ロリコンである事以外は基本的に善人である彼はj殺し合いには乗らず、
スタート地点近くの廃村を探索しようとしていたのだが、その時少女の悲鳴を聞く。
駆け付けてみると、汚い巨躯のオス犬に犯されそうになっている彼好みの小学校高学年位の人間少女が居た。
助けなければ、そう思いウラジーミルは飛び込み、オス犬を撃退し彼女を救助した。

断っておくが少女を助けた行動自体は純粋な気持ちからであり邪な意図は一切無い。

(〈……可愛い〉)

ただ、助けた後、落ち着いた上で改めて少女の事を見ると、本当に自分好みの可愛らしい子だと言う事を認識してしまい、
ほんの少しだけ、ほんの少しだけ、欲望が湧き出てしまっていた。
自制しつつ、ウラジーミルは長嶺和歌子と名乗った少女と対話を始めた。

◆◆◆

薄汚いオスの妖犬、タローは逃走の末、廃村の隅にある防火倉庫跡に隠れる。
人間の可愛い少女を欲望のまま犯そうとした時、突如現れた有翼獅子獣人の青年に邪魔され壁に叩き付けられた。
その時の身体の痛みがまだ残っている。

「ウッ、ウーッ、いてぇ……あの、ライオンやろう、めっ……コハル、どこぉ? ウーッ……」

自分をいつも優しく受け入れてくれた、神社の巫女の少女、布川小春の名前を呼ぶタロー。
タローと言う名前も小春が名付けてくれた物だ。
汚く、臭く、性病も抱え、知能も低い自分の事を受け止め、毎日のように肉体を交えていた小春。
彼女も自分と同じくこの殺し合いに巻き込まれており何とか再会したいとタローは願う。

「コハルとヤりたいよぉ! ハァハァハァハァ!」

己の股間のイボだらけの逸物をまさぐり息を荒くするタロー。
小春と再会したいという気持ちには、純粋に彼女を慕っていると言うのも有るのだが、性欲の方が微かに勝ってしまっていた。


【明朝/C-2廃村戸川家】
【長嶺和歌子】
状態:健康
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:死にたくない。あやちゃん(籠彩愛)と会いたい。助けてくれた人(ウラジーミル)と話をする。
備考:タロー(名前は未確認)を危険人物と判断。

【ウラジーミル・コスイギン】
状態:健康
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:殺し合いには乗らない。助けた少女(長嶺和歌子)と話をする。
備考:タロー(名前は未確認)を危険人物と判断。


【明朝/C-2廃村防火倉庫跡】
【タロー】
状態:身体に痛み
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:コハル(布川小春)と会いたい。交尾したい。
備考:長嶺和歌子、ウラジーミル・コスイギンの外見のみ記憶。



《キャラ紹介》
【長嶺和歌子】
読み:ながみね わかこ
年齢:11
性別:女
種族:人間
特徴:黒髪セミロング。年相応ながら魅力的な身体
職業:小学生
備考:犬科獣とのいやらしい行為や露出が趣味。
それを除けば明るく優しい少女。あまり頭は良くないらしく家庭科以外は軒並み成績が悪い。
友人の籠彩愛を自分と同じ道に巻き込みしょっちゅう一緒に犬科獣との遊びを愉しんでいる。
彩愛の事は「あやちゃん」と呼んでいる。

【タロー】
年齢:不明(おっさんらしい)
性別:♂
種族:妖犬
特徴:茶色と白のボサボサで薄汚れた悪臭を放つ毛皮、痩せ気味。いつも涎を垂らし知性が感じられない瞳。性病に罹患し陰茎に多数のイボ有り
職業:無職
備考:とある神社に住み着く汚い野良犬のオス。
その神社の巫女である布川小春と親密になり毎日のように交わり餌を貰い暮らしていた。
知能は低く欲望に忠実。小春の事は性欲の発散相手にしか見ていない、ようにしか見えないが一応慕っている。

【ウラジーミル・コスイギン】
年齢:21
性別:男
種族:有翼獣足型獅子獣人種
特徴:茶色い毛皮。ライオンを二足歩行にして少し人間寄りの体型にした上で竜のような翼が背中に生えたような外見。裸族
職業:不明(相当の収入は有る様子)
備考:ロシア風国家より日本風国家への旅行途中に今回のロワに巻き込まれる。
フルネームはウラジーミル・イリイチ・コスイギン。
重度のロリコンであり、日本にやってきたのも良質なロリ系エログッズを集める為。ロリコンである事を除けば善良。
裸族である為服は基本的に着ない。母国語の他に日本語や英語が出来る。



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ゲーム開始 長嶺和歌子 次:心と身体は乖離、狂宴に気もそぞろ
ゲーム開始 タロー 次:浅い眠り続いていた
ゲーム開始 ウラジーミル・コスイギン 次:心と身体は乖離、狂宴に気もそぞろ
最終更新:2016年05月06日 13:05