山林の戦い!襲い来る謎の襲撃者!!

~グリフ大陸・アイラッド村への山道~
山道の下は見渡す限り木々に囲まれた樹海のようになっている。
そんなところに迷い込んだら生きて帰ることはできないだろう。だが彼らはそんなところに図らずとも迷い込んでしまった…というよりも突き落とされてしまったというのが正しいだろう。
にろく「大丈夫か…?」
ナル「なんとかね」
突然の落石により山道から突き落とされたにろくたち。
メルト「こうして生きているのが不思議なくらいです!」
きゅっぱにろくの能力がなかったら危なかったな」
にろくの能力『プラグオン』により高級ワックスを展開し、落下時の衝撃をギリギリまで減らすことで一命をとりとめた一同。
にろく「あの時使った高級ワックスが残っていたおかげだな」
ナル「不幸中の幸いだね」
きゅっぱ「だがこれからどうする」
あたりは木々に囲まれ方角もわからない。
メルト「私たちがいた山道はだいぶ上の方ですね」
山道には戻れそうにもなさそうだ。
にろく「進んでいくしかなさそうだな」
もう日も沈んだ夜。にろくたちは当てもなく山の中を進んでいく。

それからどれだけの時間がたっただろうか…

メルト「はぁ…はぁ…」
疲労の色が見える一同。
ナル「このままでは…まずいかもね」
あてもなく進む彼らを疲労が襲う。
きゅっぱ「ちっ…」

ドン!!

突如あたりに地響きが起こる。かなりの衝撃だ。
にろく「なんだ!?地震か!」
???「人の気配がすると思って山道から降りてくれば…あたりだったな」
にろくたちの前に茶色の長髪を持つ男が現れる。
ナル「あの高さから降りてきただって?それにあの音…」
まさか目の前の男は山道からジャンプして降りてきたのだろうか。
???「こんなところに人がいるとはな…」
???「今の私たちにはちょうどいい餌だな」
茶色の長髪を持つ男の後ろに男と右腕のない女性が現れる。
にろく「なんだ…こいつら…」
こんあなところに人がいるなんておかしい。
きゅっぱ「なにかまずい気がするね…」
ダグザ「さーて。久々の戦いだ。腕ならしにはちょうどいいな。いくぞ、ルー、ヌアザ!」

スッ!

ダグザとルーの前に出るヌアザと呼ばれる右腕のない女性。
ダグザ「なんだ?」
ヌアザ「人間4人の相手など私一人で充分。任せていただこう」
ダグザ「そうか。ならばお前に任せるヌアザ!」
メルト「あの人たちやる気みたいですよ!」
ナル「くっ!こんなところで…いったいなんなんだ!」
今は体力を消費している場合じゃあない。一刻も早くこの山を抜けないといけないのに。
ヌアザ「参るぞ!」
ヌアザは左の腰につけている鞘に納められている剣をそのまま鞘ごと構える。
にろく「なんだあいつ?鞘をつけたまま剣を振るう気か?」
きゅっぱ「どういうつもりだ…」
ヌアザ「いくぞ!」
鞘をつけたままの剣を左手で持ち、にろくたちへと斬りかかるヌアザ。
ナル「くっ!」

ガキン!

宝剣でヌアザの攻撃を受け止めるナル。
ヌアザ「まだまだ!」
ヌアザは何度も鞘付きの剣でナルへと斬りかかる。

ガキン!

ガキン!

ガキン!
ナル「なんて力だ!」
女生とは思えないほどの力による連撃に辛うじて受け止めるナル。だが山の中を進んできた疲労もあり、ナルの体はがたが来ていた。
ナル「うっ…!」
態勢を崩すナル。
ヌアザ「好機!」
ヌアザの剣戟がナルを襲う。
ナル「まだ!やられはしない!」
ナルの宝剣からエネルギーの球が放たれる。
ヌアザ「なに!?」

ボン!

ヌアザの周辺が煙に包まれる。ヌアザに当たり爆発するエネルギーの球。
メルト「さすがです!魔導書の力ですね!」
ダグザ「ほぅ」
煙の中から姿を現すヌアザ。
ヌアザ「人間がこのような術を使うとはな」
ヌアザにはダメージがないようだ。鞘付きの剣で防いだのだろうか・
ナル「あの距離からの魔導を防ぐなんて…」
ヌアザ「今度はこちらの番だ!」
ナルへと襲い掛かろうとするヌアザ。
メルト「閃光弾(シャングァンダム)!」
ヌアザ「ぬぅっ!」

ボン!

光の球がヌアザへと直撃する。メルトの魔導書による攻撃だ。
メルト「これでどうです!」
ヌアザ「この程度!生ぬるい!」
標的をメルトへと替え襲い掛かるヌアザ。
メルト「ひ、ひえぇぇ!効いてない~~!!」
きゅっぱ「ったく!」

ゴン!

きゅっぱの蹴りがヌアザの脇腹に直撃する。
ヌアザ「ぐっ!」
にろく「はあぁ!」
にろくによる蹴りの追撃が放たれる。
ヌアザ「ぐふっ!」
ひるむヌアザ。
にろく「甘く見るなよ!」
ヌアザ「くっ!」
ダグザ「苦戦しているようだなヌアザ」
ルー「手を貸すか…」
ヌアザ「人間相手に遅れはとらない!お前たちは見ていろ!」
ヌアザは鞘付きの剣を腰に納める。
きゅっぱ「なんだ?」
ヌアザ「人間もこの年月で進化しているようだな。だがこの力は受けきれまい」
剣の柄を左手で握るヌアザ。
ヌアザ「ぬぅぅぅん!」

ギギギギギ!!!

凄まじい音を立てながら鞘から剣を引き抜こうとするヌアザ。
メルト「なんですこの音!?」
にろく「鞘と剣の大きさがあってないんじゃないのか!?」
そう思うほどの激しい音が辺りに響きわたる。
ダグザ「ヌアザの奴…やる気だな」

ギギギギギ!!!

激しい光を放つ鞘と剣。徐々にだが鞘から剣が引き抜かれていく。
メルト「あいつ隙だらけですよ!今がチャンスです!」
攻撃を仕掛けようとするメルト。だが…

ガッ!

その首元を誰かがつかむ。
メルト「ぐえっ!」
ナル「待ってメルト。」
それはナルだった。
メルト「何をするんですか!」
ナル「なにかまずい気がする…」
にろく「その意見には同感だな…と言っても俺も勘だがな」
きゅっぱ「奇遇だね。あたしもそう思うよ」
多くの修羅場を潜り抜けてきた彼らが言うのだ。勘とも言えどそれには信憑性がある。
メルト「でも今がチャンスなんですよ!」
ヌアザ「くうぅぅぅ!!」
ヌアザはそんな彼らのこともお構いなしに鞘から剣を引き抜く作業を続けている。今にも鞘から剣が引き抜かれそうだ。
ルー「そろそろだな…」
メルト「あたしがあいつを倒して見せます!」
ヌアザへと攻撃を仕掛けようとするメルト。だがその直後!
ヌアザ「我が至宝の力を受けよ!クレイヴ・ソリッシュ!」

ガキィィン!!

鞘から剣が引き抜かれる。
ナル「メルト!」
メルト「えっ…」

ドゴオォォォン!!!

凄まじい轟音と共に光が一直線に山の中を駆け抜ける。その光は木々をなぎ倒し更地の道を作り出した。
ダグザ「相変わらずの威力だな。だが餌ごと消し飛ばしてしまうのは考え物だな」
ヌアザ「やりすぎたか」
ダグザ「ちょうどよく餌が手に入るかと思ったが仕方ない。いくぞ」
ヌアザは剣を再び鞘に納める。そしてダグザたちはその場を後にした。

にろく「はぁ…はぁ…」
きゅっぱ「危なかったな…」
ナル「大丈夫かい…?」
メルト「は、はい~~!!」
間一髪メルトを掴み、木陰へと隠れていたにろくたち。息を潜めている間にダグザたちはいなくなっていた。
にろく「なんなんだ…あいつらは?」
きゅっぱ「まったく想像もつかないね」
ナル「あいつらは僕たちのことを見て餌と言っていた…。人ではない何かなのか?」
メルト「でも外見は普通の人間と変わりませんでしたよ」
ナル「そうだね。それも含めた謎だらけだ…」
にろく「ケビン・ロダスのことを追っていたら、こんな奴らに出くわすとはな…」
きゅっぱ「いったいどうなっているんだか…」
ナル「なんにしてもまずはこの山を下りるのが先決だね」
先ほどのヌアザの攻撃で開けた道を見るナル。その先には平地が見える。
ナル「ここを通って行けば山を抜けられそうだ。いこうか」
にろく「あぁ。だが慎重にな。さっきの奴らがまだ近くにいるかもしれないからな」
先ほどの戦闘で思い知ったが今の疲弊している状態のにろくたちでは到底勝てる相手ではない。奴らと再び出くわさないのを祈るのみだ。
きゅっぱ「じゃあいくか」

こうしてにろくたちは下山を再開した。
にろくたちの前に現れ、驚異的な力を示したダグザたち。彼らの目的はいったい…

to be continued

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最終更新:2017年07月25日 20:10