目覚めた場所は!戦友たちとの再会!

~カリナン公国~
にろく「…ここは?」
ベッドの上で目を覚ますにろく。そこは見知らぬ場所だった。
ナル「目が覚めたんだねにろく
ナルがにろくの元に近寄ってくる。
にろく「確か俺たちは…」
アイラッド村からの帰り道に突如現れた謎の襲撃者によって疲弊し、山を抜けたところから記憶がない。
ナル「僕たちはあそこで力尽き倒れていたんだよ」
にろく「メルトときゅっぱは?」
ナル「別室で寝ているよ。」
2人も無事らしい。
にろく「…ということは俺たちはだれかによってここに運ばれてきたというわけか。ここはどこなんだ?」
ナル「ここはカリナン公国。彼らの故郷だよ」
にろく「彼ら?」
ナル「そう。彼らス…」

バン!

突如部屋の扉が勢いよく開かれる。
スライ「おぉ。にろくも目を覚ましたんだな」
トニー「お久しぶりです!」
扉の向こうから現れたのはスライとトニーだった。
にろく「スライ!トニー!」
ナル「ここはスライとトニーの故郷だよ」
スライとトニーの故郷カリナン公国はグリフ大陸の西部に位置する。にろくたちが倒れた地点からは比較的近い位置にあった。
にろく「お前たちが助けてくれたのか」
スライ「いいや。にろくたちを助けたのは俺たちじゃない。」
にろく「なに?」
カリナン公国に他に知り合いはいないはず…ではいったい誰がにろくたちを助けたのだろうか。
ナル「僕も聞いて驚いたよ。僕たちを助けてくれたのがあの2人だなんて」
にろく「あの2人…?」
スライ「あぁ。俺も驚いたよ。あいつらがにろくたちを連れてくるなんてな」

~数日前・カリナン公国~
辺りも静まり返る深夜。

バン!

突如開かれるスライとトニーの住む家の扉。
トニー「なんです!?」
スライ「お前らは!?」
そこにいたのは2人の見知った人物であった。
ルージュ「はぁ…はぁ…やっとついたわ…」
息も絶え絶えな様子のルージュ。彼女の姿がそこにはあった。
トニー「どうしたんです?…んっ?」
よくよく見ると彼女は何かを背負っているようだ。
ルージュ「もう…限界…」

ドサッ!その場に倒れるルージュ。倒れた拍子に背負っていた者が姿を見せる。
トニー「えっ!?」
スライ「にろく、ナル!」
それは意識を失ったにろく、ナル、きゅっぱ、メルトの4人だった。
スライ「いったいこれは…」
ロン「物語はグッドエンドに導かれた。俺が説明しよう」
扉の陰から姿を現すロン。
トニー「どういうことです?」
ロン「俺たちが平原での演習中、この4人を見つけた。見知った顔を捨て置くのは気が引けたんでな」
スライ「そうだったのか…だがなんでグリフ大陸ににろくたちが…」
ロン「理由は俺にはわからない。」
トニー「礼を言います、ロン。」
ロン「これで1つ貸しだな。じゃあ、あとは任せたぞ」
その場を去ろうとするロン。

ヌッ!!

そんなロンの前に誰かが立ちはだかる。
ルージュ「待ちなさいロン!」
それは力尽き倒れたはずのルージュだった。
ロン「なっ!もう体力を使い果たし立ち上がる力もないはず…はっ!」
空を確認するロン。そう今夜は満月の夜。そして…
ルージュ「午前零時。今は私だけの時間よ」
ルージュからものすごい殺気がロンに向けられる。

ゴゴゴゴ!!

ルージュ「よくも私1人に4人も運ばさせたわねロン…」
ロン「い、いや~…喧嘩は良くないよルージュ」
ルージュ「まずはその口を閉じてもらおうかしら」
ロン「!!……」
ロンが言葉を発せなくなる。
ルージュ「私の「シンデレラタイム・テンミニッツ」の前には誰も逆らえない。さ~て残り9分…あなたにされたこの仕打ち…どう返しましょうか」
ロン「!!!!」
ルージュに引きずられいずこかへと消え去るロン。
スライ「…」
トニー「…」
その光景にあっけにとられ沈黙する2人。
トニー「はっ!と、とにかく今はみんなの救助を!」
スライ「あ、あぁそうだな!」
あわててにろくたちのことをベッドへと運ぶ2人。こうしてにろくたちは一命を取り留めたのである。

~そして今に戻る~

にろく「ロンとルージュとかいったか…あいつらが俺たちを助けてくれたのか…」
ナル「命の恩人だね」
スライ「まぁ実質ルージュ1人で運んできたみたいだけど…」
トニー「ま、まぁそれはさておきなんでみなさんがグリフ大陸に?」
にろく「それは…」

事のいきさつを2人に話すにろくとナル。
EGOを名乗る死んだはずのケビン・ロダス。
その正体を探るために行ったアイラッド村の帰り道で遭遇した謎の襲撃者。

スライ「そんなことが…」
ナル「結局ケビン・ロダスの正体もつかめなかったしね」
トニー「あれ?」
スライ「どうしたトニー?」
トニー「う~ん。なんかその名前聞いたことがある気が…」
にろく「本当か!?いったいどこで?」
トニー「ん~…あっ!思い出しました!」
何やら部屋をあざこざするトニー。
トニー「これですよ!」
それは新聞だった。
にろく「これは…」
そこにはグリフ大陸支部の襲撃事件が記されていた。
ナル「僕たちが倒れている間にこんなことが…」
スライ「だけどグリフ大陸支部は無事みたいだな」
トニー「はい。襲撃者たちはグリフ大陸支部のEGOにより撃退されたそうです。ですが気になる点はその後です」
記事を読み進める一同。
トニー「襲撃者のリーダー格と思われる男は自らのことをケビン・ロダスと名乗っていたそうです。」
にろく「ケビン・ロダスだと!?」
ナル「僕たちの追っていた男だね」
スライ「でもこの記事によるとそいつは勝てないのを悟って自爆したみたいだ」
にろく「死んだということか…」
トニー「そういえばもう一つ気になる記事があるんですが…」
ページをめくるトニー。
トニー「つい最近の事みたいですが…」
EGOの隊員がEGOを名乗る謎の部隊に襲撃されたという記事だ。EGOでは現在このEGOを名乗る集団の情報を求めているそうだ。
にろく「EGOを名乗る集団…」
それはあのケビンにも当てはまる。
ナル「もしかしてケビン・ロダスはこの集団の一人だったのかもしれないね」
にろく「その可能性が高そうだな」
トニー「この記事と2人の話から推測するとそうかもしれませんね」
スライ「だがケビン・ロダスはもういないんだろ?これ以上調べる意味があるのか?」
ナル「そのことなんだけど…」
トニー「どうしたんです?」
ナル「EGOの力を過小評価するわけではないけれど、にろくたちの拘束を抜け出し、逃走したほどの男がこんな簡単に死ぬとは思えないんだよね。」
にろく「奴と戦った俺からすればあそこまでして逃げるあいつがそう簡単に自爆をするとは思えない…」
スライ「じゃあケビン・ロダスはまだ生きているっていうのか?」
トニー「そうかもしれませんね」
スライ「トニー?お前もか!」
トニー「2人の話だとケビンはあのネオの手下だった可能性が高いです。」
わざわざ他支部の応援にネオが向かわせるほどの。
トニー「あのネオですよ?そんな彼が従えていた人物ならばそう簡単にくたばるとは思えない」
スライ「ん~そういえばそもそもケビンはEGOに所属しているときに死んでいたとか言っていなかったけか?」
ナル「そうだね。記録ではグリフ大陸支部のアイラッド村での調査で…あっ!」
何かに気づくナル。
にろく「どうしたナル?」
ナル「ネオが調べていたアイラッド村の秘密…わかったかもしれない」
トニー「それは…?」
ナル「僕たちを襲ってきた襲撃者…あれってアイラッド村を出てすぐの山道から落ちたところだったよね?」
にろく「確かそのはずだ」
ナル「だとすれば彼らはどこから来たんだろうね?」
スライ「もしかして!お前たちを襲撃したのはアイラッド村の奴だったっていうことか!」
珍しく冴えているスライ。
ナル「そうだろうね。あの山奥だ。他に近くに村や町もないだろうし。」
トニー「だけどそれがどうつながるんですか?」
きゅっぱ「ネオがネルティアとケビンを使って調べていたのはアイラッド村のあの連中のことだったというわけだろ」
きゅっぱとメルトが部屋に入ってくる。
スライ「目が覚めたんだな」
きゅっぱ「あぁ。おかげさまでな。礼を言うよ」
メルト「助かりました!」
にろく「で話を戻すと俺たちを襲った3人のことをネオが調べていたというのは…?」
ナル「ネオは未元獣という力を使っていた。僕たちを襲撃した3人。あの力はとてつもない力だった。」
疲弊していたとはいえ、にろくたちのことを圧倒した襲撃者。その力は底が知れない。
ナル「力を欲していたネオはあいつらのことを知り、その力を手に入れようと調査していたんじゃないかな?」
トニー「そう考えるとあんな辺境にあるアイラッド村の調査をしていたことにも納得がいきますね」
メルト「私たちがあの村に行ったときにはあんな連中いなかったんですけどね…」
きゅっぱ「そこもふくめてアイラッド村とあの連中について調べてみる必要がありそうだな」
ナル「そうだね。ケビンの正体よりもまずはアイラッド村の方を調べてみる方が答えに近づけそうだ」
にろく「じゃあもう一度あそこに向かうんだな?」
ナル「そうだね。アイラッド村…あそこに手がかりがあるはず」
再びアイラッド村に向かう決意を固める一同。

バン!

スライとトニーの住む家の扉が激しく開かれる。
決意を固めた一同の前に現れたのは…

ロン「大変だ!」

スライ「ロン!」
ロンだった。その顔は膨れ上がり、全身にダメージを負っているようだった。
ロン「カリナン公国に襲撃者が現れた。公国の騎士たちがまるで歯が立たない…スライ、トニー。お前たちの力も貸してくれ!」
スライ「さっそくこの間の借りを返す時が来たわけだ!」
トニー「ロンのその傷…襲撃者たちにやられたのですか?」
ロン「俺はまだ襲撃者たちにはあってはいない…これはルージュにやられた…」
トニー「あっ…」
先日のことを思い返すトニーとスライ。
スライ「大変だったんだな…」
ロン「あぁ…だが今はそんなことより襲撃者たちだ」
にろく「俺たちも力を貸す!」
ナル「助けてもらったお礼をしないとね」
メルト「そうですね!」
きゅっぱ「恩は返すよ」
ロン「助かる。襲撃者は3人だそうだ」
スライ「3人!?たった3人でうちの騎士たちを圧倒しているっていうのか!?」
ロン「そうだ…だから一大事なんだ」
にろく「3人だと…」
メルト「私たちを襲ってきた奴らも3人でしたね」
きゅっぱ「襲撃者たちの映像は?」
ロン「ここにある」
ロンの持つ携帯端末に映し出される映像。そこには3人の襲撃者たちが写っていた。
にろく「こいつらは!」
にろくたちには見覚えがある顔だった。
ナル「あの時の!」
アイラッド村からの帰路で遭遇したあの3人だ。
メルト「なんであいつらが!」
ロン「理由はわからない…急に現れて暴れ始めたんだ」
きゅっぱ「だがチャンスかもな」
にろく「あぁ。アイラッド村に行く手間が省けた」
ナル「ここであいつらを捕えられればね!」
トニー「気を引き締めていきましょう!」
スライ「いくぞ!カリナン公国を好きにはさせない!」

一同は襲撃者を迎え撃つためその場を後にする。
突如カリナン公国を襲撃してきた3人。彼らの目的はいったい…


to be continued

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最終更新:2017年08月09日 20:12