~カリナン公国~
カリナン公国騎士「うわぁ!」
吹き飛ばされる騎士。
ヌアザ「鍛錬が足りぬ」
ダグザ「本当にここにあれがあるのか?」
ルー「あれの反応は途絶えている…だが情報では騎士のいる国にあれがあるはず。」
ダグザ「
ダーナにジジイたちが伝えた情報か。あれは騎士のいる国に保管されていると言っていたな。」
ルー「私たちを退けたあいつが造った国…だったな」
ヌアザ「ダリウス…奴が造った国か。」
ダグザ「この時代に奴はもういない!俺たちを止めれる奴もな!」
ルー「目標を回収する…」
ヌアザ「御意!」
ルーとヌアザが散開する。それぞれに目標を探すようだ。
ダグザ「さーて!だれが最初にあれを見つけるかな!」
シュン!
ダグザ「なんだ!?」
突如ダグザに向けて光の結晶が飛んでくる。
ザシュン!
ダグザに突き刺さる光の結晶。
スライ「先手必勝だ!」
メルト「さっすが~!」
ダグザの前に現れたのはスライとメルトであった。
ダグザ「この俺に攻撃してくるとはいい度胸だな」
光の結晶が突き刺さっているダグザはピンピンしている。
メルト「き、効いてないですよ!?」
スライ「なんだこいつ!?」
ダグザ「ん?」
メルトの方に目をやるダグザ。
ダグザ「お前は…ヌアザの攻撃を受けて生きているとはな。大したやつだ。ならば俺がお前の生命を喰らってやる!」
メルト「ひ、ひぇぇ!な、なんだか私が狙われているんですけど!」
スライ「ちっ!いくぞメルト!」
メルト「は、はい!」
~~~
ヌアザ「あれはどこに…」
辺りを探索するヌアザ。
ピカン!
上空が光り輝く!
ヌアザ「なんだ?」
ドゴォン!
その直後ヌアザに向けて雷が落ちる。
トニー「ライトニングボルト!どうです?」
きゅっぱ「雷を操る能力…強力だな」
ヌアザ「確かにな…だが…」
ヌアザは鞘付きの剣で雷を受け止めていた。
トニー「あの一瞬で反応した!?」
きゅっぱ「なんつう反射神経してやがる…」
ヌアザ「あの時の奴か。生きていたとはな」
きゅっぱ「おあいにく様。まだ死ぬわけにはいかないんでね!」
ヌアザ「いいだろう。今度こそ貴様に死を与えてやる」
トニー「手ごわそうな相手ですね…」
~~~
ルー「…」
ルーの前にはにろくとナルが立ちはだかっていた。
ルー「生きていたか…」
にろく「そう簡単にくたばるわけにはいかないんでな!」
ナル「なんでカリナン公国を襲うんだ?」
ルー「お前たちには関係のないことだ…」
ナル「答えるつもりんはないか…ならここでお前を捕えてお前たちの目的とアイラッド村の秘密を暴かせてもらうよ!」
ルー「…そうか。できるものならやってみろ」
右手を前に構え手を開くルー。
ルー「『ルイン』」
キュイン!!
ルーの手の中に槍が生成される。
にろく「槍使いか…」
ナル「リーチでは僕の宝剣の方が不利…でも!」
にろく「サポートは任せろ!」
ナル「うん!」
ルー「…いくぞ」
槍を構え2人へと襲いかかるルー。
ガキン!
宝剣でその槍を受け止めるナル。
ナル「ぐっ…なんていう力だ!」
ルーの想像以上の力に押されるナル。
にろく「『プラグオン』!」
地面にプラグを突き刺すにろく。そのプラグからドロドロのワックスがまき散らされる。
にろく「最後の高級ワックスだ!」
ナル「はっ!」
地面を蹴り、空中からルーの槍を押さえつけるような態勢をとるナル。
ワックスがルーの足元へと迫る。
ルー「粘性の液体…こちらの足を取るつもりか…だが…」
ナル「なっ!?」
ルーは体を回転させながらナルの剣をいなし、そのまま槍を地面へと突き刺す。
ルー「ふん!」
地面に突き刺した槍を棒高跳びの棒のように使い、空高く飛び上がるルー。
にろく「なんだと!?」
ルー「消えろ『ルイン』」
その呼びかけに応じるように地面に突き刺さった槍が消滅する。
ルー「『ガエ・アッサル』」
キュイン!
ルーの手の中に先ほどとは違う槍が出現する。
ルー「はぁ!」
それを
にろくへと向けて投合しようとするルー。
にろく「くっ!」
ボン!ボン!
突如にろくの眼前の地面が爆発する。
ナル「やらせないよ!」
それはナルが仕掛けた時限式の魔導だった。それによっておきた土煙によりにろくとナルの姿が見えなくなる。
ルー「身を隠したか…だがそれはこの『アッサル』には無意味」
ブン!
土煙にかまわず槍を投げるルー。
ルー「命呪イヴァル」
ギュィン!
投合された槍は軌道を変える。それは姿が見えないにろくを的確に狙っていた。
にろく「なんだと!?」
ナル「槍自身が追尾してくるなんて!」
ザシュン!
槍が突き刺さる音が聞こえる。
ルー「これで1人…」
ナル「うおぉぉ!」
土煙の中からナルが宝剣を構え飛び出してくる。
ルー「仲間がやられ激昂したか…命呪アシヴァル」
ブン!
土煙の中からさきほど投合された槍がルーの手元へと戻ってくる。
ガキン!
ナルの宝剣を槍で受け止めるルー。
ナル「よくも!」
ルー「戦場で冷静さを欠けば、それは死につながる」
ポワン!
唾づり合いを続ける2人の足元に突如シャボン玉のような球体が現れる。
ルー「なんだ…?」
ナル「くらえ!」
ボン!
爆発するシャボン玉。それはナルとルーの2人を巻き込みあたり一体を粉塵が包み込む。
ルー「土埃で視界を奪うか…」
ナルの姿は土煙の中に隠れ見えない。
ルー「命呪イヴァル」
槍を正面に投げるルー。
ルー「我が槍からは逃れられない…ん?」
槍は方向を180度転回しルーの元へと槍先を向け飛んでくる。
ルー「なに!?」
ギュィン!
ルー「くっ!命呪アシ…」
ナル「やらせないよ!」
ルーの背後からその口を塞ぐナル。
ルー「んぐっ!(まさか俺の背後に!こいつ気配を消せるのか…)」
ナル「この程度、気を操るのには慣れているんでね。必中の槍。これで攻略させてもらうよ!」
先ほどのルーの行動から槍はルーの言葉に反応しているのを確信したナル。
ルー「でも僕はくらう気はないからね!」
槍が突き刺さる直前で回避するナル。
ザシュン!
ルーの腹部へと突き刺さる槍。
ナル「これで…!」
ルー「ぐっ…ふん!」
ルーは自身の腹部へと突き刺さった槍を引き抜く。
ルー「なかなかの策士だな…激昂しているように見せかけ冷静に状況を分析しているとは…」
ルーは痛がる様子もなく平然としている。
ナル「なっ!?自分の体を槍が貫いているのに…」
ルー「だが分析が足りなかったな。この程度では俺は倒せない」
ナル「…これほどとは…」
ルー「覚悟を決めろ…お前もともに仲間の元へ送ってやろう」
砂煙の中に人影が見える。
ルー「お前は!?なぜ…」
にろく「さぁ?なんでだろうな」
それはにろくだった。ルーの槍が直撃したはずの彼がそこにいたのだ。
ナル「待ってたよにろく。準備はできたんだね」
にろく「あぁ。少々探すのに手間取ったがな」
ルー「どんな手品を使ったが知らないが姿が見えれば!命呪イヴァル!」
槍を投合するルー。
ナル「もう僕たちの勝利は確定している!にろく!」
にろく「あぁ!」
シャボン玉が地面から出てくる。
ルー「先ほどの爆発か…そんなもので我が『アッサル』は止められない」
にろく「止めるのはその槍じゃあない」
ナル「お前の方だ!」
ナルのすぐ横へと身を寄せるにろく。
ナル「地のマナよ!僕らを覆え!」
ゴゴゴ!!
ナルとにろくの足元から地面がせり出し、2人を覆うようにドーム状に土の壁が形成される。
ザシュン!
土の壁に突き刺さる槍。
ルー「俺の槍を防いだのはこれか!」
ナル「そうだよ。これでお前の必中の槍を防いだのさ。土煙に覆われてにろくのことを確認できなかったお前はそのまま槍を戻してくれたからね」
ルー「だが防ぐことはできても…」
にろく「なんのためにお前に隠れて俺が暗躍していたと思っているんだ?」
ルー「なに…?」
ナル「いくよ!」
ボン!
シャボン玉が爆発する。
ルー「それがどうした!」
にろく「こうなるのさ!」
辺りを覆う土煙の中によくみると違う粉塵が混じっている。それはシャボン玉の爆発に導かれるように激しい爆発を引き起こす。土煙に囲まれたあたり一帯が激しい爆炎に包まれる!
ドゴォン!!
ルー「なっ…」
爆炎に巻き込まれるルー。
にろく「俺が集めていたのは可燃性の粉末。それを土煙に混じらせ、辺りに充満させた」
ナル「この状況で爆発を起こせば…起きるのは…」
粉塵爆発。その衝撃は計り知れない。
ゴゴゴ!!
土の壁を解除し出てくるナルとにろく。その前には全身が黒く焼け焦げたルーがうつ伏している。
ナル「やりすぎたかもね…」
にろく「さすがにこれだけの衝撃…もうこいつは…」
本来なら捉える予定だったがこうなっては仕方がない。
ルー「くっ…」
ナル「えっ…まさか!?」
黒く焼け焦げた状態で立ち上がるルー。
にろく「この状態でまだ生きているというのか!?」
ルー「まさか今の時代にこれほどの力をもつ者たちがいるとはな…」
ナル「今の時代?それは…」
ルー「復活したばかりのこの状態とはいえ…俺をここまで追い詰めたお前たちに敬意を表する。いずれお前たちとは決着をつける」
シュン!
一瞬にしていずこかへと姿を消すルー。
ナル「やっぱり普通じゃないね…」
にろく「あぁ。あれだけの傷を負ってもまだ生きているなんて…」
ナル「それにあいつの言っていた今の時代って…」
にろく「復活したとも言っていたな」
ナル「それが何かのヒントになればいいけど…」
ルーを捕えることには失敗したが戦いには勝利したナルとにろく。だがカリナン公国を襲う脅威はルーだけではない。
残る2人と対峙するメンバーは果たしてその脅威を退けることはできるのだろうか
to be continued
最終更新:2017年08月11日 20:42