目覚めた十也!ミストラルシティ奪還へ急げ!

~飛行戦艦ゲネシス・格納庫~
マードック「十也。君にこれを渡そう」
十也「これは…」
十也の目の前にはバイクがある。
マードック「これは僕が君専用に開発したバイクだ(といっても正確にはここでシュウとともに改善した結果だいぶ性能が向上したけれども)」
十也「このバイクでミストラルシティへと向かえって事か?でもここは空の上なんだろう。バイクは地上を走るものだ。どうやって…」
シュウ「その点は問題ありませんよ」
格納庫にシュウが入ってくる。
十也「どういうことだ?」
シュウ「空中からの降下用のバリュート装置を取り付けています」
マードック「というわけだ」
十也「俺がここからミストラルシティに向かうのは完全にお見通しだったな。そこまで準備してあるとは…」
マードック「僕も乗せていってもらうよ」
十也「わかった」
バイクにまたがる十也とその後ろに乗るマードック。
シュウ「では格納庫のハッチを展開します」

ゴゴゴゴ!

戦艦のハッチが開き風が格納庫へと流れ込む。
十也「いくぞ!」
マードック「シュウ。助かったよ。あとは僕たちで何とかしてみせる」
シュウ「いえこちらこそ。御武運を祈ります」

ブォォン!!

勢いよくエンジンをふかし空中へと飛び出すバイク。
シュウ(私が協力できるのはここまでです。頼みましたよ十也)

~モゴラ大陸空中~
十也「うぉぉぉ!!」
すさまじい風圧を受けながら降下していくバイク。
十也「このまま落ちていっていいのか?」
マードック「あぁ。まだだ。このまま降下してくれ。バリュート使用のタイミングになったら教える」
十也「よし!」
そして地面が近くなってきたそのとき
マードック「いまだ!」
十也「バリュート展開!」
バイクに備え付けられたモニターを操作する十也。

バシュンン!!

バイクから巨大なパラシュートが展開される。ゆっくりと減速しながら降下するバイク。

ダン!

そして地面へとバイクは着地する。

バコン!

バリュート装置が自動で外れる。
マードック「あとはミストラルシティを目指すだけだ」
十也「ところでドク。なんで俺はこのバイクの操作方法が頭に入っているんだ?」
バイクの操作方法を聞いた覚えがないのにスイスイと操作できる十也。それは彼自身も疑問に思っていた。
マードック「君が眠っている間に睡眠学習させたのさ。ほら今流行りのスピードラ○ニングというのと同じさ!」
十也「そ、そんなことでバイクが操縦できるようになるなんて…恐ろしい時代だな」
マードック「とにかく早くいくよ!」
十也「あぁ!」

ギュルルル!!

バイクを発進させ2人はミストラルシティへと向かうのであった。

~ミストラルシティとモゴラ大陸をつなぐ橋~
ツバメ「戦況は?」
EGOミストラルシティ支部隊員「カレン長官とコード・ウルズはミストラルシティ内に潜入した模様。にろく、きゅっぱ、結利の3名は敵と交戦中。ですが敵に押されているようです」
ツバメ「ミストラルシティ内に潜入できてもこのままではにろくたちが…」

ブォン!

モゴラ大陸のほうから轟音が響く。
ツバメ「なに!?」

キキキキ!!

ツバメの前に急ブレーキをかけバイクが現れる。
ツバメ「目が覚めたのね!」
十也「あぁ。遅くなったすまない」
マードック「戦況は?」
ツバメ「この橋とミストラルシティをつなぐ部分でにろくたちがトゥアハ・デ・ダナンと交戦中よ。でもにろくたちは押されているみたい」
十也「わかった!そこへ向かう」
マードック「僕はここでツバメさんと戦況把握に努める。後は頼んだよ十也」
十也「あぁ!」

~~~

にろく「くそ…」
息も絶え絶えなにろく、きゅっぱ、結利の3人。
ルー「どうした?もう終わりか」
ルーの持つ槍『アラドヴァル』から逃げるのが精一杯の3人。
きゅっぱ「まいったね」
結利「フリントブレードも一瞬で溶かされちゃう…」
ルー「だれから始末するか…ん?」

ギュォォォン!!

何かの音が聞こえる。
ルー「なんだ…」

ブォン!

突如ルーの上空へ何者かが飛び出してくる。
ルー「ふん!」
アラドヴァルを振るうルー。アラドヴァルの高熱が触れた物を溶かす。
十也「あぁ~~!!」
十也の乗るバイクのタイヤが溶かされてしまう。
にろく「十也!」
きゅっぱ「きたか…」
結利「待ってたよ!」
タイヤの溶かされたバイクはその場に倒れる。バイクから飛び降り体勢を立て直す十也。
十也「よう!待たせたな!」
ルー「天十也。わざわざ俺の前に現れてくれるとはな。ブレオナクを返してもらうぞ」
十也「ブレオナクはお前に渡さない!『ブラスト・リンカー』!!」

バシュン!

鎧を纏う十也。
十也「こいブレオナク!」

シュン!

十也の手にブレオナクが出現する。
ブレオナク『…十也。ルーの持つ槍アラドヴァルはすべてを溶かす高熱を先端部に持つ。あれには絶対に触れるなよ』
十也「あぁ!」
槍を構え十也へと迫るルー。
ルー「くらえ」
アラドヴァルを振るうルー。
十也「おわっと!」
それを避ける十也。
ルー「ふん。ブレオナクからこの槍のことを聞いたか」
十也「まぁな。その槍に当たるわけにはいかない!『ブレオナク・アンカー』!」

バシュン!

ブレオナクの先端部が勢いよく打ち出される。
ルー「ブレオナクを改良したのか!?それも能力がなせる技か。だが」
槍を構えるルー。
ルー「このアラドヴァルに触れれば意味のないこと」
十也「それはあくまで先端部だろ!」

バコン!

ブレオナクの4枚の刃が展開する。
ルー「なっ!」

ガキン!

展開した4枚の刃はアラドヴァルごとルーを挟み込む。
十也「どうだ!」
ルー「くっ!身動きが…とれん」
にろく「さすがだな十也」
結利「これであいつも…」
勝利を確信した一同。

ブレオナク『これは…まずい!十也!私を引っ込めろ!』
十也「えっ?なんで…」
明らかにルーは何もできない状態だ。この状況でブレオナクを解く意味がわからない十也。

シュン!

十也「えっ!?」
驚く十也。それもそのはずだ。ルーを拘束していたはずのブレオナクが一瞬にして姿を消したのだ。
十也「なにが…。ブレオナク!」
十也の呼びかけにブレオナクは応じない。
きゅっぱ「どうして十也の槍が消えたんだい?」
ルー「ふっ…」
不適に笑うルー。その笑みはこの状況がいかにして起きたかわかっているかのようであった。
ルー「予期せずしてわれらの手にブレオナクが戻ってくるとはな。だがそれほどにあちらも苦戦していたというわけか」
にろく「何を言っている?どういうことだ!」
ルー「ブレオナクを手にした今、どうでもいいことだ。教えてやろう。我らが首長であるダグザは至宝をその手に呼び寄せることができる」
結利「ダグザ?」
にろく「こいつの仲間だ。あいつがブレオナクを奪ったということか」
ルー「そういうことだ」
十也「ブレオナクをかえせ!」
ルー「もともとあれは我らが至宝。そもそもにして我らが所有するものだ」
十也「だったら…言い方を変えるぜ!ブレオナクをよこせ!」
結利「それじゃあただの泥棒じゃあ…」
きゅっぱ「よこせといってよこしてくれるならこいつと戦ってはないね」
ルー「そういうことだ。だがブレオナクを返してもらった礼はしよう」
結利「なにかくれるの?」
にろく「そんなわけないだろう!」
ルー「礼としてお前たちの命をいただいていく!」
きゅっぱ「まずいね…」
にろく「これではこいつに勝つ手段がない」
結利「十也のブレオナクも奪われちゃったし…」
十也「ちっ!ブレオナクもないのにどうすれば…」
アクセラレートシフトを使用したとしてもルーの槍に触れれば体が溶かされてしまう。十也たちに戦うすべは…

ピピピ!

十也の通信機に通信が入る。
マードック『十也!』
十也「ドク!」
それはマードックからであった。
マードック『状況は把握している。ブレオナクが使えないんだろ?だったらあのバイクを使ってくれ』
十也「でもバイクはタイヤが壊れて…」
ルーの攻撃によりタイヤが溶かされてしまったバイク。
マードック『大丈夫だ、問題ない。バイクのモニターに向かって音声入力するんだ』
十也「音声入力?」
マードック『そうだ。音声コードは…』
マードックから音声コードを聞く十也。そのとき!
ルー「天十也。お前の命をもらう」
十也を襲うルー。
十也「くっ!」

ジュッ!

その攻撃は十也の足を霞める。鎧を溶かされ足を火傷し倒れこむ十也。
結利「十也!」
十也「これじゃあ…まともに歩けもしない」
ルー「すんでのところでかわしたか。だが次はそうはいかない」
十也「ちっ…ん?」
倒れた十也の隣にはタイヤが破壊されたバイクがあった。
マードック『音声コードを入力するんだ!急げ!』
十也「これに賭けるしかない!音声コード!」
バイクのモニターが起動する。
バイクAI『声紋確認…天十也』
十也「コードG・R・N」
バイクAI『コード承認。Gamut・Resourceful・Nimble』
モニターに表示されるコード。
バイクAI『コードGRN(グラニ)』

ガキン!ガキン!

バイクが変形していく。
ルー「なんだ?」
十也「これは…」
変形したバイクの姿それは…
にろく「機械の馬…」
きゅっぱ「バイクが馬になりやがった!」
マードック『乗れ!十也!』
マードックに促されバイクが変形した馬に乗る十也。
ルー「足を手にしたか。ならばその足ごと消し炭にしてくれる」
機械の馬に向かって槍を振るうルー。

ヒュン!

だが機械の馬はその攻撃を軽々と避け宙を舞う。
ルー「ぬっ!ならば」
宙に浮いた機械の馬に向かって槍を投げるルー。
ルー「空中では姿勢を変えることは不可能だ。これで…」

タン!

だがルーの予想に反して機械の馬は空中を蹴るようにして槍を避ける。
ルー「なんだと!空を翔る馬だと…」
そのまま地面へと着地する機械の馬。
十也「なんなんだこれは…空中を蹴って移動するなんて…」
あまりの性能に驚く十也。
マードック『これがGamut・Resourceful・Nimble。グラニの本当の姿だ』
バイクモードは仮の姿。この馬を模した姿こそが真の姿なのである。
十也「空中を蹴るなんて凄いな!そんなものを作れるなんてドクはすごいぜ」
マードック『あ~…あれは…(シュウが改良を加えてくれた機能なんだよな。僕には理解できない技術をいろいろ盛り込んだみたいだけど…おかげで十也が助かった)』
ルー「鎧を纏い馬に跨る。まるで騎士のようだな。だが武器のない騎士では逃げ回ることしかできんか」
十也「くっ…(確かに奴のいうとおりだ。グラニなら奴の攻撃をかわすことはできても反撃するすべがない)」
マードック『ふっふっふっ…グラニの力を甘く見ないでくれよ。十也!コードGRAだ!』
十也「わ、わかった!」
いつもの雰囲気とは違いやけに自信満々のマードックに気おされながらもコードを入力する十也。
十也「コードG・R・A」
グラニAI『コード承認。Gamut・Resourceful・Arms』

バシュン!

グラニから剣が射出される。
グラニAI『コードGRA(グラム)』

パシュ!

剣を手にする十也。
十也「剣?」
それは剣にしてはもち手の部分がやけに長い。まるで槍の先端に剣を取り付けたかのような形をしている。
マードック『君用の武器Gamut・Resourceful・Arms。通称グラムだ』
十也「変わった武器だが…」
これでルーのアラドヴァルと対等に戦えることができるのだろうか。
マードック「この武器はシュウが開発してくれた武器だ。僕からもお墨付きだ。信じて使ってみてくれ」
十也「えぇい!なるがままだ!」
ルーに対してグラムを振るう十也。
ルー「そのような剣。このアラドヴァルで溶かしてくれる」

ガキン!!

鍔釣りあうグラムとアラドヴァル。
ルー「なに!?」
十也「あの高温で溶けない!?」
にろく「どうなっているんだ?」
きゅっぱ「いや…あれは!」
鍔釣りあっている用に見えるがよくみると十也の剣とルーの槍は触れてはいない。その間に空間ができている。
結利「どういうこと!?」
まるで磁石が反発しあっているかのような状態になっている。
マードック『シュウがいうには反重力制御装置というものを搭載しているらしい。それが物質との衝突時に作動し、このような状態になるそうだ』
十也「なんだかわからないがこれならいける!」
ルー「ふん」
距離を取るルー。
ルー「そう易々とは倒せないか。天十也。お前の相手をするのはまた今度だ」
十也「逃げるのか!」
ルー「目的を達成したついでにお前たちの命をいただこうかと思ったがそう簡単には奪えそうになさそうなんでな。今は我々の目的のほうが先だ」

シュン!

姿を消すルー。
十也「くそっ!ブレオナクも奪われてしまった…奴を追わないと」
にろく「十也!目的を履き違えるな。俺たちはミストラルシティをアサルト・シャドーから取り戻すために来たんだぞ」
十也「でも…」
きゅっぱ「あんたの言いたいことはわかるよ。でもそれはミストラルシティを取り戻してからだろ。それにあいつらもアサルト・シャドーとつるんでいるみたいだし」
十也「そうだな。それにきゅっぱのいうとおりあいつらがアサルト・シャドーと一緒ならアサルト・シャドーを追えばあいつらもいるってことだもんな」
結利「よし!そうと決まればいこう!」
にろく「カレンさんとウルズも先にいる。俺たちも急ごう」

十也を加えたにろくたちは先行したカレンたちを追いミストラルシティ中心部へと向かう。
奪われたブレオナク。トゥアハ・デ・ダナンに四至宝がそろったいま、いったい何がおきるのだろうか。

to be continued

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最終更新:2017年12月19日 22:52