~EGOミストラルシティ支部~
カレン「みんなご苦労だった」
無事ミストラルシティを取り戻すことができたカレン達。それを祝うべくにろくやナルたちもこの場へと集められていた。
十也「あれ
トニーは?」
ナル「トニーは
スライが心配で先にカリナン公国へ戻ったよ」
結利「そうなんだ…せっかくミストラルシティを取り戻せたのにね」
ツバメ「もしかして結利。あなたここが本当に祝いの場とでも思っているの?」
結利「えっ?違うの?」
ツバメ「はぁ…。あなた以外にそんなことを思っている人なんていないと思うわよ」
そう。ミストラルシティを取り戻したとしてもアサルト・シャドーたちを倒したわけではない。彼らが生きている以上またいつ襲ってくるのかわからない状況だ。
十也「えっ?お祝いのパーティーでもやるんじゃないのか?」
きゅっぱ「ここにももう一人馬鹿がいたね」
ツバメ「はぁ…訂正するわ。あなたと十也以外にね」
カレン「…こちらで教育しておく」
ピクピクと眉間を振るわせ怒りの感情を露にするカレン。その空気を察する十也は話を変えようとする。
十也「そ、そういえばウルズもいないな?」
きゅっぱ「ウルズは体の損傷が激しいから
シュウの所で治療中だよ」
にろく「それよりもカレンさん本題に入ってくれ」
カレン「そうだな。お前たちに集まってもらったのは他でもない。アサルト・シャドーとトゥアハ・デ・ダナンについてだ」
ナル「やはりそうですか」
カレン「奴らの行方はEGO本部でも追っているがあれから掴めていない」
にろく「ここから一瞬にして消えたやつら…あれは空間を超えて別の場所に移動したいうことなのか」
ナル「空間転移…だとすれば奴らを探すのは一筋縄ではいかないだろうね」
空間を移動して様々な場所に移動できるというのならば彼らを探すのは容易ではないであろう。
メルト「でもあれだけの人数…それに戦艦も。一気に移動できるほどの能力を持つ奴がいるってことですか?」
にわかには信じがたいメルト。それだけの規模の物を移動できるほどの能力なんて…。
きゅっぱ「いや。多分能力じゃあないね」
メルト「じゃあなんなんです?」
にろく「奴ら転移する前にMDSシステムの準備が整ったと言っていた」
ナル「MDSシステム。それが空間転移を行うことができるシステムだということだろうね」
結利「そんな装置があるの!?」
十也「やつらはこの世界とは違う世界から来た。それならあり得るかもしれない」
十也が来た世界は十也のような人造人間を造るほどの技術を持つ。それほどの技術を持つ世界なら可能かもしれない。
にろく「だがなぜアサルト・シャドーはこの世界に来たんだ?」
きゅっぱ「各地で神出鬼没に現れて、ここを占拠した意味も分からないしね」
アサルト・シャドーの正体は判明してもその目的はいまだ不明のままだ。
カレン「それとトゥアハ・デ・ダナンか。奴らはアサルト・シャドーと同じような組織だったということなのか」
にろく「ここでの戦いでは協力しあっていたようだったな」
その状況からもともとトゥアハ・デ・ダナンはアサルト・シャドーの一味だったのかもしれない。
ナル「それは違うかもしれません」
ナルが言葉を挟む。
カレン「どういうことだ?」
ナル「奴らと戦っているとき、気になることを言っていたんです」
ダーナとの戦いの際、ダーナが言っていた言葉。それが気になるナル。
ナル「まだ確証はありませんがもしかしたらトゥアハ・デ・ダナンの正体についてなにかわかるかもしれません。僕は一度メルディア=シールに戻ります。そこで調べたいことがあります」
メルト「でしたらわたしも戻ります!」
ナル「いやメルトはここに残るんだ。なにかあったとき僕に連絡をよこしてくれ」
メルト「わかりました。連絡係ですね!」
カレン「トゥアハ・デ・ダナンについてはナルに任せる。頼んだぞ」
ナル「はい(ダーナは魔道のことを知っていた…それが奴らの正体のカギになるかもしれない」
十也「あとはレーヴェンズか」
にろく「あの鎧人形たちだな」
へレティス6と鎧人形たち。彼らについては全く分かっていない。
きゅっぱ「ウルズの話ではあの少女…へレティス6は元居た世界でジャーデの実験体としての戦いでウルズが殺したそうだ」
ナル「死んだはずのへレティス6がこの世界に転移してきたということかな。でも彼女はアサルト・シャドーとトゥアハ・デ・ダナンに敵対していたね」
にろく「だがこちらの仲間というわけでもなさそうだ」
きゅっぱ「そうだね。奴の狙いは十也とウルズのようだったからね。それを邪魔するあいつらと敵対していただけみたいだからね」
結利「十也はあの子…へレティス6についてなにかわからないの?」
十也「まったく見当もつかない」
自分とウルズが狙われる理由についてはわからない。
ナル「へレティス6は新たな生命と言っていた。それがなにかヒントとなるかもしれないね」
にろく「十也とウルズは並行世界で造られた人間…そしてへレティス6も同じだ。その共通点になにかあるのかもしれないな」
きゅっぱ「といっても本人たちがわからない以上どうしようもないね。この件は後回しだね。今はアサルト・シャドーとトゥアハ・デ・ダナンの行方を追おうか」
カレン「そうしてもらえると助かる。民間人である君たちに頼むのは申し訳ないが…」
にろく「乗り掛かった舟だ」
ナル「このままにしておくのも気分が悪いしね」
きゅっぱ「じゃああたしはシュウのところに戻るよ」
ナル「僕もメルディア=シールに向かいます」
その場を去る、ナルときゅっぱ。
ツバメ「私たちは再び奴らが現れた時に備えましょう」
にろく「そうだな(今のままの力では奴らに後れを取る…その対策を取らなければ…)」
メルト「私も行くところがないのでまたにろくさんの喫茶店でお世話になりますね」
ツバメ「あら歓迎するわメルト。きっちり働いてもらうわよ」
メルト「わかりましたー!」
ツバメ、
にろく、メルトの3人も部屋を出ていく。
カレン「我々もできる限り奴らの情報を集めるぞ!」
十也「はい!」
結利「了解です!」
こうして各々に行動を開始した一同。アサルト・シャドーとトゥアハ・デ・ダナンの行方を探し出すことはできるのだろうか。
~???~
ダーナ「今後の作戦ですか」
ガーランド「そうだ」
飛行戦艦の艦橋で話し合うダーナとガーランド。
ガーランド「ミストラルシティの掌握に失敗した今。新たな拠点を探さねばならない。だがこの間のように鎧人形どもに邪魔されれば…」
ダーナ「あら?また負ける心配ですか?」
ガーランド「なんだと?」
ダーナ「戦う前から負ける心配など。それは敗者の考えですね」
ガーランド「現に一度奴らに煮え湯を飲まされたばかりだ!それは貴様らも同じはずだ!」
声を荒げるガーランド。
ダーナ「そうですね。ですが今は…いやこれからは違う」
ダーナの背後にトゥアハ・デ・ダナンの4人ルー、
ヌアザ、
ブリギット、
ダグザが立つ。
ガーランド「いつの間に…」
ダーナ「四至宝がそろった今。もう遅れは取りません」
ダーナからあふれる自信。
ガーランド「それがあればお前たちは負けないというのか?」
ダーナ「えぇ。そしてあなたたちも」
ガーランド「なに?」
ダーナ「あなたたちが望むのであれば力を授けましょう」
ガーランド「力…だと?」
ダーナ「そうです。能力者など恐るるに足らぬ力を」
ガーランド「おもしろい。いいだろう。だがその対価になにを求める?無償の奉仕などする気はないのだろう?」
ダーナ「話が早い。私はあなたの持つMDSシステムその力が欲しいのです」
空間を超えて移動することができるほどの力を持つ装置。それがあればダーナにとって大きな力になる。
ガーランド「そうか。ならばすべてが片付いた後MDSシステムの所在を教えてやる。どうだ?」
条件付きとはいえあっさりとオーケーするガーランド。
ダーナ(まさかこうもたやすく返事をするとは…MDSシステムはこの戦艦内を探しても見つけることができなかった。それのありかを聞き出すまではこいつらを殺すわけにもいきませんし…。正直助かりましたね。といっても口約束ですが…)
ダーナ「えぇ。それでかまいません。ですがあなたが約束を守らなかったら力は取り上げさせてもらいます」
ガーランド「かまわん。では交渉成立だ。ゲインとフリアーデスを呼んでくる」
部屋を出るガーランド。
ダグザ「よかったのかダーナ?」
ダーナ「えぇこれでいいのです。彼らが力を持ったところで所詮私にはかないません。それよりも厄介なのはあの鎧人形たち。奴らには私の力が利きませんでした」
ダグザ「ならば俺を使えばいいだろう?」
ダーナ「それは最後の手段です。切り札は最後まで取っておくもの」
ダグザ「だからやつらに力を与え排除させるということか」
ダーナ「私の力は出自は違えど能力と似た力。ならば力を求める彼らならばそれだけの力を発揮できるかもしれません」
ダグザ「それでも奴らを倒せなければどうする?」
ダーナ「その時は仕方がありません。カードを切る時ですね」
それぞれの思惑を胸に利用しあうアサルト・シャドーとトゥアハ・デ・ダナン。彼らの目的…そして彼らの生末は…
to be continued
最終更新:2018年01月03日 14:33