届かせろ!!絆を紡ぐ一撃!

アポロン「ツァグ・レーヴェンの意識を乗っ取っ取ったとしてもそのダメージは変わらん」
アルバドの攻撃によりダメージを受けているツァグレーヴェン・ダーナ。
ツァグレーヴェン・ダーナ『この程度の傷!』
周囲の鎧人形を触手で取り込むツァグレーヴェン・ダーナ。すると受けた傷が治っていく。
キノ「再生能力まであるの!」
ツァグレーヴェン・ダーナ『この力の前に滅びろ!』

シュン!シュン!

無数の触手を体から伸ばすツァグレーヴェン・ダーナ。その触手は十也たちへと襲い掛かる。
きゅっぱ「ちっ!」
その攻撃をかわす一同。
ツァグレーヴェン・ダーナ『なぜだ…なぜあたらない!』
ディック「あいつ…あの体を使いこなせていないのか」
リョウガ「もともと人間だったのならいきなり体が人外になればその違和感はでるだろうな」
アポロン「ならば奴が体を使いこなすまでが勝機だ」
スライ「だがあの再生能力…」
トニー「中途半端な攻撃では回復されてしまいます」
ツァグレーヴェン・ダーナ『えぇい!ならばこれで!』

ギュルルル!!

両腕を構成している触手が変形していく。それは巨大な筒のような形となる。

シュゥゥン!!

ツァグレーヴェン・ダーナ『消えろ!』

ドシュン!

筒から粒子を圧縮したエネルギー砲が放たれる。

ガガガガ!!

大地を削りながら迫るエネルギー砲。
結利「うわわ!」
メルト「あんなの避けられませんよ!」
にろく「これなら狙いを定める必要もないということか」
ナル「感心している場合じゃあないよにろく!」
十也「くっ!」
迫るエネルギー砲に成す術のない一同。
ツァグレーヴェン・ダーナ『ははは!塵となれ!』

ヴン!

突如十也たちの眼前に黒い壁が出現する。
十也「なんだこれ…壁?」
きゅっぱ「いや違う…これは!」
よくみるとそれは壁ではなく巨大な黒い空間だ。それが突如十也たちの前に現れたのだ。

ドシュン!

黒い空間に吸い込まれるエネルギー砲。そして黒い空間は消滅する。
ツァグレーヴェン・ダーナ『なに!?』
ウルズ「もしやこいつは…」

シュウ「なんとか間に合いましたね」

結利「シュウ!」
アポロン「ソナタもここに来たのか」
ナル「もってどういうこと?」
ディック「俺たちはシュウにお前たちのサポートをするよう頼まれてここに来たんだ」
シュウ「そういうことです。敵の力は未知数。戦力は十分に整えなければなりませんでしたので」
キノ「でもあなたは他にすることがあるんじゃなかったの」
シュウ「えぇ。ですが用事は片付きましたのでこうして来たというわけです。皆さんが無事でよかったですよ」
ツァグレーヴェン・ダーナ『なんだお前は?どうやって私の攻撃を…』
シュウ「随分とおしゃべりな化け物のようですね」

パチン!

指を鳴らし小さな黒球を飛ばすシュウ。黒球はツァグレーヴェン・ダーナに近づくにつれて徐々に大きくなる。

ボン!

ツァグレーヴェン・ダーナの右腕を吹き飛ばす黒球。
アルバド「なんという力だ…」
シュウ「これで少しはおとなしく…」
ツァグレーヴェン・ダーナ『無駄だ!』

シュルル!!

触手が伸び再び右腕が形成される。
シュウ「ほぅ…」
アポロン「奴は再生能力をもつ」
ナル「どんなに攻撃しても無駄なのか…」
シュウ「そんなことはないと思いますよ」
十也「なにか策があるのか?」
シュウ「みなさん私に攻撃してください」
突然意味不明な提案をするシュウ
にろく「何を言っている?」
ツァグレーヴェン・ダーナは再びエネルギー砲を放とうと力を溜めている。
シュウ「時間はありません。さぁ急いでください」
アポロン「他に手がない今…ソナタの案にかけるしかないな」
エクス=タクトをシュウに向け構えるアポロン。その剣先に風が集まってくる。
アポロン「いくぞ!」

バシュン!

剣先に集まった風が鋭い槍のようにシュウに向かい飛んでいく。
シュウ「では…!」

ギュゥゥン!

シュウの目の前に小さな黒い空間が形成される。そこに吸い込まれるアポロンの攻撃。
トニー「いきます!ライトニングボルト!」
スライ「シャイニーマジック!フォース・キャリア!」
2人の攻撃も黒い空間に吸い込まれる。
鎧人形「…」
鎧人形たちがシュウへと襲い掛かってくる。

ガキン!

レイジ「こいつらの相手は俺たちがする」
アルバド「お前たちはそのまま続けろ!」
R部隊とモニカ、リヴァーレが鎧人形たちをくい止める。
きゅっぱ「トリガーオン!」
キノ「いくよ!」

バン!バン!

にろく「ウルズ。御雷は打てるか?」
ウルズ「あぁ…放つだけならな」
にろく「それで十分だ。お前の御雷を吸わせてもらう!プラグオン!」
ウルズ「使ってくれ。俺の全エネルギーだ!御雷!」
プラグオンでウルズの御雷を吸うにろく。
にろく「よし。出力を調整して…御雷槍(ミカヅチノヤリ)!」
ナル「僕たちは魔導で!」
メルト「はい!」
ディック「俺もやるぜ!」
ナル・メルト・ディック「閃光連弾(シャングァンジダン!!)」
リョウガ「剣戟の衝撃波で!」
結利「フリント・スラッシャー!」
ゲイン「粒子光弾!」
十也「コードブレオナク!いけぇ!」
コードブレオナクを投げる十也。一同の攻撃がすべて黒い空間に吸い込まれる。
シュウ「準備は整いました。ではいきます」

ギュォォン!!

ツァグレーヴェン・ダーナの頭上に小さな黒い空間が出現する。
ツァグレーヴェン・ダーナ『何をしようと今の私には!』
シュウ「それはどうでしょうか?」

ガガガガ!

ツァグレーヴェン・ダーナの頭上の黒い空間から先ほど十也たちが放ったすべての攻撃が放たれる。
ツァグレーヴェン・ダーナ『ぐっ…』

バキバキバキ…

ツァグレーヴェン・ダーナの体にひびが入っていく。
ツァグレーヴェン・ダーナ『なんだと!?』
シュウ「どんなに強固な体を持とうとも一度にこれだけの攻撃を受ければ限界が来るはずです」
ツァグレーヴェン・ダーナ『まだだ…!!』
ツァグレーヴェン・ダーナはエネルギー砲を放とうと両腕を上げる。
ツバメ「あれだけの攻撃にも耐えるというの!?」
シュウ「あと一押し…というところでしょうか」
アルバド「ならばその役目!」
リヴァーレ「俺たちが引き受ける」
アルバド「ユニバーサルウェポンGB(ガンバスター)モード!」
リヴァーレ「シェリング・マーノEXモード!」
2つの巨大な銃が並ぶ。
アルバド「ファイア!」
リヴァーレ「シュート!」

ドゴォン!

放たれた弾丸がツァグレーヴェン・ダーナへと命中する。

バキバキ…バキン!

ツァグレーヴェン・ダーナ『再生が…』
崩れていくツァグレーヴェン・ダーナの体。
ナル「今度こそ終わりだダーナ!」
ツァグレーヴェン・ダーナ『そんなはずは…私が…これほどの力が負けるなどぉぉぉ!!!』

ボゴォン!!!


爆発する巨体。空高くまで伸びる爆炎。
キノ「終わったんだね…これで」
ツァグレーヴェン・ダーナが爆発し戦いの終わりを感じる一同。だが…
モニカ「鎧人形が消えない!?」
ゲイン「奴を倒してもこいつらは消えないのか!?」
ツァグレーヴェン・ダーナを倒しても鎧人形たちは消滅していない。
シュウ「いえ…どうやらまだのようですね」
爆炎の中に影が見える。
アポロン「なにかが…いる!」

ギュィン!

爆炎の中で怪しく光る眼。そして徐々に消えていく炎。次第にその姿が明らかになっていく。
十也「あれは…」
ゲイン「そんな…馬鹿な!なぜ奴が!」
そう。それはここにいるはずのない存在。それは…
ゲイン「ヘレティス5!!」

ヘレティス5「……」
全身を鎧に包まれたヘレティス5。だがその姿は傷だらけで各所にダメージを負っているようだ。
ウルズ「ヘレティス5だと…」
自身の知っているヘレティス5とは似ても似つかないその容姿に驚くウルズ。
ゲイン「お前は…あの時」
こちら側に転移してくる前。確かにゲインが倒したはず…
ヘレティス5「近しい存在が…俺をこちら側に引き寄せた」
ゲイン「それは…」
十也とウルズのほうを見るゲイン。
ヘレティス5「だがそれは一因にすぎん。生と死を司る書とツァグレーヴェンの力。それが俺がこの地へと舞い降りた主因」
ナル「黒の魔導書のことか…」
アポロンツァグレーヴェンの次元転移の力も関係しているようだな」
ヘレティス5「そう。そして俺は生まれ変わる」

ゴゴゴゴ!!

ヘレティス5「人類を進化させるなど空想でしかなかったのだ。レーヴェンズと交わった俺こそが!新たな人類!未来だ!」

ヴン!ヴン!

ヘレティス5を囲うように何かが現れる。
にろく「こいつらは…!」
きゅっぱ「トゥアハ・デ・ダナン!」
全身が白く生気を発していないがその姿はトゥアハ・デ・ダナンのダグザブリギット、ルー、ヌアザそのものだ。
ナル「黒の魔導書の記憶を頼りに復元したのか!」
レーヴェンズ・ルー「…」
ルーの手が変形していき巨大な槍となる。

ガバ!

槍の先端が開きそこから無数の粒子のレーザーが放たれる。

ドドドド!!

スライ「くっ!」

ガバァ!!

ヘレティス5の鎧の背中が割れ、そこから巨大なブースターのようなものが現れる。

ドシュゥン!!

背中のブースターを稼働させ空を駆けるヘレティス5。そのまま大陸のほうへと姿を消す。
ゲイン「やつめ…どこにいくつもりだ!」
十也「あの速度…追いつけないぞ」
ウルズ「だが…ここで奴を逃がせばレーヴェンズが!」
レーヴェンズ・ブリギット「…」

ボォォォ!!

ブリギットの両手から辺りを覆いつくすほどの炎が放たれる。それは十也たちを逃がすまいと囲むように展開される。
ディック「こいつらを倒さないと奴を追うこともできない…」
モニカ「どうすれば…」
シュウ「仕方がありませんね…」

~アイラッド村への山道~

ゴォォォ

空を駆けながら進むヘレティス5。

バキバキバキ!

その体が徐々に変貌していく。鎧の上からまた鎧を纏ったかのようにさらに巨体な姿へと変貌していく。
ヘレティス5「ん…?」
ヘレティス5の前方に何かが現れる。

ギュォォン!

小さな黒い空間。そこから姿を現したのは…
アポロン「追いついたようだな」
十也「ふぅ」
ゲイン「…ヘレティス5。お前は逃がさん」
シュウ「あまりこの技は使いたくはなかったのですが状況が状況です。仕方がありませんね。もうしばらくは私はたいした能力は使えません。みなさん頼みましたよ」
アポロン、十也、ゲイン、シュウの4人がヘレティス5の目の前に現れる。
アポロン「ソナタを逃がしはしない!」
ヘレティス5「俺は逃げはしない。おれは目指すだけだ」
十也「目指すだと?」
ヘレティス5「そうだ。始まりの地。その中心に。そこで全てを…」
シュウ「あなたの目的はそこへ向かうことなのですか?」
ヘレティス5「ツァグレーヴェンは誤った選択をした。人類の自然なる進化を目指した奴は過ちに気づいたがもう遅かった。その結果滅びた」
ゲイン「だからレーヴェンズとなったお前が進化した存在だというのか」
ヘレティス5「そうだ。不完全な進化はなにも生まん。こいつのように」

ギュィン!

空間が歪みそこからティスシスが現れる。
ティスシス「うっ…うぅぅ…」
ヘレティス5「不完全な存在がゆえにツァグレーヴェンに吸収されきれなかった存在。お前も新たな人類とはなりえん」
ティスシス「…わたしは…」
涙を流すティスシス。もう彼女に戦意はないようだ。ふわふわとただその場に漂うティスシス。
ヘレティス5「だがツァグレーヴェンを取り込み、再生した俺が!俺こそが!」

バコン!

ヘレティス5の胸部が開く。

バシュン!

そこから粒子のレーザーが放たれる。
ゲイン「くっ!」
十也「コードブレオナク!」

ガガガ!!

各々にレーザーを防ぐ4人。
ヘレティス5「進化した人類となるのだ!そして古き人類を滅ぼし新たな世界を創造する!」

~アイラッド村はずれの岬~
レーヴェンズ・ブリギット「…」
炎を放つブリギット
リョウガ「はぁ!」
双剣で炎を切り裂くリョウガ
リョウガ「いまだディック!」
ディック「あぁ!」

ダン!

リョウガを踏み台に飛び上がるディック
ディック「魔導と拳術の融合。受けてみろ!」

ボゥ!

ブリギットから放たれる炎にディックが包まれる。だがその炎がディックの手に集まっていく。
ディック「炎を操る相手とわかっていれば!」
炎に包まれた拳をブリギットへと打ち込むディック

その攻撃に仰け反るブリギット
リョウガ「もらった!」
背後から双剣を構えたリョウガが迫る。
ディックリョウガ「はぁぁぁ!!」

ドン!ザシュン!

2人の攻撃がブリギットに炸裂する。
レーヴェンズ・ブリギット「…」

バキバキ…

体が崩れ消滅するブリギット

レーヴェンズ・ヌアザ「…」

シュン!シュン!

手にもつ剣から高速の衝撃波を放つヌアザ
にろく「くっ…」
結利「速すぎるよ!」
きゅっぱ「避けるのもそろそろ限界だね」
にろく「きゅっぱ!あれをやってくれ!」
きゅっぱ「ちっ!今はそれしかないね。結利!あんたも覚悟を決めな!」
結利「えっ!?なにを…」
きゅっぱ「『トリガーオン』!」
にろくと結利に向けて能力を放つきゅっぱ
結利「なにこれ…体がすごい軽い!」
にろく「人間が普段無意識に制御している力をきゅっぱの力ではずしてもらった。いくぞ結利!」
きゅっぱ「さてあたしもいくとしようか『トリガーオン』!」
自身に向かって能力を放つきゅっぱ
きゅっぱ「これを使うとしばらく動けなくなるけど…今はこいつを倒すのが先決だね!」
無理やり人間の限界の力を引き出すこの技は使えばしばらくの間体が痛み、動くことすらままならなくなる。だがそれと引き換えに得れる力は絶大だ。

バッ!

ヌアザの攻撃を軽々と避ける3人。
にろく「おそい!」
きゅっぱ「今のあたしたちを捕らえることなんて不可能さ!!」
結利「これならいけるね!」

ダン!ダン!

ヌアザに連続で攻撃を仕掛ける3人。
結利「とどめだよ!フリント・ブレード!」

ザシュン!

フリント・ブレードがヌアザの体を切り裂く。
結利「よし!」
レーヴェンズ・ヌアザ「…」
ヌアザが油断した結利の背後から剣を振るおうとする。

バッ!

ザシュン!

咄嗟に結利の腰につけられていたホルダーからフリント・ブレードを引き抜き、ヌアザを切りつけるにろくときゅっぱ
きゅっぱ「まだ終わっていない!」
にろく「気を抜くな結利!」
結利「ご、ごめん!」
きゅっぱ「あんたの能力を!」
結利「うん!」
きゅっぱとにろくはヌアザにフリントブレードを振るう。刃が外れ爆発を起こす。

ボン!

そのまま踊るように連続で刃を外しながら攻撃を続ける2人。

ボン!ボン!

結利「リンク!」
結利の能力で再び刃が連結する。
にろく「いくぞ!」
きゅっぱ「あいよ!」

ザシュン!

フリント・ブレードをヌアザに突き刺す2人。そしてそれを刃を外しながら同時に引き抜く。

ボン!

激しい爆発に包まれるヌアザ。そのままその体が崩壊していく。

レーヴェンズ・ダグザ「…」
その手に持った巨大な剣を振るうダグザ

ドゴォン!

その一撃が大地を砕く。
メルト「あんなのくらったら死んじゃいますよ!」

シュン!

メルトの背後へと移動するダグザ
メルト「えっ!はや…」

ブン!
メルトへと振り下ろされる大剣。

フッ!

だが大剣は空を切る。メルトの体が霞んでいる。それはまるで…
メルト「蜃気楼(シェンズィン)。うまくいきました!」
蜃気楼をつくる魔導。それにより生み出されたメルトの幻影だ。
ナル「上出来だよメルト。この位置にうまく誘い込んだね」
メルト「やっちゃってください!」

フオン!

ダグザを取り囲むかのように無数のシャボン玉が地面から湧き出る。
レーヴェンズ・ダグザ「…」
ダグザはそのシャボン玉をたたき割るように横なぎに大剣を振るう。

パァン!

シャボン玉が割れる。割れたシャボン玉の中から無数の泡がダグザへとまとわりつく。ダグザの体が見えなくなるほどの泡でその場一体が満たされる。
ナル「水巣崩壊(シュイヴェングイ)!」

パァン!

無数の泡が割れそこから大量の水があふれだす。その水はダグザを中心に集まっていき、やがて小さな檻のようになりダグザを捕まえる。
ナル「これで!」
水の檻に宝剣を突き刺すナル。

ドドドド!!

水の檻がダグザを押しつぶすかのように徐々に小さくなっていく。

ギギギギ!!

レーヴェンズ・ダグザ「…」


パァン!

水の檻が壊れ辺りに水が散らばる。それと同時にダグザの体が崩壊していく。

スライ「残り一体!」
レーヴェンズ・ルー「…」
トニー「ライトニングボルト!」
自身とスライに雷を落とすトニー。二人の体が雷に包まれる。
トニー「ライトリアイランス!」
スライ「ボルト・ウェア!一気に決めるぜ!」
レーヴェンズ・ルー「…」
ルーの持つ槍の先端が開きそこから無数の粒子の弾が二人に放たれる。だが雷を纏った2人のスピードはその程度の攻撃では捉えることはできない。
スライ「ボルティング・フォースキャリア!」
スライの手を無数の光の結晶が覆う。その手でルーを殴るスライ

ドン!

拳が当たった瞬間!光の結晶をルーへと飛ばすスライ。その衝撃で吹き飛ばされるルー。
トニー「決めます!ライト・パルスウェイブ!」
トニーを覆っていた雷が一点へと集まっていく。

バシュン!

その手から雷が集約した球を放つトニー。それは吹き飛んでくるルーへと直撃する。

バチチチ!!

激しい閃光に辺りが包まれる。
スライ「こいつはおまけだ!雷光(らいこう)・飛鴎破壁拳!」

ドゴォン!

体中の雷を纏めた正拳がルーへと放たれる。その衝撃に体を崩壊させながら吹き飛んでいくルー。やがてその体が完全に崩壊する。
スライ「これでこっちは片が付いたな」
トニー「あとは十也たちに任せるしかないですね」
ナル「頼んだよみんな」

~アイラッド村への山道~

ヘレティス5「ふん」

キュィン!

ヘレティス5の両目が怪しく光る。

ヴン!ヴン!

それに呼応するかのように数体の鎧人形が現れる。
アポロン「真理を持って、我人事を全うす!森羅万象の一幕を紡ぎださん!『パルティシオン=サルバロール』!」

ヒュォォ!!

アポロンの周囲の風が突風となって鎧人形の動きを止める。

ザシュン!

その隙にエクス=タクトを振るい鎧人形を倒すアポロン
ヘレティス5「まだだ」

ヴン!

さらにあらわれた鎧人形たちがアポロンを取り囲む。
アポロン「いいだろう。ソナタらの相手は我が!」
ヘレティス5「始まりの地よ。俺を受け入れよ!」
再び飛び去ろうとするヘレティス5。
ゲイン「ヘレティス5!」
そこにゲインが迫る。
ゲイン「俺たちの理想は否定された。だがお前の望む世界など造らせてたまるか!そうだろガーランド、フリアーデス!」

ブオン!

碗部ユニットから粒子ブレードを展開するゲイン。
ゲイン「おぉぉ!!」

ガキン!

下から切り上げるようにヘレティス5の腹部へと攻撃を仕掛けるゲイン。

ガガガガ!

だがヘレティス5の鎧は厚く、粒子ブレードが鎧に阻まれる。
ヘレティス5「ふん!」

ガッ!

ゲイン「ぐっ!」
頭を掴まれ持ち上げられるゲイン。
十也「ゲイン!」
ヘレティス5「このままひねりつぶしてくれる!」
ゲイン「甘く…見るなよ!」
ゲインは両手を合わせ自身の頭を掴むヘレティス5の腕へと掌底を打ち込む。
ヘレティス5「ぬっ!」
その衝撃で手を放すヘレティス5。
ゲイン「この一撃…受けてみろ!」
両手で光の球を形成するゲイン。

バッ!

ヘレティス5の腹部へとその光球を打ち込む。
ゲイン「轟覇咆(ごうはほう)!!」

ドゴォン!

激しい衝撃がヘレティス5の腹部の鎧を破壊する。だが…
ヘレティス5「俺を…倒せると思うなぁ!!」

バコン!

ヘレティス5の両肩が大きな口のように開く。

ババババ!!

そこから無数の粒子弾が放たれる。接近していたゲインはその攻撃をまともに受けてしまう。
ゲイン「がはっ…」
体に無数の小さな穴が開くゲイン。
ヘレティス5「はぁ!」

ドスン!

ヘレティス5の巨大な拳がゲインの腹部に打ち込まれる。
ゲイン「ぐふっ…」
口から大量の血を吐き出すゲイン。

キュィン!

ヘレティス5の拳が光る。

バシュン!

拳の光が爆発し、その衝撃でゲインが遠くまで吹き飛ばされる。
ゲイン「くそ…届かない…のか」
山の中へと吹き飛ばされるゲイン。
十也「うぉぉ!!」
コードブレオナクを構えヘレティス5へと突撃する十也。

ガキン!

だがコードブレオナクはヘレティス5の手に掴まれ止められてしまう。
ヘレティス5「俺と同じ存在でありながら進化を拒むか」
十也「お前の言う進化は違う!人類を滅ぼす未来だなんて…そんなの間違っている!」
ヘレティス5「愚かな。破壊による創造。それを受け入れろ!」

ギギギギ!!

コードブレオナクを握りつぶそうとするヘレティス5。

バシュン!

十也「そんな…」
ヘレティス5の手によりコードブレオナクが握りつぶされ消滅してしまう。
ヘレティス5「古き人類とともに朽ちよ!」

バッ!

右手を開き十也へと向けるヘレティス5。

バシュゥゥン!!

右手から巨大なエネルギーのレーザーが放たれる。
十也「くっ…!」
コードブレオナクをたやすく破壊されたショックで反応が遅れる十也。眼前へと迫るレーザー。

ドン!

誰かが十也を押し飛ばす。
十也「なっ…!」
十也を押し飛ばしたティスシスがレーザーの光に包まれる。
ティスシス「…私は…私という存在になりたかったですの…」

レーザーに焼かれ消滅するティスシス。
十也「ティスシス…」
ヘレティス5「不完全な存在が…邪魔を」
十也(シュウはしばらく能力が使えない。アポロンも鎧人形たちの相手をするのでいっぱいだ…)
改めてヘレティス5を見据える十也。
十也「俺が…やるしかない!ここで!」

ダッ!

大地を蹴りヘレティス5へと走り出す十也。
ヘレティス5「無駄なあがきだ」

バコン!

大きく開いた肩から無数の粒子弾が放たれる。

ババババ!

十也「AS(アクセラレート・シフト)!!」
赤熱化する十也の鎧。だがこれだけの粒子弾をかわすのは不可能に近い。

バコ!ドン!

十也の鎧が徐々に壊れていく。だが十也は前へ進むのをやめない。
十也「みんなの想いを!あきらめるわけにはいかない!(ゲイン…ティスシス…お前たちの想いも繋ぐ!)」
ヘレティス5「握りつぶしてくれる!」
両手を構え十也を待ち受けるヘレティス5。その時十也がヘレティス5の腹部に目をやると何かがあるのに気づく。
十也「あれは…!ゲインの!」
先ほどのゲインの攻撃で破壊された腹部の中にゲインのトンファーが突き刺さっていた。いったいなぜ…だが今はそんなことを考えている暇はない。
十也「コードブレオナク!」
粒子の槍を創り出す十也。

ガッ!

その槍を両腕でつかむヘレティス5。
ヘレティス5「愚かな」
十也「ブレオナク!おまえの力はこんなもんじゃあないはずだろ!お前の力を!イメージするんだ!」

シュゥゥン!!

コードブレオナクの輝きが増していく。
ヘレティス5「なんだ…」

パキパキパキ…

粒子の槍のはずのコードブレオナクが徐々に実体化していく。そして…
十也「これは…!」
その姿は以前のブレオナクと全く変わらない姿となる。
十也「これなら!ブレオナク!」

ガキン!

ブレオナクの刃が開く。その衝撃で手を弾かれるヘレティス5。
十也「貫け!ブレオナク!」

ガン!

ヘレティス5の腹部へとブレオナクを突き刺す十也。
ヘレティス5「この程度で!」
十也「押し込む!ブレオナク・アンカー!!」

バシュン!

ブレオナクの先端部がヘレティス5の腹部に刺さったまま射出される。
ヘレティス5「ぬっ!」
そのままヘレティス5の巨体が吹き飛ばされていく。

ドン!

地面へと倒れるヘレティス5。

ジャキン!

ブレオナクの柄の部分が先端部へと引き寄せられるようにつながる。だが十也の姿がそこにはない。あるのはヘレティス5の腹部に突き刺さっているブレオナクだけだ。
十也「うぉぉ!!」
上空からキックを放つ十也。
十也「とどいていたぞゲイン!お前の一撃!!」

ドゴン!

ブレオナクを押し込むようにキックを放った十也。その衝撃でヘレティス5の腹部へと突き刺さっていたトンファーへと突き刺さるブレオナク。トンファーがヘレティス5の体の奥へと押し込まれていく。
ヘレティス5「がはぁ!!」
苦しむヘレティス5。
十也「終わりだ!」

カッ!

突き刺さったトンファーが光を放つ。
ヘレティス5「馬鹿な!俺が…古き人類どもにぃぃ!」

ボゴォン!

壊れたトンファーがヘレティス5を巻き込みながら爆発する。爆炎とともに消滅するヘレティス5。
十也「やった…」

ドサッ!

その場に倒れる十也。度重なる戦いで肉体的にも限界だったのであろう。
アポロン「鎧人形たちが…消滅した」
シュウ「これで本当に終わったようですね」

こうして並行世界からの来訪者。原初の魔導士。そして異質な生命体レーヴェンズとの戦いは幕を閉じた。
その後、黒の魔導書を探索するナルであったがアイラッド村周辺にそれは見当たらなかった。だが黒の魔導は失われてはいない。それが意味するものは…
かくしてレーヴェンズとの地球全体を巻き込んだ戦いは十也たちの活躍により一件落着を迎えた。彼らはそれぞれの成すべき道へと戻るのであった。
再び彼らの道が交わる時まで…




アースクライシス編
Fin



ASR
to be continued

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最終更新:2018年02月10日 00:04