~EGO本部・長官室~
コンコン!
部屋の扉を誰かがノックする。
ミゲル「入れ」
オウリギン「失礼します」
扉をノックして入ってきたのは副長官のオウリギンだ。
オウリギン「モゴラ大陸、グリフ大陸ともにEGOへの非加盟国の制圧は完了しました」
ミゲル「制圧とは人聞きの悪い言い方だなオウリギン」
オウリギン「そうでしたね…各国はEGOの加盟国へなりました。また加盟の際、捕らえた反乱分子はここ本部への輸送を行っております」
ミゲル「そうか。ではそろい次第全世界に同時中継をできるよう準備をしておけ」
オウリギン「はい。お任せを」
ミゲル「全世界にEGOの力を見せつけねばならん。我々に逆らえばどうなるかということもな」
~ミストラルシティ・???~
ミストラルシティのとある屋敷にツバメとにろくはいた。ここは今寄咲グループが外部に知られたくない取引を行うために造った屋敷であった。
外見は廃屋に見せかけ、正面の入口はダミーで人から目のつかない箇所に本当の入り口を設置してある。
ツバメ「結利。大丈夫?」
結利「う、うん…なんとかね」
ミストラルシティ支部でのガーディアンとの戦いから辛くも逃げ出してきた結利はツバメとにろくに保護されてここにいた。
にろく「俺たちの予想通りの事態となっているようだな」
にろくは自身のプラグオンによりインターネット回線から情報を取り出していた。この方法なら連絡手段を使わずとも外部の情報を得ることができ、逆探知をされる心配もない。
にろく「いやそれ以上かもしれないな。ラウズレイ王国とカリナン公国はEGOの加盟国となったそうだ」
ツバメ「
スライと
トニーがそんな判断に納得するとは思えない…それにあのラウズレイ王国もね」
にろく「となるとEGOが強行手段をとったというわけか。だが…」
腑に落ちない点があるにろく。
ツバメ「EGOに簡単にスライやトニー、それにあのラウズレイ王国の騎士と王様がやられるとは思えないわね」
にろく「そうだ。いくらEGOでもこうも簡単に大国を掌握できるなんて」
ツバメ「EGOが力を隠していたとは思えないし、何かしらの戦力が今のEGOにはあるということかもしれないわね」
にろく「そうかもしれない。結利たちが戦ったガーディアンの女もカレンさんと十也を圧倒していたらしいしな」
ツバメ「EGO本部の直属部隊ガーディアン…そいつらが各地を制圧しているということかしらね」
にろく「スライとトニーもガーディアンに敗れたというわけか…だとすればかなりの強敵だ」
ツバメ「十也を助けようにも相手はEGO…下手な真似は打てないわね。」
EGOを個人で相手にするなんて無謀なことだ。そんなことはわかっている。だが…
ツバメ「それでも!」
バン!
机をたたき立ち上がるツバメ。
ツバメ「今までともに戦ってきた仲間がいわれなき罪でとらわれているのに見て見ぬふりなんてできないわ!」
にろく「ふっ。そうだな」
結利「でも…どうするの?」
にろく「ナルたちには助力を頼むことはできなさそうだな」
魔導都市メルディア・シールはEGOの加盟国である。そこに住むナルに協力を仰ぐわけにはいかない。
結利「私たち3人だけじゃ…」
弱気になる結利。
アポロンたちに助力を頼みたくとも彼らと連絡を取る手段もない。
ツバメ「一つあてがあるわ。彼らに連絡をとるわ」
そういうとツバメは手に持った携帯端末でどこかへ連絡を取る。
にろく「おい!通信を傍受されたら…!」
ツバメ「大丈夫よ。ここでの通話が傍受されればすぐに屋敷内の警備システムが作動し、即座にこの携帯端末は破壊され、通信はシャットダウンされるわ。それだけ厳重な造りなのよこの屋敷は」
プルルル!プルルル!
ピッ!
ツバメ「もしもし。私よ。えぇ、そう。所長をお願いするわ」
通信相手が誰かに変わったようだ。
ツバメ「久しぶりね。えぇそうなの。あなたのところに居る彼らに伝えて頂戴。ポイント2019で合流。時間は1030(イチマルサンマル)。えぇそうね…じゃあ頼んだわよ」
通信が切れる。
にろく「だれに連絡を取ったんだ?」
ツバメ「今寄咲グループで研究支援している研究所よ。そこからの援軍と合流するわ」
にろく「少しでも戦力が増えるなら助かるな」
ツバメ「えぇ。彼らなら大きな力になってくれるわ。さぁ私たちも彼らとの合流ポイントに行くわよ」
結利「うん!」
にろく「ポイント2019…今寄咲グループでの暗号か?」
ツバメ「そうよ。そこが彼らとの合流地点。その合流地点は…」
~???~
???「ったく…ずいぶんと無茶苦茶な集合時間だな…」
仮面をかぶった男は愚痴をこぼすように言葉を発する。
???「ふん。そういいながらもずいぶん張り切ってるじゃないか」
少女は仮面の男をあおるような発言をする
???「そりゃあそうさ。十也を助けるためだ!多少の無茶ならこなして見せるさ」
???「あんまり無茶すると所長に怒られるんじゃないのか?」
???「そうかもな。だが所長があいつと繋がりを持っていたとは驚いたな」
???「そうだね。でもなにより今は天十也を助けるのが最優先だ」
???「あぁ。おい!準備はいいか?」
仮面の男は準備を整えている女性へと声をかける。
???「いいよ!準備万端だよ」
女性は黒いスカートスーツに身を包み髪をまとめる。そしてその腰に自身の新たな武器を装着する。
???「全員準備はできたな。いくぞ!」
仮面の男と少女とスーツの女性。3人は研究所を後に、集合地点へとその歩を進めるのであった。
ツバメたちは十也を助けるためその行動を開始した。強大な組織であるEGOを相手に彼らはどう戦うのか。
to be continuede
最終更新:2019年01月06日 23:43