逆襲開始!流転する世界!

~EGO本部・収容施設~
十也「うっ…ここは…」
目を覚ます十也。気づくと彼は檻の中にいた。
十也「そうか…俺は…」
自身の今の状況を思い出す十也。EGOミストラルシティ支部に突如現れたガーディアンを名乗る女性により捕らわれた彼はこの檻の中に捕らわれていたのだった。
カレン「ようやく目を覚ましたようだな」
十也「カレン長官!?」
同じ檻の中にカレンも捕らえられていた。カレンへと歩み寄ろとする十也。だが…

ガシャン!

自身の両腕は拘束されその場から動くことができないようだ。
十也「くっ!こんなもの『ブラスト・リンカー』!」

………

十也の鎧が出現しない。
十也「なんで?鎧が出ないだって?」
カレン「無駄だ。私も何度か試してみたがこの拘束具のせいか能力は使えないらしい」
カレンは幾度も試行錯誤したようでずいぶんと披露しているようであった。その様子からもここから抜け出すのは困難だという現実が突き付けられる。
十也「そんなことが…」
完全に拘束され能力も使えないのではなす術もない2人。
十也「くそっ…!」
???「お目覚めのようだね。天十也」
二人が拘束されている部屋の前に誰かが現れる。
十也「誰だ!?」
部屋の前に現れた銀髪の男。その男を守るようにEGOの衛兵が数人立っていた。
オウリギン「私はオウリギン。新生EGO本部の副長官だ」
十也「俺を拘束してどうする気だ!なんでEGOがこんなことを!」
カレン「オウリギン…おまえがここにいるということは本当にEGO本部は私たちを…」
本部での会議でオウリギンとなんどか顔を合わせたことがあるカレン。この状態がEGOが本当に自身らを拘束しているのだという事実を突き付ける。
オウリギン「お久しぶりですねカレン長官…いえ元長官ですか。今は反逆者ですからね」
カレン「本部は…ミゲル・ジリオは何を考えているんだ!」
怒りをあらわにするカレン。
オウリギン「ミゲル長官は旧体制の破壊を望んでおられました。グリンツ・ノードンの思い描いていた争いのない平和は夢物語にしか過ぎない。他者をすべるには力による支配。それが最善だと」
カレン「そのために今までの未元獣やレーヴェンズたちの世界の混乱の罪をすべて十也に擦り付けて拘束したというのか!」
オウリギン「そういうことです。彼に一連の罪を擦り付けその彼を新体制のEGOが裁くことにより新たなるEGOの力を全世界に見せつけるというのがミゲル長官のシナリオです」
十也「EGOは世界を守る力じゃないのかよ!こんなやり方!」
オウリギン「世界が求めているのは真実ではない。自らに安寧を与えてくれる存在だ。役立たずの防衛装置よりも噂で聞くスーパーヒーロー。それを民衆は求めている」
カレン「虚構の正義…それが新長官のやり方というわけか」
オウリギン「虚構の正義もその過程を改ざんすれば問題ない。民衆が見るのは結果だけだ。その過程は誰も興味を持ちはしない。そう今の天十也。お前のことも」
十也「どういう意味だ?」
オウリギン「お前の処刑を行う。この世界に混乱をもたらした平行世界からの侵略であるお前のな」

~レムリア大陸・EGO本部付近草原~
ツバメ「そろそろ合流時間ね…」
ポイントにて待つツバメ、にろく、結利の3人。

「待たせたな」

そこに現れたのは…
にろく「お前たちは!」
ウルズ「よう!久しぶりだな」
コード・ウルズ、きゅっぱ、昴の3人だった。3人が今世話になっているリオルクラフト研究所は今寄咲グループで支援している研究所であった。そこの所長であるリオル・ロンとツバメは旧知の仲でありウルズたちがそこにいたことを知っていたツバメは彼らに来てもらうよう伝えたのであった。
きゅっぱ「にろく。あんたもずいぶん元気なようだね」
にろく「あぁ。おまえこそな」
昴「さ~て、それで本当にこの人数であそこを責める気かい?」
ツバメ、にろく、結利、ウルズ、きゅっぱ、昴。たった6人で今彼らが行おうとしていこと。それは…
ツバメ「えぇ。十也をあそこから救出するわ!」
ツバメは少しも迷いを持たずその言葉を発した。
ツバメ「ほかにも捕まっている者がいれば全員救出よ!」
その言葉には微塵も臆する様子は感じられない。
ウルズ「ふっ!今までも分の悪い戦いは何度もやってきているからな」
きゅっぱ「いまさらってことかね」
結利「十也があそこに…今助けに行くよ!」
昴「ふっ!あんたたちずいぶん肝が据わっているんだね。でもそういうのは嫌いじゃないね!」
にろく「今回ばかりは今まで以上に覚悟を決める必要がありそうだな」
ツバメ「それじゃあみんな!いくわよ!」
6人はEGO本部へとその歩を進めていく。

~EGO本部・入り口~
ツバメ「んっ?」
本部の入り口手前についたツバメは違和感に気づく。
にろく「どうした?」
ツバメ「やけに人が多いわね…」
本部の入り口前に多くの人だかりができている。
結利「私たちが来ることがばれていたの!?」
慌てる結利。だが入り口付近にいる人々の様子を冷静に観察したきゅっぱが何かに気づく。
きゅっぱ「あいつら…EGOの隊員じゃないね」
その人々はそれぞれにカメラやマイクを携え今か今かと何かをまっているようだ。
昴「記者…?でもなんで?」
にろく「あの入口のところ…あれは!」
EGO本部の入り口ゲートのところに何かが設置してあるのを見つけたウルズ。それは…
ウルズ「何かの箱か?」
そこに設置されていた箱は人ひとりが丸々中に入るほどの大きさでその中身が確認できるように外からのぞける窓がついていた。
ツバメ「…いまからここで何が行われるというの…」
自身の予想を大きく裏切られた事態に困惑するツバメと一同。幸いにもあたりに多数いる記者たちのおかげでツバメたちの存在はたいして目立っていないようだ。

「皆様お待たせいたしました」

EGO本部の入り口周辺に大きく声が響く。その声の主は…
ミゲル「これよりみなさまの前で我々EGOが捕えた平行世界からの使者、天十也の処分を行います」
本部の入り口からミゲルとEGOの隊員たちが複数出てくる。その後ろには…
ツバメ「あれは!」
ウルズ「十也!」
手錠で拘束され、拘束具を付けられ言葉も発することができない状態の十也がEGO隊員たちに連れられ出てきた。
昴「他にもいるね」
十也の後ろにはカレン、ディサイブスライトニーの姿もあった。それぞれに拘束具を付けられ言葉も発せない。
ツバメ「やはり全員ここに…」
にろく「スライとトニーも捕まっていたか…」
ミゲル「ガーディアンの活躍により天十也とその協力者たちは捕らえられました。この世界を脅かした平行世界からの侵略者にはそれ相応の処罰を与えなければなりません!」
きゅっぱ「全員まとめて十也の協力者として始末する気のようだね」
ツバメ「各国の要人をまとめて始末するために自分たちの都合のいいように事実を改ざんするなんて…」
ミゲル「彼らにはこの冷凍処刑箱で超低温による冷凍処刑を行います。これがこの世界に危害を加えた者たちへの処罰です!」
EGOの隊員が箱の扉を開ける。
ミゲル「まずは主犯である天十也。彼の処刑を行います」
EGOの隊員たちは十也を箱の中へと押し込もうとする。自身の体に力を込めそれを拒否しようとする十也。だがそんな抵抗が通用するはずもなく彼が箱へと押し込められる。

ガシュ…

箱の扉が閉じていく。
ツバメ「もう猶予はないわね!」
にろく「いくぞ!」
記者たちの間に紛れていたツバメたちがその場を飛び出し十也の元へと行こうとしたその時…!!

「粒子光弾(りゅうしこうだん)!!」

ババババ!!

無数の粒子の弾が当たりに撃ち込まれる。それとともに白煙に包まれ周辺の視界が遮られる。
ミゲル「なんだ!?なにごとだ!?」
突然の事態に慌てふためくミゲル。
ゲイン「こいつはもらっていく!」

ザシュ!!

冷凍処刑箱を切断するゲイン。そしてそのまま十也を抱えいずこかへと消えて行ってしまう。
ミゲル「えぇい!天十也を捕まえろ!」
EGO隊員たち「はっ!」
EGOの隊員たちは白煙の中に消えたゲインを追いその場から離れていく。
にろく「一瞬だが…奴は…」
白煙の中に見えたゲインの姿。一同は死んだと思われていたゲインに驚くが今はそんなことを気にしているほどの余裕はない。
ツバメ「今は残りのみんなを救出するわよ!」
ツバメたちは白煙に紛れカレンたちを救出する。
ウルズ「十也を助けられなかったのは想定外だがとりあえずの目的は果たしたな」
ツバメ「えぇ。このまま混乱に乗じて撤退するわよ!」
ミゲル「なんだ!?なにがおこっているんだ!」

「全てはシナリオ通りですよ」

ミゲル「だれだ!?」
ミゲルの前に何者かが現れる。だがその姿は白煙に包まれ見えない。

「天十也の処刑時に現れた犯行勢力によりあなたはその命を落とす」

ズッ…

ミゲル「な…に…」
ミゲルの体にナイフが刺される。

「あなたの出番はここまでです。ミゲル長官」

ミゲル「な…ぜお…」

「これからは私がEGOを統治します。後のことはお任せください」

ミゲル「ばかな…私を裏切…るのか」

「いいえ。そんなつもりはありません。もともと私はこうするつもりだったのですから。無能な独裁者はここで滅びるのです」

ミゲル「お…う…」

ドサッ!

その場に倒れるミゲル。

「ミゲル長官。あなたのお膳出てはうまくいきました。おかげで下地はできている。これからは私がこのEGOを使わせてもらいましょう」
倒れたミゲルの眼前に立つ人物。その銀髪の人物は正面を見据えその手を天へとかざす。

オウリギン「これからは私がEGOの長官として!あなたの跡を継ぎましょう!フハハハ!!」

to be continued

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最終更新:2019年01月08日 20:38