虚構の正義!崩壊する世界!

~EGO本部・会議室~
オウリギン「みなさま、今回の一件は我々の不徳のいたるところであります」
記者たちを会議室に集め会見を開いているオウリギン。
オウリギン「平行世界からの侵略者である天十也とその協力者たちを逃し…あまつさえ!ミゲル・ジリオ長官を殺害されてしまうなんて…!」
オウリギンは自身の顔を覆うように手をかざす。まるで悲しみのあまり流れる涙を隠すように…。
オウリギン「ですが!」

ドン!

机を勢いよくたたくオウリギン。
オウリギン「我々EGOは平行世界からの侵略者に屈しはしません!必ず侵略者とその協力者たちを捕らえて見せます!」
記者A「ミゲル長官を殺害した犯人たちの手掛かりはあるのですか?」
オウリギン「そのことですが…入り口付近に設置されていた防犯カメラに移されていた映像に犯人と思われる人物たちが写されていました」
モニターに写し出される映像。そこにはツバメたちの姿が写されていた。
オウリギン「この人物たちが天十也の逃走及びミゲル長官の殺害に関与していると思われます」

ざわざわざわ

ざわつく記者たち。
記者B「この女性…みたことあるぞ!」
記者C「あぁ。たしか今寄咲グループの…」
ツバメの姿を確認した記者たちはすぐにその正体を見抜く。
オウリギン「今寄咲グループがこの件に関与しているかも含めて現在調査中です。今は調査が進展するまでは詳細はお待ちください。今後は一時的に私がEGO本部長官に就任いたします。天十也のことに関して続報が入り次第即刻皆様にお知らせいたします」
オウリギンは会議室を後にする。記者たちにとって今回の事件は特大なスクープとなるであろう。天十也の逃走、それに関与していると思われる今寄咲グループの社長、ミゲル長官の殺害。
このニュースは瞬く間に世界中に拡散された。

~モゴラ大陸・リオルクラフト研究所~
リオル「ずいぶんと大変な事態になっているようですね」
椅子に腰かけ新聞を読むリオル。
ツバメ「そうね…私の思っていた以上の事態になってしまったようね」
新聞の記事を読んだツバメもその事態に驚きが隠せないようだ。ツバメたちはEGO本部からカレンたちを連れここリオルクラフト研究所へと来ていた。
リオル「これからどうするつもりですか?」
ツバメ「とりあえずはミストラルシティに向かうわ。私の会社の様子が気になるからね」
リオル「今寄咲グループ全体が不審な目で見られているようですからね」
ツバメ「こんな事件の犯人かもしれない社長が不在ではそうもなるわね」
リオル「あなたと付き合いのある人物であればあなたがそのような人物ではないとはわかりますが…世論はそうは思わないでしょうね」
ツバメ「それがEGOの手ということね…まんまと罠にはめられた気分だわ。でも…」
1つだけ腑に落ちない点がある。
ツバメ「ミゲル長官の殺害…これはいったい誰の仕業なのかしら…」
リオル「それにかこつけてあなたたちを悪者としようとしている点がありますからね。考えたくはありませんが…もしかすると」
ツバメ「EGO…もしくはあのオウリギンという男の…」
二人が思う犯人。その像は同じ人物のようだ。
ツバメ「今までの事件の解決にかかわっている私たちを完全に抹消する気なのかもしれないわね」
以前ツバメが考えていたEGOの手段。天十也とその仲間たちを抹消することで今までの事件をすべてEGOのみで解決したというストーリーを描く。それが今のEGOの狙いなのではないか。
リオル「その可能性も現実味を帯びてきたかもしれないわね」
ツバメ「なんにしても私はミストラルシティに向かうわ。ここのことはよろしく頼むわよ」
リオル「任せてもらうわ…と言いたいところだけどEGOがここに気づいて攻めてきたら自信はないわね」
ツバメ「いくらウルズたちがいるといっても敵はあのEGO。ましてやガーディアンとかいう連中がいるようだしね」
十也やスライトニーをも倒すような部隊。そんな連中が攻めてきたらここも耐えられる保証はない。
リオル「やれるだけのことはやらせてもらうわ」
ツバメ「すまないけど頼んだわよ」
にろく「まてよツバメ」
部屋の奥からにろくが出てくる。
にろく「1人でミストラルシティに行く気か?」
ツバメ「えぇ。少しでもここに戦力を残しておいたほうがいいでしょ」
にろく「お前が1人で行って捕まったほうが困る。俺もお前と一緒にミストラルシティに戻る。あとこいつもな」
そういってにろくが指をさすほうには結利の姿があった。
結利「うん!」
ツバメ「あなたたち…わかったわ。じゃあ3人でいきましょう」
こうしてツバメ、にろく、結利の3人はミストラルシティへと戻っていった。
リオル「さて…彼らの様子はどうかしら」

~リオルクラフト研究所・医務室~
リオル「調子はどうかしら?」
ウルズ「まだ安静にしているが全員以上はなさそうだ」
ベッドに眠るカレンやディサイブたち。
きゅっぱ「でもこいつはだれなんだ?」
ベッドに眠る1人の少年。カレンたちを救出した際、一緒に拘束されていたこの少年も救出したのだがその素性が全く分からない。
昴「EGOに無理やり拘束されたどっかの国の重要人物なんじゃないの」
ウルズ「そうかもしれないな」
リオル(他の拘束されていた人物はすべて天十也と関係する人物だった。だがこの少年はだれも知らないという…いったいこの少年は…)
一抹の不安を覚えながらもリオルは部屋を後にした。

~リオルクラフト研究所・リオルの自室~
部屋に戻ったリオルは自室のテレビをつける。テレビに映し出されたのはニュースの映像であった。

「EGOは天十也とその仲間を秘匿している可能性があるとのことでモゴラ大陸にある魔導都市メルディア・シールと火の国アルバンダムに強制侵攻を行いました。EGOとの協定を結んでいる国への強制侵攻はこれが初めてのことです」

テレビのモニターには魔導都市メルディア・シールと火の国アルバンダムの国土から火の気が上がりEGOが襲撃している画像が映し出されていた。
リオル「EGOはいったいなにを!?」
あまりの事態に驚くリオル。
リオル「こんなことをすればEGOの加盟国から批判が来るのは目に見えている。いったいどういうつもりだ…」

ドン!

リオルの部屋の扉が開く。
ウルズ「リオル所長!このニュース本当なのか!」
ニュース映像をみたウルズが部屋に入ってきた。
リオル「えぇ。間違えはないでしょう」
ウルズ「あそこにはナルたちがいる…」
リオル「あなたたちの仲間ね」
ウルズ「十也とともに戦ってきた奴らがEGOに狙われている可能性は高い!ナルたちを助けにいく!」
これまでの状況からその可能性は高い。新長官となったオウリギンはミゲルよりもかなり過激な手段をとる可能性もあり得る。
リオル「そうね。だったら3人でいきなさい」
ウルズ「3人?昴ときゅっぱか?」
リオル「えぇ。ここはなにかあったとしても私がなんとかする。あなたたちはあなたたちがやれることをやりなさい」
ウルズ「わかった…あんたの言葉に甘えさせてもらうぜ!」
ウルズは昴ときゅっぱを連れ研究所を出て行った。
リオル「もしもの時は覚悟を決めないといけないかもしれないわね」

EGOの新たな本部長官に就任したオウリギン。彼の策略に翻弄されるツバメやウルズ。彼らの行く末は。そしてゲインに連れ去られた十也は…

~???~
十也「うっ…」
目を覚ます十也。
???「目を覚ましましたか」
十也「あんたは…?」
???「あなたには私たちの切り札になってもらいます」
十也「切り札?」
???「はい。よろしくお願いします」

to be continued

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2019年01月09日 20:40