タウガス共和国解放戦!四凶獣との戦い!

~レムリア大陸・EGO本部長官室~
ヒルデ『例のものは完成しました』
オウリギン「そうか」
オウリギンと通信するヒルデ。
ヒルデ『輸送とともに私もそちらへ向かいますわ』
オウリギン「カミナ工業への風当たりも強いか」
EGOへの兵器協力を行っているカミナ工業。今のEGOのやり方に対し民衆からは不満の声が募っている。それはカミナ工業へもデモ行進が行われるほどだ。
ヒルデ『そうですね。ですがあなたの目指すEGOによる世界の統一が完成するまでの辛抱ですわ』
オウリギン「全ての国家をEGOによる統治とする。武力による制圧は好まれることではないが結果として国を守る戦力が確定すれば国民も落ち着くだろう」
ヒルデ『今は各国の戦力とEGOが戦っている状態。EGOが勝利し、それがそのまま国家を守るための力と働けば不満もいずれ消えるでしょう』
オウリギン「世界のすべてをEGOが守護する形となる。そうすれば隣国同士のいざこざもなくなるだろう」
ヒルデ『あなたの崇高な理想のため協力させていただきますわ。では後程』
ヒルデとの通信が切れる。
オウリギン(所詮は自身の商売のためか。後々のことを考え、EGOに取り入っておくのが良作と考えているようだな)
部屋にかけられている地図に目を向けるオウリギン。
オウリギン(モゴラ大陸はタウガス支部によりほぼ制圧が完了。グリフ大陸は支部内でリヴァーレの裏切りがあったものの新たに配置した部隊により再編は完了。とうのリヴァーレたちの行方は知れぬが大した問題ではない。レムリア大陸はここ本部がある限り問題はない)
3国をほぼ手中に収めたEGO。
オウリギン(オリジネイター、ネオ、そしてレーヴェンズ。それらの事件に終止符を打ったのは天十也とその仲間たちだ。だが…)
EGOの調査部隊の資料に目を通すオウリギン。
オウリギン(そのどの事件でも裏で行動していたのはシュウ…やつだ。来未柊がいなくなった今、私の計画を崩せる者はいない。我々EGOを世界の敵と認識し、天十也たちが以前のように反逆してきたとしてもな)
オウリギン「ふっ…」
1人不敵な笑みを浮かべるオウリギン。彼は再び地図に目を向ける。
オウリギン(計画は順調だ。あとは…)

~モゴラ大陸・火の国~
ナル「これで準備は整ったね」
メルト「はい!」
ディサイブ「兵糧も問題ない」
ボルク「おし!腕が鳴るぜ!」
炎下一〇八部隊「我々も準備は整っております」
火の国との交渉の末、協力関係を結んだナルたち。火の国でも自国に攻め入ったEGOに対してはよくない感情を持っていた。それもありすんなりと作戦に協力してもらえたのであった。彼らはタウガス共和国をEGOの手から取り戻すため歩を進める。
ナル「目指すはEGOタウガス支部!いくよ!」
一同はEGOタウガス支部、そこにいるであろう王黄龍打倒のため進んでいく。

~ミストラルシティとグリフ大陸をつなぐ橋~
アポロン「EGOの警備が手薄であったおかげでここまで容易にくることができたな」
ディック「これはついてるぜ!」
キノ「だけど油断は禁物だよ」
ディック「わかっているって!」
スライ「カリナン公国を取り戻す」
トニー「そのためにもまずはグリフ大陸支部の攻略ですね」
アポロン「これよりグリフ大陸だ。敵の数も未知数だ。気を引き締めていくぞ」

~ミストラルシティとレムリア大陸をつなぐ橋~
にろく「ここからは気を抜けないな」
結利「うん」
きゅっぱ「覚悟を決めないといけないね」
昴「相手はあのEGO。ましてやその本部だからね」
ウルズ「エミス。いまならまだ引き返せるぞ?本当に行くのか?」
エミス「大丈夫です。僕も行きます!」
ウルズ「そうか。なら死ぬなよ!全員!行くぞ!」

~モゴラ大陸・EGOタウガス共和国支部入口~
四凶獣「……」
ナルたちの前に立ちはだかる四凶獣。
ナル「メルディア=シールに現れたやつか!」
四凶獣「……」
複数の四凶獣が彼らへと襲い掛かる。
ボルク「こいつなら似たのとやったことがあるぜ!俺の力を!」

ボゥ!!

ボルクの体から発せられる炎。
ボルク「『炎陣包囲(フルシェージ)』!!」

ボボボボ!!

炎下一〇八部隊へとボルクの炎が放たれていく。その炎を纏う炎下一〇八部隊。
ボルク「いくぜ!」
ボルクと炎下一〇八部隊は四凶獣に立ち向かっていく。
ナル「僕たちもいくよ!」
メルト「はい!」
ナルとメルトは剣を構える。
ナル・メルト「『閃光弾(シャングァンタム)』!!」

バシュン!

光の弾を放つ二人。
ディサイブ「能力が使えなくとも」
腰から剣を引き抜くディサイブ。
ディサイブ「この剣で!」
剣を構え四凶獣へと立ち向かうディサイブ。四凶獣たちはナルたちの攻撃で次第にその数が減っていく。
ボルク「よっしゃあ!これならいけそうだな」
メルト「そうですね!このまま倒してしまいましょう!」
負傷者も出、体力もだいぶ消耗したがなんとか四凶獣を倒せそうだという思いが彼らを鼓舞する。だがその時…

ズン!

何かが降ってくる音がした。

ズン!ズン!

さらにその音は数を増す。
ボルク「嘘だろ…」
ボルクの目に映ったもの。それは…
四凶獣「……」
先ほどとは比べ物にならないほどの数の四凶獣が彼らの前に現れる。
ナル「くっ…まだこれだけの数が」
ディサイブ「このままでは消耗戦だ…」
メルト「ど、どうしましょう!」
あと少しという状況でその意思を打ち砕かれたナルたち。
ナル(このまま戦っても僕たちに勝機はないかもしれない…)
一抹の不安がナルの頭をよぎる。
ディサイブ「撤退せざるを得ないか」
ボルク「あと一押しだと思ったのによ!くそっ!」
メルト「…私あきらめたくありません」
ナル「メルト?」
メルト「ここまで来たのに…メルディア=シールを取り戻す最後のチャンスかもしれないのに!」
剣を構えるメルト。
メルト「それを…邪魔しないでください!」
四凶獣へと剣を構え突撃するメルト。
ナル「やめろメルト!」
ナルの声はメルトには届かない。

バン!

メルト「あっ…」
四凶獣の攻撃により剣を吹き飛ばされ無防備になるメルト。
四凶獣「……」
四凶獣はその手をメルトへと振りかざそうとする。
ボルク「だめだ!間に合わない!」
ディサイブ「ここからでは…」
ナル「メルトオォーー!!」
メルト「高鳴(ガオミン)…様…申し訳ありません…」
自身の最後を確信するメルト。

ブン!

四凶獣がその手をメルトへと振りかざす。

ドゴォォン!!

メルト「きゃぁぁーー!」
ボルク「なんだ!?」
上空から何かが降ってきたかと思うと地面を揺さぶるほどの強烈な衝撃があたりに広がる。
ディサイブ「一体何が…」
ナル「あれは…?」
メルトと四凶獣の間になにか青いものが見える。それが四凶獣を吹き飛ばしたようだ。
メルト「え?」
メルトにはその姿に見覚えがあった。アンモライ王国でのバトルグランプリ。そこで見たその姿は彼女の目に焼き付いていた。
メルト「あの時の…鬼?」
モリコーネ(青鬼人)「この異形がこの地を混沌に染めるものたちか」
四凶獣を異形と言い放つモリコーネのその姿もナルたちから見れば異形だ。全身が青白く筋肉が大きく隆起し、その頭にはそびえ立つ一つの角が生えている。
ナル「あれは…バトルグランプリでメルトを倒した…なんでここに?」
四凶獣「……」
四凶獣はモリコーネへと襲い掛かる。

ガキン!

その攻撃を生身で受け止めるモリコーネ。
モリコーネ(青鬼人)「我らの神より受け賜わりしこの力の前に異形の力など無意味!」
四凶獣「……」
四凶獣たちがモリコーネのまわりに集まってくる。

バッ!

一斉にモリコーネに襲い掛かる四凶獣。
モリコーネ(青鬼人)「ぬぅ!」
四凶獣たちに覆いかぶさるように攻撃され姿が見えなくなるモリコーネ。
ボルク「やばいぜあいつ!このままじゃ…」
ディサイブ「援護に入るか」
ナル「…いやなにか様子が」

ボコボコ!

四凶獣たちが襲い掛かっているモリコーネがいる場所の地面が隆起していく。
モリコーネ(青鬼人)「我への反逆は神への愚弄。その無知をその魂を持って償うがいい。『モゴラの地へ眠る静寂なる世界の守護者。その力をもって世界へ和らぎを与えたまへ!』」

ゴゴゴゴ!!

地震のような地鳴りがあたり一帯に起こる。
モリコーネ(青鬼人)「目覚めよ(コネクト)!『カルマ―トカラン』!!」

バゴォン!!

衝撃で吹き飛ばされる四凶獣たち。隆起した地面から何かが現れる。
ディサイブ「石像か?」
石でできた体を持つそれは蛇のようにしなやかな動きを見せる。それはまるで水蛇を思わせる姿をしている。
モリコーネ(青鬼人)「守護者カルマートカラン。その力で神へと仇名す者たちを消し去り給え」
カルマートカラン「ギョルルル!!」
奇怪な鳴き声を思わせる音を発し、空へとその口を向けるカルマートカラン。

ポタ

ナル「ん?」
空から何かが降ってくる。徐々にあたり一面が黒い雲に包まれていく。
ボルク「これは水?」

ポタ…ポタ…ザァァァ!!!

一瞬にして大量の雨があたり一面に降り注ぐ。
ディサイブ「なんだこの雨は!?」
メルト「あれ?火の国の方々は濡れてないようですよ?」
ナルたちから離れている炎下一〇八部隊は雨に濡れていない。
ボルク「ここにだけ雨を降らせているのか?なんのために?」
メルト「あっ!やみました!」
雨が降りやんだ…と思ったがそれは違った。
ナル「あの雨!あの蛇の上に集まっているんだ」

ドドドド!!

カルマートカランの真上に収束していく雨。それは豪雨を超えるほどの水圧を生み出している。水蛇の口に雨が降り注ぐ。
カルマートカラン「ギョルルル!!」
水蛇の鳴声に反応するように雨の流れが下から上へと逆転する。
モリコーネ(青鬼人)「万物は流転する。その奔流は何物にも耐えられん」
水蛇の口から空へと放たれる雨水。そのすべてが空へと放たれた次の瞬間!

バシュ!バシュ!

空から圧縮された水が弾丸のように四凶獣へと降り注ぐ。

ボン!

高圧縮された水は紙に穴でもあけるように簡単に四凶獣の体に風穴をあける。

ボボボボ!!

次々と空から放たれる水の弾丸。それは四凶獣を次々と貫いていく。
ナル「なんだかわからないけどこれはチャンスだね」
ボルク「あぁ。この機を逃す手はない!いくぞ炎下一〇八部隊!」
炎下一〇八部隊「はっ!」
四凶獣へと立ち向かうボルクと炎下一〇八部隊。
ナル「僕たちはこの隙に支部内へ!」
メルト「はい!」
ディサイブ「急ごう」

タウガス支部へと突入したナルたち。彼らは王黄龍を倒すため先を急ぐ。
そして突如現れたモリコーネ。その意図は…

to be continued

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最終更新:2019年02月07日 19:48