~EGOタウガス支部~
龍静「君たちのおかげで黄龍たちを倒せた。感謝する」
ナル「あなたが来てくれたおかげでタウガス支部の解放がうまくいきました。僕たちこそ感謝しますよ」
メルト「それでこれからどうするんですか?」
ナル「そうだね…」
ボルク「俺はアルバンダムへ戻る。アルバンダムが突破されなければ、タウガスがEGOに襲撃されることもないだろうからな」
龍静「ディサイブ・ラウズレイはここの医療室で治療中だ。命には別条はないだろう」
ナル「そうですか。なら僕と
メルトはメルディア・シールに向かおう」
メルト「私たちの故郷をEGOの魔の手から解放するんですね!」
ナル「タウガス支部を掌握した今、メルディア・シールを制圧している部隊も混乱しているはずだ。この機を逃す手はない」
メルト「了解です!いきましょう!」
~ミストラルシティ~
にろく「なんとかミストラルシティまでこれたな」
スライ「こっからは別行動だ」
にろく、結利、ウルズ、昴、
きゅっぱ、エミスはレムリア大陸へ。
アポロン、キノ、
ディック、
スライ、
トニーはグリフ大陸へそれぞれ向かう。
アポロン「互いに武運を祈る」
ウルズ「あぁ。EGOの暴走を止めて見せる」
~ミストラルシティとグリフ大陸をつなぐ橋~
橋を進む
アポロンたち。
「のこのこ現れたか。反逆者たちよ」
アポロンたちの前方から聞こえる声。
アポロン「だれだ!?」
アルバド「またお前とここで会うとはな」
アングルフに身を包んだ
アルバドと無数の駆動鎧が
アポロンたちの行く手を阻む。だがアングルフの姿は以前
アポロンや
スライたちが対峙した時とは似ても似つかぬ姿となっている。
アポロン「この駆動鎧たち…ブランクとかいったか」
キノ「あの指揮官機…ただものじゃないね」
アルバド「俺はEGO本部直属部隊ガーディアン第1部隊隊長アルバド・ルドルフだ」
トニー「
アルバド…カリナンを制圧した駆動鎧部隊の隊長…」
アポロン「その駆動鎧…以前とは違うようだな」
アルバド「この前はまんまと逃げられたが今度はそうはいかない。このパワーアップしたアングルフでお前を仕留める!」
ガキン!ガキン!
アングルフの右腕が変形していき、巨大な銃へと姿を変える。
アルバド「UW(アトモス・ウェポン)!!」
ギュィィン!!
銃の銃口へとエネルギーがたまっていく。
バシュゥゥン!!
ドゴォォン!!
橋が衝撃により激しく揺れる。
アポロンたちはなんとかその攻撃をかわす。
ディック「なんだよあれ!?」
キノ「粒子の砲弾…あんな技術がEGOに…」
トニー「あんなもの当たったらひとたまりもないですよ!」
アルバド「次は外さん」
再び
アポロンたちへ狙いを定める
アルバド。
スライ「こんなところで立ち止まっている暇なんてないってのに!」
アポロン「だが目の前の敵を倒さなければ道は開けん」
ディック「倒すのはいいけど、あのアルバドってやつをどうにかしないと勝ち目はないぜ
アポロン」
ギュィィン!!
アングルフの銃口にエネルギーがたまっていく。
アルバド「くらえ!!」
アルバドが
アポロンたちに再びエネルギーの塊を放とうとしたその時!!
ドゴゴゴ!!
駆動鎧ブランクをなぎ倒しながら何かが
アルバドへと迫ってくる。
アルバド「なんだ?」
ドン!
ブランクを吹き飛ばしながら迫ってきたのはトレーラーだ。トレーラーがアングルフへと衝突する。その衝撃で吹き飛ばされるアングルフ。
アルバド「ぐっ!」
態勢を即座に立て直す
アルバド。
キノ「トレーラー?なに?」
ディック「暴走車両か?」
バコン!!
トレーラーの後ろのハッチが開く。
ブゥン!!
その中に何かのセンサーが光る。
モニカ『スパーダ2。準備はいいですか?』
リベルタ「問題ないぜ!スパーダ2カスタム。リベルタ出る!」
バッ!
トレーラーの中から飛び出してくる駆動鎧。
アルバド「こいつは…報告にあったグリフ大陸支部の駆動鎧か」
リベルタ「あっ!」
一瞬
アポロンたちのほうを見るリベルタ。そこにリヴァーレから通信が入る。
リヴァーレ『余計な接触は避けろ。任務に集中しろ』
リベルタ「あ、あぁ!そうだった!任せろ!」
ジャキン!
片刃の槍を構えるリベルタ。
リベルタ「EGO!お前たちの相手はおれだ!」
アルバド「たかが駆動鎧一体で俺たちを食い止める気か?見上げた根性だな」
アポロン「この機を逃す手はない!いくぞ!」
アポロンたちは突如現れたリベルタたちに
アルバドが気を取られた隙にその場を抜けようとする。だが
スライと
トニーはその場を動かない。
アポロン「どうした?」
スライ「カリナンを侵略したEGOにリベンジするチャンス…俺たちはこいつらの相手をする!」
トニー「
アポロンたちは先に行ってください!」
アポロン「…そうか。
スライ、
トニー、また後で会おう」
アポロン、キノ、
ディックはグリフ大陸へと進んでいった。
リベルタ「いいのか?一緒に行かないで?」
スライ「こいつらには借りがあるんでな」
トニー「それにあなた一人でこれだけの数が相手では勝機もないでしょう。死に試合です」
リベルタ「…そうだな。
スライ、
トニー!ブランクは任せた!俺はあいつを倒す!」
スライ「あぁ!」
トニー「はい!」
駆動鎧ブランクたちと激しい戦いを繰り広げる
スライ、
トニー。
アルバド「裏切り者のグリフ大陸支部。こうして自ら姿を現すとはな。お前たちを捕らえ、
アポロンたちの後をすぐに追わせてもらう!」
トレーラーからモニカが応答する。
モニカ『今のEGOの好きにはさせません!リベルタが私たちの道を切り開いてくれます!』
リベルタ「ってわけでいくぞ!」
片刃の槍を構えてアングルフへと攻撃を仕掛けるリベルタ。
ブン!
バシュン!!
アングルフの背中の羽部分からブースターが点火する。
リベルタ「なっ!」
アングルフはそのまま空中へと飛行する。
リベルタ「飛行できる駆動鎧だって!?」
モニカ『そんなものが…』
リヴァーレ『我々の知らない技術をEGOも取り入れているというのか』
アルバド「こいつは特別だ。UW(アトモス・ウェポン)!」
ガキン!
アングルフの右腕が変形し巨大な剣となる。
アルバド「いくぞ!」
巨大な剣を構え上空からリベルタへと襲い掛かる
アルバド。
ガキン!
リベルタ「くっ!」
片刃の槍で攻撃を受け止めるリベルタ。
アルバド「反応速度は大したものだ。だが!」
再び上空へと飛び、攻撃を仕掛ける
アルバド。
アルバド「どこまで耐えられるかな」
ガキン!ガキン!ガキン!
上空から次々と剣を振るう
アルバド。槍で攻撃を受け止めながらも次第に態勢を崩し始めるリベルタ。
リベルタ「このままじゃあ…やられる。こうなったら!」
バシュン!
片刃の槍に光り輝く粒子の刃が現れる。 そして槍を両手で構え大きく天へと掲げるリベルタ。
アルバド「なにをしようと!」
リベルタ「B・B・B(ビー・ブラスター・ブレード)!」
バシュン!!
掲げられた槍がアングルフへと振り下ろされる。
アルバド「受けてやる!」
ガガガ!!
アングルフの右手の剣で槍を受け止める
アルバド。だがリベルタの槍に力負けしているようだ。
アルバド「馬鹿な!アングルフの出力を上回るだと!?」
リベルタ「うぉぉ!!いけぇぇ!!」
アルバド「くっ!ウイングカッター」
ガキン!
アングルフの背中の羽部分が外れ、ブーメランのようにリベルタへと襲い掛かる。両手がふさがったリベルタには対する術がない。
ガン!
リベルタへと突き刺さる羽。
リベルタ「ぐっ!」
その衝撃で力が緩むリベルタ。
アルバド「ふん!」
その隙を
アルバドは見逃さない。大剣に力を込め、リベルタを吹き飛ばす。
ドゴン!
リベルタ「がはっ!」
地面へと打ち付けられるリベルタ。そのまま意識を失ったようにその場に倒れこんでしまう。
バシュ!
リベルタに突き刺さった羽がアングルフへと戻っていく。
アルバド「これが力の差だ」
リヴァーレ『リベルタが…勝てないだと』
モニカ『このままでは…』
ボルドー『……モニカ長官』
~トレーラー内~
ボルドー「…モニカ長官。私の駆動鎧の発進許可を」
モニカ「
ボルドー技術長!あの駆動鎧は危険です!あなたの発進許可は出せません」
リヴァーレ「ならば私が出撃を…」
リヴァーレの言葉を遮るように
ボルドーが言葉を発する。
ボルドー「無理じゃ!今この中で駆動鎧を使えるのは私のみ。おまえさんが生身で行ったところであの駆動鎧の相手は務まらん。モニカ長官、あやつを今失うわけにはいかん!お主ならわかるじゃろ!」
リヴァーレ「しかし…
ボルドー技術長の身になにかあっては…」
モニカ「…わかりました。
ボルドー技術長。あなたの駆動鎧の発進を許可します」
リヴァーレ「モニカ長官!」
ボルドー「感謝するぞモニカ長官。リヴァーレ、おぬしもそんなに心配するでない。老兵は死なずじゃ!」
リヴァーレ「わかりました。ご武運を」
モニカ「
ボルドー技術長。あなたを信じます」
カタタタタ!!
トレーラー内のパソコンを操作するモニカ。
モニカ「各ユニット異常なし。
ボルドー技術長!装着準備を!」
ボルドー「うむ!」
ボルドーがトレーラー後部の扉の前に立つ。
ウィィン!
トレーラ内の各部のハッチが開きそこから複数のロボットアームが機械のパーツを掴みながら現れる。
ガシュン!ガシュン!
ロボットアームが機械のパーツを次々に
ボルドーへと着せていく。
ガキン!
最後に頭部へヘルメット上のパーツを被せる。
ボルドー「各部異常なし!スパーダ4ソルダート・プーニョ!出撃する!」
~ミストラルシティとグリフ大陸をつなぐ橋~
地面に倒れるリベルタを見下ろすように立つ
アルバド。
アルバド「これが組織に反逆したテロリストの末路だ。その身をもって知れ!」
ブン!
ガキン!
だがその剣はリベルタには当たらなかった。
アルバド「なに?」
ボルドー「リベルタをやらせはせん!」
駆動鎧に身を包んだ
ボルドーがその攻撃を両腕で受け止める。
ボルドーの駆動鎧ソルダート・プーニョは近接戦に特化した駆動鎧だ。その両腕と拳は装甲を何十にも重ねており以上に大きくアンバランスな姿をしている。
アルバド「グリフ大陸支部の駆動鎧か。だがこの程度でアングルフの攻撃を止められると思うな!」
グググ!!
ボルドーの両腕が押されていく。
ボルドー「ぬぅ!」
アルバド「このまま押しつぶす!」
ボルドー「そうは…させんぞ!スパーダ4スパーダ4ソルダート・プーニョEXモード!!」
バゴン!!
ソルダート・プーニョの両腕の装甲が開く。その装甲の隙間から無数のブースターが見える。
ボルドー「バスターアーム!!」
ボオゥ!!
ブースターが着火する。
ゴゴゴゴ!!
バン!
ブースターを点火させながら巨大な拳でアングルフへと殴りかかる
ボルドー。
ドゴン!
ドゴン!ドゴン!
ドドドドドド!
ブースターの加速により高速の拳が何度もアングルフに打ち込まれる。激しい拳の連打に全身がボロボロになるアングルフ。
リヴァーレ『す、すごい…
ボルドー技術長の力がこれほどとは』
モニカ『いける!これなら!』
ボルドー「これで終わりじゃあ!!」
ガッ!
両手の指を交え上へと掲げる
ボルドー。それをブースターの加速を乗せ、勢いよくアングルフへと降りおろす。
ボルドー「バスターアーム・スレッジハンマー!!」
ドゴォォォォン!!
アングルフの装甲に半壊するほどの衝撃が走る。各部の装甲が破壊されながらそのまま橋の上へ倒れるアングルフ。その衝撃で橋の各所にひびが入る。
アルバド「がはっ…!!」
アングルフの中の
アルバドの姿もあらわになる。
ボルドー「まぁ、これが戦いの年季の違いというものかの」
ガション!!
ソルダート・プーニョの腕部の装甲が閉じる。
リヴァーレ『
ボルドー技術長はもともと技術員ではなかったのですか?』
モニカ『
ボルドー技術長は元はEGO教導隊に所属していたそうよ』
リヴァーレ『あのEGO教導隊ですか』
EGO発足初期に実戦での戦闘技術が突出していた6人が任命され、EGOの今の戦闘マニュアルを作り上げたというエリート部隊。それがEGO教導隊である。
ボルドー「昔の話じゃ。いまはもう老いぼれじゃよ」
どういう経緯で
ボルドーが技術員になったのかは定かではないが、彼が教導隊の一人であったのは事実。その力は折り紙付きだ。
モニカ『これで敵の指揮官は倒れました。こちらの優位です』
モニカ『えっ?』
ボルドー「まだ起きるか」
アルバド「くっ…まだ俺はくたばってはいないぞ」
壊れたアングルフの隙間から除く
アルバドの顔はだいぶ疲弊しているように見える。
アルバド「さすがは教導隊の一人だな。だが俺は負けるわけにはいかない!」
ビキビキビキ!
アングルフの装甲が修復していく。
ボルドー「なんじゃと!?」
アルバド「今更手段にはこだわらん。
ガドゥ!」
ガドゥと通信する
アルバド。
ガドゥ『はい。なんですか
アルバド?』
アルバド「状況はそちらでもわかっているな」
ガドゥ『えぇ。いつ連絡をいただけるのかと待ちわびていました』
アルバド「ならばわかっているな」
ガドゥ『はい。こちらの準備は万端です。AIS(エーアイエス)にアングルフの制御系統の優先権を移行』
アルバド「あくまでこちらが操作ミスをした場合のみだ!わかっているな!」
ガドゥ『それをきめるのはAISです。わたしでもあなたでもありません』
アルバド「ちっ!どちらだろうが構わん!任務を遂行できさえすればな!!」
装甲が完全に修復したアングルフが
ボルドーへと襲い掛かる。
ボルドー「EXモードはしばらくつかえん…だがこやつも弱っておる!はぁぁ!!」
巨大な腕でラリアットをかます
ボルドー。
アルバド「ぐっ…」
体が痛み反応が遅れる
アルバド。
AIS「……」
グルン!!
だがアングルフはラリアットの軌道を完全に読み切っているかのようにすれすれで躱す。
ボルドー「なんじゃと!?」
アルバド「AIS。さすがだな。俺の戦闘データから敵の動きを完全に見切っている」
ガキン!
アングルフの右腕が巨大な剣へと変形する。
アルバド「UW(アトモス・ウェポン)!!」
ザシュン!!
ボルドー「なんじゃと!?」
巨大な剣でソルダート・プーニョの両腕の関節の装甲をきれいに切り裂くアングルフ。
ドン!
関節を切り裂かれその場に落ちるソルダート・プーニョの両腕。中の
ボルドーの両腕までは剣は達しておらず無事のようだ。
ボルドー「器用な真似を…」
アルバド「これでお前の駆動鎧は無力化された。おとなしく…」
ガシッ!
アルバドが言い終わる前にアングルフが左手でソルダート・プーニョの頭を掴み持ち上げる。
ギギギギ!!
強力な力で捕まれた装甲はゆがみその中の
ボルドーの頭も圧迫され激痛が走る。
ボルドー「ぐあぁぁぁ!!」
アルバド「AIS!勝手な真似をするな!」
ガドゥ『AISはあなたのように甘くありません。その場で最善の行動をとりますよ』
アルバド「くっ!とめろ
ガドゥ!」
ガドゥ『なぜですか?裏切り者には死あるのみ。生きてとらえる意味などありません』
アルバド「…それが世界を守る組織の一員の言葉か」
ふと出た
アルバドの言葉。それは彼も予期していない一言だった。その言葉が出たのはそれが彼の本心だったからなのか…。
ガドゥ『やはりあなたは非常に徹しきれないようですね。いいのですか、チカさんは?』
アルバド「!」
ガドゥ『あなたがデバイサーとしてふさわしくないとなれば、彼女はもうEGOからの支援は受けれません。そうすれば…』
アルバド「わかっている!!」
声を荒げる
アルバド。
アルバド「ふぅー」
深呼吸をする
アルバド。
アルバド「おれはもうためらわない。俺という人間を…自分を殺す!(全てはチカの…俺の娘のために!!)」
ソルダート・プーニョの頭を掴む力が強くなる。
ギギギ!!
ボルドー「あぁぁ!!」
モニカ『
ボルドー技術長!!』
リヴァーレ『だめだ!私も出ます!』
モニカ『そうね!駆動鎧がなくともいかないわけには!』
トレーラーを飛び出そうとする2人。
「うぉぉ!!」
ドン!!
何かがアングルフに体当たりする。その衝撃で
ボルドーを掴んでいた手を放すアングルフ。
モニカ『あっ!』
アルバド「またやられに来たか」
リベルタ「俺は負けるわけにはいかない!お前を倒して見せる!」
to be continued
最終更新:2019年07月24日 22:08