~EGO・グリフ大陸支部入口~
十也「ついたな」
グリフ大陸支部の入り口に到着した十也一行。
きゅっぱ「静まり返っているね」
結利「だれもいないのかな」
にろく「EGOの隊員も一人もいないとは…」
ツバメ「やはりここでなにかあったみたいね」
ゲイン「支部内を捜索し、
アポロンたちの痕跡を探すか」
エミス「でしたら全員で行動するよりも別れて行動したほうが効率がいいですね」
昴「そうだね」
ウルズ「なら別れて支部内を探索だな」
ツバメ「そうしたらだれがどこを捜索するかね」
入口の案内板を見つめる一同。グリフ大陸支部は大きく三つのエリアに分かれている。
長官や隊員の勤務する本棟、研究・開発がメインの研究棟、車両・駆動鎧や資材を格納している格納庫。
ウルズ「オレは格納庫を調べてみるか。」
きゅっぱ「あたしと昴もウルズについていくよ」
にろく「おれと結利は研究棟へいく」
ゲイン「俺も同行しよう」
十也「じゃあ俺とエミス、ツバメが本棟の調査だな」
ツバメ「みんな気を付けて。何があるかわからないわ。気を引き締めていくわよ!」
~グリフ大陸支部・格納庫~
格納庫内には多数の駆動鎧や車両が配置されている。
昴「ここになにかアポロンたちの痕跡があればいいけれど」
格納庫内を探索するウルズ、きゅっぱ、昴。
きゅっぱ「ここにはなにもなさそうだね」
ウルズ「何かと争った痕跡も見当たらない…他のチームに合流するか」
格納庫を出ようとするウルズたち。
ウルズ「ん?」
格納庫の入り口に何か人影が見える。
きゅっぱ「だれだい?」
入口にいる人物は黒いローブを纏いその顔を見知ることができない。
昴「なにものだ?」
黒いローブの人物へ話しかける昴。
???「やはりこの地に現れたか。これも神の思し召し!」
バッ!
黒いローブの人物がその身にまとうローブを脱ぎ払う。
ニーノロータ「我らが神に仇名すものどもよ。ここでその生を全うするがいい」
~グリフ大陸支部・研究棟~
研究棟内を探索するにろく、結利、ゲインの3人。
結利「パソコンがいっぱいだね!」
ずらりと並ぶパソコン。
にろく「一応調べてみるか。『プラグオン』」
パソコンに接続し、パソコン内のデータを自身の能力により引き出すにろく。
にろく「監視カメラのデータでもあればと思ったがここのパソコンにはないようだな」
ゲイン「監視カメラのデータがあるのは本棟か。そのデータがあればアポロンたちに何があったか知ることもできそうだな」
にろく「あぁ。よし、ここでは他に情報は得られなさそうだ。俺たちも本棟に向かおう」
研究棟を後にしようとする3人。
ゲイン「まて!」
何かの気配に気づくゲイン。
???「
ディック・ピッドの仲間。お前たちの命運はここで尽きよう」
黒いローブを被る人物が3人の前に立ちはだかる。
結利「だれ!?」
にろく「お前がアポロンたちを攫ったのか?」
???「そなたらは神へと反旗を翻した者の仲間」
バッ!
ローブを脱ぐ男。
モリコーネ「神逆の罪。その身をもって償うがいい」
~グリフ大陸支部・本棟~
ツバメ「だいたい本棟内も見て回ったわね」
エミス「はい。ですがアポロンさんたちの痕跡は見つけることができませんでした」
十也「あと残っているところは…」
近くにあった見取り図に目をやる十也。
ツバメ「長官室ね。行ってみましょう」
3人は長官室へと歩を進める。
~グリフ大陸支部・長官室前~
ツバメ「ここが長官室ね」
十也「ここになんらかの手掛かりがあればいいが…」
エミス「アポロンさんたちの手掛かりは必ずあるはずです!入ってみましょう!」
そういうと部屋の扉を開けるエミス。
バン!
開かれた長官室の扉。
十也「ん?」
長官用の椅子に何者かが座っていた。その人物は十也たちを待ち受けるようにどっしりとその椅子に腰を落としている。
???「やぁ。待ちわびたよ天十也、
今寄咲ツバメ」
十也「子供?なんでこんなところに…」
エミス「気を付けてください十也さん!彼は十也さんとツバメさんのことを知っている…ただの子供ではないですよ」
椅子に座るその人物は見た目は少年のようだがその振舞いは達観した大人のように感じられる。
ツバメ「あなたは何者かしら?EGOの人間には見えないけれど」
ニコロ「僕はニコロ・ヴィータ。地縛民を導くものさ」
エミス「地縛民…」
十也「地縛民がなぜここに!」
ニコロ「君たちを待っていたのさ。アポロンたちは僕たちが排除した。あとはその仲間である君たちを排除すれば、僕たちの障害は消える」
エミス「あなたがアポロンさんたちを!」
十也「俺たちを倒すつもりか…」
ニコロ「そうだよ。君たちは危険な存在だ」
ツバメ「危険な存在?それはあなたたち地縛民にとってという意味かしら?」
ニコロ「いいや。この地球にとってだ」
十也「俺たちが地球にとって危険な存在だと…どういう意味だ!」
ニコロ「人類はおろかな存在だ。人間同士で争いあい、その種(しゅ)を自ら減らしていく。その争いの規模は他の生物とは比べ物にならないレベルでだ」
ツバメ「それが私たちが危険な存在であるということにどう関係するのかしら」
ニコロ「争いの火種となる存在。それが君たちなんだよ。『能力』を持ち今まで様々な敵に立ち向かってきた君たち。だがその戦いは君たちがいなければここまで続かなかったかもしれない」
ツバメ「私たちがいなければ戦いは起きなかったといいたいの?」
ニコロ「そうではないよ。だが考えてみたほうがいい。
オリジネイターの出現、未元獣の襲来、何処からか現れた未知の生命体、そしてEGOの恐怖政治。そのどれも君たちが絡んでいる」
十也「そういわれると…そうだな」
ニコロ「それは果たして偶然なのだろうか。僕には何らかの意図が働いているように感じられさえするよ。だからこそ、この地球に降り注ぐ災厄を止めるために僕は君たちを排除する」
ツバメ「私たちが地球に起きる災厄の元凶というのがあなたの見解というわけね。だから私たちを排除すると」
ニコロ「さすが今寄咲ツバメ。理解が早くて助かるよ。ただでさえ争いあう人間に嫌気がさしているからね。君たちのおかげで人間外との争いも起きるのではこの星はダメになってしまう。では…」
ボゴン!
長官室の天井が崩れ、そこから何者かが現れる。
ジョルジュ「そなたらは我が消し去ってしんぜよう!」
ニコロ「星を汚す存在は消滅してもらう。我ら地縛民の力思い知るがいい!」
to be continued
最終更新:2020年03月27日 21:26