???「ここがミストラルシティか…」
金色の長い髪をなびかせる男。
???「やっとつきましたね。ここに奴が…」
もう1人の男はこの男の付き人だろうか。
???「我が国を混乱に陥れた奴の所業を許すわけにはいかない。いくぞ、レオン!」
レオン「はっ!殿下!」
ディサイブ「まずは奴の情報をあつめなければならないか…」
2人は街の中を進んでいくのであった。
~~~
聖ラウズレイ王国で起きたシュルツ・セイバーによる内乱。それは1人の人物によって引き起こされたものだった。
その人物が残した言葉。
「すべてはミストラルシティでお教えしましょう」
ディサイブは奴の残した言葉を頼りにここミストラルシティへと来たのであった。
だが奴はこの街のいったいどこにいるのだろか。奴の名前や本当の姿もわからない。
奴を探すための手がかりが何もないディサイブとレオンは各々奴の手がかりを探すことにした。
レオン「では殿下。定刻にここで集合ということで」
ディサイブ「わかった。たのんだぞレオン」
レオン「御意!」
レオンは奴の手がかりを探すため街の中へと消えていった。
ディサイブ「さて…」
ディサイブは街に設置されているモニターに目をやった。
そこに映し出されていたニュース映像には先日この街に現れた
オリジネイターと名乗るものの姿が映し出されていた。
ディサイブ「オリジネイター…この街にも何かが起ころうとしているのか」
自分の国で起きた内乱にこの街で起きているオリジネイターの襲来を重ね合わせるディサイブ。
ディサイブ「まさか!奴もオリジネイターなのか…」
だとすればこの街にも自国と同じような事態が起きる。
ディサイブ「私の国で起きた悲劇を繰り返させるわけにはいかない!なんとしても奴を探し出さなくては」
ディサイブは情報を集めるために街の中を奔走するのであった。
~~~
そしてレオンとの待ち合わせの時間が来た。
ディサイブ「これだけ探し回っても手がかりはないか…」
名前も顔もわからない相手の手がかりを探すのは無謀だったのか…
レオン「聖王様!」
レオンが戻ってきた。
レオン「聖王様!奴の手がかりらしきものを見つけました。」
ディサイブ「なに!?本当か!」
レオン「目の前で突然姿が変わった人物をみたことがあると!その男はこの場所付近にいたそうです」
レオンは手に持った地図を広げる。
ディサイブ「いくぞ、レオン。奴の手がかりがあるかもしれない!」
レオン「はい!」
2人は地図の場所へと向かう。
~ミストラルシティ・路地裏~
ディサイブ「ここか…」
人通りのない路地裏。ここに奴の手がかりが…
ディサイブはあたりを見回す。
ディサイブ「なにか奴の手がかりは…んっ!あれは!」
目の前になにか光るものを見つけたディサイブ。かがんでその光るものを手に取って確認する。
ディサイブ「なんだ…ただの水晶のかけらか…」
レオン「…」
ディサイブの背後に立つレオン。彼は手に持った剣を振り上げる。そして
レオン「死ねー!聖王!」
デイサイブはその攻撃をよける。まるでレオンが自分に攻撃を仕掛けてくるのがわかっていたかのように。
レオン「なに!?今の攻撃を避けただと!?」
ディサイブ「やはりな。私を狙ってきたか」
レオン「なぜ俺の攻撃がわかった?」
ディサイブ「再会した時からお前を警戒していた。だがお前のほうから現れてくれるとはな!探す手間が省けたぞ!」
レオン「ふぅ…」
自分の顔に手で覆うレオン。次の瞬間彼の姿は別人へと変わる。
???「まさか私の変化を見破るとは。さすがですね」
今まで奴が見せたどの姿とも違う。これが奴の本当の姿か。
ディサイブ「レオンは私のことを聖王とは呼ばない。それにお前は…」
「その男はこの場所付近にいたそうです」
ディサイブ「といったな。本当の姿がわからないのにお前は男と断言していた。つまりそれはお前の正体を知っているということだ」
???「なるほど。いやいやお見事。非常に感嘆いたしました」
ディサイブ「相変わらず人を馬鹿にしたような態度をとる男だ。だが…」
剣を構えるディサイブ。
ディサイブ「それもここで終わりだ。我が国を混乱させた罪、そしてジェイドとティム彼らの仇、撃たせてもらう!」
???「頼もしい限りですね。ですがあなたに私を撃てますかね?」
ディサイブ「なに?」
???「本当のことをお話ししましょう。私は好きであなたの国に混乱を招いたわけではありません。私は家族を人質に取られているのです。そしてこの首に巻いているチョーカー、これは起爆装置。これになにか衝撃を加えると爆発し、私の命も吹き飛んでしまうのです」
ディサイブ「…」
???「ですから…」
ディサイブ「聖鎌アダマス!」
ディサイブはいつのまにか手に持っていた鎌を振り下ろす。すると男のチョーカーが切断される。しかし衝撃が加わったはずのチョーカーは爆発しない。
ディサイブ「くだらぬ嘘だ」
???「ちょっとした冗談ですよ」
ディサイブ「このままお前を倒させてもらう!聖鎌アダマスよ!奴の命を刈り取れ!」
聖鎌アダマス。狙った地点に攻撃を繰り出す鎌だ。
???「ぐふっ!」
男の心臓に突き刺さる刃。
ディサイブ「終わったか。これで…」
聖国に混乱をもたらした元凶。その最後はあっけないものだった。ディサイブはその場を後にしようとする…
???「おやおや。お帰りですか?」
ディサイブ「なに?」
奴の声だ。なぜ?確かに心臓を捉えたのに…。
???「この程度で私を倒せると思わないことです。ディサイブ・ラウズレイ」
男の心臓のある位置には傷がない。
ディサイブ「アダマスが効いてないだと!?」
???「ふふふ。オリジネイターである私にこのような攻撃は効きません。残念でしたね」
ディサイブ「オリジネイターだと!やはりそうだったのか!」
???「さてこの街ではどのように混乱を広げましょうか」
ディサイブ「この街を貴様の好きにはさせん!我が国で起きた悲劇を繰り返させないためにもお前を倒す!」
ライアード「この偽りのライアードを?ふはは!おもしろい冗談ですね。見たでしょう。あなたの攻撃は効かないのですよ」
ディサイブ「聖剣アロンダイト!ぬぉぉ!」
聖剣アロンダイトが巨大な剣となる。ライアードに向けて振り下ろされるアロンダイト。
ディサイブ「砕け散れ!」
ライアード「ほう!なかなか!」
ドゴォォン!!
凄まじい衝撃が発生する。まるで地震でも起きているかのようだ。
路地裏から飛び出すライアード。
ライアード「危ない危ない。」
ライアードを追ってディサイブも路地裏から出てきた。
一般人A「なんだ!?あの剣!ちょうでけぇ!」
一般人B「なんかの撮影?」
街中での戦闘。あたりには多くの一般人がいる。
ディサイブ「これではアロンダイトは使えない。一般人に被害が出てしまう…」
ライアード「観客(ギャラリー)がいっぱいですね。これはちょうどいいです…ね!」
一般人C「え!?な、なに!?」
ライアードは近くにいた人をつかみ空に放り投げる。
高さ10メートルほどに放り投げられた人はそのまま地面に向かって落下していく。
一般人C「うわぁぁ!!た、助けてくれー!」
ディサイブ「危ない!」
ディサイブは落ちてきた人を受け止める。
一般人C「あ、ありがとう」
ディサイブ「奴は!?」
あたりを見回すディサイブ。
人ごみの中へまぎれてライアードの姿が見えない。
「きゃあぁぁ!」
「うわぁぁ!!」
人ごみの中から悲鳴が聞こえる。次の瞬間、次々と人々が空に放り投げられていく。
ディサイブ「なに!?」
ライアード「ふははは!これだけの人数、あなた一人で助けられますか?さぁ、どうします?」
ディサイブ「くっ!私一人ではこの人数…」
???「いくぞ!」
???「あぁ!」
突如2人の人影が次々と人々を助けていく。
ディサイブ「なんだ?」
それは…
スライ「ふ~。危なかったな」
ディック「なんかの事件?」
スライとディックの2人だった。2人はたまたま通りがかったところで次々人が放り投げられているのを発見し救助に来たのであった。
ディサイブ「助かった。礼を言う。」
スライ「あんたはたしか…ラウズレイ王国の…なんでこんなところにいるんだ?」
ディック「なに?2人は知り合い?」
ディサイブ「いろいろ事情があってな…」
ライアード「やれやれ。またしても邪魔が入るとは…」
人ごみの中から現れたライアード。今までの事態を見た人々はこの場を離れようと逃げ出していく。
スライ「だれだ?」
ディサイブ「オリジネイターだ」
ディック「オリジネイター!?あの!?」
ライアード「偽りのライアード。それが私の名です」
スライ「オリジネイターか。この間は
トニーが別の奴と戦ったって言ってたな」
構えをとるスライ。
ディック「スライ、やる気なの?」
スライ「あぁ。ディックお前はEGOに応援を!倒れている人々の救助だ!」
空に放り投げられた衝撃で気絶している人々もいた。
ディック「わかった!」
ディックは急ぎ足で駆けて行った。
ディサイブ「やる気の用だな」
スライ「あぁ。トニーも痛い目に合ってるからな。その礼をさせてもらう!」
ディサイブ「そうか。ではいくぞ!」
ライアード「ふふふ。いいでしょう、2人まとめて相手をしてあげましょう!」
スライ、ディサイブとライアードとの戦いが今始まる。
to be continued
最終更新:2016年10月10日 21:59