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シャカイナの塔~
ボルク「今度は前の用にはいかないぜ!」
リミット「また前みたいに這いつくばらせてやるよ!」
ナルたちが戦っている上の階ではボルクと結利が抑制のリミットと対峙していた。
結利「ボルクは前にあいつとたたかったことがあるんでしょ。あいつの能力って?」
ボルク「
アポロンたちから聞いた話では奴は現象に制限をかける能力を使うらしい」
結利「?ボルクはあいつの能力をみなかったの?戦ったのに?」
以前戦ったはずの相手の能力をなぜボルクは知らないのだろうか。
ボルク「ギクッッ!!そ、それはだな…」
リミット「その男は僕の能力を見る前にやられたのさ」
やめろ!それを言うな!と思うボルク。
ボルク「あれは!お前に不意打ちをされたからだ!」
確かにあれはリミットによる不意打ちだった。しかしそれにより倒れてしまったのは事実である。
結利(大丈夫かな~…)
不安になる結利。不意打ちとはいえ、ボルクはリミットに倒されている。そんな相手に2人は勝てるのだろうか。正直、結利自身もそんなに戦闘に自信があるわけではない。だが…
結利「やるしかないね!こんなところで私たちが負けるわけにはいかないしね!」
リミット「ふふふ。やる気は十分みたいだね。」
ボルク「あの時の屈辱!晴らさせてもらうぜ!『フルスロットル』」
その身に炎をまとうボルク。
ボルク「あの時とは違いお前にはロボットたちはいない!お前を守るものはいないぜ!」
ボルクは拳をリミット目がけて打ち込む。
リミット「『外制止』!お前の能力を制限する!」
ボルクの身にまとう炎が弱弱しくなる。
ボルク「なんの!」
ボルクの拳がリミットに直撃する。
リミット「ぐっ!」
ボルク「能力を制限されようが!普段から鍛えてる俺の肉体が火を噴くぜ!」
結利「すごい!これなら!」
リミット「さすがあのアポロンとともに行動していただけのことはあるね…」
ボルク「観念しろ!お前に勝ち目はない!」
リミット「くっくっくっ…」
不敵に笑うリミット。
リミット「この程度で僕を倒せるとおもっているのかい?僕の本気をみせてあげるよ!」
右腕につけたブレスレットを外すリミット。
リミット「『抑制(よくせい)』!」
ボルク「なにをしようが!うっ…なんだ」
体が重い…。
結利「なに…これ…急に体が重く…」
ボルク「こ、こんなもの!うおぉぉ!」
無理やり体に力を入れ、リミットへと殴り掛かるボルク。リミットの体に拳が当たる。
ポスッ
リミット「どうした?」
まるで優しくタッチしたような感覚だ。リミットにはまったくダメージがない。いやというよりボルクの拳にまったく力が入っていないのだ。
ボルク「なに!?」
リミット「これが僕の真の能力『抑制』。君たちの体の動きすべてに制限をかけた。全ての生物は僕に歯向かうことができないのさ」
結利「そんな…」
ボルク「これじゃあ奴に攻撃することができない…」
リミット「はっはっはっ!一方的に君たちを蹂躙してあげるよ!」
ポケットから銃を取り出すリミット。
リミット「さようならボルク!」
ボルクに放たれる銃弾。
結利「『リンク』!」
老朽化して崩れおちた塔の壁の破片をボルクの目の前に再構築する。再構築された壁は銃弾を受け止める。
リミット「ちっ…邪魔を」
ボルク「危なかった…すまない助かった」
結利「でもこのままじゃあ…」
2人は攻撃を防ぐことができてもリミットにダメージを与えるすべがない。
リミット「悪あがきを!『抑制』!君たち二人の能力も制限させてもらう!」
結利が再構築された壁が崩れ落ちる。
結利「まずいよ!これじゃあ奴の攻撃を防げない!」
ボルク「くっ!万事休すか…」
リミット「今度こそさようならだ!」
バン!
放たれる銃弾。しかしその弾が2人に届くことはなかった。
リミット「なに!?」
2人に向けて放たれた銃弾を1人の男が腕で受け止めている。
???「ふ~。間一髪だったな」
ボルク「だれだ?」
龍を模したような仮面をかぶった男。その男は腕に銃弾を受けたというのに何事もなかったかのようにピンピンしている。
結利「あなたはいったい?」
ウルズ「俺の名は
コード・ウルズ。お前たちを助けに来たヒーローさ!」
リミット「ヒーローだと?」
ウルズ「そうさ。
オリジネイター!お前たちをぶち倒す!」
リミット「なんだこいつは…(だがこいつが下の階から来たということは…あいつらは…)」
下の階には他のオリジネイターがいるはずである。それを通り抜けてここまで来たということ。それは他のオリジネイターたちがピンチに陥っているという可能性が高い。
リミット「ちっ!『抑制』!」
ウルズ「なんだ?」
結利「あいつの能力だよ。私たちの体と能力に制限をかけているんだ」
ボルク「これじゃああいつを倒せない…」
ウルズ「なるほどな。制限をかける能力か」
リミット「くっくっくっ!生物に対して絶対無敵のこの力!何人増えようが無駄なんだよ!」
ウルズ「そいつはどうかな?」
リミット「なに!?」
ウルズ「コードチェンジ!」
ウルズの掛け声とともに身にまとう黒い服と彼の長髪が真紅に燃える炎のように赤く輝く。
ボルク「なんだ…こいつの能力なのか?」
ウルズ「いくぜ!」
ウルズの拳がリミットの腹に打ち込まれる。
リミット「がはっ!(は、速い!)」
吹き飛ばされるリミット。
結利「す、すごい…」
ボルク「で、でもなんであいつは体の動きが制限されないんだ」
そう、本来ならリミットの能力でウルズの体も2人のようにうまく動かないはずである。
リミット「どういう…ことだ?確かに僕の能力は発動している…なぜ…動ける?」
ウルズ「それはな…」
瞬時にリミットの目の前まで距離を詰めるウルズ。リミットにだけ聞こえるようにつぶやくウルズ。
ウルズ「お前の能力…生物以外には効果がないんだろ?」
リミット「なに!?まさかお前はロボットなのか!?」
ウルズ「さぁ、どうだかな?」
ウルズの正拳がリミットの腹を撃ち抜く。
リミット「ごふっ!」
ウルズ「終わりだな、オリジネイター」
リミット「まさ…か。僕たちがマークしている奴ら以外に…お前ほどの…がいた…とは。だが…」
リミットの体が黒い霧となり消滅していく。
ボルク「なんだ!?」
リミット「もしかすれば…お前たち…なら」
完全に消滅するリミット。
結利「なんとか彼のおかげで勝てたね…」
ボルク「あぁ。危なかったぜ」
ウルズ「…(奴の残した言葉…オリジネイターの目的はもしや…。だがそれをしてどうするつもりだ。その先にあるものを確かめなければならないな)」
ウルズ「俺は先に進む。お前たちは体が回復してから来ればいい。お前たちのお仲間もいずれ追い付いてくるはずだぜ」
結利「みんなも無事なの?」
ウルズ「あぁ。だが塔の1階に残ったやつらは重症だったんでな。先に街に戻しておいた」
ボルク「そうか。すまないな」
ウルズ「じゃあな!先にいってるぜ!」
抑制のリミットが散り際に残した言葉。その意味を確かめるべくウルズは一足先へと進んでいく。
その先に待ち受ける者。最後のオリジネイター、栄光のグローリーのもとへと。
to be continued
最終更新:2016年10月30日 14:19