残された希望!世界を救え!天十也

ミストラルシティ上空に浮かぶピエタ帝国。そこに現れた起源のオリジンとの死闘。迎え撃つ十也たち。
次々とやられていく仲間たち。そして十也の鎧も破壊されるのであった。しかしそれをきっかけに自分の力に気づき始める十也。
彼にウルズから渡される赤い箱。それは世界にとっての希望となりえるのだろうか。

十也「オリジン!」
オリジンのもとに現れる十也。
オリジン「自分から現れるとは殊勝な心掛けだ。そなたを倒せばあとはもうこの世界に我を邪魔するものはいない」
コード・ウルズは右腕を切断され(機械の腕だが)満身創痍の状態。他のメンバーは全員オリジンに吸収されている。残った最後の砦…それが天十也なのだ。
オリジン「そなたの鎧は破壊された。おとなしく我の力の一部となるのだ!」
十也「いいや!俺はあきらめない!みんなを救い出すんだ!お前を倒して!」
オリジン「愚かな…実に愚かだ!地球人よ!その愚かな行いを悔いて朽ちよ!『喰邪(はじゃ)の翼』!」
オリジンから放たれる無数の羽根。それに触れればオリジンに吸収されてしまう。生身の体の十也がそれを受ければ終わりだ。
十也「ウルズ…お前からもらったこれを使う!」
小さな赤い箱を手に取る十也。
オリジン「なんだ…それは?」
十也「解除コード!『ユナヴォイド』!」
十也の言葉に呼応して箱が開く。
オリジン「なんだ!?」
箱から放たれる光。その光の中に無数の羽根が打ち込まれていく。
オリジン「ただのこけおどしか…」
十也「うぉぉ!!」
無数の羽根が吹き飛ばされていく。
オリジン「なっ!」
光の中から姿を現す十也。その姿は鎧に包まれていた。以前の鎧『コート・オブ・ブラスト』とは違う鎧だ。
十也「これが…新たな力」
その鎧は全身が赤を基調としたカラーとなっており、その見た目は以前よりも攻撃的なイメージを感じさせる。
オリジン「なんだ?それは?」
十也「これが俺の新たな力!『ブラスト・ユナヴォイド』だ!」
オリジン「だが!何をしようと!『喰邪の剣(はじゃのつるぎ)』!」
オリジンの翼から放たれる無数の剣が十也を襲う。
十也「はぁぁ!!」
オリジン「なっ!」
一瞬でオリジンの目の前に移動し拳を打ち込む十也。オリジンはその衝撃で吹き飛ばされる。
十也「す、すごい。力があふれてくる…。」

ピピピ

十也の鎧から機械音が聞こえてくる。
???『やぁ。XXXX』
XXXX。その名前は覚えがある。過去の俺の名だ。そしてこの声!記憶の中で出てきた老人だ!
ジャーデ『この音声を聞いているということはわしは死にお前はこの鎧を使っているということじゃな』
十也「これは録音されていたもの…なのか?」
あの老人が死ぬ前に録音していたらしい。ということはウルズの言っていた信用できない人物とは…
ジャーデ『XXXX。この鎧はお前の能力を最大限に引き出すことのみを考えて作ったものじゃ。お前の力を存分に振るうがいい。ちなみにこの鎧にはシフトR2はない。じゃが代わりに…』
十也に剣が飛んでくる。とっさに避ける十也。
オリジン「地球人ごときが!調子に乗るなよ!」
オリジンだ。
ジャーデ『じゃあの。』
老人からの録音は終わったみたいだ。
十也「これなら…いける!」
オリジン「図に乗るでない!我の真の力を受けよ!『吸喰転生(きゅうしょくてんせい)』!」
オリジンの翼がオリジン自身を包み込む。
十也「なにをする気だ…」
まるで卵のようだ。
オリジン「ぐぉぉぉ!!」
翼の中からオリジンが姿を現す。その姿は先ほどまでとは別物だ。まるで全身を鎧に包み込んだ鬼のような姿になっている。
オリジン「これが我の究極の姿『喰邪星神(はじゃせいしん)』!地球人ごときにこの姿をつかうことになるとはな」
十也「や、やばい。さっきまでと全然違う…」
オリジンから放たれる殺気。それは先ほどまでと比べ物にならない。
オリジン「我にこの姿を使わせたことを後悔するがいい!『喰邪星剣(はじゃせいけん)ソウル・スクレイド』!その魂までこの星から消し去ってくれる!」
オリジンの手から出現した剣が黒い炎を纏い、十也に襲い来る。
十也「当たるわけには!」
オリジンの攻撃を避ける十也。オリジンの剣はピエタ帝国の大地を砕き崩落させる。
十也「なんて威力だよ…」
オリジン「次はあてるぞ!」
十也「こうなったら…!」
十也は覚悟を決める。
十也「使うぜ!コードCBT!」

ピピピ!

十也の鎧が機械音声を発する。

『音声コード承認。コードチェンジ・ブレイク・スルー。ブレイクモードに突入します』

十也の鎧が赤く輝く。
オリジン「『喰邪星神(はじゃせいしん)』となった我をたおすことなどできぬ!」
十也「やってみなきゃわからないだろ!いくぜ!」
十也は両手にエネルギーの塊を生成する。
オリジン「その技は効かなかったのがわからないのか?」
十也「趣向を変える!」
十也はエネルギーの塊を自身の両足に打ち込む。
オリジン「自らに打ち込むだと?何を…」
十也の両足に打ち込まれたエネルギーの塊はその両足を覆うように光り輝く。
十也「アペンド!」
十也が一瞬でその姿を消す。
オリジン「どこに行った…ぐっ!」
一瞬だった。十也が消えたと思った次の瞬間、オリジンはその頭にものすごい負荷を感じた。
十也「うぉぉ!!」
十也の蹴りがオリジンの頭に打ち込まれたのだ。続けて連続で蹴りを打ち込む十也。
オリジン「がっ…はっ…」
その蹴りは目にもとまらぬ速さだ。
十也「はぁぁ!!」
右足に力をためる十也。両足の輝きが右足へと集まっていく。そしてその輝きは右足の先端へと集中する。
十也「『ブレイク・シュート』!」
十也の右足から凄まじい速度の蹴りがオリジンの腹部に放たれる。そのままオリジンの体は吹き飛ばされる。
オリジン「なっ…」
オリジンが腹部を確認するとそこにはエネルギーの塊がくっついていた。十也が蹴り飛ばした瞬間に自分の右足の先端に集中したエネルギーをそのままオリジンの体にくっつけたのだ。
右手を広げ天に掲げる十也。するとそれに呼応したようにエネルギーの塊が強い光を放つ。
十也「ブレイク・アウト!」
右手を閉じる十也。エネルギーの塊はオリジンを巻き込みながら凄まじい爆発を放つ。十也の鎧から輝きが消える。

『ブレイクモード終了します』

十也「これで…やったか?」
爆発により凄まじい煙が発生し、オリジンの姿が見えない。

キン!

煙の中で何かが光る。
十也「なんだ?」
次の瞬間、十也に向かって無数の剣が飛んでくる。とっさに防御をとる十也。しかしその防御は間に合わない。
十也「ぐぁぁぁ!!」
十也の鎧に刺さる無数の剣。鎧を貫通し何本かは十也の体にも突き刺さる。
オリジン「先ほどよりも凄まじい力だな。だが…」
煙の中から姿を現すオリジン。あれだけの攻撃を受けたというのにまるで堪えていない。
オリジン「先ほどの力ももう発揮できまい。」
十也「はぁ…はぁ…」
オリジン「粒子の力…確かに強力な力だがそれでは我には勝つことはできん。我の能力『吸喰』は粒子を喰らう。粒子エネルギーの爆発では我の糧となるのみだ」
十也「く…そ…」
オリジン「だがよくここまで戦ったな。ほめてやろう。世界の理(ことわり)も知らない人間にしてはなかなかだったぞ。」
剣を振り上げるオリジン。
オリジン「さらばだ地球人!」
振り下ろされる剣。
十也「コードCBT!」
赤く輝く十也の鎧。そして一瞬のうちに姿を消した。
オリジン「なに!?まだそんな力が…。だが無駄なあがきだ。我にはそなたの力は通用しない。」
十也「それはどうかな…」
十也がオリジンの背後に立つ。
オリジン「いつの間に!」
十也の手には大剣が握られている。アポロンの大剣だ。
オリジン「剣を持ったところで…」
十也「お前は俺にヒントをくれた…お前を倒す…な」
十也は剣に意識を集中する。
十也(できるはずだ…今の俺なら!)
十也の両手からエネルギーの輝きが大剣に伝わる。光を放つ大剣。
十也「力を貸してくれ!アポロン!エクス=ペリエンス!」
オリジン「我を倒すことなどできぬ!『喰邪星剣(はじゃせいけん)ソウル・スクレイド』!」
オリジンの黒い炎を発する剣と十也のエクス=ペリエンスが激突する。
オリジン「ぬぉぉ!!」
十也「うぉぉ!!」
両社の力は拮抗しているように見える。いや少しオリジンの力の方が上のようだ。徐々に押し負けてくる十也。
オリジン「ふははは!」
十也「くっ!ここで負けるわけには…」
十也の肩には地球の未来がかかっている。そしてオリジンに吸収された仲間たち。彼らを助けるためにも負けるわけにはいかない。
十也「いかないんだぁぁぁぁ!!」
輝きを増すエクス=ペリエンスと十也の鎧。
オリジン「な、なに!」
十也の力が増していく。
オリジン「そ、そんな!これは!」
十也「たぁぁぁ!」

ガキン!

オリジンの剣が弾き飛ばされる。
オリジン「そんな…ばかな!因子の力も持たないものが…この我の力を上回るだと!」
十也「これで!」
十也は大剣を再び振るう。その太刀筋はオリジンの体を両断する。
オリジン「ば…かな。シンコウシャである…我が…地球人…ごときに」
十也「ブレイク・アウト!」
光を放つオリジンの体。その体から無数の魂が抜け出る。
オリジン「我は…認めん!この我が…こんなところで!」
十也「おわりだ!オリジン!」
オリジン「我はぁぁぁ!!!」
オリジンの体が消滅する。十也の鎧とエクス=ペリエンスから輝きが消える。

『ブレイクモード完全終了』

強制解除される『ブラスト・ユナヴォイド』。
十也「危なかった…なんとか…なった…な」
『ブラスト・ユナヴォイド』に搭載された切り札ブレイクモード。『コート・オブ・ブラスト』のシフトR2と違い、ブレイクモードは制限時間60秒を好きなタイミングで切り、残り時間を温存することができるのだ。
オリジンに吸収されたアポロンたちが復活する。
アポロン「これは…」
ボルク「体が…」
キノ「やったんだね」
スライ「あれは!」
トニー「十也!」
十也のもとに駆け寄る一同。
十也「よかった…無事だった…んだな」
ディック「お前の方が無事じゃなさそうだぞ!」
にろく「急いでEGOまで連れていくぞ」
ナル「うん!」
十也「アポロン…お前のエクス=ペリエンスのおかげでかてた…ぜ」
気を失う十也。
アポロン「大したやつだ。あのオリジンを倒すとは…それはまぎれもなくソナタの力だよ」
結利「十也…(ありがとう。あなたのおかげで未来は救われたよ…本当に…ありがとう)」

~~~
オリジンがやられた光を遠くで見ているウルズ。
ウルズ「さすがだな…十也。これでミッションコンプリート…だ」

ピピピ

ウルズに通信が入る。
ウルズ「…わかった」
通信は終わったようだ。
ウルズ「十也。お前はお前の道を行け。天十也としてな」
いずこかへと去っていくウルズ。彼はいったい何者なのだろうか…

~数日後~
十也「はっ!」
病院のベッドで目を覚ます十也。その横には結利がいた。
結利「十也!」
十也「終わったんだな…」
結利「うん。オリジンは消滅して、ピエタ帝国も元の場所へと戻ったみたい。地縛民たちもなんとか息を吹き返したみたいだよ」
十也「そうか。これで未来は救われたんだな…」
遠くを見つめる十也。
十也(グローリー。お前たちは自らの使命を全うするために作られた存在だった。それ以上にはなれなかった。)
過去の自分の境遇とグローリーたちを重ねる十也。
十也(おれはこれからも生きていく。天十也として!)

一部のものしか知らない世界を守るための戦い。人知れず世界を救った天十也たち。
彼らならこの世界に立ちはだかる脅威を退けられるだろう。たとえどんな敵が現れようと。



オリジネイター編~完結~

ASR
to be continued

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最終更新:2016年11月03日 20:38