~EGO能力研究機関ユグドラシル~
ツバメ「ここがユグドラシルね」
ユグドラシルの内部に潜入した決闘獣対策チームの面々。ユグドラシルはEGOの研究機関として使われていた施設だ。その内部は広大な広さとなっておりまるで迷路のように張り巡らされた道を進んでいかなければならない。
ナル「あれ?これって…」
ナルが何かを見付けたようだ。
結利「ここの見取り図みたいだね」
壁に掛けられたユグドラシル内部の地図だ。
ツバメ「なるほどね」
地図を一通り見渡すツバメ。
ツバメ「この地図によると館長室は一番奥の部屋みたいね。そこにNがいるんじゃないかしら」
アポロン「その可能性は高いだろう」
ツバメ「私は制御室に向かうわ。そこに行けばこの施設の大体のシステムを把握できるはず。」
ナル「だったら僕もツバメちゃんに同行するよ。」
ツバメ「助かるわ、ナル」
スライ「じゃあ俺は館長室を目指すぜ」
トニー「私もスライに同行します」
十也「俺もNのもとへと向かう」
結利「じゃあ私も!」
アポロン「私は実験室へと行ってみる。そこにいけば奴らの情報が何か掴めるかもしれん」
ツバメ「各自のルートは決まったわね。では最終目標はNの討伐。各自何かあったら連絡を取り合うようにしましょう」
各々の進むルートを決めた一同はそれぞれ先へと進んでいった。
~制御室ルート・ツバメ&ナル~
迷路のような道を進んでいくツバメとナル。やがて二人は扉の前へと到着する。
ナル「この扉の向こうが制御室かな?」
ツバメ「行ってみましょう」
扉を開け中へと入る2人。
ナル「ここは…」
そこは制御室ではなかった。制御室の手前の部屋なのであろうか。特に何もない無機質な部屋だ。
???「やはりここにきたか」
その部屋の中には2人の人物が待ち受けていた。
ナル「彼女は確か…」
スクード「Nの邪魔をするものは排除する」
ツバメ「
コード・スクード…もう一人は知らない顔ね…」
スクードと共にいるもう一人の女性。それはツバメたちには見覚えのない人物であった。
昴「…」
葵夜昴だ。彼女がスクードと共に立ちはだかっていた。だが昴の表情は生気がなく、まるでなにかに操られているようだ。
ツバメ「一人ぐらいならなんとかなると思っていたけれど2人相手だと厳しいかもしれないわね…」
ナル「今の僕とツバメちゃんでは厳しいかもね…」
スクード「ここから先にはいかせない。今までさんざん邪魔をしてくれた礼をさせてもらうぞ!アイスバレット!」
氷の弾を撃ち出すスクード。
ナル「くっ!」
スクードの攻撃を避けるナルとツバメ。
ナル(相手が一人だったら僕がそいつを引き付けて、その隙にツバメちゃんが制御室を掌握すれば問題なかったけれど…)
スクード「どうした?逃げてばかりでは!」
ツバメ「困ったわね…」
???「お困りのようだな?お嬢さんたち」
突如ツバメとナルの後ろから割って入る2人の男。
ナル「えっ…?」
驚くナル。
にろく「ひさしぶりだなナル」
ツバメ「
にろく!」
にろくだ。彼が駆けつけたのだ。
ウルズ「さーて、俺たちも協力させてもらうぜ。Nを倒すのをよ!」
そしてもう一人はウルズだ。彼らは
シュウの命令で地上からユグドラシルへと潜入していたのであった。
ナル「無事だったんだね、にろく!」
にろく「心配をかけたなナル」
再会を喜ぶ2人。
ウルズ「今はあまり感傷に浸っている場合じゃないぜ」
ツバメ「そうね。今はここを突破しなくては」
スクード「裏切者がのこのこと戻ってきたか」
ウルズ「元々俺は好きでお前たちに協力していたわけじゃないさ。それとそいつは見ない顔だな」
昴「…」
スクード「こいつはノルンシステムの実験体だ」
ナル「ノルンシステム?」
ウルズ「この施設にある巨大なシステムだ。じゃあそいつも例のハイ・ヒューマンってやつなのか?」
スクード「いいや。こいつはただの人間だ。ノルンシステムによる精神制御。その実験体だ」
ウルズ「生身の人間!?ってことはこいつは操られているってことか…」
スクード「これから世界はNにより支配される。ノルンシステムによる精神制御が完成すれば人間どもを滅ぼすのはたやすいことだ」
にろく「人の意思を支配するだと…」
ツバメ「だめね全然ダメ!そんなことはさせないわ!」
スクード「裏切者は始末する!」
氷の剣を作り出しウルズに斬りかかるスクード。
ウルズ「ちっ!」
機械の腕で防御するウルズ。
ナル「こっちの女性は僕たちに任せて!にろく!」
にろく「あぁ!」
昴と対峙するにろくとナル。
昴「…攻撃対象確認…」
チャクラムを構える昴。
ツバメ「みんな頼んだわよ」
ツバメは先の部屋へと歩みを進める。
スクード「行かせるか!」
ツバメ「もう遅い!秘密の箱庭『シークレット・ベース』」
先に進んだツバメとスクードたちとの間に壁が出現する。
スクード「なんだ!これは?」
ナル「ツバメちゃんの能力だ。その能力を発動すれば彼女が切り取った空間に入ることはだれであろうと不可能だ!」
スクード「ちっ!」
ウルズ「お前の相手は俺だぜ!」
スクード「裏切者が!アイスバレット!」
氷の弾を撃ち出すスクード。
ウルズ「当たるかよ!」
素早い身のこなしで氷の弾を避けるウルズ。
ウルズ「なんだ!?」
直後ウルズの足が動かない。地面と氷で接着されている。
スクード「これで身動きはとれまい。終わらせてやる!はぁぁ!」
スクードの頭上に巨大な氷の塊が生成されていく。
スクード「アイスキャノン!」
氷の塊がウルズ目がけて打ち落とされる。
スクード「死ね!」
ウルズ「ふっ!コード・チェンジ!」
ウルズの服が赤く輝く。さらにその赤い長髪が輝きを放つ。
バキン!
ウルズの足を捉えていた氷が砕ける。
ウルズ「燃えるぜ!うぉぉ!」
氷の塊に右腕を突き出し殴り掛かるウルズ。
スクード「なに!?」
ウルズの拳が氷の塊を砕く。
スクード「そんなバカな!」
ウルズ「俺のコードは強力だぜ!」
スクード「ちっ!ならば!」
地面に両手をつくスクード。
スクード「こい!氷輪蛇(ウロボロス)!」
地面から氷で生成された蛇が姿を現す。
ウルズ「これがおまえの切り札か」
スクード「氷輪蛇よ!奴をかみ砕け!」
氷の蛇がウルズを襲う。
ウルズ「こいつは…!」
氷の蛇に呑み込まれるウルズ。
スクード「ははは!どうだ!始末してやったぞ!そのまま永遠に氷漬けになるがいい!」
ウルズ「だれが氷漬けになるって?」
スクード「なに?」
氷の蛇の中から声が聞こえる。苦しむような動きを見せる氷の蛇。その体の中心あたりが赤く輝く。
パリィン!
砕け散る氷の蛇。その中からウルズが姿を現す。
ウルズ「この程度の氷じゃ俺の熱さをかき消すことなんてできないぜ!」
ウルズはサイボーグだ。その体の大半を機械で構成されている。そしてその機械部分は特殊な金属で造られており、コード・チェンジを行うことで赤熱化する。
赤熱化した機械部分が放つ熱は氷を解かすには十分なほどの熱さを持つのだ。
スクード「私の能力がまるで効かないだと…」
ウルズ「観念しな!コード・スクード!」
にろく「ウルズ!」
ナル「こっちは終わったよ」
気を失っている昴を抱えたにろくとナルがウルズのもとへ来る。
ウルズ「こっちももう片が付く」
スクード「ちっ!どいつもこいつも!」
スクードは腕に付けた端末にカードを入れる。
にろく「何をする気だ…」
スクード「私の真の力を見せてやる!コード『D・E・C(ダーク・エネルギー・チェンジ)』!」
スクードの体が黒い霧に包まれていく。
ナル「未元獣たちが消えるときと同じ黒い霧だ!」
ウルズ「何が起きる…」
コォォォォ…
にろく「なんだか急に寒く…」
部屋の中の気温が下がってきている気がする。
バキバキバキ!
突如部屋全体が凍り付く。
ウルズ「なんだ!?」
スクードを包んでいた黒い霧が消え、中からスクードが姿を現す。
ナル「えっ?」
その姿は先ほどまでとはまるで別人…というより人の姿ですらない。氷で体が形成された化け物のような姿になっている。
スクード「貴様ら全員始末してやる!」
to be continued
最終更新:2016年12月31日 10:43