ルネッサンス期の旅は、現代のように退屈きわまりないものじゃなかったんだ。 退屈どころか、恐ろしいとしか言いようのないものだったんだ。 なにしろ、田舎の道は追いはぎだらけだったから、武装した集団の一員にならないと、とてもじゃないが旅なんかできなかった。 それでも不安な人は、貴重品や金貨を靴底とか上着の裏地に縫いこんでおいたほどだ ヴェットリーニと呼ばれる案内人を雇って旅程表作りや宿の予約を頼むこともできたが、 この案内人自身が追いはぎと手を結んでいることもよくあった。 現代の旅行会社とそっくりさ
タグ:
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。