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週刊ミルクティー*第四巻 第三八号 200円

M-Tea*4_38-特集・安達が原の黒塚 楠山正雄・喜田貞吉・中山太郎

特集・安達が原の黒塚
安達が原 / 八幡太郎  楠山正雄
安達が原の鬼婆々(他)喜田貞吉
安達が原の鬼婆々異考 中山太郎

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【週刊ミルクティー*第四巻 第三八号】
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定価:200円 p.124 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(52項目)p.456
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

 むかし、京都から諸国修行に出た坊さんが、白河の関をこえて奥州に入りました。磐城国(いわきのくに)の福島に近い安達が原という原にかかりますと、短い秋の日がとっぷり暮れました。
 坊さんは一日さびしい道を歩きつづけに歩いて、おなかはすくし、のどは渇(かわ)くし、何よりも足がくたびれきって、この先歩きたくも歩かれなくなりました。どこぞに百姓家でも見つけしだい、頼んで一晩泊めてもらおうと思いましたが、折(おり)あしく原の中にかかって、見わたすかぎりぼうぼうと草ばかり生いしげった秋の野末のけしきで、それらしい煙の上がる家も見えません。もうどうしようか、いっそ野宿ときめようか、それにしてもこうおなかがすいてはやりきれない、せめて水でも飲ましてくれる家はないかしらと、心細く思いつづけながら、とぼとぼ歩いて行きますと、ふと向こうにちらりと明かりが一つ見えました。
「やれやれ、ありがたい、これで助かった。」と思って、一生懸命明かりを目当てにたどって行きますと、なるほど家があるにはありましたが、これはまたひどい野中の一つ家で、軒はくずれ、柱はかたむいて、家というのも名ばかりのひどいあばら家でしたから、坊さんは二度びっくりして、さすがにすぐとは中へ入りかねていました。 (楠山正雄「安達が原」より)


4_38.rm
(朗読:RealMedia 形式 336KB、2'43'')
milk_tea_4_38.html
(html ソーステキスト版 180KB)

楠山正雄 くすやま まさお
1884-1950(明治17.11.4-昭和25.11.26)
演劇学者・児童文学者。東京生れ。早大卒。近代劇の翻訳紹介に努め、内外の童話・神話・伝説を再話。著「近代劇十二講」。

喜田貞吉 きた さだきち
1871-1939(明治4.5.24-昭和14.7.3)
歴史学者。徳島県出身。東大卒。文部省に入る。日本歴史地理学会をおこし、雑誌「歴史地理」を刊行。法隆寺再建論を主張。南北両朝並立論を議会で問題にされ休職。のち京大教授。

中山太郎 なかやま たろう
1876-1947(明治9.11.13-昭和22.6.13)
本名中山太郎治。栃木県足利郡梁田村(現足利市梁田町)生まれ。民俗学者。1914年、報知新聞社を退社。柳田国男を訪れ、同年、柳田の口利きで博文館へ入社。著『日本売笑史附吉原の沿革』『土俗私考』『日本民俗志』『日本婚姻史』『日本巫女史』『日本若者史』『日本民俗学事典』『万葉集の民俗学的考察』他。

◇参照:Wikipedia 楠山正雄喜田貞吉中山太郎、『広辞苑 第六版』(岩波書店、2008)、『人物レファレンス事典』(日外アソシエーツ、2000.7)。

安達が原
底本:「日本の諸国物語」講談社学術文庫、講談社
   1983(昭和58)年4月10日第1刷発行
http://www.aozora.gr.jp/cards/000329/card33208.html

八幡太郎
底本:「日本の英雄伝説」講談社学術文庫、講談社
   1983(昭和58)年6月10日第1刷発行
http://www.aozora.gr.jp/cards/000329/card18341.html

安達が原の鬼婆々(余白録)
底本:『東北文化研究』第一巻 第一号、史誌出版社
   1928(昭和3)年9月1日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1344.html

安達が原の鬼婆々異考
底本:『東北文化研究』第一巻 第二号、史誌出版社
   1928(昭和3)年10月1日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1420.html

喜田申す
底本:『東北文化研究』第一巻 第二号、史誌出版社
   1928(昭和3)年10月1日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1344.html

NDC 分類:K913(日本文学 / 小説.物語)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndck913.html
NDC 分類:380(風俗習慣.民俗学.民族学)
http://yozora.kazumi386.org/3/8/ndc380.html

難字、求めよ

黒塚 「今の仙台在秋保温泉のあたり」? 『日本歴史地名大系・宮城県』には記載なし。
忠明 ただあきら 医者。
常忠の君の女
鬼筋 おにすじ?
フツチ 老婆。
先縦 先達(せんだつ)か?

むしとりほいほい

関《そき》 → 関《せき》 【せ?】
それなり → それきり 【き?】

以上2件。底本未確認。

スリーパーズ日記*

 5日(木)『山形新聞』より。天童若松寺、4日未明の強風で樹齢1000年以上といわれる杉の巨樹が根こそぎ倒れる。幹周り6.15m、高さ31m。位牌堂の屋根が壊れる。
 6日(金)ツバメ、倉津川に飛来。
 7日(土)吹雪。県立図にてDVD観賞、『海上保安庁が見た巨大津波と東日本大震災復興支援』Vol.1。7月までに360名を救助。
 8日(日)雪のち晴。若松寺へ行く。6:30着。倒れた開山杉を見る。
 13日(金)スイセン、サンシュユ開花。キジムシロ、フクジュソウ、クロッカスが先週開花。

 小山慶太『寺田寅彦』(中公新書、2012.1)読了。ごくわずか長岡半太郎や石原純や地球物理学関係の記述あり。今村明恒は登場しない。

『図説福島県の歴史』(河出書房新社、1989.10)を読んで最初に目につくのは貝塚、古墳、横穴墓の多いこと。南相馬には真野古墳群・横手古墳群・桜井古墳(全長74.5m)、浪江町には狐塚古墳・堂の森古墳、そしていわき市に玉山1号古墳(全長100m)。

 復興構想会議のなかで赤坂さんや梅原さんが「鎮守の森」を提案。会津坂下には、ずばり鎮守森古墳がある。
 仙台平野や福島の浜通りのように平地ばかりで近くに高台がないところでは、メモリアルと津波避難場所をかねて巨大な古墳型高台を築くというアイデアを思いつく。1800年近い耐久実績があること。海岸線に正対しなければ、津波の力を分散できる可能性もあること。
 頂上部をグラウンドにすることで、平時の常時利用。緊急時にはヘリポート、避難物資配送拠点になる。

 インドネシア、メキシコ、福島沿岸、地震あいつぐ。



4.5 4号、含ストロンチウム排水12トン、海へ流失。
4.10 清明の嵐。

2012.5.1:公開
2012.5.31:更新 玲瓏迷人。
poorbook G3'99/しだ
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最終更新:2012年05月31日 23:02