長期的投資と許容最大損失

よくある「長期的投資」についてだけど、年金や機関投資家は、まさに going concern なわけで、個人の寿命に関係なく半ば永続的な継続の中で、一時的に下落などで評価損や実現損が生じても、流入金や「長期的な」経済回復によるリカバーを望める。
また「業」として調達した資金を運用し利回りをあげなくてはいけないわけだから、リスクを取る必然性がある。そのための専門性を持った人員を配置し、プラットフォームも築く。
それに対し、個人は寿命がある。いくら200年後に2倍になろうとも、向こう50年下落が続いてはどうしょうもない。また、無理して積極的にリスクを取りに行く必要性はない。リスク管理の専門性も、通常は持ち合わせない。


「耐えられる最大損失額」といっても、株式だと2σで4割ぐらい吹っ飛ぶってことだし、そもそも5%ほどの期待リターンを取りに行くためにそんなリスクを取れるか、って話だよね。
かなりの余剰資金があって、半分ぐらい評価損が出ても、定期収入で補えるってのならある程度はリスク取ってもいいかもだけど。
それか、まだ若くて今後も継続的な定期収入とそこからの積立が見込めるなら、リスクを取りに行ってもいいかもね。あくまで生活に支障のない範囲で。
例えば、年100万積んでくとする。年初に100万積んだけど、年末に大きく下落し50万円になってしまった。でもその損失50万円は、次年度の積立100万円で充分補える。回復基調にあると見込むのならば、安く仕込める、とも捉えられる。


ざっくり計算すると、仮に初年度-50%、そこから毎年2%のリターンが続くとすると、大体7年ほどで終始はトントンになる。
それが投資開始10年たってから -50%のイベントが起こると、取り戻すのに更に15年ほどかかる。35歳スタートとすると、60歳でトントンに戻る。20年たってから起こると、、、、もう取り戻せないですね。


あるいは、許容最大損失額を、向こう3年の新規投資額以内に抑える、とかね。例えば、初期投資500万+毎年100万とすると、最初のうちは、すぐにビッグロスが生じたとしても、資金投入で充填できるし、ロスも早めに回復できる。
6年めで1,000万溜まったところだと、株に7割投じて2σイベント(σ=20%とする)が起こると ポートフォリオロスは-28%ほど。向こう三年の予定投資額にあたる。
だが、20年続けて(運良く)3000万まで伸びたとすると、その時にビッグロスイベントが起こると、新規投入では補いきれずまた先も長くないため、運用が厳しくなる。3割程度まで抑えるべきか。
ま、全部皮算用だけどねw
最終更新:2013年01月26日 13:16