後ほねっこ男爵領

火足水極

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atohone

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火足水極



後ほねっこ男爵領藩王代理火足水極は名うてのダンジョンエクスプローラーである。
藩王代理としてあまり役立つスキルではないと、当人は謙遜することが多いが、本気でア
タックして、彼に攻略できないダンジョンはないともっぱらの噂である。
まあ、確かに一見して藩国運営に役に立つスキルではない。

ところで、一口にダンジョンと言っても、様々なタイプがある。
恐ろしいクリーチャーが巣食っている。
幾重にも致命的な罠が張り巡らされている。
強力な守護者が宝物を守っている……etcetc

様々な状況があり、それはただ一人の人間が、対応できる種類を遥かに凌駕している。
それゆえに、ただ一人の人間である火足水極は常に情報を重視していた。
彼は、他のACEと比べて、特段強力であるわけでもなければ、特殊な能力を持つわけで
もない。
変な言い方ではあるが、ダンジョン攻略に関する知識と技術を持った、ごく『一般的な』
ACEである。
にもかかわらず、彼がNW屈指のダンジョンエクスプローラーと呼ばれているのは、蓄積
された知識と経験もさることながら、その情報に対する姿勢故だったと言っても良い。
火足水極は、攻略すると目星をつけたダンジョンに関する情報を、手段を問わず収集し、
そして偏執的と言えるほどの情熱をもって分析した。
時として、慎重すぎる、あるいは、臆病とさえ言われても、けして火足水極は十分に情報
が集積するまで、直接ダンジョンに赴くことはない。
ダンジョンを攻略する際は、特段の事情がない限り、その八割以上を事前準備に充てるべ
きだと、彼は常々公言していた。
万全を期した上で、ある脅威は打ち砕き、また、ある脅威はやり過ごし、騎虎の勢をもっ
て最適化された手順を遂行し、目的を達するというのが、ダンジョンエクスプローラー火
足水極のスタイルだったと言える。

直接危険に晒される時間が短ければ短いだけ、被害が減っていく事を火足水極は、良く知っ
ていた。
百聞は一見に如かず、という。
ならば、万聞をもって十見に替えればいい。
拙速は巧遅に勝るという。
その言葉は間違ってはいない。だが、真実全てを現わしてはいない。
拙速が巧遅に勝るのは、事を実行に移した後の話だけだ。
そもそも事を起こした後で、最速で動けないということは、とりもなおさず、事前の準備
が足りないということに他ならない――。


ダンジョンエクスプローラーは、確かに一見して藩国運営に役に立つスキルではない。
だが、根を張り巡らせた情報網は、いち早く危機を察知することを可能とし、そして、火
足水極のスタイルは、誰にもそれを知らさぬままに危機を解決するためにこそ、その威力
を発揮した。


『ここにいる理由』(漫画)





王城の隠し通路で、いない筈の人が待っていた。

通路の所々に設置されている非常灯の下で、後ほねっこ男爵領を影から支配していると噂
されている美貌の書記長(人妻)は、何時ものように淑やかに微笑んでいた。
ただそれだけのことで、カビ臭い地下通路が、暖かな春の花園だと信じられそうだった。
愛用の魔法剣を腰に下げ、松明を掲げていた火足水極は、脇を固めるじょり丸を見て肩を
竦めたあと、この人には敵わないな、と笑った。

「おいでになるんですね」

「あー……みんなには、秘密の趣味の方で出かけてるって言っといてくれ」

「また叱られますよ? 執務室でのんびりされていると思ったら、ふいと消えてしまうん
ですから」

「一週間おやつ抜きは堅いかな」

「三週間、といったところですわ」

「トホホ……」

大げさに肩を落とす。
落とした視線の先で、じょり丸のつぶらな瞳が、僕のおやつ分けてあげるから、落ち込ま
ないで、と語っていた。
思わず、ひしと抱きしめる。
そんな陛下のおやつを頂けるわけないじゃないですか不肖火足水極その御心だけで十分で
ございますああもう可愛いな可愛いな……。
そんな光景に目を細めていた書記長が、どこかおどけた調子で口を開いた。

「藩庁の皆さんには、世界を救いに行ったとでも申し上げておきます」

思う存分にじょり丸をもふもふした火足水極が立ち上がる。

「大袈裟だな」

「さすがにソックスハントしにサボりました、なんて申し上げたら、士気に関わりますか
ら」

違いない、という言葉が、笑い声と共に返ってくるという書記長の予想は外れた。
思いのほか、長い沈黙の末、ぽつりと零れおちた一言が、火足水極の返事だった。

「……すまない」

冗談めかしたやり取りが、不意に途切れる。
嘘を吐かせて、という言葉は、言わずともどちらも承知していた。
知らなければ、無邪気に火足水極を扱き下ろす輪に加われたはずだ。
知らなければ、危機が迫っている不安を押し殺して、無理に笑ったりせずに済んだはずだ。
全ては、自分の力不足の故――だが、藩庁を統べる書記長は、絶対に必要な協力者の一人
だった。

「謝るのは、こちらの方です。本当の事を言ったら、皆さんが着いてきかねないとはいえ、
藩王代理には、何時も道化役を押し付けてしまって……」

「良いんだ。俺が選んだことだしね。何よりうちの藩国はのんびり笑ってる方が似合って
る」

「……ご武運を。無事のお帰りをお祈りしています」

「ああ。じゃあ、行ってくる」

「じょり丸様、藩王代理をお願いしますね」

「わん!」

書記長は、遠ざかる背に向かって、一礼する。
一人と一匹の姿が隠し通路の闇に消えるまで、彼女が頭を上げることはなかった。


藩王七……四変化

通常(防寒バージョン)



後ほねっこ男爵領の官服。政庁勤めの人は主にこれを着ます。
通常の官服と違うのは、動きやすいように袖と裾をすぼめてあるところ
マジックテープをはがし、腰から布を巻けば通常の官服(正装)としても使用できる優れものです。
たいまつはすぐ燃え尽きないように木炭を使用しており、
持ち手が熱くならないように工夫しました。
魔法剣の魔法は、まことに特殊で剣の部分を外すと
3mあまりの棒と、強靭なロープに変化します。変化するのは紐と棒だけです。
藩王は腰が悪いので、荷物は仕方なくじょり丸陛下が持ってあげています。
そこ!笑わない!!(びし)


亜細亜の曙



これぞ後ほねっこ男爵領というところのアイドレスです。
藩王は特別に、上着と帽子をしつらえました。
……が、おかねがなかったので、それ以外がおろそかになってしまいました。
ボロは着てても心は錦です。


名パイロット



藩王が長らく着ていた愛用のアイドレスです。
黄色と青の反対色が眩しい爽やかな装いです。
お仕事中は長い髪はまとめています。機械に巻き込まれると危ないからです。


黒い舞踏子



これは、えーと…
そうです!これは、黒い舞踏子のアイドレスが男性でも着用できないか
藩王自らが実験台となり、試した時のお写真です。
ちょっとはしゃいでいらっしゃるように見えるのは
カメラマンの注文を受けてのものです(声が裏返る)
こうして新たなアイドレスができるたびに、藩王自ら直接お試しになり
危険がないか試されているのです!!(力説)


南天による藩王誕生録


藩王、というものは、一国の主である。
政治に携わるにおいては、そう、室町時代の守護大名といったところであろう。
王女陛下より、領地を賜り、そこを治める代わりに
税金の徴収を認められる存在というところである。

つまりは、中小企業の社長さんといったところである。
後ほねっこ男爵領は6つある爵位から行くとブービーであるから
田舎のチェーン店の社長、というところであろうか。

仕事は、簡単ではない。
遊んでいて、儲かる仕事ではない
権限は大いにあるが、同時に責任も多い。
藩王の(外部での)発言は非常に重く
行動も、また設定国民の目を集めることにもなる。

一般国民が失敗をしても、まだ取り返しは付くが
藩王の失敗というのは取り返すのに並大抵ではない。
藩国の威信というものに傷がつきかねないからである。

大抵の藩王は、国民に混じって汗水たらし
参加税を払うに当たって、自分が真っ先にマイルを捻出したり
罰則金が出ては、泣きながら資金集めに奔走している。

やっていることは、みんなと大して変わらないのに
責任だけが重い職業である。

名前だけの藩王など要らない。というのが設定国民の思うところであろう
国を興した責任というのは到底計り知れぬ重さであるというのを知らねばならぬ。
藩王の責任が重いのは確かであるが、国を動かすというところに責任があるのである。
それを他人に全て押し付けてしまっては不幸であると筆者は思う。


閑話休題。


後ほねっこ男爵領において、藩王というのは『サンドバック』である。
ほねっこには、何かあると精神から来る病に倒れ寝込むユーラという摂政と
口から火を吐き、臓腑を抉り込むような正論と怒りを撒き散らす南天という技族がいる。
これの愚痴を聞くのが藩王の役目といっても過言ではない。

彼は大人であった。

悲嘆と悪態の嵐を、まるで真綿のように静かに受け止めると
一先ずの解決方針を話し合うのが常であった。
隕石を受け止めて、着地点を一緒に探すのが彼の得意技であった。
彼には若さはあまりなかったが、大人であるというのはこの場合よい事であった。
話し合うに冷静さや人生の経験値は必要不可欠である。

普段頻繁に藩政に関われない代わりに、国民のメンタルケアを欠かさない。
後ほねっこ男爵領は様々な困難を経て、アイドレス2からの新規参入国民を得て
それぞれが得意なことをできることだけ、大変な時は皆で力を合わせて、ができる
理想の藩国になりつつあった。

ただ唯一、彼の心を占めるのは『家族が幸せだったらいいな』であった。

 亜細亜は元気で無事にやってるか
 みらのは笑っているだろうか
 ユーラさんはまた倒れていないだろうか
 南天はデート上手く行ってるだろうか
 深夜さんにはピドポーション買ってあげなくていいのだろうか
 Millbackさんは、航路さんは、ヤサトさんは
 たらすじさんは、いも子さんは…

 男爵領は無事だろうか、何不自由なく暮らしているだろうか

今の自分には確かめる術もない。
マイルも金もなく、時間も技能もない。
そして藩国会議のたびに
「誰か5マイル以下で亜細亜(orみらの)の情報を直ちに教えてくれる便利マシンとか知らないか」
と、半ば本気で言っている彼は思い立った、金がないなら頭を使おう。

目を付けたのはPLACEであった。
ACEは素敵だ、動かすに金は必要なく、PLと違って時間的制約もない
素敵だ、これで家族をいつも見守っていられるじゃないか。

そして 火足水極(ACE) 誕生の運びとなった。

家族という後ほねっこ男爵領の幸せを守るため
藩国の父性の誕生である。

ACEは八面六臂の活躍を見せる
藩王(ACE)の一日を追ってみよう。

  • 毎朝6時半に(じょり丸陛下にお尻を噛まれて)起床(摂政、情けない叫び声を聞いて陛下を散歩に連れ出す)
  • 8時半出勤、執務室にて政務開始。
  • 10時、書記長さんのお茶で一服
  • 12時、政庁の食堂でお昼ご飯。(仕事がつまっているときは執務室で『特急かぐや中央駅』名物のおかずクレープを食べる)
  • 13時、藩政会議
  • 15時、国民・南天、航路にNWの最近のニュースについて話し合い
  • 17時半、退勤。変装してほねっこ城市へ
  • 18時 ~ 23時、城市にて行方不明
  • 23時、南天執務室に殴りこみをして逆に殴られる。(秘書官業務中でした)
  • 24時、殴られた後、情報収集と今後の方向性について話し合い
  • 24時~27時の間に就寝

仕事ばかりの毎日であった。
だが恐らく、彼はPL火足水極より、はるかに(アイドレス的には)働き者であった。

PLである火足水極は言った「ACEはいいよな、なんたって締め切りが無い」
ACEである火足水極は言った「PLはいいよな、好きなとき好きなことできるんだから」

それを見て国民は思ったという「ああ、PLACEってこういうことなんだな」と。

  • 設定文:深夜作、南天による藩王誕生録/イラスト/漫画:南天作



一般性能開示

L:火足水極 = {
 t:名称 = 火足水極(PLACE)
 t:要点 = 大きな犬,魔法剣,たいまつ
 t:周辺環境 = 迷宮
 t:評価 = 全能力20
 t:特殊 = {
  *火足水極のACEカテゴリ = ,,逗留ACE。
  *火足水極の位置づけ = ,,PLACE。
  *火足水極のみなし職業 = ,,{<藩王>,<スペーススペルキャスター>,<大剣士>,<迷宮探検家>}。
  *火足水極のダンジョンアタック補正 = ,条件発動,(ダンジョンアタック時の)全能力、評価+5。
  *火足水極の娘守護補正 = ,条件発動,(娘たちを守る間の)全能力、評価+3。
 }
 t:→次のアイドレス = じょり丸(ACE),絶技破岩斬(絶技),巨大迷宮の造営(イベント),善政(イベント)
}

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