MR2の歴史【SW編】

SW20 [1989-1999]

1989年10月、初のモデルチェンジを行いW20型(E-SW20)となる(通称I型)。

W10型のMR2はカローラ/スプリンターベースであるのに対し、W20型はセリカ/コロナ/カリーナベースに進化した。エンジンもセリカと同じ直列4気筒の2000ccにターボチャージャーを追加した3S-GTE型と、そのノンターボ版となるスポーツツインカムの3S-GE型が搭載された。また世界初の試みとして、ステアリングの切れ角に応じて光軸が左右に可動する、ステアリング連動フォグランプ(黄色)が装備された。しかし大幅に増加した車重やエンジンパワーに対し、足回りとブレーキの貧弱さは否めず、前輪接地圧不足から来るハンドリングレスポンスの悪さ、オプションにもLSDが設定されない等、スポーツ走行時における数々の問題点を指摘された。また、W10型から比較すると価格も上がり、手ごろ感が減少したことから上記の件を合せて、販売当初は多くの自動車評論家から酷評を受けた。


上記の酷評を受け、1991年に最初のマイナーチェンジを実施(通称II型)。

このマイナーチェンジでは足回りを中心に大幅な見直しが行われた。主な変更点としては、大径化と低扁平化によるタイヤ性能の向上(14インチ→15 インチ)とブレーキの大径化および冷却用ダクトの追加、フロントサスペンションのストローク量増加とスタビライザーの大径化、ホイール及びステアリングのデザイン変更、シフトストロークのショート化、各アーム類の補強等が挙げられる。また上位グレードのGT系へはLSD標準装備、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、2速へのトリプルコーンシンクロの採用等も追加に加え、高速走行時のフロント浮き上がり防止対策として、フロントリップスポイラーを大型化した。また、この2型からGTグレードから一部装備を省いた「GT-S」がラインアップに加わっている。このII型からフォグランプの色が、黄色から白に変更された。


1993年11月、2度目のマイナーチェンジを実施(通称III型)。

先にフルモデルチェンジしたセリカ(ST202、ST205系)同様、カルマン式エアフロメーターがDジェトロ方式へと進化。燃料ポンプの大型化、ターボチャージャーの改良とインタークーラーの変更、オイルエレメント取付位置の変更とそれに伴う容量増加等エンジンを中心とした動力系の強化に主眼が置かれた。これらによりターボモデルのGT系は最高出力が225psから245psへ向上した。[1] なおNAエンジン搭載のG系は165psからAT:170ps/MT:180psへとこちらも同様に向上している。

ABSには、新たにスポーツABSが採用された。また、ストラットタワー部に金属プレートを入れるなどの補強が行なわれ、ボディ剛性がより向上している。

外観は、リアスポイラーやリアコンビネーションランプのデザインを変更。サイドモールとフロントリップスポイラーおよびサイドシル下部がボディ同色に塗装され、よりモダンでスタイリッシュなエクステリアとなった。これらの変更によってⅡ型以前のモデルとは外観からも区別できる。だがこの頃からスポーツカー需要の低下や実用性の悪さなどMR2を取り巻く様々な要因が災いして販売台数が低下。それに伴い、このマイナーチェンジを機に注文生産車となった。

またIII型では、MR2の生誕10周年を記念して特別仕様車「ビルシュタイン・パッケージ」を発売。G系を基に、専用ボディカラーである「シルバーメタリック」を設定し、ターボのGT系が採用するビルシュタイン製ショックアブソーバーとハイグリップタイヤ、専用アルミスカッフプレートなどが奢られた。


1996年、一部改良を実施(通称IV型)。

メカニズム面ではスポーツABSの構造変更(4輪を個々に制御する4チャンネル式へ変更)やトラクションコントロールシステムを変更。いっぽう外観はブロンズガラスからグリーンガラスへ変更され、フロントのサイドターンランプの移設、クリアランスランプの白色化、ホイールの切削鏡面加工やボディカラーの一部差し替えなど、さらに魅力的でスタイリッシュなエクステリアとなった。また、SRSエアバッグが運転席・助手席ともに標準装備になった。


1997年、最後の一部改良を実施(通称V型)。

スポーツABSを再度構造変更(軽量化のため、4チャンネル式から3チャンネル式へ変更)、軽量化のためホイールデザインを変更。NAエンジン搭載のG系は、3S-GEの最終進化型である「BEAMS」仕様の3S-GE(通称:赤ヘッド)へと換装。新たに排気側にVVT-iを採用し、給排気系も新たにチューニングされた。同型エンジンを積むST202系セリカと同じく200PSを発生した。

新たに、タイヤハウスの下部前面にエアスパッツを追加。リアスポイラーも、当時のR33型スカイラインGT-RやFD3S型RX-7(最後期型)なども採用した大型の可変型リヤウイングへと変更。空力面での改良も行なわれている。

内装にも若干ではあるが改良が加えられた。シートや、エアバッグの小型化によって3本スポークになったステアリングやシフトノブにも赤いステッチが入り、メーターの目盛りも赤色に変更。よりスポーツカーらしいインテリアとなった。


1999年、後継モデルとなるMR-Sの登場に伴い、SW20型は生産を終えた。

同一型式のモデルが10年に渡って発売された例は他のトヨタ車においてもあまり例は無く(他にZ30系ソアラなどの例があるが)、トヨタ製スポーツカーとしては異例となった。

その他のバリエーションとして、トヨタテクノクラフトが企画・制作したオープンモデルMRスパイダーがあり、100台ほどが限定発売された。なお、ATは自然吸気エンジン搭載モデルのみに設定されており、ターボモデルは5MTのみだった。また、W10型後期型から採用されたTバールーフは、W20型は初期モデルから最終モデルまで廃止されること無く全グレードで設定されていた。


グレード構成

   * GT
   * GT-S(2期型から)
   * G-Limited
   * G

GT、GT-Sは3S-GTE型エンジン、G-Limited、Gは3S-GE型エンジンをそれぞれ搭載。


※Wikipediaのトヨタ・MR2より引用しました

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最終更新:2009年10月27日 21:05