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この世界には大きく三つの宗教形態が存在しています。
それぞれ異なる信仰や主張があり、いずれもその間柄はあまり良好とは言えません。
・寺院
神霊を祀る人々が属す組織の総称。
宗教組織の体裁をとってはいるが、信仰心の多寡には個人差がある。
和魂と荒魂双方の特性を同時に研究し、系統立った術を編み出すことに重きを置くことにより、世界創造の神秘に至ろうとする者たちの互助組織である。彼らの編み出した術を法術を呼ぶ。
秘密主義に偏る者も多いことから、厳密に寺院に所属している者は少数であり、法術使い同士のつながりはゆるやかなものであるのが特徴。
また寺院全体的に、神霊と交信する力を持ちながらその研究には熱意を向けない神霊術使い達のことをあまり快くは思わない傾向がある。異教神を信仰する教会についても同様に、あまり良好な関係とはいえない。
・神道
神話に語られる神々と、その眷属を総称して神霊と呼ぶ。
眷属は世界中に満ちており、自然の中に生きている。
彼らの姿をよく見ることができ、彼らの友としてその力を借り、術を使う者たちのことを神霊術使いと呼ぶ。
地方によっては巫覡として信仰の対象となることもある。
陰陽寮や寺院とは異なり、神道には体系立った組織や学問はなく、民間信仰を総称して神道と呼ぶのが一般的である。
・教会
「ライフォス教(仮)」という、「主神:ライフォス」を中心とした19の神々を信仰する渡来の宗教組織。
祭司は黒で統一された長衣の上下を身につけている。
教会は、あやかし達を人の悪意から生まれた「悪霊」であるとし、これの退治を使命として掲げている。
異界から召喚される「魔神」も同じく、人を堕落させる悪しきものとしてこれの退治や魔神使い達の捕縛、更正を活動の一環としている。
尚、あやかしを神の産物であるとする神道とは主張が相容れず、険悪ではないものの微妙な関係である。
また、教会に属する人々は、神道の言う「神霊の加護」を人間が生来持つ能力と捉えている。