つぼみ開く時

イベント『つぼみ開く時』は白鷺千聖という人間を知るのに必要不可欠なストーリーであり、千聖に対してのイメージが読む前、読んだ後でがらりと変わった人も多いだろうと思われる。
特に千聖の人間らしい一面がたくさん見られる為、この手のキャラが好きな人間にはたまらない。

基本的にバンドストーリー内では女に嫌われそうな女(後半では挽回を見せたが)のような性格だったが、つぼみ開く時ではイベントの名の通りの内容である。
千聖の心をつぼみとすれば、Pastel*Palettesに対して心が開く時を描いたストーリーとなっている。
なおこの点に関して、白鷺千聖のCV上坂すみれがバンドリのイベントになかなか登場しないことから上坂すみれのつぼみイベントを待ち望むファンも多い。

また、本作で新たに発表された『ゆらゆらRing-Dong-Dance』はPastel*Palettesとして初のツインボーカル曲となっており、歌詞もさながらあやちさソングとしか見て取れない部分がある。
公式からも「彩と千聖のゆれる気持ちを描いた、胸に突き刺さる一曲」と表されている。

彩と千聖のゆれる気持ちis何。

オープニング 突然のご指名

レッスン後、千聖は事務所のスタッフから次の仕事についての話をしたいと申し出された。
これはPastel*Palettesとしての仕事ではなく、女優としての千聖の仕事の話である。

レッスン着から私服に着替えて事務所に戻ったPastel*Palettesの5人は千聖の次の仕事の内容を聞く。
仕事内容は有名劇団の演出家、「宮川タカユキ」からの舞台出演だった。
役どころは病弱な妹役、千聖も今までに経験したことのないような役である。

「千聖ちゃん、もし練習に相手役がいるなら付き合うよ!」
「私も、なんでも協力するので言ってくださいね!」
「ありがとう、でも大丈夫よ。相手のいる練習は舞台の稽古中にやるから」
彩とイヴは協力を申し出るがやんわりと千聖に断られた。

その後千聖は家に帰り、自分の部屋で一人台本を確認する。
台本を読み、千聖は今回の役柄を「姉思いのいい子」としての方向性を固めることとした。

なお千聖の部屋はここで初めて背景として出てくるのだが、当時掛布団の黄色ベースにピンク色の花模様という配色があやちさ勢の物議を呼んだ。

第1話 嵐のはじまり

千聖に舞台の話が流れ込んでから2週間後、千聖の舞台の稽古が始まる。
しかし千聖は、噂通りの監督の厳しい指導に苦戦を強いられることとなる。

「白鷺くん、台本の表面だけをなぞったような演技になってないか?」
「セリフに感情がこもっているように感じられない。もっと熱く演じてみろ!」

初日から監督の厳しい言葉に千聖は「(感情がこもってないなんて……そんなはずはないわ。しっかり役作りしてきたのに)」と心の中を声を漏らした。

その頃芸能事務所では、事務所スタッフからパスパレのメンバーに対し、近くで行われている千聖の舞台稽古見学に行きたい者の希望を募っていた。

「えっ?見学できるんですか?ぜひ行きたいです!」
ここでいち早く反応を示したのは彩であり、そこから全員が賛同の意を示した。


その後、日菜の案により差し入れを持って稽古場に到着したPastel*Palettesのメンバー。
稽古場に入ると既に舞台稽古は始まっていた。

「あっ、あそこに千聖ちゃんいるよ」
「ほんとだ! すっごい真剣な顔してる~」
稽古場に入るとすぐさま彩は千聖を発見する。
麻弥とイヴは千聖への関心よりもどちらかといえば大道具、小道具に目を奪われている様子
千聖もすぐにパスパレのメンバーに気付くが、あえて気付かないフリをし、舞台稽古を続けた。
「(みんな、見学にきてくれたのね。)」と「きてくれた」という反応を見せていることから、見学に来たことに対して正面からは見せない喜の感情が垣間見える。

「最後のセリフは感情をもっと爆発させないとダメだろう!もっとセリフの意図を考えないと」
「(また……どこがいけないっていうの?)」
パスパレのメンバーの手前、厳しい稽古は続く。
自分の演技に対して厳しい言葉を発してくる監督に対し、何が悪いのか分からないと千聖は憤りを感じ始める

「わあ、チサトさん、すごい……!」
「千聖さん、表情がいつもと全然違いますね!完全に役になり切ってますね」
「うーん……(なんだか……千聖ちゃん、いつもと違う感じがする……私の気のせいかな?)」
稽古場見学をしていてイヴと麻弥が千聖を「凄い」と称する中、彩は千聖の様子を見て首を傾げさせる。
この時点で千聖の微小な変化に気付き始め、反応を見せたのは唯一彩のみであった。

第2話 吹き荒れる稽古場


第1話に続き、厳しい稽古は続いていく。
その中で千聖は、なかなかOKの出ない演技に徐々に憤りを増していった。

「おいおい、白鷺くん! どうしてその声の出し方になるんだ? 全く熱くないじゃないか!」
「どうしてって……(私は私なりに考えてやっているのに!)」
「役の表面的な部分しか捉えられていない。やるべき事をやっている『つもり』になっているだけだろう。今の君は台本通りに動いているだけだ。自分で考えて動けないなら帰れ」
学校でもよくある先生に「勉強したくないなら帰れ」と言われるような煽り文句である。
そこは白鷺千聖「じゃあ帰るわ!」とは言わず、「具体的な指示が欲しい」と監督に申し出る。
しかし監督はそれに対し「自分で答えを出さないと意味がない、自分で考えろ」と返した。

そしてようやく舞台稽古が休憩に入り、彩たちPastel*Palettesのメンバーは千聖に声を掛けることが出来た。

「千聖ちゃん、お疲れさま!」
「……ああ、彩ちゃん。来ていたのね」
千聖が彩を名指しして答えていることから、彩が真っ先に千聖に声を掛けにいったのは間違いないと思われる。
なお千聖は来ていることに最初から気付いていたが、白々しく「来ていたのね」と返す。
この時の千聖の声音が本当に白々しさを感じさせる

「千聖ちゃん、大丈夫? つらくない?」
「大丈夫よ。厳しい先生だということはわかっていたことだもの」
「そっか、千聖ちゃんがつらくないならいいけど……大変だと思うけど、千聖ちゃんならできるよ! がんばってね! 千聖ちゃん、昔からこういうお仕事しててこの道のプロだし、きっと乗り越えらえるよ!」
まるで生理痛の重い女にかけるかのような声の掛け方だが、大丈夫?と心配する声を上げたのは彩だった。
千聖のほうから「大丈夫よ」と返され、「そっか!」と納得してしまった彩は少しマイナス評価である。
彩の言葉に麻弥、イヴが賛同の意を示し、千聖の胸中は更に吹き荒れる結果となってしまった

「めずらしいよね。あたし、千聖ちゃんならなんでもできるって思ってたよ」
「……(私の気持ちも知らないで……)……私が……なんて……思わないで」
「えっ? 今なんて言ったの?」
「私がなんでもできるって思わないでよ!!みんなもう帰って!」
「えっ……」
「千聖さん……!?」
「ちょ……ちょっと待ってくださいっ!急にどうしちゃったんですかっ?チサトさんらしくないですっ」
日菜の言葉が決定打となり、積み重なった憤りがここで爆発することとなってしまった。
千聖の急激な変化に全員が困惑の表情を見せた。
千聖は「帰って」と続け、日菜が「帰ろう」と言い、4人は事務所へと戻ることにした。

第3話 できないこと、できること


第4話 胸につかえていた想い


第5話 嵐のあとは、晴れ


エンディング 舞台の幕が上がる日

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最終更新:2018年03月18日 17:36