基本的にどこの言語でも『 男 』と『 女 』を表す単語はあります。 英語の場合は『 女 』は『 woman 』ですが、『 男 』は『 man 』です。 この単語は同時に『 人間 』をも表していますね? 実はアイヌ語でも同様です。 『 女 』は『 mat 』で表しますが&bold(){、『 kur 』という単語は} &bold(){『 人間 』を表す単語であると同時に『 男 』も表します。} 英語圏やヨーロッパの人々であれば、この問題はあまり気にしないでしょうが、 我々にとっては&bold(){『 男 』と『 人間 』は別の物、} &bold(){どうしても区別したい}物です。 そこで以下に、いくつかの案を用意しました。 **「 kur 」現状維持 確かに『 kur 』は『 男 』と『 人間 』両方を表しますが、 英語の様に無理やり区別しなくとも難なく運営できるのだから、 無理に区別しなくても良いだろう、という案。 ただしこの場合、日本語を話す者であれば、当然不便に思う事は 間違いないでしょう。 **「 kur 」と「 encu 」 逆に『 kur 』を『 男 』に専念させる案です。 ですがそうすると逆に、『 人間 』を表す単語がなくなってしまいます。 そこでなんと、サハリン方言の『 encu 』(『 人間 』という意味 )を 『 人間 』を表す単語に専念させる、という案です。 ただしこれも、『 kur 』は結構多くの単語で『 人間 』という意味で 使われているので、それを逐一『 encu 』に置き換えるのは容易ではありません。 どうしてもこれを使うのであれば、これは最終手段として使う事になるでしょう。 **「 pin 」 アイヌ語には『 雌 』を表す『 matne 』があります。 『 mat 』は当然『 女 』という意味ですね。 では『 雄 』を表す単語は何でしょうか? 『 pinne 』と言います。 この『 pin 』を『 男 』とする案です。 ちょうど対義語になるのでピッタリではないでしょうか? **「 he 」 同様に、『 少女 』を表す単語に『 matkaci 』があります。 その対義語『 少年 』は『 hekaci 』です。 この『 he 』を『 男 』という意味にする案です。 上記の検討の結果、 どうやら『 pin 』 を『 男 』にした方が良いのではと思いましたが、 いまいち『 pin 』だとピンとこない。音の響きとかの理由で、 そこで、&bold(){『 kur 』の『 k 』と『 pin 』を足して、} &bold(){『 kin 』にしてはどうか?} 意外と響きが良いしなんか『 男 』っぽい! ** というわけで ** 男は『 kin 』となりました。