ハルヒの能力によって創り出された世界――――ショッカー基地にやって来た俺達は、
ショッカー軍団の中で一番有名な戦闘員に取り囲まれていた。
その数総勢十数人。
一人一人にまったく個性がなく、その目的の為に命を捨てるその姿は、ある種昔の日本兵を思わせる。
ショッカー軍団の中で一番有名な戦闘員に取り囲まれていた。
その数総勢十数人。
一人一人にまったく個性がなく、その目的の為に命を捨てるその姿は、ある種昔の日本兵を思わせる。
果たして本当に俺達は、コイツ等を相手取って闘えるのか?
さっきはグウの言葉に思わず納得してしまったが、いざ相対してみると威圧感や存在感が圧倒的ではないか。
これが悪の軍団――――ショッカーの末端員なのだから、いくら長門やグウといえど、
無事にここから帰れるとは・・・。
さっきはグウの言葉に思わず納得してしまったが、いざ相対してみると威圧感や存在感が圧倒的ではないか。
これが悪の軍団――――ショッカーの末端員なのだから、いくら長門やグウといえど、
無事にここから帰れるとは・・・。
「キキ?キキィ!!」
ま、まあ、言葉だけ聞くと完全に猿であるが・・・。
い、今はそれどころではない。
とりあえず戦闘が行える三人にどうするか尋ねなければ。
「長門!グウ!古泉!どうするんだ。完全に囲まれたぞ。どうするんだ?
それと特にグウ!お前が連れてきたんだから、お前が何とかしろよ!
大丈夫なんだろ?」
「むう~、まさかここまでとは・・・。グウにもさっぱり。」
おいおい、いきなりそんな台詞をはくなよ。
ここには闘う術を知らない俺や、朝比奈さんだっているんだぞ。
いや、俺は怪人になっているから少しは闘えるのか?
「てっきり戦闘員の声を聞からして、猿回し宜しく戦闘員回しが出来るかと思っていたんだが・・・。
残念無念。あっはっは。」
「めちゃくちゃ嘘っぽい口調で言うな!
それに戦闘員回しなんか出来るかそんなモン!!声繋がりなんて文章で一番分かりづらいわ!」
い、今はそれどころではない。
とりあえず戦闘が行える三人にどうするか尋ねなければ。
「長門!グウ!古泉!どうするんだ。完全に囲まれたぞ。どうするんだ?
それと特にグウ!お前が連れてきたんだから、お前が何とかしろよ!
大丈夫なんだろ?」
「むう~、まさかここまでとは・・・。グウにもさっぱり。」
おいおい、いきなりそんな台詞をはくなよ。
ここには闘う術を知らない俺や、朝比奈さんだっているんだぞ。
いや、俺は怪人になっているから少しは闘えるのか?
「てっきり戦闘員の声を聞からして、猿回し宜しく戦闘員回しが出来るかと思っていたんだが・・・。
残念無念。あっはっは。」
「めちゃくちゃ嘘っぽい口調で言うな!
それに戦闘員回しなんか出来るかそんなモン!!声繋がりなんて文章で一番分かりづらいわ!」
はっ!しまった。思わず大きな声でツッコんでしまった。
この声で戦闘員達が襲ってこなければいいが・・・。
この声で戦闘員達が襲ってこなければいいが・・・。
「本当はこういう風に、火の輪を潜ってもらう予定だったんだが・・・。
いや~、グウとした事が。失敗失敗~。」
俺の心配を余所に、グウは自身がやりたかったと豪語する『戦闘員回し』を始める。
いや~、グウとした事が。失敗失敗~。」
俺の心配を余所に、グウは自身がやりたかったと豪語する『戦闘員回し』を始める。
それにしても見事な回しっぷりだ。
グウの奴が火の輪をズボンから取り出すと、一目散に一列になって飛び込み始めるんだからな。
グウの奴が火の輪をズボンから取り出すと、一目散に一列になって飛び込み始めるんだからな。
ほら~、戦闘員が一匹~。戦闘員が二匹~。
―――って、本当にやってる~!?
―――って、本当にやってる~!?
「キキキキィ!!キキィ!」
というか、台詞だけ見たら本物の猿まわしじゃないですかグウさん!!
おい!そこの戦闘員!!小さな声で『あちい・・・。』とか言うな!!
というか、台詞だけ見たら本物の猿まわしじゃないですかグウさん!!
おい!そこの戦闘員!!小さな声で『あちい・・・。』とか言うな!!
ちょっと!普通に覆面を取らない!
「あ~、だる・・・。」
「そうだよな~。時給650円だし。」
「おい、次はお前があの火の輪を潜る番だろ。ズルすんな!」
「え~、だって『今日のグウさん』ちょっとSなんだもん。」
「そうだよな~。時給650円だし。」
「おい、次はお前があの火の輪を潜る番だろ。ズルすんな!」
「え~、だって『今日のグウさん』ちょっとSなんだもん。」
だるくねえ~~!!
あーーー!!
この瞬間、全国の子供の夢は壊れた~。
ついでにショッカーの現状が垣間見れた~。
この瞬間、全国の子供の夢は壊れた~。
ついでにショッカーの現状が垣間見れた~。
「まあまあ、今日はこれで上がりだから!さあ!グウの出す輪を潜るのだ~!」
「だからお前は何もんだーー!!それに『今日のグウさん』って何?
ちょっとSって、いつもはMか!!
それにあれか?お前はちょっとしたショッカーの偉い人か!?
微妙に最後まで死なない幹部とか、実は主人公の妹でした的存在か!!
そ・れ・と・も!真のラスボスは人間だ!とかいう、自称世界を救うためにやってました系かーー!!」
「キョンくん・・・。」
「ふええ~、キョンくん・・・。」
「怪人キョン吉の血圧が200を突破。顔色は青以上の点から、30分以上の休憩を要請する。」
「ガッテム!!」
「だからお前は何もんだーー!!それに『今日のグウさん』って何?
ちょっとSって、いつもはMか!!
それにあれか?お前はちょっとしたショッカーの偉い人か!?
微妙に最後まで死なない幹部とか、実は主人公の妹でした的存在か!!
そ・れ・と・も!真のラスボスは人間だ!とかいう、自称世界を救うためにやってました系かーー!!」
「キョンくん・・・。」
「ふええ~、キョンくん・・・。」
「怪人キョン吉の血圧が200を突破。顔色は青以上の点から、30分以上の休憩を要請する。」
「ガッテム!!」
はあ・・・。はあ・・・。
ヤバイ、ヤバイぞこれは。
このままでは俺は『ツッコミ死』という危篤な死に方をしてしまう。
ヤバイ、ヤバイぞこれは。
このままでは俺は『ツッコミ死』という危篤な死に方をしてしまう。
勿論、葬式では『昔から面倒見が良くて』・・・。
とか言ってくれるんだろうな?
谷口とか古泉は!
とか言ってくれるんだろうな?
谷口とか古泉は!
―――はあ・・・、はあ・・・・。
いや、それ以上に現状の方が大問題だ。
いや、それ以上に現状の方が大問題だ。
だいたい何だ!この戦闘員どもは!
覆面を取ったら全員が全員、職に溢れた普通のおっさんではないか。
俺等はハルヒの創った閉鎖空間に閉じ込められたはずだぞ。
アイツがこの世界で怪人を倒したいが故に、ショッカー軍団がいる世界を願ったのではないか?
覆面を取ったら全員が全員、職に溢れた普通のおっさんではないか。
俺等はハルヒの創った閉鎖空間に閉じ込められたはずだぞ。
アイツがこの世界で怪人を倒したいが故に、ショッカー軍団がいる世界を願ったのではないか?
だったら何でこんなおっさん達が・・・。
それとも・・・、やっぱりこれは夢か幻。
それとも・・・、やっぱりこれは夢か幻。
「なるほど。まったく涼宮さんも面白い方です。」
「ほえ、何がですか?」
「ええ、朝比奈さん。この世界は、確かに涼宮さんが怪人を倒したいが故に創られた世界ですが・・・。」
俺はその言葉を耳に入れた瞬間、普段のキャラも忘れて古泉に詰め寄った。
「古泉!!俺もその話が聞きたい!『ツッコミ死』する前に!!」
「はは・・・、分かりました。それじゃあ・・・。」
いつも笑顔を崩さない古泉が、珍しく俺の言葉で表情を変える。
そんなに俺の顔は酷かったか?
「いえいえ。決してキョンくんの顔が怖かったとか思っていませんよ。」
なあ古泉よ。
「ほえ、何がですか?」
「ええ、朝比奈さん。この世界は、確かに涼宮さんが怪人を倒したいが故に創られた世界ですが・・・。」
俺はその言葉を耳に入れた瞬間、普段のキャラも忘れて古泉に詰め寄った。
「古泉!!俺もその話が聞きたい!『ツッコミ死』する前に!!」
「はは・・・、分かりました。それじゃあ・・・。」
いつも笑顔を崩さない古泉が、珍しく俺の言葉で表情を変える。
そんなに俺の顔は酷かったか?
「いえいえ。決してキョンくんの顔が怖かったとか思っていませんよ。」
なあ古泉よ。
――――――――――涼宮ハルヒの正義改め、SOS団はいつもハルヒのちキョン・4――――――――――