SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ内検索 / 「シュガーハート&ヴァニラソウル 人物紹介②」で検索した結果
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シュガーハート&ヴァニラソウル 人物紹介②
ラウンダバウト(人間名 奈良崎克巳) 登場作品 「ビートのディシプリン」 統和機構の合成人間でありエージェントでもあったが、監視対象である人身売買組織を義憤に駆られて壊滅させ、裏切り者として処分されそうになるところを、 統和機構の幹部でありながらこれっぽちも服従していない少女「レイン・オン・フライディ」こと九連内朱巳に内密に拾われる。 レインに心酔というかむしろ崇拝しており、自分の人間名も彼女にあやかっている。 女の癖に男みたいな格好をしたり、もって回ったような口調を好んだりと、一見やや複雑な性格であるが、 統和機構を抜けた件からでも分かるように本質は直情径行の激情家。それがコンプレックスのようで、わざと『迂回』を名乗っている。 原作ではレインの命令で『カーメン』の謎を追う者に制裁を加えるべく、合成人間「ピート・ビート」を襲撃する。が、その後彼の味方... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 人物紹介①
「ブギーポップ・デュアル 負け犬のサーカス」からのキャラの説明 秋月貴也 登場作品『ブギーポップ・デュアル 負け犬のサーカス』 副人格『ブギーポップ』をその身に宿す気弱な少年。 ナーバスで流されやすい性格の持ち主で、初佳の奇行や奇抜なアイディアに振り回されている。 『ブギーポップ』が現れ始めたころの混乱で精神的に追い詰められていたところを、初佳に助けられる。 彼女とはそれ以来の付き合い。本SS内ではラブラブっぽいが、原作ではそこまで表面化していない。 心の底には強い意志を秘めており、原作ラストではブギーポップですら敵わなかった『世界の敵』を倒し、初佳を救う。 五十嵐初佳 登場作品『ブギーポップ・デュアル 負け犬のサーカス』 貴也と同じ高校に勤める養護教諭。というか、貴也を自分の勤めている高校に編入させた。 『世界の敵と戦う』という傍目には正気... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 人物紹介③
ユージン(人間名 天色優) 登場作品「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ」「ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王」「ブギートーク・ポップライフ」 統和機構の合成人間でありエージェントでもあったが、ある任務を期に生死不明に。 「温厚で人畜無害で女みたいな美少年」「冷徹で冷淡な任務の鬼」という二つの顔を相手によって使い分ける。 特殊能力は掌から分泌し、生体組織を爆散させり特殊体液『リキッド』。 卓越した戦闘センス、そして統和機構内でも『最強』のエージェントから「将来のライバル候補」と目される潜在能力を秘める。 舌の感覚が発達しており、それで生体兵器を分析するほどの性能を誇る。 また、必要とあればなんの躊躇なく幼女にもディープキスをかます氷の心の持ち主。そこにシビれる憧れる。 原作では五人の予知能力者と出会い、彼らに取り入るために『聖痕(スティ... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 53-1
... 37 名前: シュガーハート&ヴァニラソウル [sage] 投稿日: 2007/12/19(水) 13 38 47 ID QYfQburL0 目に見えぬ声の主を捜し求め──窓に映った自分の姿を見る。 “俺様はここにいるぜ。お前が生まれたときから、ずーっっとな” その背後に……かたちもおぼろげな『なにか』がいた。 “見えたか? 気付いたか? そいつが俺様だ。感覚の目でよーく見てみろ” 混乱した航だったが、そのなかで辛うじて冷静な自分が告げている。『こいつの言っている事は正しい』、と。 なので──その通りににした。見るでもなく、見ないでもなく──『そいつがそこにいるのが本来のあり方』だと信じるように。 昨日の夕暮れ、『敵はそこにやってくる』と信じて疑わず、それゆえに『ダーク・フューネラル』の姿を見たときのように。 さっきの取り乱し方がまるで... -
シュガーハート&ヴァニラソウル 53-4
... 228 名前: シュガーハート&ヴァニラソウル [sage] 投稿日: 2008/01/08(火) 17 25 51 ID 0qYRQ74u0 航としてはかなり冴えた考えだったのだが、扉の向こうの少女はそれすらも冷たく突き放した。 「嘘。そうやってドアが開くの待ち構えてる。本当でもプリントなんか読まない。その場で破く」 (……なんだあ、そりゃあ) 「帰って」 これが最終宣告だとでも言うように、一方的に言い放たれれた。 登校拒否してるやつのためにプリントを届けるなんて、元々、気が進まないものだった。 帰れというなら喜んで帰ってやる。だが──、 「……『メタル・グゥルー』」 “なんだよ、馬鹿弟子” 「この鍵を壊せ」 “俺様に命令してんじゃねー。だがしかし……俺の言ったこと、覚えてるか? つまり、よ──見えてんのか?” 傲慢で横柄... -
シュガーハート&ヴァニラソウル(ハロイさま)
前奏曲 『夏のはじまり、花盗人の残り香』 『初めての友達、そして転校生』 01 02 03 04 『復活のビート Part3』 01 02 03 04 『赤ん坊を待ちながら』 01 02 03 04 05 『迂回と焼菓』 01 02 03 04 05 06 07 『液状と透明』 01 02 03 04 05 06 07 08 09 『世界を滅ぼす千の方法』 01 02 03 04 『金剛石をめぐる論議』 01 登場人物紹介 01 02 03 -
ジョジョの奇妙な冒険第4部―平穏な生活は砕かせない― 52-4
まただ……モンゴルの騎馬民族が私のすぐ横で戦争真っ最中、とでもいうような耳に残るこのざわめき…。 極度の緊張から生まれるのか…あるいは恐怖から生まれる幻聴か……。 いずれにしても、この耳鳴りはしばらく止まないということは確かだ……。 ドドドドドド…… ゴゴゴゴゴゴ…… 眼の前に立ち尽くし、私を睨みつける小柄な20代男性……。 頬に十字傷があるが、イマイチ貫禄のようなものは感じられない。 よく見れば大量の冷汗まで…見せかけだけの気の弱い男のようだ。 だが、その眼から感じられる怒りは本物だった。 この男……スタンド使いだとすれば………。 「そういえば…自己紹介がまだ……よね?私は山岸由花子。」 山岸…そうだ、康一のガールフレンド……調べはついていた…。 何故忘れていたんだ……雰囲気が違って見えたからか? 『シンデ... -
ジョジョの奇妙な冒険第4部―平穏な生活は砕かせない― 第14話
地面に広がる黒い血痕に、真新しい鮮血が上塗りされる。 『ハイウェイ・スター』で作られた波が崩れ去って倒れこんでくる。 ……何故? 本体が死ねばスタンドは消える筈、『倒れる』ことはない。 私の体に『ハイウェイ・スター』が張り付いている。 ドドドドドドドドドド…… 勝利を祝福してくれていた暗黒の世界に奇怪な、聞きなれた『音』が響いた。 目を開けば死体が転がっている、少しすれば『ハイウェイ・スター』も消える筈だ。 噴出す汗が目に入らない様に、ゆっくりと目を開いた。 思い描いたとおり血を流しながら地面に突っ伏す墳上裕也。 だが想像と完璧な一致はしていない、頭に穴があいていない。 代わりに彼の背中には『矢』が刺さっていた。 上を見上げると、『父』が笑っていた。 弓を持ってゲラゲラと笑っていた。 「ウワッハハハハ! 思い... -
天体戦士サンレッド 設定資料集 (サマサさま)
~天体戦士サンレッド・登場人物や設定・裏設定の解説~ (※あくまでこのSSにおける設定であり、作者の自己解釈・妄想なども割と含むので注意されたし) ○主人公 <天体戦士サンレッド> 本編の主人公…なのだが、ヴァンプ将軍をはじめとするフロシャイムの怪人達に存在感を完全に奪われている。 性格は粗暴なチンピラそのものだが、ヒーローだけあって優しい所もある…と思いたい。 かつては今よりもっとタチが悪かったそうな。 かよ子という恋人に養ってもらっている、いわゆるヒモである。 ヴァンプ将軍や怪人とはもはや完全に馴れ合っており、対決の時以外は結構仲良しな部分もある。 そんな彼だがヒーローとしての強さは本物で、どんな敵が相手でもTシャツにサンダルというやる気のない格好の まま、ロクに全力を出さずに一撃で倒してしまうほど。 最近は川崎市に変な奴が色々やって来てちょっと辟易している... -
三年一組剣八先生! (サマサさま)
死者の魂が導かれる世界―――ソウル・ソサエティ。 そこには現世から送られた魂とは別に、死神と呼ばれる者たちが存在している。 彼らの仕事は現世を彷徨う魂を安らかにソウル・ソサエティへと導くこと―――そして。 悪霊とでも言うべき存在<虚(ホロウ)>を倒すことである。 まさに死神の名の通り、彼らはこの世界の魂全てを司るのだ。 今回はそんな死神の中から、この男のある一日を紹介しよう――― 「ああん?なんだと、もういっぺん言ってみろ」 ドスのきいた声で、2メートルを越える巨大な男が聞き返した。 ―――異様な風体の男である。黒装束に白い羽織。羽織の背中にはおおきく<十一>の文字。 死神は大別して十三隊に分かれており、総称して<護廷十三隊>と呼ばれる。この羽織は、男が十一番隊の隊長で あることを示しているのだ。 右目には黒い眼帯、顔の左半分には派手な刀傷... -
女か虎か(電車魚さま) 人【じんぶつしょうかい】
サイ【さい】 より正確には怪物強盗X.I(エックス・アイ)だが、 原作では怪盗"X(サイ)"、もしくは単に"X"と呼ばれることのほうが多い。 常に変異を続ける特殊な細胞を持つ、世界的に有名な盗賊兼殺人鬼。 誰にでも変身できる一方、重度の記憶障害に悩まされている。 フツーの少年漫画ならライバル的立ち位置で主人公を脅かすタイプのキャラだが、 ネウロにおいては主人公ネウロがあまりに際立った強さを誇るがために、 むしろ彼のほうが主役っぽく見えてしまうという現象が起こっている。 なお、本作では彼のシリアスな側面に注目してキャラを立てているが、 原作の彼は天然入ったボケキャラでもあり、アイと一緒にほのぼのギャグ要員もこなす。 ★本作15終了時点での状況: 自分と近い能力を持つ虎≪我鬼≫を追っていたが、その≪... -
しけい荘戦記 第二十二話「継承者」
ドリアンは我が目を疑った。対決を申し込んできたのは、かつて祖国アメリカで英雄と 謳われた人物であった。 「君はまさか、あのマホメド・アライなのか?」 元プロボクシング世界ヘヴィ級王者、マホメド・アライ。一切ガードをせず、打たせず に打つを体現したファイトスタイルは「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と全世界に畏 怖された。 リングを降りても彼は戦士であり続けた。ベトナム戦争の徴兵を拒否しタイトルを剥奪 され、根深かった黒人差別とも懸命に戦った。いかなる相手にも屈しない彼のハートを称 え、いつしか人々はマホメド・アライを史上もっとも偉大(グレーテスト)なチャンピオ ンと呼んだ。 アメリカで暮らしていた頃、ドリアンも彼の活躍に熱狂していた一人であった。自分が 使い古したシューズをアライが練習で使用したシューズと偽って、ファンに十万ドルで売 ... -
天体戦士サンレッド バレンタイン編
パターン①悪の皆様方 「バレンタインだなあ…」 「ああ、バレンタインだよ」 「だからって、なあ…」 「所詮、俺らにゃ関係ない行事っすよ…」 ―――言うまでもなく、神奈川県川崎市。 道を往くのは世界を狙う恐るべき悪党四人。 フロシャイム川崎支部所属のメダリオ&カーメンマン。一匹狼のヒム。悪の吸血鬼ヤフリー。 世界を狙ってるくせに、話題はセコいにも程がある。 しかし―――しかし、だ。男子たるもの、バレンタインは試練の時なのだ! 「そういや思い出すなあ、メダリオ。お前、いつかのバレンタインで高級チョコを自分で買って、女の子から貰ったとか 虚しい演技してたっけ(笑)」 「なっ…おいカーメン!その事は言うなよ!」 「うっわー…そんなハズカシー真似してたのかよ」 「メダリオさん、そりゃ悲しすぎますよ…(苦笑)」 「うっうるせー!お前らだって精々母親からしか貰ったこと... -
銀肌コール&レスポンス (名無しさま)
(注・「」→ブラボーの発言 【】→披露宴参加者の合いの手) ──それでは、新郎の母校の舎監であり、新郎の師匠でもありました防人衛様より、ご挨拶を頂きます。 「どうも」 【キャプテン・ブラボー!】【ブラボー!】 「どもっ、」 【ブラボー戦士長!!】【ブラボー!】 「どうもどうも」 【ブラボー!!】【ッボー!】 「ご紹介に」 【ブラボー!】 「あっどうも、えー、ただいまご紹介にあずかりました、キャプテン・ブラボーこと防人まも」 【ブラボー!】【ブラボー!】【ぶらぼぉ】 「んんっ……あ、どうも」 【ぶ、ぶらぼー?】 「どうも、防人衛でございます」 【ブラボー!】【ブラボー!!】【ブラボー……おお、ブラボー!】【ぶ、ぶら、ぶらぼー?】 「あっ、しゃべってもいいですか?」 【ブラボー!】【ブラボー!!】 「んっ…... -
シルバーソウルって英訳するとちょっと格好いい 43-1
第二十六話「昔の知人はいつかの重要キャラ」 「あーなんか暇だなーこれ。久々の登場なのにやることがないってどうなのよこれ」 万事屋銀ちゃんは、常時満員御礼の激安スーパー店とは違う。 忙しい日もあれば暇な日もある。それを決めるのはお客様である依頼主次第。 ま、大半は暇な日がほとんどで、大黒柱である坂田銀時も毎日がサンデー状態が続いていた。 「ちょっと、シャキッとしてくださいよ銀さん。いくら仕事がこないからって、最近だらけすぎですよ」 ソファの上でゴロゴロしているぐうたら主を指摘したのは、仕事はなくとも生活はする男、志村新八。 今はハタキ片手に、万事屋内の埃群と大戦を繰り広げている最中だった。 「しかしなー、新八。ネタのないギャグ漫画なんて載っててもやることないだろ? 仕事のない社会人なんて、いてもやることないんだから大人しく寝てろって理屈に繋がると... -
塩漬けメッセンジャー(サナダムシさま)
大海原を支配する、とある首長竜の群れ。彼らの中でわずかな期間ではあったが場をに ぎわせた、信じがたい生命体の噂話があった。 遥か彼方の大地。原生林で無防備に堂々と寝そべり、威嚇をすればブラキオサウルスを も怯ませ、ひとたび戦えばティラノサウルスと互角に渡り合い、捕食するという。しかも これらの芸当をこなしているのは、体長二メートル程度の二足歩行の小動物であるという のだ。 人の噂も七十五日。ましてや知能が低い首長竜ならばなおさらのこと。あっという間に この噂は群れから忘れ去られていった。──ただ一頭を除いて。 その若い首長竜は「二足歩行」と「小動物」というキーワードから、かつての仲間を思 い出していた。もう二度と会うことはないであろう、父であり兄であり親友であった少年。 もちろん恐竜を捕食しているという人物が、その少年と関連があるはずがない。... -
HAPPINESS IS A WARM GUN 55-3
都内のとある喫茶店、内装はやや地味めで客の入りも盛況という程ではない。 そんな店内の片隅に“彼”は座っていた。 ポケットだらけのミリタリーコートとカーゴパンツに身を包み、頭はバンダナを巻いた上から キャップを目深に被っている。 更にはサングラスのオマケ付きだ。 端的に言えば“怪しい人物”ではある。 テーブルの上にはケーキ、コーヒー、そしてノートパソコン。 彼はもうしばらくの間、コーヒーカップに指を掛けたまま、ノートパソコンの画面に見入っている。 せっかくのコーヒーが冷めるのも厭わせないものとは何であろうか。 その答えは画面に映し出された、陽も暮れ始めた公園で向かい合う“二人の男”にあった。 一人は、黒のスーツが少しホストを思わせる銀髪の男。 たっぷりと腰を落とした半身の姿勢で、左腕はやや前に出してダラリと下げ、右腕は腰の高さに 落ち着け... -
フルメタル・ウルフズ 第二十二話
東京都内某所 そこは落ち着いた雰囲気の店だった。 バーを兼ねたレストラン。 バーテンダーがカクテルを作り2~3人の客がテーブルで談笑をしている。 顔に髭を生やしたバーテンダーが奥に引っ込むと入れ替わりに高校生ぐらいの人間が姿を現した。 新しいタオルを手に取るとグラスを拭いて指定された場所に置く。 「あ、ワインとチーズウィンナーセットをくれないか」 「かしこまりました。ワインとチーズウィンナーセットですね」 客の注文を聞くとバーテンダーはワイングラスにワインを注いだ。 ウィンナーをガスコンロで焼いてチーズを冷蔵室から取り出す。 「どうぞ。ご注文の品です」 「ああ」 バーテンダーがカウンターに品を置いた。 客が品を自分の目の前に移動させると片手でグラスを持ってチビチビと飲み始める。 男の風貌は若干年季が入っていて目が少し細くて鼻が高... -
来襲!冥土番長 (サマサさま)
23区計画。それは、東京23区一つ一つに<番長>と呼ばれる超人たちを配置し、戦わせ、最後に残った者に 絶大な権力を与え日本の支配者として君臨させるという、次代の独裁者を生み出す恐るべき計画。 だが、それに真っ向から立ち向かう漢がいた。 彼の名は<金剛番長>。日本に残った、最後の硬派である。見るからに無骨でいかつい風貌、まさに漢である。 そんな彼は、なかば無理矢理に手渡されたチラシに嘆息し、目前の少女に目をやる。 「メイド喫茶<冥土印天国(メイド・イン・ヘヴン)>開店でーす!よろしかったら、来店お願いしまーす」 下手をすれば小学生にも見えそうな小柄な女の子。長い髪と泣き黒子が特徴的な、中々可愛らしい顔立ちだった。 そんな彼女の頭にはカチューシャ。身を包むのはエプロンドレス。手には箒。 俗に<メイドさん>といわれるスタイルである。その趣味の方にはたまらない服装だ... -
ダイの大冒険AFTER(ガモンさま) 第一話 「黒の核晶」
物語とは人知れず始まり、そして投石されて出来た波紋の様に広がっていく。 しかし、何事もきっかけがなければ何も起こらない。 例えば、この日ポップがある物を見なければ、物語は表に出ることもなく、終了していたのだ。 その日ポップ、マァム、メルルの三人はあの日キルバーンの策略によって行方不明になった勇者ダイを探す為にベンガーナ王国に向けて旅を続けていた。 「ちょっと、ポップ!ベンガーナ王国の場所間違えないでよ。地図をしっかりみたの?」 「う、うるせえ。俺だって間違えることはあるぜ。おかしいな~この道の筈だと思ったけど。」 マァムには弱いポップだが大魔宮での一件以来、二人の距離は微かに縮まっていた。 それ故に、前からポップに思いを寄せていたメルルは二人を見て軽い嫉妬心もあった。 その時メルルは一つの間違いを見つけた。 「あの、ポップさん。地図、逆です。」 「へ... -
しけい荘大戦 第九話「アメリカ合衆国大統領」
午後六時──米国大統領、到着。 大勢のシークレットサービスを引き連れ、ボッシュは徳川ホテルの最上階に移動する。 東西南北に仲間が散り、しけい荘メンバーでホテル内にいるのはオリバとシコルスキー の二人のみ。 「シコルスキー、大統領が到着したらしい。今すぐ部屋に向かいたまえ」 「えっ、俺一人でか!?」 「当然だろう。心配するな、話はつけてある」 「し、しかし……本当に俺みたいな馬の骨が──」 シコルスキーが弱音を口にした瞬間、オリバはぐいっと胸ぐらを掴み上げた。 「お、大家さん……!」 「君は私のアパートの住民だ。たかが大統領如きに怯える必要など一ミクロンたりともな い。……分かるな?」 「……はい」 「もし外の四人が敗北し、私が突破されたなら、君の出番だ。──頼んだぞ」 オリバはシコルスキーを振り向かせ、背中に張り手を喰らわせ... -
ドラえもん のび太と真夜中のバンパイア(店長さま)45-3
近所で『お化け屋敷』または『吸血鬼の館』更には一部の少年の間で『雷帝、神成さんゾンビバージョンが百体が竹刀振り回して襲ってくる館』 などと色々な根も葉もない馬鹿らしい異名で恐れられている町外れの潰れて今は廃墟と化した劇場 立地条件が悪く人の往来が少なく更に縁起の悪いところだったらしくすぐ潰れた場所であった それがシルク・ド・フリークの今回のショーの舞台だ。 ここで話は離れるが実はシルク・ド・フリークは違法の団体である。 のび太達一行は普通のサーカス団と勘違いしているが実際は『フリークショー』なのだ。 『昔、欲張りな詐欺師が異形の人達・・つまり見た目が普通と違い手が三本あったり鼻が二つあったり、背が物凄く高かったり低かったり そういう人達を詐欺師は見世物にして、フリークと呼び見た目以外は人と変わらないものを客を呼んで見物料を取り 笑いの種にして変人呼ばわりして獣のように扱いただ同然で働かせ... -
永遠の扉007-1
第007話 「みんなでお食事」 (1) 客足が遠のいたとはいえそれなりに忙しいお昼時をすぎると、バイト少女は一息ついた。 銀成市にはある意味でとても有名なハンバーガーショップが存在する。 名をロッテリや。 一時期、銀ピカの全身コートや蝶マスクのタイツ男、中国風の巨漢2人などなど、筆舌に尽く し難い変態どもの巣窟となっていたため、「変人バーガー」という蔑称の方が市民になじみ深い。 さて、お昼をすぎたとはいえやらねばならんコトはたくさんある。 例えばハンバーガーを入れる袋。 これは大きさに応じて4号袋(たい)、6号袋、10号袋とそれぞれ分かれているが、この内6 号袋はかなりの頻度で使用されるので、消耗が激しい。 うっかりしていると折角ハンバーガーができても入れる袋がないという事態を招き、お客様へ の円滑な商品引渡しが不可となるので補充はこまめに行わなければならない。... -
星盗人 07
そこはもはや、スキマ妖怪こと八雲紫の支配する領域だった。 右に式の藍、左にそのまた式である橙を従え、紫は自らの開いたスキマに腰掛けた。 「さて、有象無象の皆さま方……今宵もいい晩になりそうですわ」 いきなりアクセル全開の挨拶に、まず守矢の二柱が噛みつく。 「ちょっとぉ! 神様をつかまえて有象無象ってどーゆーことよぉ!」 「そうだそうだ! 古参カエレ!」 「ちょっと、恥ずかしいからやめてくださいよお二方とも!」 早苗の制止など聞く耳持っちゃいない神々の野次に、紫は莞爾と微笑んだ。 その笑顔には恫喝や嫌味など少しも込められていない、心からの笑顔に見えて、 逆に気勢を削がれた二柱はもごもごと野次を引っ込めてしまう。 「それは見解の違いというもの……この幻想郷に於いては、あらゆるいっさいが幻想なのです。 故に、あらゆるいっさいは平等に──下らない、子供騙しの──紙切... -
【過去編第000話】
「けーれども彼はこ・こ・でさよなら♪」 「「「「「「「「残念だったねェ!!」」」」」」」」 合唱。それが教室に響くとパピヨンは瞳を細めた。 「フム。やるじゃないか。始めたばかりにしては」 居並ぶ生徒たちがさざめいた。歓声。仲間との称賛。抱き合う女生徒も何人か。 ここは銀成学園の一角、とある教室。演劇部の巣窟だ。 「だがつけあがるなよ。貴様たち程度など掃いて捨てるほどいる!!」 「ハイ監督!!」 「この俺パピ・ヨン! のように美しくなりたければひたすら努力あるのみだ!!!」 「ハイ監督!!」 口をそろえて返事をする演劇部員。ハモリ具合ときたら合唱部も羨むほどだ。一種異様な──新興宗教の祖を呼ばう ような──な熱気が音波と化して膨れ上がった。それにビリビリと肌を焼かれるパピヨンはしかし笑った。牙をむき出す 邪悪のアプローチで。 「ほう。... -
『L'alba della Coesistenza』 第四話 親子
髪と髭のカールした、ひょうきんという語の似つかわしい男が古びた書物を読んでいた。 親しみやすい印象を与える姿だが、纏っている衣は立派なものだ。今座っている椅子も華美でこそないが、上質だ。 王宮の主の名はアバン。勇者一行の師であり、現在はカール王国の王となっている。あらゆる武芸に通じ、邪を祓う呪文をも使いこなす非凡な人物である。 手にしている書には現在使われていない文字が書かれていた。 古文書を閉じ息を吐いたアバンは眼鏡をはずして目頭を揉んだ。 執務の合間を縫って読み進めているが、探すものはなかなか見つからないようだ。 息抜きのように懐から糸の束を取り出し、指にかけて弄ぶ。 扉が開き、一人の少年が入ってきた。 「先生っ!」 ひたいにバンダナを巻いている少年は頬を上気させ、息を弾ませている。興奮しており急いでやってきたことがわかる。 「... -
WHEN THE MAN COMES ARROUND 46-2
《EPISODE8:Listen to the words long written down》 ――北アイルランド アーマー州 アイルランド共和国モナハン州との国境より北東13km地点 遮る物も無い草原に伸びる一本の道路。 その道をかなりのスピードで走り続ける、薄汚れた一台のセダン車。 黄昏(ダスク)の時は疾うに過ぎ、辺りを漆黒の闇が包み始めていた。 車の中には人影が五人。 背筋を伸ばして真っ直ぐに前を見ながらハンドルを握る青年。 腕を組んだまま、目を瞑っている助手席の中年男。 後部座席には若い男女が三人。 一人は眼光鋭い長髪の青年。一人は緊張気味に身を硬くするお下げ髪の少女。 そして銀色のコートに身を包み、揃いの帽子を目深に被った青年が最後の一人。 車中は重苦しい沈黙と緊張感に満ちている。 それもその筈だ。彼らの目的は仲良くピクニックという訳でも、休日の終わりに急いで帰宅とい... -
涼宮ハルヒの正義、SOS団はいつもハルヒのちキョン48-3
「・・・という事なんでしょう。まったく・・・、涼宮さんらしいというか何というか。」 「じゃ、じゃあ、ここにいる全身タイツの人達は、私達を襲わないんですね。」 「おそらく・・・ですが。まあ、例えそうでも僕や長門さんがいますから。安心してください。 それに怪人のままのキョンくんもいますから。」 「・・・・好きでなったわけじゃないけどな。」 グウが戦闘員どもと戯れている間、俺と朝比奈さんは古泉の『この世界に対する考察』のようなモノを聞いていた。 古泉が話した考察の具体的な内容を要約するとこうだ。 ハルヒは無意識のうちに自分の都合の良い世界が創れる。 しかも自分が望んでいる一般常識とはかけ離れた世界をだ。 しかし、彼女の中にどうしても現実とかけ離れた事を拒否する心がある。 この部分が、目の前にいる戦闘員達を現実の戦闘員―――つまり、テレビの撮影と... -
「”代数学の浮かす” ~法衣の女・羸砲ヌヌ行の場合~」 4
何年か経ち。 両親の希望もありヌヌ行はとある大学を受験。首席で合格した。 ある日の放課後。彼女は呼び出しを受けた。場所は使われていない教室だ。行った。ドアを開ける。がらんとした机の群 れのなかに男子生徒がただ1人。中肉中背。流行を手堅く捉えた服装。そして髪型。顔面の造形も中の中。普段友人と バカな話(バイト先のオーナーへの愚痴とか友人の失敗談とか)しかしてない気軽な青年。しかしいまの顔面たるや空間を 染め上げる朱色に負けぬほどだ。彼はヌヌ行を認めると深く息を吸いいよいよ堅さを増した。これで用件が分からねば朴 念仁。ヌヌ行は内心溜息つきつつ踏みだした。 西陽が毒々しいまでに行きわたった教室。そこを泳ぐしなやかな体はひどく幻想的だった。呼びだし人がいよいよ接近す るヌヌ行を動揺混じりに眺めたのはその姿態にある。 身長は170cm... -
戦闘神話48-2
part.2act2 聖域中枢、教皇の間。 白い顔をさらに青白くしたニコルは、グラード財団からの出向で聖域に入ってもらっている男、 マース・ヒューズと内密の会談をしていた。 元イギリス陸軍諜報部所属、非公式作戦の功績から20代で中佐に昇進したという辣腕(らつわん)の情報将校である。 彼はグラード財団の招きに応じてあっさりと除隊。 愛妻家にして家族主義者である彼は、危険度の高い割りに給料の低い軍に見切りをつけ、 条件の良いグラード財団情報処理部門の特別顧問へと華麗に転職していた。 一児の父にしてよき夫、日本風の言い方をするならば一家の大黒柱。 そんな彼は、何の因果か欧州史上最悪のタブー「聖域」へ出入りする身分となっていた。 情報を制すものが世界を制す。 聖域は持ち前の機動力を生かした情報網を世界各地に張り巡らせている。 ありとあらゆる権力者... -
脳噛ネウロは間違えない 50-5
「──さて、ヤコ。昨日のおさらいだ。 吾代の情報によれば、『辺境人(マージナル)』こと香織甲介がいわゆるアンダーグラウンドの世界の住人である可能性は低い。 つまり、貴様の出番が回ってきたという訳だ」 「……え? わたし?」 「そうだ。『表の世界』は貴様のフォロー範囲内だ。 先日、奴等と遭遇した場所を覚えているな? 貴様が意地汚くも飛鳥井全死のオゴリで昼食を貪っている間、 香織甲介とその連れの小娘──荻浦嬢瑠璃といったな──は飛鳥井全死を探して周囲の店舗に聞き込みを行ったフシがある」 「え、そうなんだ」 「豚のごとく目の前の料理に食らいついていた貴様は知らぬだろうが、香織甲介自身がそのように言っているのだ。 貴様はそこにさらに調査を被せろ。香織甲介が飛鳥井全死の足取りを追ったその道を逆に辿り、奴等の活動半径を突き止め──なんだアカネ。 今、我が輩はこの... -
永遠の扉007-5
第007話 「みんなでお食事」 (5) 「──という訳で、二学期からの転入となる一年、ヴィクトリア=パワードだ」 防人の紹介が終わると食堂全体から歓声が上がった。 さもあらん。紹介されたのは金髪で透き通るような白い肌を持つ、外国人の少女だ。 緊張しているようだが、声はなめらかで日本語も流暢で、とかく聞くものの耳に心地よい。 生徒達は思い思いに誕生日から星座からなんでもかんでも聞きまくり、果てはスリーサイズ を知りたがる不逞の輩や罵倒を期待するマゾ気質のブタ野郎(いやに声が低い。マジに)ま でもが出現し、食堂はお祭り状態になった。 少女はそれらに、間延びしたどこかとろくさい声で答えたり、時にはクスクス笑ったり ひどく慌てたりと、表情豊かに反応を返すから、生徒達の印象はますます良くなる。 さて、紹介を終えた防人は斗貴子を連れて部屋の片隅にこっそり移動した。 斗... -
乙女のドリー夢 52-5
格闘技なんかはもちろんド素人で、殺気や闘気を感じ取ることなどできない留美。 もちろん、普通の女子高生……というか、平凡な一般人ならそれが当たり前だ。 だが目の前に立つ男からは、それらが強烈に感じられた。留美の髪を揺らさぬ突風が、 留美の服を濡らさぬ津波が、そして留美を物理的には押し潰さぬ重圧が、絶え間なく 襲いかかってくる。 「……ぅ……」 たった今、刃牙のことを地上最強だと心底信じた留美だったが、その思いはあっさりと ひっくり返ってしまった。範馬君がこの人と戦っても絶対に勝てない、と確信できてしまう。 刃牙はというと半ば反射的に留美を背に庇う位置に立ったが、しかしそこまでだった。 勇次郎の気迫と視線を受け止め、潰されないようにするだけで精一杯である。 「親父……今、ここで、やる気なのか?」 もし勇次郎が本気でその気なら、どうせ逃げられはしない。ならば応戦するしかない... -
WHEN THE MAN COMES ARROUND54-5
己が倒すべき者、己を倒すべき者、そんな互いの名を確かめ合うように呟き、向かい合う二人。 この瞬間に二人の闘いは始まり、もう次の瞬間には終結を迎えるだろう。 しかも、最早大勢は決している。 再生能力が衰えているとはいえ、気力、闘志共に頂点に達したアンデルセン。 失血死ギリギリの出血量に加え、銃剣や爆薬によるダメージが著しい防人。 いや、防人に関しては“ダメージ”という言葉も生易しい。 その身体は死に瀕している、まさに“瀕死”の状態だ。 あとはその銃剣が、首を斬り落とすのか、心臓を突くのか。 “どう殺されるか”とでも言うべきか。 暗転を始めた視界。寒気の止まらぬ肌。 四肢は萎え、全身全霊の力を込めても、立位を保持して構えを取るのがやっとの身体。 今の防人にあるのは、ただ“闘う”という意志だけである。 “どうやって闘う” “どうやったら勝... -
ドラえもん のび太の超機神大戦 第90話「最後の勝負・2」
第九十話「最後の勝負・2」 絵本が振り翳したメス。その矛先は―――自らの手首だった。血が面白いくらい勢いよく飛んだ。 「な・・・何やってるんですか、あなた!」 ペコが血相を変えて問い詰めると、絵本は自分で傷の手当をしつつ困ったような顔をして言った。 「だ、だから、精神を落ち着けようとリストカットを・・・こうすると、血が抜けてく感じがして、気分もスゥーっと楽に なるから・・・」 「・・・・・・」 嫌すぎる精神安定法だった。 「リ・・・リストカットで気分スカっと」 しかも笑えなすぎるジョークのおまけ付きだった。 「くっくっく・・・どうだ、園樹は。いい眼鏡の上に、中々面白い奴だろう?面白いなあ。本当に面白い」 狐面の男は、つまらなそうにそう言った。 「あなたは・・・なんでそんなに平然としてられるんですか」 キラは苛立ちを抑えきれない様子で狐面の男に問いかけた。 ... -
涼宮ハルヒの正義 47-3
俺は怪人である。 名前は・・・、無い方がいいかもしれない。 生まれた場所、というか衣装を着た場所は演劇部の部室だ。むしろ見当がつかない方が怪人らしいが。 まあ、唯一記憶しておきたい物事としては、鶴屋さんが俺の体を見て悲鳴を挙げた事ぐらいだ。 全く人間って奴は獰悪な種族だ。 自分でここで着替えろと言った癖に、その通り実行すれば非難銃弾雨あられなのだから。 だから俺は怪人の姿は少し気に入り始めている。 あくまでも着ぐるみを着るだけという前提があるが。 しかしこの怪人姿にも一つ問題がある。 それはこの姿が、俺に『蜘蛛男の着ぐるみ』を付け加えただけにしか見えない点だ。 それでも心優しい朝比奈さんや、話を合わせるのが上手い古泉はこちらの芝居に乗ってくれるだろう。 問題は怪人を欲した張本人。涼宮ハルヒだ。 どう考えても彼女に... -
遊☆戯☆王 ~超古代決闘神話~ 番外編・良い子のためのカード紹介③
オリオン「さあ、始まるザマスよ」 ミーシャ「いくでガンス」 城之内「フンガー!」 タナトス「マトモニ始メ給ェヨ!」 遊戯「うわああああ!何でいるのさ!?てゆーか千年パズル返してよ!」 海馬「失せろ、この愚神が!」 城之内「ヒィィィィ!悪霊退散悪霊退散!」 タナトス「ソンナ冷タィ態度ヲ取ラナィデクレ。我ハコゥ見ェテモ繊細ナンダ」 オリオン「嘘つけ、この野郎!」 ミーシャ「いくら番外編でも、出ていいキャラと出ちゃダメなキャラがいるでしょう!?」 タナトス「大丈夫ダヨ。ココニィル間ハ殺メルノ我慢スルカラ…」 遊戯「そうでなきゃ困るよ!」 海馬「ええい、もうこいつは無視して始めろ!話が進まん!」 城之内「そ、それじゃあ気を取り直して…今回は第二部のクライマックスに相応しく、大型モンスターが大暴れ したよな!最初は<メテオ・ブラック・... -
やさぐれ獅子 ~二十四日目~ 53-1
「ちくしょう、なんてぇ火力だ!」 燃え盛る火炎を前に、加藤は怒りの混じった大声を吐き出す。炎の侵攻は恐るべき速度 で進み、熱帯林が次々に炭と化していく。 業火の主は、右手に持ったステッキから炎を召喚しながら加藤を追い詰める。虫かごに 閉じ込めた昆虫に殺虫剤を浴びせかけるように陰湿で、効果的な戦法だった。すでに島全 体の樹木のうち、五パーセントが失われていた。 逃げれば逃げるほど不利になる。かといって、真っ向から挑んでどうにかなる相手でも ない。 試練『魔法使い』が加藤の前に現れたのは、まだ空が白んでいる早朝のことであった。 もはや日課となった砂浜でのロードワークを終え、食料調達に森に入ろうとした時、背 後に気配を感じた。 「──誰だッ!」 「おぉっ、あまり大きな声を出さないでくれないか。やかましくてかなわん」 「んだと……」 ... -
ダイの大冒険AFTER(ガモンさま) 第二十八話 マスタードラゴン
ボブルの塔でのゲマ一行との激戦、ゾーマの出現、バーンとの邂逅等。 今回のドラゴンオーブ争奪戦において多くの敵と出会い、戦々恐々したが、念願のダイと再会出来たという喜びを改めて実感し、 その夜、六人は枕を高くして眠る事が出来た。 ポップとラーハルトは待ち望んでいた者に再会出来た事が余程嬉しいのだろう。 彼等は無意識の内に涙をながしていたのであった。 ~魔界 ゾーマの城~ その城は標高が2000メートルはあるであろう山脈に包まれた小さな島の中心にそびえ立っていた。 周辺で生活している魔物も、この城から発せられるオーラを感じ取らずにはいられない。 同時に、それだけの力を持つ“彼”には敬意を払い、絶対的な服従を誓う事を余儀なくされる。 だがこの城で生きる魔物、および周辺の魔物は、その主に永遠に仕えていく事が大変名誉であるのだ。 「ふっ少々取り乱し... -
DB新作 第三話
ーーカプセルコーポレーション 翌日。 グスフにやられたヤムチャ達が担ぎ込まれていた。 その場にはクリリンを筆頭としたZ戦士達がヤムチャの目撃証言に耳を傾けている。 「フリーザ軍の…生き残りだと?」 「孫の事を知っているのか」 「この気は・・・ギニューという人のものですね」 実際にナメック星でフリーザ軍と戦った事があるクリリンと孫悟飯は知っている。 「トランクスと悟天が経験を積むには丁度いい相手かもな」 「気の大きさだけならな」 ピッコロとクリリンが楽観的な表情で会話を始めた。 (おい 悟天 最初からアレでいこうぜ) (念の為に…ね) 少年達がヒソヒソ話を始めてドアから出ようとした。 「おい トランクス!仙豆はいいのか!」 クリリンが呼び止める。 「いいですよ。それは天津飯さんの分です」 そして少年達は駆け足で飛び出し空へと躍り出た。 「俺も行... -
THE DUSK 第二話 (1)
僕には誰かが必要なんだ。それは誰でもいい訳じゃないけど。とにかく誰かの助けが欲しいんだ。 ――だから、助けて! 第二話『SINGIN IN THE RAIN』 二月の寒気を含んだ風が銀成学園高校の校舎に吹きつけていた。 窓はカタカタと鳴り、風の音と相まって何とも寒々しげな雰囲気を生む。 やがて、授業の終わりを告げるチャイムが校内に響き渡ると風の音は打ち消され、続けて湧き上がる 生徒達の声の中に溶け込んでいった。 校内は暖かさに満ちており、また昼飯時の活気が頭をもたげ、外の空気などは文字通りどこ吹く風だ。 一年A組の教室は授業中とは打って変わった賑やかな雰囲気に包まれていた。 四時間目の授業が終わり、生徒達にとっては待ちに待った昼休みの到来である。 ある者は弁当を鞄から取り出し、ある者は友人とやれ購買だのやれ学食だのと... -
戦闘神話51-3
part.4 act2 「さぁて、星矢!檄!これからオニイサンと一緒に夜遊びと…」 「却下!」 「右に同じ!」 悪所に誘うのはいつも風間虎太郎なのだが、 さそうに相手が若すぎるのというのも理解の上だから性質が悪い。 だが、星矢にも檄にも通用しない。 なんだかんだ言って城戸沙織ことアテナに操を立てている不器用な星矢と、 年齢からくる気後れでそういった大人の階段を上れない檄なのだ。 「まったく、マジメだねぇ~。 特に檄!お前さん毎日のおべんきょーでストレス溜めてんだろ? だったら、こう、オネエサンの中でこう、プワァーっ…」 ごん、と虎太郎の頭に星矢の鉄拳突っ込みが入る。 「下品!」 つまりはそういう事だ。 清廉潔白などとは言わないし、冥府に乗り込んだ際に強烈な屁をぶちかました星矢... -
天体戦士サンレッド外伝・東方望月抄 ~惑いて来たれ、遊惰の宴~ 賢者が遺せしは
幻想郷には、多種多様の人知を超えた領域が存在する。死者の魂が彷徨う世界―――冥界もその一つだ。 そこには、とある巨大な屋敷が在った。 永遠に咲く事無き呪われし桜<西行妖>が聳える壮麗な庭園。 それこそは転生と成仏を待つ魂の管理を閻魔王より承りし西行寺幽々子が住まう<白玉楼>――― 「―――とはいうものの、普段はそんなにやることもないのよね。ヒマだわ」 幽々子は縁側に腰掛け、傍らに控えていた少女に愚痴る。 「面白き事もなき世を面白く―――なんて簡単に言ってくれるわ。あーあ、ヒマだわ、ヒマ、ヒマ。このままじゃヒマ すぎてゆゆちゃん死んじゃう」 「…幽々子様。私はそれに対して<亡霊の貴女が死ぬわけないでしょう>と創意工夫の欠片もないツッコミを返す べきでしょうか?それとも自分の事をゆゆちゃんと呼ぶのはイタイと忠言すべきでしょうか?」 気真面目な口調で語る少女の名は魂魄妖夢(こ... -
WHEN THE MAN COMES ARROUND 45-1
火渡は口にくわえていた煙草の残骸をプッと床に吐き捨てた。 そしてギラつく眼でサムナーを睨みつける。まるで彼自身の能力を象徴するかのような、 怒りに燃える眼で。 「何だ? その眼は……。貴様、どうやら“上官不敬罪”で銃殺刑に処されたいようだな」 サムナーはゆっくりと立ち上がった。心持ち腕を浮かせ前傾姿勢になっている。 彼の周囲でモーター音に似た音や、ブンッと風を切る音が響いている。 その音の正体は何一つ見えないが、何らかの攻撃態勢に入っているのは確かだ。 それに呼応するかのように火渡もまた立ち上がる。 「ならテメエは“俺様不敬罪”で火あぶりの刑だな」 火渡の周囲の温度が一気に上昇していく。既に肩の付近からは炎が闘気の如く立ち昇っていた。 「あちち! あ、熱いよ火渡君!」 彼の隣に座る千歳はまともに炎に晒され、その身を炙られた。半ベソで悲鳴を上げるのも当然だ。 「いい加減にしねえか!」 千歳の... -
汝は罪人なりや?【序】【ぷろろーぐ】 3
私たちは駅につくと 程なく来た列車に乗り込んだ 心なしか乗っている人が少ないのは向かう先が田舎だからだろうか 二人で座るタイプの座席がいくつも並んでいる様子はまるでバスの後部座席のようだ ネウロはさっきから帽子の女の子と人狼ゲームの話に夢中になってるけど…私には内容がさっぱりわからなかった 私は場違いな気がして彼女にネウロの隣の席を譲ると離れて座った 目の前からはくららの楽しげな声が響く 「私としては狩人coは…」「ええ しかしそれでは狩人日記が破綻してしまいますね 僕ならばその場合…」 (ネウロ…こうして遠くから眺める分には最高なのになあ) ぼーっと見ていた私は隣に座ったブローチを着けた子…あきらから謝られた 「姉貴が空気読めないせいで…ごめんな」 申し訳なさそうな顔の彼女に笑顔を見せる 「そんなことないよ~気にしないで」 私としては一時的にでもネウロの暴力から逃れら... -
永遠の扉004-1
第004話 「ザ・ブレーメンタウンミュージシャンズ」 (1) 彼女は知った。 いかに気をつけて行動していても、偶然や他者の恣意、あずかり知らぬ慣習がそれを打ち 崩すコトがままあると。 失敗。 綿密に練った計画ですら状況の如何によってはそちらへ触れる。 反射的にとった言動ならば、なお。 幸い大きな綻びには至らなかったが……軽挙妄動は慎むべき。 彼女は、潜入生活の始めにそう学習した。 「全く。まひろといいあなたといい、門限を破るなんて」 「ごめん千里ちゃん」 「? 珍しい。私をあだ名で呼ばないなんて」 「あ、えと。あちこち歩き回って疲れてるせいかな。あはは。まひろみたいについ忘れてて」 「ホントに疲れてるみたいね。まひろまであだ名で呼ばないなんて…… ブラボーさんに謝っ たらすぐ寝なさい。夏休みだってもうすぐ終わるんだから、そろそろ生活のペースを戻さな... -
天体戦士サンレッド外伝・東方望月抄 ~惑いて来たれ、遊惰の宴~ 天体戦士サンレッドVS星熊勇儀
「ああ~…いよいよ始まっちゃいましたね」 ヴァンプ様は落ち着きなくそわそわしながら、闘技場に立つレッドを見つめる。 「ね、ね。大丈夫ですよね、レッドさん。ああ~、あの人の強さを疑うわけじゃないけれど心配だなあ…もし殺られ ちゃったりしたら大変だよ。抹殺すべきヒーローを他の人に倒されたなんてなったら、皆にどう言えばいいのか… あ、そうなったらなったで世界征服に一歩近づくわけだし、ここはむしろあっちの星熊勇儀さんを応援すべきかも。 でも私達以外の誰かがレッドさんに勝っちゃうってのも複雑な気分だし…あ~も~、ホントどうしよう、私」 「…とりあえず、静かに観戦してはいかがでしょう」 「そ、そうですね、ジローさん!よーし、見るぞー!」 身を乗り出し、食い入るように闘技場を睨み付けるヴァンプ様である。 そんな彼を呆れ顔で見つめて、魔理沙はジローとコタロウに小声で問うた。 「なあ。こ... -
ロンギヌスの槍 part.12
「……ッらァッ!」 裂帛一閃、オリハルコンナイフがフィーアに向けて放たれる。 自分を正確に捉えてくるその一撃に戦慄しながらも、 フィーアは寸前でその切っ先を蹴り払う。返礼とばかりに彼女もまた鋭い蹴りを見舞うが、"水の心"の境地に至った優には、 やはり、当たらない。逆に右足を掴まれ、勢い良く投げ飛ばされる始末だ。 「……二人がかりでもこのザマとはな」 先程、優の膝蹴りによって破壊された顎を自動再生している最中のツヴァイが、苦々しく呟く。 膝をつき、荒々しく呼吸を繰り返している。 数あるナチ残党のなかでも、自分達は、一級の戦力を保有している自負はあった。だが結果はどうだ。 たった一人の人間すら仕留められず、劣勢を強いられている。だが別段、その事実に打ちひしがれる事も、落胆することもない。 帝都ベルリンが... -
のび太 IN バキ
「この時代にも、いや僕らの時代には既に帝愛があるのか…」。 のび太は、喫茶店の座席でやや前傾姿勢となり頭を上げた。 小学生だけでは入店できなかった区内の喫茶店。トイメンに座るのはロン毛の黒服だ。 だからというわけでもないだろうが、その人は黒川と名乗った。 「で、どうする?まだ強くなりたい?」 黒服の黒川は、のび太に問う。 それへの返事を先延ばしにしたいからか、先ほどの20世紀で味わったものでは屈指の「リアル」を 思い出してやや体が震えたからか、のび太は両膝の上に置いた手に力を入れ再び下を向く。 そして、コーラフロートをチュゥゥッと一喫。そして息をつぐと開口一番に…。 「はい、今度は地道にしたいです」。 黒川は、裏物DVDを収録・再製(気の遠くなるダビング作業)・出荷する秘密工場を視察に来ていた。 秘密工場といっても、収録だけは別の場所で行われる。しかも、帝愛の息... -
永遠の扉 第091話(3)
任務が任務である。剛太はいかにも人間離れのやる夫社長がホムンクルスかどーか確認せねばならぬ。 とりあえず作戦会議を開いた。ごとごととラタン椅子をテーブルの周りに集めただけの質素極まる会議に参加したのは桜 花と秋水。3人集まれば何とやら、同じテーブルを囲む同僚に「まー適当に知恵出してくれ」とだけ議長は呼びかけた。 「で、どうする?」 「どうするっつったってなあ。てゆーかお前話振るだけで考えないのな」 実直極まりない表情の秋水に気のない返事を漏らしながら、隣の桜花に視線を移す。目が合った。意味ありげな微笑が 返ってきたがそれだけで、特に提案などは来ない。人選を誤ったか。臨時議長席に溜息が洩れた。 (意見言えない奴と言うつもりのない奴だけじゃねーかこの会議。意味ねぇ!) お冷を注ぎにきたヴィクトリアが「無駄な努力御苦労さま」と毒づいてきた気もするがそれは無... - @wiki全体から「シュガーハート&ヴァニラソウル 人物紹介②」で調べる