SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ内検索 / 「天体戦士サンレッド 設定資料集 (サマサさま)」で検索した結果
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天体戦士サンレッド 設定資料集 (サマサさま)
~天体戦士サンレッド・登場人物や設定・裏設定の解説~ (※あくまでこのSSにおける設定であり、作者の自己解釈・妄想なども割と含むので注意されたし) ○主人公 <天体戦士サンレッド> 本編の主人公…なのだが、ヴァンプ将軍をはじめとするフロシャイムの怪人達に存在感を完全に奪われている。 性格は粗暴なチンピラそのものだが、ヒーローだけあって優しい所もある…と思いたい。 かつては今よりもっとタチが悪かったそうな。 かよ子という恋人に養ってもらっている、いわゆるヒモである。 ヴァンプ将軍や怪人とはもはや完全に馴れ合っており、対決の時以外は結構仲良しな部分もある。 そんな彼だがヒーローとしての強さは本物で、どんな敵が相手でもTシャツにサンダルというやる気のない格好の まま、ロクに全力を出さずに一撃で倒してしまうほど。 最近は川崎市に変な奴が色々やって来てちょっと辟易している... -
天体戦士サンレッド ~フロシャイムの姦計!軍曹・孤高の闘い
...ていようとは! (天体戦士サンレッド…彼の活躍がなくば、既に日本はフロシャイムに制圧されている事だろう…だがこれ程の巨悪に、 大佐殿以外は誰も気が付かなかったとは!恐ろしい…あれだけの力を持った組織が、ここまで完璧にその実情を世間 から隠し通し、堂々と悪の看板を掲げて存在しているという事実が!) この地に住まう人々は、今はまだフロシャイムの事を<お人好し揃いの悪の組織>としか思っていない。 だが、もしも奴等の本性が知れ渡る事になれば、少なくとも川崎市は大混乱に陥るだろう。 いや、それすら見越して、フロシャイムは人畜無害な悪の組織を演じているのかもしれない。 (サンレッドもいつまで持ち堪える事ができるか…早急にミスリルが動くに足るだけの悪事の証拠を掴んで、奴等の野望 を食い止めねば!) そんな決意と共に、ボン太くんは川崎支部アジトへと入っていく。 「あ、ボン太くん、... -
天体戦士サンレッド外伝・東方望月抄 ~惑いて来たれ、遊惰の宴~ 賢者が遺せしは
幻想郷には、多種多様の人知を超えた領域が存在する。死者の魂が彷徨う世界―――冥界もその一つだ。 そこには、とある巨大な屋敷が在った。 永遠に咲く事無き呪われし桜<西行妖>が聳える壮麗な庭園。 それこそは転生と成仏を待つ魂の管理を閻魔王より承りし西行寺幽々子が住まう<白玉楼>――― 「―――とはいうものの、普段はそんなにやることもないのよね。ヒマだわ」 幽々子は縁側に腰掛け、傍らに控えていた少女に愚痴る。 「面白き事もなき世を面白く―――なんて簡単に言ってくれるわ。あーあ、ヒマだわ、ヒマ、ヒマ。このままじゃヒマ すぎてゆゆちゃん死んじゃう」 「…幽々子様。私はそれに対して<亡霊の貴女が死ぬわけないでしょう>と創意工夫の欠片もないツッコミを返す べきでしょうか?それとも自分の事をゆゆちゃんと呼ぶのはイタイと忠言すべきでしょうか?」 気真面目な口調で語る少女の名は魂魄妖夢(こ... -
バレンタインは犠牲になったのだ…勇パルでホワイトデーする犠牲に…
太陽の光さえ届かぬ地の底。 幻想郷の地上と地底を繋ぐ巨大な洞穴の中に、その橋はあった。 ――渡る者が途絶えた橋。 つけられた名の如く、この橋を渡る人間、あるいは妖怪は存在しない。夜 の闇よりも濃い暗闇に浮かび上がる橋は不気味の一言で、進んでここを訪れ る者は、よほどの酔狂の持ち主か、はたまたこの橋と強い縁を持つ者か。 しかし、誰もいないと思われた橋の上に、一つの人影があった。 ややウェーブがかかった金色の髪に、鋭角的に尖った耳、ペルシャの民族 衣装によく似た装束を纏った少女。緑色の瞳に憂鬱を滲ませて、彼女はたっ たひとりで、洞穴の上を見上げる。その視線の先にある〝何か〟を、求める ように。 彼女の名は、水橋パルスィ。 『嫉妬心を操る程度の能力』を持ち、ここ幻想郷に生きる有象無象の妖怪 のひとつ、橋姫である。 ――橋... -
「パピヨンvsヴィクトリア&音楽隊の帰還」後編 (4)
──────薄暗いどこかで────── 「ほー。で、で!? 霊魂に作用しとったらどうスゴいん!? 」 「むーん」 「『もう一つの調整体』いうても要はあれ、ふっつーの核鉄ちょっと改造しただけやろ? 100年調整に調整重ねた白い核鉄 ほどスゴクないんやないかな。うん。ウチはそう思うとるでー」 「むーん。それはだね」 ムーンフェイスは微苦笑していた。 一連の戦闘終了後、目下ムーンフェイスは銀成市から退散中だ。 いまは彼が「再就職先」と呼ぶ『組織』の用立てた建物に身を潜め、新たな戦いを待っている。 のだが。 (やれやれ。LXEの間の抜けた連中が懐かしいよ) 時々往時を忍ぶほど、再就職先の面々は「色々とヒドい」。 例えば大人しそうだと話しかけた「笑顔の似合う少女」 (確か……リバっち。いや、リバース君だったかな。何にせよ……... -
第017話 「忍法無銘伝(後編)」
「忍法火消し独楽。(ひけしごま)──」 くの字に体を折り曲げた根来の襟首から、するすると出てきて、首のうしろで回りだした物が ある。 独楽だ。幅も高さも二寸ほどのそれは、びゅうびゅうと速度を上げて風をまきおこし、迫りく る真赤な五本の稜線をことごとくあらぬ方向に吹き飛ばした。互いを打ち合いながらもつれ あい、とりとめなく垂れた指かいこは、すでに炎を失っている。…… 「いかに繕おうと所詮は炎と糸。防ぐ事などあい容易い。そして」 ふたたび腕を振り下ろさんとした無銘ではあるが、根来の水死人のように生白い唇から何や らびゅびゅっと吹きかけられると、名状しがたい苦鳴をもらしながら墨染めの裾をひるがえし、 眼を抑えたきりぴたりと動きをとめた 「忍法逆流れ(さかながれ)。──」 傍観する千歳にはわからなかったが、この時、無銘の視点は天地が逆転していたのである。... -
第096話 「演劇をしよう!!」(中編) (2)
「戦士長が監督ぅ!!?」 「はい。アクションの方ですが。ちなみに特撮監督は無銘サンです」 斗貴子は愕然とした。演劇部をめぐる状況はだんだん凄まじくなりつつある。 「フ。俺にかかればこれぐらい簡単だ」 振り返る。黒檀の素晴らしいタンスができたところだ。額の汗を拭う総角。歓声。周囲の生徒が燃えている。 香美とのアクションがひと段落した斗貴子は大道具の方を見にきた。総角の動向が気になったというのもあるがそれ以上 に防人の所在を知りたかったのだ。 「助かった毒島。ケータイが通じなかったからな。手間をかけた」 「い、いえ。大丈夫です。仲間をサポートするのも仕事ですから」 そういう彼女は小道具係らしい。先ほどから何やら赤やら緑やらの宝石を針金に通している。 「ところでどうしてキミは素顔なんだ?」 「防人戦士長の命令です……。ずっとガスマスクだと目立ち... -
永遠の扉 第013話 2
熱もなく光もなく。 そんな空間が六角形に切り抜かれ、地平の果てまで続いている。 着替えを済ませ戻ってきた彼は、聞きなれた大好きな声に耳を傾ける。 「さて、さてさて!」 レンガ造りの地下道に、快活な声が響き渡る。 小柄な影がおさげ2つをぴょこぴょこ揺らし、ロッド片手に熱を吹く。 他者が聞けば顔をしかめるかも知れない。けれど、彼は逆なのだ。安らぎと充足すら覚える。 「『もう一つの調整体』起動に必要な割符をめぐる戦いはいまや佳境! 戦況は三分化であ ります! ちなみに参考資料をば……でけでん!!」 ロッド一振り。煙と共に黒板が現われた。 彼はちょっとした遊び心で黒子をやっているからアシスタントをしないといけない。 だからチョークでがりがり書いた。以下の文字をがりがり書いた。 津村斗貴子はL・X・E残党勢と── 中村剛太は栴檀香美と── ... -
項羽と劉邦 第8話 「日吉の快進撃」
暗い暗い空間に時折光が走って轟音を響かせる。 遠雷が駆け巡っていた。 遠雷は過大の人民を擁してなおあり余る大地をつんざきながらやがて亀裂を刻みこみ、平原 を駆ける牛馬を奈落へと付き落とす。 その原因が二メートルにも満たない三つの光球であるコトを大地は知らなかった。 天も知らず人の多くを制する楚軍すらも知らず。 赤い光球が青と黄色のそれに追いたてられていた。 それまで成層圏で打ち合っていたそれは何かの拍子で地表に戻ったらしく、グンと低空で疾駆 しながら野や砂漠をソニックブームで滅茶苦茶に破壊し終えた後、雄大な黄河の水面に巨大 なさざなみを迸らせながら徐々に距離を詰めていき、やがて赤い光球に青と黄色のそれが接 触。 猛然と速度を上げた。 行く手には山があり、中腹を一塊の光球が貫いた瞬間大爆発を起こした。 現在のゴビ砂漠の誕生である... -
永遠の扉 第040話
剛太は幼い頃に家族全員をホムンクルスに殺された。 といっても物心つく前の出来事だからホムンクルスに対する明確な憎悪はない。 会えば容赦なく殺そうとするのは、自分の立場に対する現実的思考と、尊敬する斗貴子への 同調がそうさせているだけなのだ。 信奉者、というホムンクルスにつき従って彼らが人を喰いやすいよう裏工作をする人種に対 する悪感情もまた同じく。 そんな彼が最近、元・信奉者の女性に付きまとわれている。 客観的にいえば彼女は美人だ。黒い髪を腰まで伸ばした清楚な雰囲気漂う和風美人。肢体 も隅々まで豊麗で、初対面の時は斗貴子一筋の剛太ですら不覚にも目を奪われかけたほどだ が、しかし元・信奉者というコトに変わりはない。 何しろ彼女の一面が投影された武装錬金はヒドい造りの毒舌人形。 その一時だけでもいかに「元・信奉者」に相応しい性質かが分... -
天体戦士サンレッド外伝・東方望月抄 ~惑いて来たれ、遊情の宴~ ~紅魔降臨・後~
鮮血の泉と屍の山。 向かい合う少女と男。 夜の世界に足を踏み出したばかりの、産まれ立ての始祖。 想像もつかない程に永い夜を歩んできた、古き吸血鬼。 太陽に背を向けた二匹の獣が、出会った。 「さて。僕が何者なのか、何故ここに来たのか…君はあまり興味がないようだけど、一応は説明しておこうか」 「…一応、聞こうかしら」 「うむ。先も言った通り、僕は可愛い女の子の味方さ!…いや、悪い。そんな冷たい目で見ないでくれ。マジな話 をすると、別にそんな大物ってわけじゃない。ちょっとばかり長生きしただけの、どこにでもいそうな吸血鬼さ」 どこまで信じていいものか、彼はそう嘯く。 「そんな僕がどうしてこんな所にいるかといえば、胡散臭い連中が<ロンギヌスの槍>を手に入れたとか、風の噂 で聞いたもんで、ちょっかいをかけに来ただけ…のはずだったんだが…まさかこんな事になってるとは、思って... -
永遠の扉 第054話
「貴信と香美が負けるとはな。いい勝負だったが後に鐶が控えていてはああなるのもやむな しというところか……フ。並のホムンクルスにひけを取らぬ栴檀二人、惜しくはあるが仕方ない」 「さて」と総角は手を見た。 そこではおよそ一時間前に受け止めた逆胴の衝撃がいまだ微かな痺れをもたらしている。 一分の創傷すら浮かんでいないがまったく無事というワケでもない。 「腕を上げたな秋水。だが次の相手は貴信たちほど甘くないぞ」 手を握りながら総角は瞑目し、気障ったらしい笑みを浮かべた。 秋水のいる地下空間は総角のアンダーグラウンドサーチライトの作り出した物である。よって その特性により内装は自由自在……とは先ほどの小札の弁。 然るに広さと複雑さを増すば増すほど創造者の負担が大きくなるアンダーグラウンドサーチ ライトである。先ほどの貴信の部屋自体相当な広さであ... -
P2!~after 10 years~ 51-1
―――時は西暦2017年。週刊少年ジャンプにおいて、ある意味伝説と化した一つの漫画があった。 其の名は<P2!>。21世紀最大のトンデモ卓球漫画とも称される名作にして問題作である。 世に卓球ブームを巻き起こし、アニメ化・実写映画化・カードゲーム化・ミュージカル化・その他ありとあらゆる メディアミックスを行いながら、連載開始から足掛け11年。 ついに久瀬北と王華学園との、波乱に満ちた全国大会決勝戦が始まろうとしていた――― 「とうとうここまで来たな…」 大歓声の中、感慨深げに眼鏡の男―――久瀬北卓球部部長・遊部(あそべ)が呟いた。 ここは全国大会決勝の地、中学生で卓球を志す者ならば誰もが憧れる場所―――そう、聖地・甲子園である! そしてグラウンドのド真ん中にどっしりと設置された、神々しさすら放つ一つの卓球台――― それこそが両雄相まみえる、最終最後の... -
永遠の扉 第067話
194 名前:名無しさん 投稿日:[ここ壊れてます] ID kakukoto0 193 頑張れスネーク そっちに行けないオレのためにまずは美少女をうpするんだ 195 名前:193 投稿日:[ここ壊れてます] ID 876543210 http //*******/***/*****.jpg (マジでグロ注意。画面の端にあるのはID書いた紙な) 見ても文句いうなよホント… 俺なんかメートルぐらいの場所にいるんだぜorz 196 名前:名無しさん 投稿日:[ここ壊れてます] ID kakukoto0 ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!! こっち見んな!! 首だけこっち見て笑うなあああああああああああああ!!!! そのグロ画像がリアルで 193の頭上を滑空した... -
第093話 「パピヨンvsヴィクトリア&音楽隊の帰還」前編 (1)
【9月6日】 闇の中に無数の根が這っていた。太いのもあれば細いのもある。それらは雑然と曲がりくねり、或いは絡まり合いながら 闇に向かって這っている。根は多いが辺り一面埋めつくしているというほどでもなく、1つ1つの隙間から白い地面が見えた。 厳密にいえば地面は何かの鉱物を切磋したものらしい。床。どこからか差し込む紫の光を淡く跳ね返しながら闇と根の間 をくぐり抜け、果てしなく広がっている。 根が生えているのは人口建造物の内部のようだった。 不思議なことに”根”の密集地帯の近くには必ずといっていいほど『機械』があった。巨大なラジエーター型の機械もあれ ば机付きのパソコンもある。一番多いのはガラス張りの円筒とシリンダーとパイプを雑然と組み合わせた名称不明の機械 で、それは薄暗い部屋の中で時おり蒸気を吹いてもいる。丸太ほどある丸いガラスケースの中では色のついた液体── ... -
AnotherAttraction BC (NBさま)44-1
「急いで! こっちです!」 「…そんなモン置いてけ! 早くしろ!!」 「…うちの子が居ないの!! お願い、捜して!!!」 「必ず捜します! だから今は早く!!」 警備員と警官、そして幾分冷静な市民が人の波に大声で避難を促がす。 今でこそ観光地のフィブリオ市だが、古くは大国や戦乱の蹂躙を受け、それ故人災に対する危機管理能力が骨の髄まで染み付いていた。 連絡網と避難場所は完璧に確保され、平和になった今でもその為の訓練を欠かさない。 しかし―――― かなり近くからドラムロールの様な音が数回響いた。 「来たぞ!!」 警官の声に誰もが身を強張らせる。 視線の先には、瞬く間にゴーストタウンの様相となった道路の向こうからやって来る兵士達。武骨で機械的な類人猿を思わせる 戦闘服の集団は、それぞれが大仰な火器を携えていた。 ざっと見て向こうの装備は未来的なフォルムの小銃に、分隊支援用機関銃、グレネードラン... -
第094話 「パピヨンvsヴィクトリア&音楽隊の帰還」後編 (1)
修行。 或いは、恩返し。 【9月6日】【9月7日】 どちらともとれる境界線上の夜。 ──────パピヨンの研究室で────── パピヨンが図面片手に指示を出し、ヴィクトリアが従う。 そんな光景がもう何時間か続いていた。 分厚い合金の板が山と積まれパイプの束が散乱し、大きな箱から零れんばかりに集積回路が覗いている。 そんな研究室の中で彼らは時おり諍いつつも作業を続けている。 彼らの前にある物体を一言で形容するなら、”金属で編まれた皿” 直径5mほどのそれはひどく平べったく、内外を行き来するヴィクトリアは事も無げにひょいひょい跨いでいる。 作られ始めて間もないのだろう。皿は骨組がよく目立った。そこを跨いだ少女が屈みこみ、粗笨(そほん)極まるスカスカ 空間へ曲った合金をはめ込んでいく。パズルの如く、... -
戦闘神話48-2
part.2act2 聖域中枢、教皇の間。 白い顔をさらに青白くしたニコルは、グラード財団からの出向で聖域に入ってもらっている男、 マース・ヒューズと内密の会談をしていた。 元イギリス陸軍諜報部所属、非公式作戦の功績から20代で中佐に昇進したという辣腕(らつわん)の情報将校である。 彼はグラード財団の招きに応じてあっさりと除隊。 愛妻家にして家族主義者である彼は、危険度の高い割りに給料の低い軍に見切りをつけ、 条件の良いグラード財団情報処理部門の特別顧問へと華麗に転職していた。 一児の父にしてよき夫、日本風の言い方をするならば一家の大黒柱。 そんな彼は、何の因果か欧州史上最悪のタブー「聖域」へ出入りする身分となっていた。 情報を制すものが世界を制す。 聖域は持ち前の機動力を生かした情報網を世界各地に張り巡らせている。 ありとあらゆる権力者... -
~それぞれの思惑・中篇~
幻想郷で最強の存在とは誰か? こう尋ねれば、その答えは十人十色で異なるだろう。 ある者は境界の妖怪・八雲紫の名を挙げるかもしれない。 またある者は白玉楼の亡霊姫・西行寺幽々子と答えてもおかしくない。 紅魔館に巣食う吸血姫―――レミリア・スカーレットとフランドール・スカーレットも、上記の二人に劣らぬ力の持ち主 と目されている。 最強の種族と謳われる<鬼>。その中でも群を抜いた戦闘力の持ち主であり、共に妖怪の山の四天王に数えられる 伊吹萃香と星熊勇儀もこの類の議論では度々話題に上る。 守矢神社が祀る二柱の神性―――天を司る風の軍神<八坂神奈子(やさか・かなこ)>と大地を司る土着神の頂点 <洩矢諏訪子(もりや・すわこ)>も、数多の大妖怪と比して猶、その実力に遜色はなかろう。 上記の二柱神によって核融合の力を与えられた地獄の鴉―――霊烏路空(れいうじ... -
天体戦士サンレッド外伝・東方望月抄 ~惑いて来たれ、遊惰の宴~ それぞれの思惑・中篇
幻想郷で最強の存在とは誰か? こう尋ねれば、その答えは十人十色で異なるだろう。 ある者は境界の妖怪・八雲紫の名を挙げるかもしれない。 またある者は白玉楼の亡霊姫・西行寺幽々子と答えてもおかしくない。 紅魔館に巣食う吸血姫―――レミリア・スカーレットとフランドール・スカーレットも、上記の二人に劣らぬ力の持ち主 と目されている。 最強の種族と謳われる<鬼>。その中でも群を抜いた戦闘力の持ち主であり、共に妖怪の山の四天王に数えられる 伊吹萃香と星熊勇儀もこの類の議論では度々話題に上る。 守矢神社が祀る二柱の神性―――天を司る風の軍神<八坂神奈子(やさか・かなこ)>と大地を司る土着神の頂点 <洩矢諏訪子(もりや・すわこ)>も、数多の大妖怪と比して猶、その実力に遜色はなかろう。 上記の二柱神によって核融合の力を与えられた地獄の鴉―――霊烏路空(れいうじ・うつほ)も、頭脳はと... -
永遠の扉 第091話(1)
9月10日。夕方。 「いらっしゃいませー!」 耳をつんざく甘ったるい歓声に中村剛太は顔をしかめた。 (やっぱ入るんじゃなかった) 振り返ると真新しい強化ガラス製の自動ドア越しにハートマークだらけのA型看板が見えた。なぜそれを見た段階で踵を 返さなかったのかと5秒前の自分を呪いたくなるほど頭の悪そうなA型看板だ。薄いパールピンクで塗装され、丸っこい文 字で「メイドカフェ ぎんせーえんじぇるす!」と銘打たれている。輪郭には数えるのが馬鹿らしいほどのハートマーク。 (本当にここで良かったのか?) 右手に握ったメモ切れを自問自答がてら見る。そのまま広告に載せられそうなほど丁寧に書かれた地図と様々な要素を 照合。残念ながら住所店名立地条件全てが符号。流麗な知人の文字が恨めしい。 「いらっしゃいませー! 1名様ですか!」 黄色い髪を両側で縛っ... -
鋼の錬金術師 ~「後夜祭」~ 前編
イーストシティ、東方司令部。 客人の到着を告げられた彼女が応接室に入ると、ソファから黒髪長身の青年が立ち上がった。 その後ろには小柄な仮面の人物が直立し控えている。 脳裏にある情報と二人の容貌を照合し、招いた相手にまちがいないと判断して口を開く。 「シンの皇子、リン・ヤオとその護衛だな」 「貴女がオリヴィエ・ミラ・アームストロング大将カ」 相手がその名にうなずくのを確認し、リンは床に両膝をつき胸の前で手を合わせ頭を垂れた。 「我が部下、フーの遺体をわざわざ荼毘に附してくださったと聞いタ。感謝すル」 その後ろでリンとともに深々と頭を下げる仮面の護衛、ランファンは懐に祖父の遺髪と 「そこに魂が残る」と言い伝えられている喉の遺骨を持っている。 「おかげで魂損なわれることなく、共に祖国に帰れル」 アメストリスの風習は基本的に土葬であり、 基本的には遺体の損傷が激しいなど特別... -
永遠の扉 第047話
「のわあああああ! 正に驟雨の勢いで矢が降り注いでおりまするーっ! 不肖の背中をご覧 ください、恐らくかの武蔵坊弁慶の立ち往生かハリネズミか! 火をつけますればかちかち山の 狸と化して野山五百里わーわー駆けずり回るは正に必定! というか、と、いうかー!」 秋水とまひろの説得が佳境にさしかかった頃、小札は蝶野邸の庭を頭抱えつつ走っていた。 「というか畢竟(ひっきょう)つまびらかに本音漏らさば、痛いのです!」 彼女のいう通り、背中には何本もの矢が刺さっている。 「痛い!」 また肩口に矢が突き立った。 「痛い!」 鳶色のくりくりとした瞳に涙がにじんだ。 「お、おやめ下さいー!」 霧の中で小札は栗色のおさげを揺らしつつ振り返って、御前に抗議した。 「じゃあさっさと負けを認めちまえよロバ女!」 「うぅ……不肖もなるべくそうしたいのですがで... -
永遠の扉 第057話
遠い記憶。 十年前の記憶。 「名前ですか?」 「連れてくなら無ければ不便だろ? さっさとしろ。俺は急ぐ」 「じゃあ、無銘くん。刀に『銘』が『無』い時の呼び名のごとく、無銘くん」 「……なんでそういう名前をつけるんだお前は?」 「え、えーとですね。本名も必ずありましょう。されどいまは不肖にこの子の名前を知る術があ りませぬゆえ、暫定措置として名づける次第。とはいえ『名無しの権兵衛』では呼び名として はいささか可哀想。それに、その」 「なんだ。お前はもっと実況をするようにハキハキと喋れないのか?」 「えと、……見たところ男の子…………ですし。カッコよくないと……」 「だから無銘か。なら姓は俺が名づけてやる。俺が総角、お前が小札と大鎧の部位が揃って いるから、鳩尾。鳩尾だ。大鎧の左胸を保護する板の名前を呉れてやろう」 「というしだ……... -
ロンギヌスの槍 part.5
鉤十字騎士団再来の報はオーストリア政府を震撼させた。 これまでオーストリア国内に存在するネオナチは、民族主義、人種差別、外国人追放などを主張する反社会的な団体でしかなかった。 かつては戦争裁判を逃れたナチ軍人がその活動の中心を担っていたが、現在の主流は社会に不満を持つ若者達が占めている。 しかも思想的にはかつての第三帝国のそれと食い違う部分が多く、その実態は奇形的に発展した国粋主義者の集まりでしかなかった。 ルサンチマン的な感情から他民族排斥活動や暴行・略奪などの犯罪行為を繰り返すただのごろつきでしかなかったのだ。 だが鍵十字騎士団ならば話は別だ。 オーストリア諜報部に残存する資料によれば、重戦車の群れと互角以上に渡り合った鋼鉄の偉丈夫、戦況全体を算出するほどの 演算能力を備えた機械仕掛けの戦乙女などが、鍵十字騎士団に在籍していたという。 そ... -
永遠の扉 過去編 第002話 (1-2)
青空の肢体がすくすくと伸び第二次性徴を遂げ始めた頃、周囲の男性の目はそれまでの人形を眺めるような憧憬をや め、より具体的な、若者らしい獣性の光を湛えはじめた。 原因は青空自身をも悩ます肉体の変質である。乳児期の発育不良の反動だろうか。例えば胸部などは13歳の頃すでに 元モデルの義母と並び、高校時代になってもなお成長をやめなかった。 にも関わらず胴は悩ましくくびれ、臀部もまた豊かな隆起を描く。 青空は自分の身体をどうすればいいか深刻に悩んだ。美しさを誇り、男性諸氏に売り込むという選択肢はなかった。 服飾に関しては声質上ひかえめな性格の青空であるから、年頃になってもセーターにジーパンというそっけない物を好んで いた。が、身体の発育はむしろ質素をして淫靡たらしめているらしく、周囲の男性の目は否応なしに注がれた。 更に170センチという長身も相まって、街頭でモデルにスカ... -
「”代数学の浮かす” ~法衣の女・羸砲ヌヌ行の場合~」 4
何年か経ち。 両親の希望もありヌヌ行はとある大学を受験。首席で合格した。 ある日の放課後。彼女は呼び出しを受けた。場所は使われていない教室だ。行った。ドアを開ける。がらんとした机の群 れのなかに男子生徒がただ1人。中肉中背。流行を手堅く捉えた服装。そして髪型。顔面の造形も中の中。普段友人と バカな話(バイト先のオーナーへの愚痴とか友人の失敗談とか)しかしてない気軽な青年。しかしいまの顔面たるや空間を 染め上げる朱色に負けぬほどだ。彼はヌヌ行を認めると深く息を吸いいよいよ堅さを増した。これで用件が分からねば朴 念仁。ヌヌ行は内心溜息つきつつ踏みだした。 西陽が毒々しいまでに行きわたった教室。そこを泳ぐしなやかな体はひどく幻想的だった。呼びだし人がいよいよ接近す るヌヌ行を動揺混じりに眺めたのはその姿態にある。 身長は170cm... -
「演劇をしよう!! (前編)」 (12-1)
あー、コイツもヘンな奴だ。しかも弱そう。冷めた目の金髪ピアスに構わず女性はひたすら一生懸命まくし立てる。 「私としてはですねー。戦士のみなさんに『女!?』『しかも割と普通の』みたいな反応して欲しかったんですよ。そしてですね、 そしてですよ? もし良かったら『見た目に騙されるな! 奴も幹部見くびってはならない』みたいなー反応してもらえたらー この上なく嬉しいですなんて思ってた訳なんですけど。エヘヘ」 後頭部をぽりぽり掻きながら女性は笑った。あどけない、というより幼稚な、世間ずれした笑みだ。「イタい」という方が正し くもある。 「なあお前」 「なんでしょうーか!!」 「センス古くね?」 「え!?」 「仕方ねーよwwww こいつの肉体年齢ほぼ30だからなwwww」 「ちょ、ディプレスさん!? 女性の年齢をいうなんて失礼じゃないですか!!」 クライマックスの視線。それ... - @wiki全体から「天体戦士サンレッド 設定資料集 (サマサさま)」で調べる