----------室江高校剣道部土曜の昼食の出来事-----------
「あ、タマちゃん、俺もその玉子焼きもらっていい?」
勇次がタマキの弁当に入っていた玉子焼きに箸をむける。

「いいよ」
タマキの了承を得て、勇次は玉子焼きを口の中にいれる。
「うん!すごくおいしい!いいお嫁さんになるよ」
勇次はたいして意識もせず、そういうとタマキは少し顔を赤らめる。
そんなやり取りを見ていた外野も少し頬を赤らめていた。

「ユージくんはなんであんなふうにテレもせず言えるんだろうねあんなこと。」
キリノが箸を止めてつぶやくとみんなも頷く。
「皆さんは彼氏とかいらっしゃらないんですか?」
さとりがそう問いかけるとみんながさとりに視線を移す。ちょっと恋愛空気になっていたからであろう。

「ええ!あんた彼氏いんの!?」
都がびっくりしたようにさとりに話す。
「ええええ!いいいいませんよ!そんなの!」
話を少し勘違いした都に慌てて否定する。

「そっかぁ~~さとりんは彼氏とかいないのかぁ~~サヤは?」
キリノは少し苦笑して、サヤに話を振る。どうやら本格的に乙女恋愛話になってしまった。

「ん~~あたしもいないよ?キリノもいないでしょ?
 ミヤミヤもダンくんと付き合ってるし、なんかここって恋愛要素ないよねぇ?」
サヤが腕をくんで笑いかける。

「先生はぁ~~~?吉河先生とはどうなぁてるんだぁ~~~?」
やわらかい口調のダンが先生に話をふった。
「あぁ?なんで吉河先生なんだよ!俺はお前たちだけで手いっぱいだっつの!」
コジローがワカメいっぱいのラーメンを食べながら不機嫌に答える。

「ふーーんじゃあ後は、」
とキリノが言いながら視線を向ける。視線の先は黙々とご飯を食べている
タマキと勇次だった。

「あ~~~~この二人は・・・・ないね」
サヤが断言して目を細める。

「ありえないよねぇ~二人にかぎって」
みんなは大きく首を縦にふる。
しかしキリノは何かを思いついたように勇次に話しかけた。

「ユージくんはもしタマちゃんに彼氏ができたらどう思う?」
キリノがご飯を食べていた勇次にあらぬことを質問したら勇次の箸が止まった。

「タマちゃんに・・・ですか・・・?」
勇次は下を向いて、目を瞬かせて、少し戸惑いながら考える。
そんな勇次の様子を見てタマキは驚く。
(あれ・・・?嬉しいですって即答すると思ってのに・・・?)
タマキも2、3回瞬くと、その間にみんなもタマキと
同じように思っていた

「嫌・・・・かな・・・」
勇次が結論を出した。
「「「「「「「え?」」」」」」」
みんながまさかの一言に目を見開く。
タマキはその言葉を聞いて数秒後に目をゆっくりまたたくと
顔を赤らめて静かに質問する。
「ユージくん・・・・今の・・・どういう意味・・・?」
タマキが勇次の裾をつかんで言うと
「まんまだけど・・・?」
と反対に聞き返されてしまった。

結局みんなは何も聞かず、そのまま今日の部活を後にした。

そして
「ユージくんは天然プレイボーイ」
と新たになずけられた。                 END
最終更新:2008年04月25日 23:21