バトロイのメンツで会話させてみた【実践編】

バトロイのメンツで会話させてみた【実践編】


 さて、第7回WBR開催に近づいた頃、バトロイは徐々に盛り上がっていた。


 今回の第7回WBRから、開催指定場所のバトルロイヤルR―Marinonet.の混雑を懸念し、予選制が導入され、よりスムーズに試合が進むようになっている。


 今大会の出場者達は、開催に向けて調整を行っていた、また、各作者達はそんな間に新たな選手を雇用していた。


 レンというキャラクターの改変である、煉とLENである、いずれはサンダースと銀髪猫74のキャラであり、両作者から期待がかけられている、色んな意味で


 これはそんな盛り上がりの中の、各キャラクター達のお話である。

◆―――――――――


「流石にこの夏に人が密集する所に来ると暑いなー。日差しがキツい」
「さらに熱い試合のせいで暑くなりますよねー、ああ!これが猛暑三重苦かー!!」
「おいどうしたサナツー。暑さで頭が茹ったか?」
「あははー、大丈夫ですよー、私の心は常に最初からクライマックス!憎き博霊をスクラップ&スクラップ!!」
「あー、駄目みたいだなこりゃ。」


 さて、どうしたものか、と焼き鳥屋・妹紅は考え込む。


 選手登板の予定が無いので親友であり、半ば相棒のような存在である東風谷サナツーを連れ出し、ここMarinonet.のバトロイの試合観戦に来たのだが、どうやらこの暑さに頭がやられてしまったらしい、このままではある意味危険な気がする。


「おい、そこ五月蝿いぞ、静かにしてくれ。」


 そこに抗議の声を掛けて来たのは鬼神軍の元主将、没落の凡退王子と言う不名誉な名がついた島田真北であった、不愉快だと言わんばかりに妹紅とサナツーに刺々しい視線を向けて居た。



「どうしたの…?」
「騒がしいな、何かあったのか?」


 前の席に座っていたらしい、ラムダとジャニスも妹紅達に振り向く


「あー、悪い、連れがちょっとな…。」
「常識は投げ捨てる物!」
「いや、投げ捨てるな投げ捨てるな」


 いかん、本気で不味い、そう思った妹紅がとりあえず気絶させてでも止めるために拳を構えた所で…。


「そんな時こそ私にお任せー!」
「どぅわーっ!?」


 いきなり突き飛ばされ思いっきり転ける妹紅、突き飛ばした張本人、民子ことたみ☆ふる巫女はそのまま妹紅の「何をするだァァァーッ!」の声を無視しつつサナツーに何かを服用させる!


「おい……。お前一体何を飲ませたッ!」
「勿論タミフルだよ〜♪」
「ウチの連れになんてモン飲ませてくれてんだーっ!?」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!??」
「だ…だい、じょうぶ…!?」


 タミフルを飲まされたサナツーは胸を抑えつつ奇声を挙げながら悶え、最後に大きく痙攣し、やがてピクリとも動かなくなった。


「あれ!?間違ったかな…?」
「うわあああああ!しっかりしろサナツぅぅぅーっ!!」
「う、うごかなくなっちゃった…!どうしよう…どうしよう…!?」
「すまん!誰かこの中に医者の方はいないか!?」
「どうしてこうなった…」


 ピクリとも動かなくなったサナツーに妹紅は叫び、民子は首をかしげ、ラムダはオロオロし、ジャニスは他観客に医者はいないかと呼び掛け、真北はその一部始終を呆れながら見ていた。


 そして…………。


「オッス!オラ沙夏!!」
「復活したーーー!?」


 突如起き上がり声を張り上げるサナツー、それに「あいやまたれい!」と言わんばかりに驚き飛び退く妹紅
「いや、待て…」


 そこにジャニスが待ったを掛けた、ジャニスはサナツーを見張るように見ている。


「クリリンの事かーーーっ!!」


 サナツーの素っ頓狂な言葉に妹紅、ラムダ、民子が目を丸くする、その様子を見ていたジャニスは神妙な顔付きになり、こう告げた。


「彼女はもうダメだ………。」


 主に頭的な意味で


◆―――――――――


 あの後、サナツーは妹紅とジャニスに取り押さえられ、直ぐ様退場した、……ついでにたみ☆ふる巫女はどこからともなく現れた銀髪猫74に連れ出された、その様子を見て真北はやっと五月縄いのがいなくなったと息を吐く。


 が、だからと言って気が晴れる訳でも無かった、寧ろ彼女らに当たるような態度を取った自分に嫌気が差した。


 何時からか、自分は全くの功績を挙げられぬようになり、凡退王子等と不名誉が名が付いてしまった、さらには真冬姉妹、黒神姉妹、夜雀家族などに嫌われ、他選手からもどこか敬遠されるようになっていった。


 故に真北はもう何度か繰り返したかわからない言葉を心の中で呟く、どうしてこうなってしまったのだろうか―――と


 もはや昔のような栄光を取り戻す術は思い浮かばず、その気概をも浮かばない、もう自分はこのまま自然消滅するしかないのではないか、そう考えた時だった。


「あの……………。」


 先の喧騒の後も残って居たらしいラムダが声を掛けて来た。


「なにをかんがえてるかは、わからない、けど………あまりかんがえこみすぎても…良くないとおもう……。」


 真北はその言葉に少しビックリする、どうやら暗い考えがそのまま顔に浮き出てしまっていたらしい。


「ひとりでなやむのは………ただ、つらいだけだとおもうから…。」


 それきりラムダはこちらに声を掛けてくる事は無かった、いや、気まずくなって黙り込んでしまったのかもしれない、元々喋るのは苦手と聞いていたので、その事に関しては気に止めない事にした。


 しかし


「一人で悩むのは辛いだけか…」


 ラムダのあの言葉は不思議と真北の頭の中に残り、繰り返されていた、気が晴れた訳では無いが、少しだけ重みが薄れた気がする、彼の言葉に従うのなら、誰かにその悩みを思いっきりぶちまける事も大事なのかもしれない―――いつもならそんなのはただの迷惑だと切り捨てていた真北は不思議と心からそう思っていた。


◆―――――――――


 さて喧騒があった席から、少し左の方の席へ視点は移る


「やれやれだぜ、試合を観戦しに来てあんな騒ぎを目撃するとは思わなかった。」
「そうね、私もまさかジョースター一族の人間の隣に座る事になるとは思いもしなかったわ。」


 空条承太郎―――登録ファイター名を承太郎とする


 ある時、スタンド能力に目覚め、スタンド発現が元で重体に陥った母を助けるために、祖父や仲間達と共にDIO打倒のためにエジプトへと旅立ち、見事成し遂げた男であり、快傑まふっと軍のバトロイファイターである。


 レミード・ブランドー―――登録ファイター名を咲夜ブランドーとする


 ジョースター一族最大の宿敵であるあのDIOと、幻想郷の紅魔館当主、レミリア・スカーレット(現、レミリア・ブランドー)の間に出来た娘であり、同じくスタンドを発現するが、なんとDIOと全く同じのスタンドを発現するという特異稀な人物であり、チーム74のバトロイファイターである。


 …と、まぁ長々と説明してしまったが、つまるところ何の因果か、そんな二人が偶然隣り合わせの席に座る事になったのだ、スタンド同士はひかれ遇う、奇妙な縁はDIOの娘にも繋がっていたらしい、正に「やれやれだぜ」である。


 とにもかくにも、お互いに穏やかな雰囲気では無かった。


「………あくまでもお前と俺は別世界の人物だ、お前の親父、『そっち』のDIOもな」
「へぇ、私にしてみれば『どちら』のジョースターも、敵としかみなせないのだけれどね。」
「やれやれだぜ、まさかこんな所でやり合おうってつもりはないよな?」
「フン、当たり前よ、そんな事をして入場禁止にでもされたら困るわ。お互いにね」
「なら良いんだがな。」
「ま、ここじゃ無ければやり合ってたけど。」
「………お前とは極力会いたくないな。」


 どうやら面倒な奴に絡まれてしまったらしい、試合を観戦しに来てまさか別世界のDIOの娘に喧嘩を売られるとは思わなかった。


 正直さっさとここから離れたいが、このまま外に出るとなると間違いなく襲われるだろう、別に負ける気はしないのだが、無駄に争うのは好まないし、何より相手が面倒臭いのだ、DIOと全く同じのスタンドなら尚更である。


「やれやれだぜ。」


 もう何度この言葉を吐くのかはわからないが、如何せん何度も言ってしまいたくなるのだから仕方ない、もう一度言おう、やれやれだぜ。


 ふと、ある人物達が承太郎の目に止まった、レミードもどうやら承太郎と同じ人物達を見ているらしい。


 二人の目線の先には、真北の背後へと近づく焼き鳥そうめんと焼き狐アフォックスの姿があった、手にはLサイズのドリンクを持っている。


 思わず承太郎とレミードは顔を見合せる。


 二人の脳裏に共通した思考が流れる


 どうせあの二人はあのまま真北の背後回り、Lサイズのドリンクのフタを取って真北に頭からぶち撒けるという幼稚な嫌がらせをやらかすんだろう、間違い無いそし、それによって起きる喧騒は間違い無くさっきより酷い物になるだろう、最悪真北が暴れ回り、永遠入出場禁止なんて言い渡されてしまうかもしれない。


 そう考えた二人はもう一度互いに顔を合わせる、そして奇妙な事に、目を見るだけでお互いに考えて居る事が一致してることがわかった。ならば―――


「どうやら言葉を交わす必要は無さそうだ。」
「ええ、手っ取り早くて助かるわね。」


 ―――そう、互いに考えて居る事を実行するだけッ!!


「スタープラチナッ!!「ザ・ワールドッ!!時よ止まれッ!!」」


 世界がモノトーンに染まり、二人を除く全てが静止するッ!!


「行くぜオイッ!!」
「応ッ!!」


 スタンドでそうめんとアフォックスを掴み、外へ急ぐッ!


―――そして時は動き出す。


「あれっ!?ここに確か二人座ってたよな!?いつのまに消えたんだ!?」


 余談だが隣に座っていた黒椿が二人が突然消えたのに驚いたとかなんとかかんとか。


◆―――――――――


 焼き鳥そうめんは親友のアフォックスと共にある計画を遂行していた、その名も『真北顔真っ赤追放計画』であり、その内容は真北にドリンクをぶっかけて逆上させ、暴れさせて罪を作らせ、追放されるように仕向けるというというものである。


 しかしそれをある二人に見られ、その二人な阻止されようとしているとは微塵も思っていなかっだろう。


 さてはて、ようやく真北の背後に近付いた時、それは起こった。


「「…………………………………………………。」」


 気が付いた時には目の前の景色は観客席の真北からバトルロイヤルR―Marinonet.近くの路地裏のきったない壁に変わっていましたとさ。


「「嘘ぉーーーーーー!?」」


 当然驚く二人、そりゃあテレビの映像の切り替えの如く一秒足らずで景色が変われば誰だって驚くだろう。


「ちょwww俺達は確か真北の背後に近付いてドリンクを掛けようとしたはずだ!いつここまで来たんだ!?」
「さ、さぁ!?でもドリンクが手にあるって事は掛ける前なのは確実のはず…」


 と、その時二人はただならぬ悪寒を感じ、背後へと振り向く。そこには―――


「………さて、神へのお祈りは済んだか?」
「哀れね、おとなしくしていればよかったのに。」


 ―――指の骨を鳴らす承太郎と物凄い殺気を向けるレミードの姿があった。


「な、なんの話カナ〜…」
「とぼけたって無駄よ?」


 そうめんとアフォックスは互いに震えながら抱き合う。


「スタープラチナッ!」
「ザ・ワールドッ!」


 そして二人は自分のスタンドを発現する。


「も、もしかしてッ…!?」
「オラ無駄ですかぁーッ!?」
「「Exactly!(その通りでございます(わ)」」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
「「オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄オラ無駄」


オラァァァッ!」無駄ァァァッ!」


「「ぎゃあああああああああばばばばばばばばばばあべしちにゃはわわわばわギャースぐへぁドビュッシーおべべべハァーンぎゃっわうわーっおほっドギャアアアアアアアアアンファファファファファファイヤアアアアアアアアアア!!」」


 焼き鳥そうめん 焼き鳥AFOX ―――共に『再起不能』ッ!


◆―――――――――


「…終わったな」
「ええ、終わったわね」


 互いにスタンドを収め、とことんボコボコになったそうめんとアフォックスを見る。


「こうやって他勢力のバトロイファイターと試合以外でぶつかるのは初めてだな。」
「へぇ、意外ね。」
「そいつはどういう意味だ全く。」


 全く観戦に来ただけだと言うのにこんな事をする羽目になるとは、良く良く考えて見れば、別世界のとは言え、DIOの娘と共闘する事になるとは思わなかった。


 しかしどうだ、共闘して見ればなんの事は無い、意外にも意気が合っていた気がする。


 ―――もし奴と、『こっち』のDIOと共闘する事になったらと考えてやめた、『こっちはこっち』、『あっちはあっち』だ、恐らくこちらのDIOには娘は出来ないだろうし、前の事件からしても気が合うとはどうしても思えない、あちらのDIOと会ったとしてもきっと自分は気にする事は無いだろう、対面したとして所詮それは仮初めの因縁だ、自分にとっても『あちら』にとっても。


「さて、俺は一足先に席に戻ってるぜ」


 もう、ここに居る必要は無い、レミードに一声を掛け、とっとと観客席に戻ろうと足を進め始める。


「ええ、どうぞ。――――――出来る物ならね」
「!!」


 殺気を感じた承太郎は咄嗟に横へ飛び退く、するとさっきまで承太郎が立っていた場所を数本のナイフが高速で通過していった。


「テメェ………。なんのつもりだ…!」
「―――言ったでしょ?『ここ(観客席)じゃ無ければやり合ってた。』と」
「ッ!」


 しまった、と承太郎を頭を抱える。


 そうだ、何故そんな事を忘れていたのか、阻止するのに夢中なり、その事を失念していた、こんな事なら声を掛けてゆったり戻ろうとせずさっさと走りだしていればよかったと後悔した。


「俺はお前と戦うつもりは無い!」
「貴方には無くても私にはあるの、拒む権利なんて無いわ。最も逃げた所で―――」


 そこで初めて承太郎はレミードの悪の一面を見る事になる。


「貴方の家族や親しい人物が酷い目に遇うだけだけど。」
「!! ―――テメェ…!!!」


 嘘ではない、本気だと言う事は殺気と悪にしては透き通った目を見ればわかった。


 元々逃がすつもりは無いのだろうが、今の発言により、承太郎の中で、逃げるという選択肢は完全に消えた。


「…やれやれだぜ。」


 帽子を深く被り直し、レミードに向き直る


「仕方ねぇ、相手してやる!」
「フン、そうこなくちゃね、―――さあ」


 レミードはナイフを構え、スタンド、ザ・ワールドを発現する。


「手合わせ願いましょうかッ!!」


 スタンド、ザ・ワールド背後に従え、ナイフを構え、悪のオーラと殺気を溢れ出し、凶悪な笑みを浮かべつつこちらを見据えるその姿、今目の前に居るのは間違いなく、悪のカリスマDIO―――その娘のレミード・ブランドーであった。


 強い―――。


 承太郎はそう直感した、そう、間違い無く彼女は強いだろう。


 そして同時に彼女はDIOには無い何かを持ってるとも感じた。


 それがなんなのかはわからない、わかるのは彼女がいつか、自分やDIOを間違い無く超えるだろうという事だ。


 それでも今この場で負けるつもりは無い―――立ちふさがるのなら捩じ伏せるのみッ!!


「行くぜオイッ―――レミードッ!!」
「来いッ―――承太郎ッ!!」


. そして奇妙な縁で惹かれ遭った二人のスタンド使いが―――


. 今ここで衝突する―――。


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. ジョジョの奇妙な冒険 外伝『アナザーレジェンド』 完








…………長ッ!!長すぎるよ今回!!
いや、もう気合い居れて滅茶苦茶書き込みました、約四時間ぶっ続けで執筆しましたよ、ええ!疲れたー!
まさか承太郎を出す事になるとは思わなかった、案外使い易かったのよね、そしてやっとこさひらお氏のキャラを出せて少し満足感
もうゴールしても良いよね…。


ではまた次の銀の夜明けに。
最終更新:2011年07月29日 19:55
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