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138.死を担う物 ----   「ちょっと先行ってて、やらなくちゃいけないことが出来たみたい」 「おい!いきなりな……に……を……」 そう言って振り向いた♀アサシンの顔に♂プリーストは言葉を失った。 そこには一切の感情は無く、冷徹な眼差しだけがあった。 「私なりのけじめってやつよ、心配しないですぐ終わるから」 反論も許さず駆け出す。 「お、おい…」 頭では追いかけるべきだと判っていたが体がまったく動かなかった。 (やれやれ、あれが全開のアサシンってやつかよ…) 一般的に戦力としての暗殺者の評価は決して高くない、♂プリースト自身もその評価が真であり全てだと思っていた。 (あんな殺気常日頃から放ってたら周りの人間もさることながら本人もまともじゃいられねえわな) 暗殺者達は敢えて弱者の名を背負っていたのである、無用な殺しをせぬためにそして己が人であるために。 (血の臭い…近い……) ♀アサシンは考えていた、♂ノービスから託された思いに応える術を。 だが彼女にあるのはただ幼少の頃から叩き込まれた殺人術とそれを為すためのTCJのみ。 幼い頃からギルドに言われるがままに暗殺を繰り返してきた彼女が生まれて初めて自分のためだけに自分の頭で考えて捻り出した結論 それが これからも受け継がれるであろうこの想いを潰えさせる者を殺す であった。 おそらくあの♂ノービスも♂プリーストもそんなことは望んでいないだろう。 だが、殺すことしか知らぬ彼女が唯一出来ることなのだった。 「あらぁ?私になにか用かしら?」 得物を濡らす血を拭う暇もなく現れた新たなる人物に♀ローグはうんざりした口調で問うた。 「貴女、このゲームに乗ってるわね」 「当然じゃない、こんな楽しいことみすみす見逃す手は無いわ」 「そう……なら死んでもらうわ」 言うが早いか跳躍し一気に間合いを詰めて斬撃が繰り出される。 「っ!」 冷静な判断力と的確な攻撃、それは先ほど殺した悪魔プリと同質のモノだった。 そして暗殺術による致命的な一撃これが加わっている、状況は先ほどの戦い以上に不利なのだ。 だが♀ローグは不敵に笑っていた。 「あはははは。さっきのプリも最高だったけどあんたも最高だ、このとるかとられるか……この緊張感こそあたしの望んでたものだよ!」 砂まきで怯んだ一瞬を逃さずトンネルドライブで身を潜める。 先刻とは違い相手にルアフは無い、ならば先手を取れるこちらが有利だ そう判断し♀ローグは身を隠した体勢から攻勢に出る。 読まれ辛く読まれていたところで五分と五分であるサプライズアタックで だが、その一撃は空を切った。 「なっ!」 その時初めて♀ローグは戦いの中で恐怖した。 サプライズアタックを読んでいたのではない。 姿を現した凶刃を視認しその上でハイディングで避けられたのだ。 敗因はこの敵をその攻撃と動きの的確さから先ほど悪魔プリ同様頭で戦闘を組み立てるタイプだと判断したことだった。 アサシンの動きは似て非なるものだった、思考は介在していない。 ただ本能に刷り込まれたその動きが思考によるそれと酷似していただけだった。 「まったくあんたってやつは……最高だよ!」 グリムトゥースが♀ローグを切り裂いた。   <♀アサシン&♀ローグ 交戦> ---- | 戻る | 目次 | 進む | | [[137]] | [[目次]] | [[139]] |

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