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232.手負いの獣[2日目深夜] ---- 畜生畜生畜生畜生 殺してやる殺してやるコロシテヤル 隠れたまま息の続く限り逃げた♂ローグは姿を現すと同時にぶっ倒れた。 そのまま闇に向かって憎しみをぶちまける。 怒りは自分にも向いていた。 ルアフ、ニューマとハンマーフォール。 あり得ないほど最悪の組み合わせだった。 どうしてさっさと逃げなかったのか。 …あれだ。 初日に遭ったクソカップルだ。 退却間際に聞いた叫び。 『どうしてよ!ニューマもでないし!』 あれでニューマは使えないと思いこまされた。 だが今にして思えば実際に詠唱するトコを見たのは速度増加だけ。 あとはぎゃあぎゃあ騒いでただけだった。 策だったとは限らない。 だが少なくとも彼はあの言葉に釣られたのだ。 はらわたが煮えくり返る。 この手で泣き叫ぶツラを引き裂いてやりたい。 彼氏の命綱をくわえさせ、叫んだら終わりの素敵状態で犯し殺してやりたい。 だがあのアマはもう死んだ。 「うがああああああああっ!!」 怒りの力を借り、変な向きにぶら下がっていた足首を元に戻す。 しびれとも熱さともつかない激痛が左半身を満たした。 「…………!」 発作的に左足を切り落としたくなるほどの苦痛。 歯を食いしばり、無事な右脚に爪を立てて耐える。 どうやら骨は折れていない。 ただ腱か靱帯がイってるようだ。 戻したはずの足首が勝手に変な方向へ曲がろうとする。 何か使える物はないか。 荷物をひっくり返す彼の手に青い小箱が当たった。 「…この際だ。何でもいい、出やがれ」 治療薬ならラッキー。 使える武器でもいいし、クズ装備でも添え木にはなる。 ブーツの類や移動力を補える物でもいい。 開けた瞬間、清潔な白い布が大量にあふれ出る。 「お?」 一瞬、彼は第一の希望が叶ったかと思った。 だがその直後。 「っな…!?……あンのクソジョーカーーーっ!!」 怒りの余り卒倒しそうになる。 箱から出た物の正体はウェディングドレスだった。 ジョーカーという男はどこまでも悪質なジョークセンスの持ち主に違いない。 「こんなモノ着れるかああっ!」 彼は腹立ちまぎれに純白の布を引き裂く。 ウェディングドレスはあっという間にボロ切れの塊になった。 やがて。 「さて、と」 やるだけやって腹立ちも収まったのか、彼はボロ切れを固くねじりだした。 さらに結び合わせて長い紐にし、足首へ巻いてガチガチに固定する。 これでとりあえず立てるようにはなるだろう。 だが身のこなしは落ちるし、全力疾走もできない。 飛び道具での先制がこれまで以上に重要になる。 「ってもな」 クロスボウを取りに戻ることを考え、♂ローグは諦めた。 患部の熱が引くまでじっとしていた方がいい。 焦って無理をすると本当に動けなくなる。 それにさっきの連中が持っていったなら今さら戻っても間に合わない。 まだあるなら朝を待っても同じことだ。 彼はハイディングの要領で穴を掘り、冷たい土に足首を埋めた。 <♂ローグ> 現在地:F-6 所持品:ポイズンナイフ クロスボウ(ヘルファイア付近に捨てたまま) 望遠鏡 寄生虫の卵入り保存食×2 外 見:片目に大きな古傷 備 考:殺人快楽至上主義 GMと多少のコンタクト有、自分を騙したGMジョーカーも殺す なるべく2人組を狙う 状 態:左足首を損傷(バンデージ固定済) 肩口に刺傷 ---- | [[戻る>2-231]] | [[目次>第二回目次3]] | [[進む>2-233]] |
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