バトルROワイアル@Wiki内検索 / 「004」で検索した結果

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  • 004
    004.狸  先ずは、一人。  手と、それから袖を汚す鮮血を、目の前の死体から剥ぎ取った外套で、しっかりとふき取りながら、商人は数を数えた。  そして、彼女は、考えていた。自らが、これから取るべき方策を。  自分の武器は、細身の短剣…スティレット、と呼ばれる種類の物。  それから、自分自身のあどけない、とも呼べる容姿と、商売で培った演技力。  物理的な意味での武器は…当り、といっていいだろう。  普段振り回している斧に比べれば、いささか頼りないようにも、それは見える。  だが、自分がとるべき立ち回りを考えてみれば、実に都合のいい武器であった。  虚を突き、倒せない相手はやり過ごし、集団にもぐりこめる機会があれば、もぐりこんで他者を利用する。  純粋な戦闘能力で、状況を生き残ろうと考えるほど、彼女は愚かではなかった。  もっとも…今の狩人に付い...
  • 2-004
    004.指名 朝早くからギルドマスターの呼び出しを受け、まだ重い瞼を何とか開いてマスターの部屋に向かった シュッ 部屋のドアを開けるなり、いきなりナイフが飛んできたが避けるのは簡単だった 「朝の挨拶にしては物騒じゃないか、マスター?」 言っても無駄だと思いながらも抗議はしたが、予想通りマスターは抗議を無視し話を切り出した 「♂アサシン、BRを知っているか?」 「王国がやってる趣味の悪いお遊びだろ興味はないね」 いつもの事だと思いながらもため息を吐きながら不機嫌に答えた 「お前、ちょっとその趣味の悪い遊びに行って来い。  過去3回行われたBRではアサシンギルドから優勝者が出ていない  そろそろ王国のお偉方に俺達は命を扱うギルドだと言う事を思い出してもらう必要がある」 「何で俺が? 俺が勝ち残る保証はないぜ」 当然の疑...
  • 005
    ...目次 進む 004 目次 006
  • 003
    ...02 目次 004
  • 詳細情報男性
    ...ス 003.♂剣士 004.♂マジシャン 005.♂アーチャー 006.♂アコライト 007.♂シーフ 008.♂商人 009.♂騎士 010.♂WIZ 011.♂ハンター 012.♂プリースト 013.♂アサシン 014.♂BS 015.♂クルセイダー 016.♂セージ 017.バード 018.♂モンク 019.♂ローグ 020.♂アルケミスト 001.♂ノービス <初出:2-007話> <死亡:2-007話> =遺 品= スティレット→♂マジが拾う(2-054) 青箱 1個(焼失)(2-007) =状 態= ♀剣士に殺害される(2-007) 死体位置 島の西部(2-007)燃え尽きた小屋(C-7)(2-054) 死体、所持品は完全に燃え尽きる(2-007) 002.♂スーパーノービス <初出:2-031話> =特徴= [容姿]超強...
  • 目次
    ...商人、♂ハンタ 004.狸 ♀商人 005.決意 ♂アサシン 006 ♂プリースト 007.弱さ ♀プリースト 008.悪人と ♀プリースト、♂ローグ 009.お約束 ♂アルケミスト 010.憤怒 DOP 011.利用 ♂WIZ 012.狩る者、狩られる者 ♀ハンター、♂商人 013.究極の知能の融合 ♀セージ、♂アーチャー、♀アルケミスト 014.正義の拳 ♂モンク 015.運の無い男 深遠の騎士子、♂シーフ 016.仮初の安息 ♀アコライト 017.NO~NO~チガウデショー ♀アサシン 018.泉 ♀ローグ、♀マジ 019.獣 ♀ローグ 020.天才の代償 ♂セージ 021.神の思惑 ♂アルケミスト 022.時計塔の少女 ア...
  • 第二回目次
    ...東南部の森の中 004.指名 ♂アサシン 島の南部 005.暗殺者の美学 ♀アサシン 不明 006.夢の島 ♂騎士、♀プリースト、バード、ダンサー、♂ローグ 不明 007.地獄の煉火 ♀剣士、♂ノービス 島の西部 008.楽園 ♂WIZ 島の北端 009.ゲーム ♀スパノビ 不明 010.死ぬべき場所 ♂クルセイダー 不明 011.森中模索 ♂モンク、♀ノービス、♀シーフ、♂アーチャー 不明 012.電波少女 ♂ハンター、♀アーチャー 不明(森) 013.商人の生きる道 ♂商人 E-5→G-4 014.惨劇開幕10分前 GMジョーカー、♂ローグ 不明 015.神罰の拳 ♀モンク 北東の浜辺の小屋 016.暗殺者の企み ♂アサシン、♀ノ...
  • 047
    047.near-miss 「………」 森を歩いていた♀ローグは地面に落ちているものに目を留めた。拾い上げて観察する。 「吸殻…しかもまだ割と新しいね…」 誰か居るのかと辺りを見回す。だが周囲は静寂に包まれていた。 「ニアミスかな。…まぁ強い奴と鉢合わせるよりマシだけどね」 ♀ローグは吸殻を投げ捨て更に歩いていった。 そのすぐ近くにアラームの少女が隠れていた事も、 数刻前まで♂ローグと子バフォがいた事も知ることなく。 状況変化無し 戻る 目次 進む 046 目次 048
  • 046
    046.極めし者 「いつまで寝ているつもりだ?」 ♂ノービスの意識していない方向から突然声をかけられた 背を向けているため顔は見えない、だが服装から♀剣士であることが伺えた 「死にたいというならば別にそのままでもいいが、な…」 先ほどからの歌声が近づいてくる 「ひっ!」 それは奇妙な光景であった、フォルムだけ見れば合奏している一組のバードとダンサーであろう だがその片割れであるバードは全身が炭化しダンサーの手によってかろうじて支えられているに過ぎない そもそもダンサーと共に居るからといって、その外見ではバードかすらも判別はつかないだろう 「ようやく出会えた……絶対生き残って私たちは結婚するの……だから」 その目にはもはや正気は残っていない 「シンデ!!」 ダンサーは咆哮を上げて飛び掛ってくる 正気を...
  • 045
    045.妖刀を手にする者 「村正ひろっちゃったよ」 ゲフェンを走る♀WIZの背後からかかる何者かの声 「……ちっ」 他の参加者に武器を与えるくらいなら多少荷を重くても持ってくるべきだったか。♀WIZはそう思いながら振り返り その先に居た人物(?)を見て、思わず絶句した なんというか…………よくわからない生命体がそこに立っていた 「これで僕の優勝は決まりだね(いってやった、いってやった)」 毛の生えていないまん丸な頭、死んだ魚のような目、胴体も子供のラクガキのようで… まあ、とにかくなんというか適当だった 「……何、この生命体……これも参加者なワケ?」 「何言ってんだい、立派な彷徨う者じゃないか」 「どこが!?どうみても子供のラクガキじゃない?」 禿ちゃんの丸い頭に血管のような十字が浮き上がる 「なんだかムカ...
  • 041
    041.微笑み 「……」  僕───♂剣士は、ただぼうっとして大きな湖畔に立ちすくんでいた。  きっと、数時間後に死刑を待つ囚人の気持ちはこういったものだろう。  何となく、そんな気がした。  言われた事実は、余りにも過酷で。  こうしていると夢のようにも思える。  けれど、首を摩ると、僕が『繋がれている』証明が在る。  見えない鎖がくっついた皮の首輪だ。  さく。  ふと、土を踏む音が聞こえて振り返る。 「誰…? 言っておくけど、僕にやる気は無いよ?」  どうせ、どう足掻いたって、殺されるだろう。 「奇遇ね…私達もそう」  振り返った先に居たのは、♀アーチャーと、♀マーチャント。  僕にそういったのは、弓手の方だ。隣には、頭に猫耳を付けた商人がくっ付いている。 「珍しいね。てっきり、皆その...
  • 048
    048.悪魔よりも 「ほら、しっかり歩く!」  悪魔ヘアバンドをつけた♀プリーストが、振り返って声を上げた。  背後には、両手杖を頼りに疲れきった様子で歩いている♂マジシャンがいた。 「歩くの早いわよ! あたしは疲れてんの!」  杖に寄りかかって叫ぶ姿はかなり情けない。  というより、何故に女言葉なのか。 「安全な場所に今のうちに移動しないと、いつ誰が襲ってくるかわかりませんよ?」 「う……」 「あなたが死にたいのなら、私は止めはいたしません。お好きになさって下さい」 「ちょっと、それはないんじゃ……っ」 「あなたも会いたい人がいるのでしょう? 安全な場所でまずは休んで……探さなくては」 「……あー、もうっ わかったわよ!!」  しぶしぶ、♂マジシャンは歩みを速めた。 「……生きてるかなぁ……♂剣士」  最期にポ...
  • 044
    044.勇者的行動 「マズいな、ここが禁止エリアになる」 定時放送が聞こえてきたのは、アルベルタの邸宅を家捜ししている時だった 次々読み上げられる死者。やはりこのゲームに乗っている人間がいる、それも恐らく複数 殺し会うにしろ抵抗するにしろ、武器が鈍器とも呼べない杖一本なのは不安だったのだが… 「くそ、ロクなものがないな…」 いくら探しても出てくるのは使えもしないガラクタばかり タンスを開け、タルを探り、ツボを覗き込むが、武器としては使用出来そうに無いものばかり 「そっちはどうだ、何かあったか?」 大きなツボの中身から心なしばかりのハーブを見つけて、後ろで同じように探し物をしているはずの♂騎士に話しかけるが 「ローアングル騎士子たん(*´Д`)ハァハァ」 ……こいつときたらハァハァ言いながらしゃがみこんで私の尻をじーーーっ...
  • 040
    040.足元注意 「そうか、そのような事態になっておったのか…」 首都西部に広がるオークの森と飛ばれるエリアを北へ抜け、子バフォと♂ローグは歩いていく 「ああ、薄気味の悪ぃ白服につれてこられてこのザマだ」 一通りの説明を終わらせ、ローグは満足そうに久方ぶりの紫煙を吐き出した 「しかしなんなんだここは?太陽はねえしモンスターもほとんど見当たらねえ」 先ほどの森の中にも何時もならハァハァと煩いオークが一匹も見当たらなかった そのせいでオークの森だということが全く判らなかったのだ 「そうだな、恐らくここは何者かが作り出した仮初の世界であろう。親父殿ならこういった空間についても詳しいのだろうが」 何しろ現在の神が世界に降臨する前からの住人だからな、とバフォJrはさも自分のことのように胸を張る 「まあ小難しいことは俺にはわか...
  • 042
    042.ローグ  俺は海に沈んでいく間、何故か先ほど出会った少女の事を考えていた。  話は少し前に遡る。  ・  ・  ・  ……旨い。実に旨い。  プカプカと、数日振りの煙草を暢気にふかして俺はご満悦だった。  ユピテルで起こした種火を見つめながら、『主よ…今、我は何処にいるのだ?』とか言って子バフォが膝を抱えてるが気にしない。  ん?何故、山羊鍋を食べてないかって?  理由は単純。 「とりあえず、マッチ代わりになると判ったからである、まる」 「わ、我は…マッチ代わりか」  鍋よりはマシだろうが。と、思ったが、青白く光っている鎌を見て、口にはしないでおいた。  腐ってもバフォメットの息子だ。録に装備も無い今の状態で変に争っても無意味どころが損なだけである。  まぁ…実を言うと、この山羊が膝を抱えている...
  • 043
    043.山羊鍋  よぉ、ローグだ。  他の奴ぁ、どうか知らねぇが、俺は今、とても困っている。  何故かって?隣を見りゃ、直ぐわかる。 「すぅ…すぅ…むにゃ…」  …見てのとおりさ。あれから、疲れ切ったアラームとかいうガキは、すぐに俺の偽装毛布に包まって寝やがった。  ああクソ。俺はお守じゃねーんだぞ、この野朗。どうにもヤキが回っちまったもんだ。  思わず、頭を抱え込みそうだ。気を紛らわそうにも、煙草はとっくの昔に全部吸っちまったし。 「お主、起こしてやるなよ?よく眠っておる」  などと、子バフォが、苛々して枯れ葉を蹴っ飛ばしていた俺に、そんな事を言ってくる。  全くその通りだよ。こっちの苦労なんざ、何も知りゃしないんだろう。  ふと脇を見ると…子バフォが、胸中で愚痴っていた俺をじっと見ていた。 「何をそんなに苛立っておる?」  ...
  • 104
    104.繰り返される悪夢 凶刃は♂ノービスに届くことはなかった 「やれやれ、嫌な予感がすると思えば……案の定か」 ♂アサシンと♂ノービスの間に割って入ったのは…… 「師匠!!」 その胸元には深々と裏切り者が突き刺さっていた 「…警戒を怠るな、と言ったはずだぞ少年」 ♂アサシンは凶刃を引き抜くべく力を入れる。だが突き立てられた刃はピクリともしない 「…やれやれせっかちな男だな君は、そんなことではもてないぞ?」 と♂アサシンの腕を掴みそのまま体当たりをする 石畳をもつれ合いながら転がる、その弾みで♀プリーストの拘束が解かれる 「今のうちに少年を連れてできるだけ遠くへ!」 逡巡は一瞬だった 「わ。わかりました」 「そんな!?師匠を置いて逃げるなんて出来ません!」 「我儘を言わないでくれ少年。大丈夫、きっと追いつく…それにこれからやるべきことは少しではあるが紙...
  • 049
    48 前へ 時はGM秋菜の放送直後・・・ 「ここも移動しないといけないようだな」 GM秋菜からの天の声、通称黄ばみ文字が流れる。 それと同時に自分達が今までいた砂漠の町モロクが禁止区域とやらに入ったことと、 このふざけたゲームに少なからず乗っている人が入ると言うことに体が震えそうなのを止めながら、 ずっと俯いていた♀シーフの少女に声をかける。 「ダメだよ・・・ここを離れてもすぐ皆に見つかっちゃう、そうしたら一次職のボク達なんかじゃ!?」 「シーフたん!」 「え?」 自分とは違う者の名を聞き、思わず顔を上げ、傍らの男を見上げる♀シーフ。 考えれば何処か不思議な男だった。 服装は剣士のため先ほどは自分と同じ一次職だと言ったのだが、 纏っている雰囲気はノービスのようでもあり、戦闘職でもあるように見え、そのどれらでもないように見える。 ...
  • 2-047
    047 美しき人 「さて、どうしたものか」 男は朽ちかけた家屋の中でつぶやいた。 確かに自分は破戒神官ではあるが、聖堂に対しては敬意を示し名前を汚すようなことは(表立っては)していない。 ……にもかかわらず、BR送りとなってしまったわけで。 「私には、腕力も人を殺せるような魔法もないのだがね……」 ふう……と端正なその顔をゆがめて、ため息をつき先程あけた箱の中身を見つめた。 そこには女性のロングのかつらと、ご丁寧に胸パットと腰パットの入った女性用の法衣とガーターベルト付のタイツと靴の「女装用変身セット一式」。 武器やそれに順ずるものならともかく、なにゆえにこんなものが出てくるのか。 淫徒プリは頭痛がする頭のこめかみを抑えながら、しばし思考する。 自分は、INT DEX型の旧式の二極支援プリだ。 腕力も魔法もない。 しかし、それを...
  • 204
    204.紛い物の騎士 「大丈夫か?」  ♂BSに一撃を放った後、そのまま地面に倒れこんだ♂ローグの耳に、聞き覚えのある声が聞こえていた。  痛む体に強いて、首を捩ると声のした方向に向ける。 「…あんたか」  見上げれば、♀セージがじっと彼を見ていた。  冷たい様な瞳で。けれど、彼はその後ろに泣き顔を見た気がした。  身を起し、立ち上がる。そこに刻まれているだろう傷を見たのか、彼女の氷が僅かに揺らぐ。 「今、プリーストを呼ぶ。少し…」  待て、と言いかけた♀セージを、♂ローグは片手で制した。  行かなければならないし、聞かなければならない事があった。 「子バフォと、♀アーチャーはどうした?」  彼を見ていた冷たい瞳が、溶けて零れた。  潤んだ瞳を隠しながら、彼女は首を横に振る。 「子バフォは判らない、でも♀アーチャーは…」 ...
  • 2-049
    049. キャントビリーヴ 「何ダカ騒ガシイ、ネ」 「何ダカ風ガイツモト違ウ、ネ」 「デモ僕達ハ、イツモ通リ」 「流レルママニ、羽バタクダケ」 「変ワラナイ、ネ」 「平和ダネ」 「・・・いいなぁ、鳥さん達は・・・自由で」 「鳥さん?」 歩きながらふと聞こえた、鳥達の会話に、そんなひとり言が漏れた。はっと口元を覆うが、出てしまった言葉は返ってくるはずもない。少し前を歩くスーパーノービスの少女が、不思議そうな顔で振り返っている。あぅぅ恥ずかしい。 「そうですねー、私達も鳥さんになれたら、こんな島からは自由に飛んでけるんですけどね」 くすりと微笑を浮かべ、スーパーノービスはまた前を向いて歩き始めた。 てこてこと後をついて歩きながら、ふと思った。 「・・・あ、あの」 再びスーパーノービスの足が止まる。振り返り、例の如くきょとんとした顔。 実はあたし、...
  • 2-046
    046. Bloody murderer (あれは・・・・・・まずい、あれは) 村と呼ぶには少し小さすぎる、荒れ果てた集落。林の中に朽ち捨てられた、ぼろぼろになった家の密集地帯。 その建物のひとつの影に寄り添うように隠れながら、近付く者の気配を必死に察知しようとしていた♂商人が初めて視界の端に捉えた人影――♂ローグは、望遠鏡を透して一目見ただけで関わりになってはいけないということが解った。 全く隠そうとしていない殺気と、何がそんなに愉快なのか両端を吊り上げた口元、おまけとばかりに手に持っている包丁には既に赤黒い染みが確認できる。 (落ち着け、俺、今は、ヘタに動いちゃダメだ、じっと息を潜めて、やり過ごしゃいいんだ、・・・・・・) どくんどくんどくん。早鐘のように心臓が暴れる。落ち葉を踏みしめ木陰から現れたローグはそのまま、♂商人の隠れているこの集落に足を...
  • 2-045
    045 現実を見据えるということ 男は静かに森の中を歩いている。 時たまぺきりという小枝をふみしめる音がする。 空に向かってたくましく成長している若芽を無慈悲に踏み潰す。 足元にある命を気にしていてはおちおち歩くことすら出来ない。 今の彼にとって開けた視界の前にある命はどれほどのものなのだろうか。 しゃらんしゃらんと綺麗な音を立てながら一人の少女が歩いている。 「…う~、こわいようこわいよう」 おっかなびっくりといった感じで歩いている。 そこは割りと見通しのいい平野で草もくるぶし程度までしか生えてはいない。 遠くから誰かが近づいてくればすぐに分かるほど見通しのいい平野だった。 「でも、ここなら誰かきてもすぐわかるよね、うん」 少女は自分で自分を納得させながら歩いていく。 少女のつけた鈴のしゃらんしゃらんという音にまじってかすかに小川のせせ...
  • 2-104
    104 Lunatic【深夜~日の出前】  満月の光は、とても綺麗でとても残酷だ。  月の光には人を狂わせる何かがあると言うのだから。 「……月を司るのは女神。だから、女は魔性……ですか……」  そろそろ、夜の帳も朝の訪れと共に上がって行くだろう。  それに伴って、この美しい月も西へと沈む。  仮眠を取った後、♀WIZは見張りに立っていた。  起こしてくれた♂騎士も一緒に見張りをすると言っていたのだが、♀WIZは負傷している彼を 仮眠もさせないわけにいかないからと寝るようにとやんわりと言って一人で見張りをしていた。  一ヶ月前のやはり同じ満月の夜。  自分は狂気の月の光に魅入られたとしか思えない行動をしてしまった。  夫はすでに捕らえられ、BRに出ることが確定して……自分はどうすることもできずに酒場に 足が向いてしまった。 ...
  • 2-048
    048 悲しい話 (私、やっぱり怖がられてるなぁ・・・) まぁ、無理も無いだろう。この島で、オーラを出してる者なんかに追われたら誰だって逃げる。まともにやりあって勝てる相手ではないと、誰しも考えるだろう。 (実際、私だって逃げるだろうし) だが、話し合うにはまず追いつかなければならないし・・・・どうしたものか。 不意に、♂プリが♂シーフを下ろした。自分が食い止めてる間に仲間だけは逃がすつもりなのだろう。 (やっぱり悪い人じゃないんだ・・・でも自分は殺戮者だとでも思われてるんだろうなぁ・・・。) 説得は難しいかもしれない。だがここで彼らと説得できなければ、いつ協力してくれる人に会えるかわからない。やるしかないのだ。 「・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・」 ♂プリーストには追いついたが、思わず♀WIZは言葉に詰ま...
  • 2-040
    040.the key 彼女と一匹が見つけたとき、その男はガタガタ震えていた。 民家の扉に鍵を掛け、机の下にうずくまって。 「ねえ」 「ワン!」 「うわゃぉうっ!」 ガン! 声を掛けると男は文字通り飛び上がり、机の天板に頭をぶつけた。 「…何やってんのよ」 「いったいどこから!?」 男は尻餅を付いたまま、もの凄い勢いで後ずさる。 彼女――♀アコは無理に近寄ろうとせず、立ったまま背後を示した。 「どこからも何も、あっちの窓から」 「わざわざ鍵掛けたのになんで入ってくるんだっ」 「扉に鍵が掛かってたから、中に何かあるんじゃないかな~って。ね?」 「ワンワン!」 子デザが答える。 一応入る前に声は掛けたのだ。危険なことに。 そしたら人の気配があったので入ってみた。すごく危険なことに。 いくら施錠したところで、窓はぼろぼろに破れている...
  • 2-043
    043.それぞれの思惑 闇がわだかまっている。 窓も無く、ロウソクの明かりすら無き地下室は、その腹の中で独特のすえて冷えた空気を寝そべらせていた。 そこはまるで霊廟を思わせるほどに静謐で、もしその場に誰かいたならば、幽かに聞こえてくる二つの声を幽霊のそれと思い込みかねないほどだった。   * * * 「……はい。私です」 「――――」 「準備は整いました。条件を満たす人間を探すのに苦労しましたが……計画は予定通り進んでおります。問題ありません」 「――――」 「当初の予定で送られてくる参加者につきましては、秘密裏に処分いたしました。単なる事故として処理されるはずです」 「――――」 「GM森には、パターン34の隠蔽工作(カバーストーリー)を……金に汚い男です。胴元の話を持ちかけたら、ホイホイと尻尾を振ってきました。ええ、作戦が終了次第、彼も処理し...
  • 2-041
     041.♂アコライト的目覚め(但し目の前には乳がある)  ──う、うう。ここは一体何処なんだろう、と僕は思う。  ふかぁっ、とした柔らかくて暖かいのは、多分ベットと布団だろう。  ちゅんちゅん、と遠くからスズメの鳴き声が聞こえる。何時もの朝の音だった。  ああ。良かった。あの島は。僕があんな酷い事に巻き込まれたのはきっと夢だったんだ。  目を開ける。けれど何か、えも言われぬ柔らかいような心地よい圧迫感を覚えて、彼は横を向いた。 「ああ、起きたのね。ご主人様」  そこに彼が見た事も無いような綺麗な人が。  要するに具体的に描写すると、彼と同じ布団に潜り込み…所謂、同衾である…彼の方を向いてにっこりと微笑んでいた。  身持ちの硬い彼からしてみれば殆ど裸同然(とは言っても普通の人間からすればそれは水着程度の服である)な格好の、 とんがり耳の女性が。彼に対してそ...
  • 2-204
    204.ひとりだけの世界 [深夜] ――いつから、こうなった? 暗い夜道を、取り憑かれたように♀BSはただ歩く。♂スパノビはおろおろとしたままそれに付き従う。 方向などわからない。消えた仲間がどうなったかなどということも、最早どうでもよかった。 いや、はじめから仲間などではなかったのだろう、と♀BSはぼうっとした頭のまま思う。 ♀アルケミストも、淫徒プリも、加わったばかりの♂アコライトと♀ノービスも――ただ自分の望みを叶えることだけを考えていた。 その望みが、みんなで生き残るなどという甘いものではなかったことははっきりとわかる。 ♀BSはあまり思慮深いほうではなかったが、それだけは本能で感じ取っていた。 「お前はどうして何も言わずに、あたいについてくるんだい?」 やや後方を歩く♂スパノビに問いかける。まともな答えを期待してはいなかったのだが。 「よ、よくわ...
  • 2-044
    044 王子様はじめました 「ほら、見てください王子様! このナイフ!  きっと神様があたしたちの出会いを祝福してくださってるんだわ!」 青箱から手に入れた一振りのナイフを手に、幸せそうにニコニコと笑っている♀アーチャー。 ♂ハンターにとって最大の不幸といえるかもしれない彼女との出会い。 それを果たしたばかりの彼のテンションは地を這っていた。 (何かと思えばプリンセスナイフ…あの子がはしゃぐわけだ。  しかしねぇ、神様なんてものがいるんなら、こんな戦いに参加させられることなんてなかったと思うよ…) プリーストに聞かれたら小一時間説教されそうなことを考えながら、♂ハンターは♀アーチャーに苦笑いを返した。 「幸せそうでいいねぇ君は」 「はい♪ 運命の王子様に出会えたんですもん。それにあたし、幸福の国のお姫様ですから」 (……嫌味も通じない…か) 俺の...
  • 007
    007.弱さ あと一回だけの癒しの祈りでこの悪夢のようなゲームから逃げることが出来る だが司祭の少女には死ぬ覚悟も戦いに身を投じる覚悟も無かった 最後の祈りを挙げることも出来ずただ蹲り嗚咽を上げるだけであった ♀プリースト デッドリースケービューラ[1]一個 獲得 小青箱未開封 戻る 目次 進む 006 目次 008
  • 006
    006. 見ず知らずの場所へ飛ばされて、一体何時間が経ったのだろうか。 地図の横にある名簿の中で自分が知る名前は一つしかなかった。 聖職者である自分が人を殺めることにはやはり躊躇いがある。 しかし見ず知らずの他人に命を奪われるのはもっと嫌だ。 考えても仕方ない、そう思いながら俺は支給品の青箱を開けてみた。 中から出てきたのはチェイン。 運がいい、自分が一番扱いなれた武器だ。 気を良くした俺は、もう片方から盾でも出てくれれば、そう思って箱を開いて見たのだが、出てきたのはへこんだ鉄の鍋。 まぁこんなもんだろう。 ため息をついたその瞬間、1度目の放送が流れ始めた。 ♂プリースト チェイン1個・へこんだ鉄の鍋1個 獲得 戻る 目次 進む 005 目次 007
  • 009
    009.お約束 ♂アルケミストは迷っていた 戦わなければ死ぬ、それは判っていた しかし生き残り故郷に帰り着いたとして、自分になにがある? 伝承の中の人工生命を操る錬金術師に憧れ、来る日も来る日もただひたすらに知識を追い求めた だが人工生命ホムンクルスの実験は幾度と無く失敗し、彼を信じてくれるものはもう居なかった 更に王国から直々に人工生命の創造は不可能である、と発表された日の絶望を彼は忘れていない 生きるも絶望、死ぬも絶望。ならばその絶望の道に誰かを道連れにしてやろうか 街中で商売をすることが主な商人や、非力なアコライトなら自分でもなんとかなるだろう だが職業暗殺者や狡猾な狩人を前にして自分が生き残る確率は? ほぼゼロ それがホムンクルスが世に広まる日を信じて知力を高め続けた彼の結論だった ならば他人と組み少しでも生存率を上げるということは...
  • 002
    002.青箱1ヶ、空ける  青々としげる森の中。僕は、一人その中で座り込んでいた。  …いや、緊張から開放されてへたり込んでいる、と言った方が正しいのかもしれなかった。  黄色い助祭の法服の下には、じっとりと嫌な汗がにじんでいる。  神よ。どうして、貴方は僕にこの様な試練を貸すのですか?  胸の内で、自らの信じる神へと疑問を投げてみる。  だが、勿論答えは返らない。そもそも、その神様の御使いが、彼の置かれている状況を作っているのだから、どうしようもない。  僕は、余り敬虔な信徒ではないけれど、それでも人並みには、信仰に励んできた筈なのに。  そこまで考えたところで、♂アコライトは自分の思考を打ち切った。  というか、これ以上考えていると、なんとなく泣きそうな気分になりそうだったので、やめた。 「どうしようか…」  あたりでは、もう殺し合いが始まって...
  • 008
    008.悪人と  あれから、どれくらい経ったのだろう。  一時間かもしれず、あるいは五分と経っていなかったのかもしれない。  時間の経過は、ずっと蹲っていた彼女には、よくわからなかった。  涙は、枯れない。今も尚、流れている。  死の匂いがする法衣の生地が、涙で黒く湿っていた。 「おい」  誰かの、声。♀プリーストは、顔を上げた。  そこには、一人の男の姿。木漏れ日が逆光となり、大まかな輪郭しか見て取れない。  嗚呼。私は、ここで人生を終えるのか。  確信にも似た想像。剣が、光に照らされて輝いていた。  それは、男が女の頬に、直刃の抜き身。ツルギを突き付けている光景だった。  片や、酷く目つきの悪い、顔に火傷のある男。♂ローグ。  片や、目を閉じると、胸の前で手を組んだ女。♀プリースト。  それは、静かな、光景だった。...
  • 001
    001.狂気の夜明け  そこは、外界と隔離された空間だった。  とはいっても、別に地中の洞穴であったり、絶海の孤島である訳ではない。  有り体に言って、そこには外界への空間的繋がりの無い何処かであった。  無論、そんなものが自然に存在する訳は無い。  GM。神の御使い。様々に呼び習わされる何者かが、始まろうとしている狂った茶番の為に作り上げた箱庭だった。 「こんにちわっ、GM秋菜です♪今回、栄えあるイベント参加者に選ばれたみなさんには、突然ですが殺し合いをしてもらいます」  白い服を着た女が、言う。  その一言に、狭く、暗いホールの中に鮨詰めに座らされている、雑多な一団が大きくざわめいた。  幼い姿の者。奇妙に痩せた男。気高い聖職者。力強い騎士。その他諸々。何一つ統一性はない。  しかし、その顔という顔には一様に激しい困惑が浮かんでいた。 「...
  • 2-042
    42.♀モンクの誤算 何度目のヒールになるのだろうか、折れた肋骨は治る気配すら見せてはくれない。 それでも、痛みが少しは和らいでくれたことに感謝するべきなのだろう。 漁師小屋の中で♀モンクはひとり思う。 なぜ、自分がこの馬鹿げた戦いに参加させられたのか。 『依頼がきておる、詳細は現地で聞くが良い』 カピトリーナの長老は確かに私にそう言った。 つまりこの殺し合いは国家だけでなくカピトリーナ修道院も公認だったというわけだ。 そう考えると全てのつじつまが合う。 国家によって布かれた動員令、それに反対運動を起こしていたモンクたちの謎の失踪。 GMジョーカーは今回が4回目と言っていた。 行方不明になったモンクの数は今まで男女合わせて6人、偶然のはずがない。 なぜなら私もまた動員令に対して反対運動を起こしていたモンクのひとりなのだから。 ...
  • 更新履歴
    43話までUP。あとNG関係もいくつか。登場人物とか直したいけど#contents構文が上手くいかん… -- ボ ス ケ テ 2005-11-10 14 29 10 何か、萌え板死んでるっぽい? -- 名無しさん 2005-11-12 11 46 40 今さらですが、第一回の目次を修正。(性別の表記漏れ) -- 名無しさん 2005-11-15 12 59 18 ↑おつかれれい。久々に読み返して、♂アルケミのギャップに悶えた。 -- 名無しさん 2005-11-15 19 12 06 第2回ROワの76話から97話までをUP完了 NGもちょこちょこ -- 名無しさん 2005-11-17 15 21 24 忍者の参考(アサシン物語}のリンクが切れていたので修正しました -- 名無しさん 2005-11-21 03 13 11 Webレンタルサービスの方か...
  • 200
    200.激闘プロンテラ南フィールド 中編 ♀ローグは目標目がけて一直線に走る。 それを少し遅れて追う♂ローグ。 その行き先に気付いて♂ローグは♀ローグの真意を測りかねた。 ♀ローグの走る先、そこには♂BSが居たのだった。 ♂BS、そして対する深淵の騎士子もバドスケもかなり消耗しているように見えた。 ♀ローグはそんな♂BSに向かって駆け、その足音に気付いたそちらを見もせずに当てずっぽうでブラッドアックスを振る。 もちろんそんな甘い攻撃の通用する♀ローグではない。 スライディングの要領であっさりとそれをかわして♂BSの横をすり抜ける。 ♂BSにとってはそれだけで済んだ。 だがそれだけで済まないのは深淵の騎士子だ。 ♂BSの体が邪魔になって♀ローグの姿は完全に死角になっていたのだ。 『♀ローグだとっ!?』 スライディングから立ち上がり、勢いそのままに深淵の騎士子に...
  • 2-100
    100 蟲 ・・・びちゃ。 月明りの差し込む室内にて。 床に転がる首の無い男。彼の動かない筈の肉体が、血溜まりの中でびくんびくんと何度か跳ねた。 びちゃ。ごり・・・ごり。 何かを貪る様な音と共に、びくびくと跳ねる。その度に未だ乾き切っていない血溜まりは飛沫をあげた。 ・・・・・・ぺちゃり。 ・・・・・・・・・・・・ ・・・ずる。ずる。 ・・・・・・・・・・・・ 数時間後。 その室内に、首の無い男はもう居らず。彼が転がっていた筈の位置には赤黒い染みの広がりと、骨の欠片と思しき白い破片だけが残されていた。 そして扉の外まで、延々と血の跡。 浜辺には、何かが這い擦ったような跡。 大臣の腹の中から帰った寄生虫、屍を喰い成長して何処かへ ※アルギオペの亜種。特別枠関係無し、BR参加者とは見なされないが、本能のまま人は襲う...
  • 詳細情報女性
    現在の状態  詳細情報 男性冒険者 女性冒険者 特別枠参加者 その他の人物 021.♀ノービス 022.♀スパノビ 023.♀剣士 024.♀マジシャン 025.♀アーチャー 026.♀アコライト 027.♀シーフ 028.♀商人 029.♀騎士 030.♀WIZ 031.♀ハンター 032.♀プリースト 033.♀アサシン 034.♀BS 035.♀クルセイダー 036.♀セージ 037.ダンサー 038.♀モンク 039.♀ローグ 040.♀アルケミスト 021.♀ノービス <初出:2-011話> <死亡:2-197話> =特徴= [容姿]髪型 ノビデフォ(2-011) [口調] [性格] [備考]死んだふり使用可(2-050) =遺 品= ポイズンナイフ(2-174)→♂ローグに奪われる(2-197) 包丁(♂ローグの手向け品)(2-197) ...
  • 100
    100.対狂人戦 ♀剣士と♂ノビの二人は聖カピトリーナ修道院を後にし、衛星都市イズルートを目指していた。 そこの船を使えないかという淡い期待に賭けての行動であった。 敢えてプロンテラを迂回したのは、そこには人が集まりやすいという理由である。 「ねえ師匠。今晩はもーそろそろ野宿ですか?」 ♂ノビの暢気な声が聞こえる。♀剣士も淡々とした口調でそれに答える。 「もう少し急ごう。他の連中に食料奪い尽くされる前に、私達で確保しなければな」 「はいっ! いや~それにしても師匠は冷静ですね~。頼もしい限りですよ♪」 にこやかにそう言う♂ノビ。だが、♀剣士は表情を曇らせた。 「……少年、ここが何処だかわかるか?」 「はい?」 いきなりの質問に♂ノビは素っ頓狂な声をあげる。 だが、♀剣士は至って真面...
  • 詳細情報特別
    現在の状態  詳細情報 男性冒険者 女性冒険者 特別枠参加者 その他の人物 041.グラサンモンク 042.グラリス 043.プロンテラ案内要員 044.ジルタス 045.悪ケミ 046.忍者 047.ホルグレン 048.工務大臣 049.淫徒プリ 050.ミストレス 寄生虫 ふぁる 041.グラサンモンク <初出:2-018話> =特徴= [容姿]csm 4r0l6010i2 [口調] [性格] [備考]右心臓(2-018)      習得スキル ヒール、気功、白刃取り、指弾、金剛、阿修羅(2-061) =所持品= 緑ポーション 5個(2-018) インソムニアックサングラス(2-018) 種別不明鞭(ジルタスのもの)(2-153) =状 態= 現在位置 F-7(2-198) パーティー 悪ケミ(2-185) 助けを求める人達を守りたい...
  • NG2-04
    アナザー Let s go to the 大災難  ♂シーフは、一つに後ろでポニーテールに纏めた、女みたいに長い髪の男だ。  そして、彼も又、一言で言えばその髪みたいに女じみてしなっぽい仕草が特徴だった。  オカマであり、多分にそのケに満ち満ちた人物だ。数日間手入れが絶えた為薄らと髭が生えていてる。  おあつらえ向きに支給されたウィップとガラスの靴と、参加者として付けられた首輪も悩ましい彼女…もとい彼は髪をいじる。  これは♂シーフの癖だ。因みに普段愛用している頭装備は後ろに付けるスカーレットの大きなリボン。  全く、困った事になったわねぇ。殺し会え、だなんて。  アタシはか強いオカマちゃんよ?こんな胸にキュンキュンきちゃうシチュエーション用意されても困るわよ。  あ、キモイ?グダグダ言ってるとぶち殺すわよ。余裕無いのよ、これでも。  それはその通りで...
  • 詳細情報その他
    現在の状態  詳細情報 男性冒険者 女性冒険者 特別枠参加者 その他の人物 女王イゾルデ GMジョーカー GM橘 GM森 女王イゾルデ <初出:2-000話> =特徴= [容姿] [口調] [性格] 故トリスタン3世の皇后にして、現ルーンミドガッツ国王。 戴冠の際に動員令を発布、同時に動員令違反者取締法を制定した。 有事に即しても動かぬ冒険者たちが、前国王の信頼を裏切ったと狂信している。 GMジョーカー <初出:2-001話> =特徴= [容姿]ピエロ帽(2-001) [口調] [性格]女王イゾルデの意向を最優先(2-130) 動員令違反者取締法、通称BR法の執行者であり監視者。 姿の通り、道化師のような口調で話し、バトルロワイアルを統制する。 BR法の執行される孤島で彼に逆らうことは、即、死を意味する。 また、♂ローグ...
  • 2-008
    008.楽園 島の北端―――岩が点在する浜辺に、その男はいた。 波音が響き渡る明るい砂浜には不釣合いなマント。 加えて直射日光に砂からの照り返し。 汗が噴出して然るべき暑さだというのに、男には一筋すらそれが見当たらなかった。 「殺し合い…ですか」 まるで月一つ見えない暗闇のような黒髪。 生気のない土気色をした肌が、更に男の雰囲気を暗くしている。 「ふっ…」 思わず笑いが漏れた。 いつもなら魔術師が集うあの塔に近づくだけで、まるで汚物を見るような視線をぶつけられる自分。 それが何故いきなり呼び出されたのか、これで納得がいった。 実に簡単だ。単純に邪魔だから、この機会に始末してしまおうということ。 頭の固い年寄りどもにしてみれば、またとない好機だったのだろう。 だが… 「ちょうど良いですね」 以前から、人体の研究はしてみたかった。 しかし一般常識とい...
  • 2-002
    002.ご利用は計画的に 「あーもー、こんチクショウめ」 その職業らしからぬ豪快さで、どかっと地面に腰を下ろして女アコライトは自分の支給品を眺めていた 節約して飲めば二日分程度の水に控えめに食べれば4食分ほどのパンと干し肉、この島のものらしい地図、その他細々とした雑貨の品数点 そして最後に入っていた支給品、二つの青箱のうち一つは速度増加ポーションらしいビンが2本、もう一つが武器ならよかったのだが 「こんなモノどーしろっつーのよ」 それはとても戦いには使えそうに無かった 元々モンク志望ゆえに武器は無くとも素手での戦いには自信はあった。それでも武器になりそうな物はあった方が良かったのだが だがしかし、これは… 「くぅ~ん」 つぶらな黒い瞳の子犬が膝の上から彼女を見上げていた どうするーア○フルー♪ そんな曲が頭の中を流れる ...
  • 2-005
    005 暗殺者の美学 見上げれば雲ひとつない晴れ空。 チリチリとアタシを焼く初夏の日差しに思わず立ちくらむ。 アサシンであるアタシはどうにも直射日光というやつが嫌いだ。 とりあえず木立に身を隠して、置かれた状況でも考えるとしようかね。 ピエロ帽のGM、アイツの言葉を信じるなら、ここは無人島。 渡された地図を見てもそれが分かる。 亀島に似ているけどこんな島は見たことがない。 そして、始まったのは1人になるまでの殺し合い。 なんでこんな殺し合いをしなきゃならないのかは分からないけど、 ここから脱出する手段が見つからない限り殺し合いは遅かれ早かれ始まる。 理由はこの首輪。 この首輪がある以上、アタシたちはうかつな行動ができない。 逆うことで爆発するということは、ヤツらはアタシたちをどこかで監視しているということで、 いつでも任意の...
  • 2-009
    009.ゲーム 「ふむぅ、どうしたものですか…」 幼さの残る顔付きと、それとは裏腹に落ち着いた口調。 少女の服装はノービスに近いものだが―それとは違うもので。 その服装は、スーパーノービスと呼ばれている者が身につける服だった。 少女は座り込み支給された鞄をがさごそ、と漁る。 「ん、食料と水とコンパスと地図…古く青い箱…に似たケースが2つ」 中に入っているアイテムを冷静に数え、少女はそれらを取り出した。 食料を均等に数日分に分けて、コンパスと地図を自分の右隣に。 古く青い箱に似た、ケースを2つ並べ…じっくりとそれを見つめる。 元々、ギャンブル精神は全然無い少女だが、今は開けるしか道が無い。 ここで何が出るかによって、自分の運命は大きく変わるんだろう。 「…普段、愛用してるスティレットが出てくれたら嬉しいんですけど」 そう呟きつつ、少女は1つ目ケ...
  • 2-003
    003.殺せぬ騎士 胃の内容物を吐き戻しても、なお治まらぬ気持ち悪さに♀騎士は膝をついて咽び込んだ。 唇は冷水にでも浸かったように血の気が失せて青褪め、苦酸っぱい唾液が黄身がかった糸を引いて垂れ落ちている。 両手はえずきを抑えこもうとして仕損じて、反吐塗れだった。 「は、はは……」 悪臭を漂わせる掌を見つめながら、彼女は力なく笑った。 「はは、ははは……なんて――なんて無様」 彼女は騎士だ――いや、騎士だったと言うべきか。 少なくとも、これから起きる殺し合いを恐れるあまりに反吐をぶち撒ける臆病者を騎士だとは彼女自身が認めまい。 「うくっ……申し訳……ありません……お父様――」 情けなさに溢れる涙を堪えることも出来ず、彼女は出奔同然で別れた父親の顔を思い出した。 王都プロンテラで下級貴族の次女として生まれ、過去の戦役で華々しい戦果を挙げた父親の...
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