バトルROワイアル@Wiki内検索 / 「083」で検索した結果

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  • 083
    083.二つの夜  星の全く無い空。簡単な偽装を被って、地面に彼女は寝そべっていた。  脇には、寝るのに邪魔になるから外したウサ耳を詰めた鞄が転がっている。  ぴょこん、と白い綿毛を覗かせているそれは、この場所に酷く不似合いに 思えた。 「誰にも出会わなかったか…」  それは幸運か、それとも単にやる気になっている人間が少ないためか。  まぁ、どちらにしても大差は無いのだが。本番は、これからだろう。  前者だとすれば、自分の幸運に感謝すれば良いだけだし、 後者にしても、人が死ぬペースが落ちれば必然的に、あのいけ好かない女が 何かを仕向けるだろう。  焦る必用は無い。ゆっくりと殺ればいい。  のそり、と体を起こす。いくら偽装を施してあるとはいえ、見破る人間が 居ない訳ではない。 ...
  • 2-083
    083 痕[放送直前] ――俺と俺の妹は血が繋がっていなかった。 形式で言えば連れ子になるんだろうな。両方ともね。 けどあいつの親父殿は再婚、俺の母は…誰が俺の本当の親父かもわからない。そう言う商売だった。 そんな母が親父殿を捕まえたのは、まあ美貌と悪知恵のおかげかな。 ――剣の腕はからっきしでも爵位付きの騎士だった親父殿は、めかけを何人も囲っていた。 母はその中にうまく潜り込んで、俺をお嬢様…妹の小姓に差し出した。 妾の子なんてひどいものさ。使用人どころか犬以下の扱いだよ? まあ、そのおかげで母は奥様…ああいけない、まだ呼び方が抜けないか。…親父殿の本妻と表向きうまくやっていられた。 どうしてかって? 母のことを気に入らないと思っても、本妻としては直接手出し出来ない。 妾の方が本妻より可愛がられるのが世の常だから、下手なことをすれば親父殿を怒らせるだけだ。そ...
  • 084
    ...目次 進む 083 目次 085
  • 082
    ...81 目次 083
  • 詳細情報特別
    ...闘で破壊される(2-083) 普通の矢筒(2-021) ?毒の矢十数本(2-059)スリープアローと判明(2-083) メイルオブリーディング(2-059)(キラーマンティスc挿し)→破棄(2-162) DCカタール(2-059)(案内要員の鞄に入れている)→落とす?(2-147) プロンテラ案内要員の雑品(2-021)→落とす?(2-147) 羽根帽子(バードのもの)(2-096) スリープアローを穂先にした銛(2-200) =状 態= 現在位置 F-4(ボート小屋の中)(2-200) 目的 Wを救うために10人を殺害する(残り7人(2-096))(2-021) ♀商人をWだと思い込む(2-051) 軍隊に所属していた時の思考パターンに戻りつつある(2-059) 武装が大幅に強化されたことにより心理的油断が生じている(2-059) →敗北により油断...
  • 目次
    ...人公、♀シーフ 083.二つの夜 ♀アサシン、♀剣士、♂ノービス 084.障害 悪魔プリースト、♂マジ 085.例外 偉そうな男、♀GM 086.この二人、やりすぎだと思います・・・ ♂アコライト、♂アルケミスト、深淵の騎士子、♀騎士 087.DOPEL ♂剣士、DOP 088.葛藤 ♂ノービス、♀剣士 089.主よ、憐れみたまえ ♂剣士、DOP、♂アサシン、♀プリースト 090.其(ソレ)を思ふ曲~序、夜の帳 ♀クルセイダー、♂ローグ、アラーム、子バフォ、♀アーチャー 091.其を思ふ曲~夢語りと母親 ♀アーチャー、アラームたん 092.其を思ふ曲~昔語りとまがい物の騎士 ♂ローグ、♀クルセイダー、子バフォ 093.其を思ふ曲~閉幕、明ける夜 ♂ローグ、♀アーチャー 094.鯖 ♀GM、...
  • 第二回目次
    ...ビ F-6 083.痕 グラリス、バード F-3 084.暗い夜 ♂アルケミスト、♀クルセイダー 森(E-4) 085.暗殺者への試練 ♂アサシン、♀ノービス 小さな木の下(F-6) 086.誰が為の剣 ♀WIZ、♂プリースト、♂シーフ、♂騎士 E-3 087.ビューティフルデイズ ホルグレン J-6→?? 088.夢と悪夢と現実と ♂アサシン、♀ノービス 小さな木の下(F-6) 089.失った心、取り戻した心 ♂剣士、♀セージ 島の中央部の森(F-7) 090.おやすみなさい ♀ハンター、♀スパノビ D-6 091.神は何処におわすや ♂クルセイダー、♀アコライト、子デザートウルフ 断崖絶壁(D-8) 092.別離 ♂WIZ、♀マジ D6~C6の境目辺り ...
  • 詳細情報男性
    ...]BSデフォ白(2-083) [口調]奇妙なアクセントで話す(2-006)→設定から削除された      語尾が「ゲス」(2-017) [性格] [備考]妹の復讐の為に殺人者と主催者へ憎しみを抱く(2-036)妹とは血の繋がりは無い(2-069)      猿並みの敏捷性(2-069)      並の弓手の力ではない(2-069)      貴族の嫡男だった(2-083) =遺 品= バリスタ(2-006) 羽帽子(2-036)→グラリスが持ち去る(2-096) 普通の矢筒(2-036) =状 態= キラーマンティスcの効果で出血(2-086)死亡(2-096) 死体位置 F-3(2-096) =戦 闘= ダンサーと交戦(決着つかず)(2-036) F-3でグラリスと交戦(2-069)失血死(2-096) 018.♂モンク ...
  • 183
    183.ヴァルキリーレルム ♀ローグは木々の切れ目から見えるヴァルキリーレルムを眺める。 「まったく、遊びの為だけにあそこまでの物を用意するなんざ私の理解を超えてるね」 おそらく更にその奥にはプロンテラ城もあるのであろう。 そこまで考えてふと思い至る。 「おや? ……プロンテラ城……さっきまで見えてたような……」 見える訳が無い。北側からはヴァルキリーレルムが邪魔してプロンテラ城はその影に隠れているのだ。 「うん、確かに見た。……なんだいこれ? 変じゃないか……」 子バフォは♀アーチャーの後をちょこちょこと歩いてついていく。 そして高台に登ると、そこではたと気付く。 「……なあアーチャー殿。何故ローグ殿はヴァルキリーレルムを避けたのだ?」 アーチャーはきょとんとした顔だ。 「そりゃ禁止区域で...
  • 2-183
    183.代償 [夕方~夜付近] 冷やりとした感覚が体を支配していく。 指先から、頭から、体全体へと伝わっていくように。 しびれるような傷の痛みも今はもうない。 ヒタヒタと忍び寄る死の感覚。 確実に迫ってくる終焉。 ――俺は……死ぬのか―― ――まだ、生きなければいけないのに―― ――俺は、俺はまだ―― ――ねぇ―― ――死ねない…死ねないんだ―― ――ねぇ、ねぇってば―― ――誰……だ…?―― ――君は何をしているの?―― ――生きるために…闘っている―― ――何と闘っているの?―― ――決まっている……敵とだ―― ――う~ん、じゃあなんで闘ってるの?―― ――さっきも言っただろう……生きるためだ―― ――あれ、そうだっけ?それじゃ、なんで闘わなくちゃいけないの...
  • 2-283
    283.悪意は静かに笑う[三日目午前] 「♀商人さんなら、私達と一緒に・・・」 淫徒プリと悪ケミは同時に振り返る 「・・・見る影もないよ?」「それ、言葉の使い所間違ってる」 「うるさいわね!」 ♀マジのツッコミに、♀アコが叫ぶ 「少し早く歩きすぎたかな・・・」 「一緒に戻ろうと言いましたから、もう少ししたら戻られると思いますが・・・」 不安げに言う悪ケミと淫徒プリ 「・・・来ないね」 「うん、こない」 ♀マジと♀アコが顔を見合わせる 淫徒プリの言葉虚しく、軽く♂プリと全員の自己紹介を済ませたが一向に♀商人が戻る気配はない 「私があの時目を離さなければ・・・」 「そんな事言ったら、私だってそうだよ。今は♀商人と♀ケミを探そ?」 自分を攻める淫徒プリに、悪ケミがフォローを入れる 「そうだよ、♀ケミにも謝らないといけないしね。♀マジなんて本気で魔法撃ってたし...
  • 088
    088.葛藤 ♂ノービスの寝顔を眺めながら♀剣士は今後のことを考えていた このゲームに乗らずに生き延びるには首輪をどうにかするしかない 一つだけ心当たりがある、首輪は装着者の情報を常に読み取っている 死亡した場合その情報が変化し首輪が死亡を確認しそれ以降は爆発することはなくなる そしてその情報を変化させる方法が死ぬ以外に一つだけある 「…転職か」 前回ノービスであった彼女が生き延びたのは彼女がノービスに言った要因と共にノービスであったこともあった だが、前回と同じ方法であるためにGM側も対処手段を講じてある可能性も高かった だからこそ出来る限り他の手段を見つけたいところであった <♂ノービス ♀剣士 状況変わらず> 戻る 目次 進む 087 目次 089
  • 087
    087.DOPEL …二人は、何処に行ったのだろう。 結局、しばらくしても姿を顕すことのなかった少女達の事を、 ♂剣士はぼうっ、と考えていた。 既に、時刻は夕闇を孕み始めている。 黄昏の世界は、何処までも金色だ。  見捨てられたか。それとも二人の身に何かがあったのか。  或いは、他の何かか。  判断の基準は、ようとして知れない。  判らない。全てが。何もかもが。 それは、その何かは。 自分の知らない何者かは、自分にも牙を向けているのかもしれない。 恐ろしい。恐ろしい。此処に居る事が。歩き始める事が。人を知る事が。そう、全てが。 恐怖は伝染し、恐怖は汚染し、恐怖は拡大する。 あるいは、♂剣士はその時既に狂い始めていたのだろう。 そ...
  • 085
    085.例外 「どこへ行くのかね?」 豪華な建物の前で♀GMは偉そうな男にそう尋ねられた。 「もちろん、あの遊びを止めに行くのです。」 ♀GMの顔には決意の表情があった。 「先ほど我々には何もできないと言ったばかりだろう?」 偉そうな男は少し呆れながら言った。 「…それは貴方達が何かをしようとしないからじゃないのですか? 色々な所を探せば、どこかに助ける方法はあるはずです。」 ♀GMは口調に非難の色を込めながら言う。 「…」 「あの人を止める事はできなくても被害に合った人たちが生き残れば、 必ずマスコミを動かせます。そうなれば彼女も簡単にはこの遊びをできないでしょう。 それなら…」 「たとえ自分が死んでも人々を助けられれば構わない…か。」 「…その通りです。」 ...
  • 086
    086.この二人、やりすぎだと思います・・・ お父さん、お母さん、それに兄上に妹。お元気ですか 僕は元気です、運も上向いてきたみたいで友達も出来ました 色々とワケアリな人達ばかりですが そしてさらにワケアリな人が一向に加わりそうです 「あ、あの…」 「……」 いくら尋ねても返事はありません 彼女らは端から見れば女の子に膝枕してもらっている男、いつもならこのバカップルに火炎瓶でも投げつけたい光景ですが 状況がそれとは違います、なにしろ今は非日常の極みともいえる状況だからです 「こう言ってはなんですがその人死んd」(ガッ) 「或閲wwwwwデリカシーwwww無いwwwwイクナイwwwwwww」 アコライト君はいい奴ですがすぐ手が出るのが欠点だと思います。あと逆毛だし 「殺すなら殺...
  • 081
    081.改竄 その男について語ろう。  彼は、暗殺者だ。そして、この茶番の参加者である。  裏切り者、と云う名のカタールを手に、森を歩いている。  此処までは、周知だ。さて、語られていない事実を、少しずつ語るとしよ う。  彼は、昔、一人の女性と出会った。遊び半分で出向いた危険な島での事 だ。  化物の様に馬鹿でかい蜻蛉に襲われて、死に掛けたところを救われた。  だから、彼は探している。其の女性を。確かに、あの集合場所で見たはず だ、と。  だが。そこに根本的な錯誤が一つ、潜んでいる。  そもそも、『何故』あの鮨詰めの部屋で、迷い無く、記憶の片隅にしかな かった様な女性の事を瞬時に把握できたのか。  何故、こうして歩き続ける自身に何の迷いも抱く事が無いのか。  改竄されている。そう、改...
  • 089
    089.主よ、憐れみたまえ (♂剣士か。戦闘力は期待できないだろうが、同じ姿である事を利用すれば、 奴を動揺させ、隙をつく事ができるかもしれないな…。) ドッペルゲンガーはそのような事を考えながら、♂剣士に近づき、語りかけた。 「…私はドッペルゲンガー、君と争うつもりは無い。 私の目的はこの戦いを終わらせる事だ。だから私と一緒に…」 「…ものか…」 ドッペルゲンガーの話の途中で♂剣士は震えながら何か小さな声で言う。 「なんだ?」 「もう…騙されるものか!!」 「!」 刹那、ドッペルゲンガーがいた所をバスタードソードが通る。 彼の長い年月で澄まされた勘がなければ確実に致命傷を負っていたはずだった。 「貴方も僕を見捨てて、残されて絶望する僕を嘲笑うつもりなのでしょう…?」 震える手で剣を持つ...
  • 108
    108.魔剣と剣士と狐 「あーーーーーもう!!」 ガンッと木を蹴ったのは森を歩いてた月夜花。 どうやらなかなかDOPに会えなくてイラついているのだ。 「どうしてDOPはボクを見つけてくれないんだー!」 月夜花は見つけやすくするために自分の気を放出していた。 力を封じられていてもそれぐらいはできる。 「う~ん…もうちょっと探そう…」 もう一度歩き出そうとしたその時・・・。 (……殺気!?) 月夜花はとっさに身をかわした。 ザグッ 月夜花がいた所に剣がささった。 「あ・・・君は剣士クン!?」 そこにいたのは木の上で月夜花を見下ろす♂剣士だった。 「危ないじゃないか!当たったらどうするんだよー!」 プンスカ怒る月夜花を見下ろしていた剣士はニヤリと笑いこう言った。 「「当てるつもりだったのさ」」 「え…?今声が重なってたような…?」 月夜花が一瞬疑問に...
  • 080
    080.再開は紅葉と共に 俺だ。ローグだ。ちっと時間を巻き戻した話をするぜ。  俺達は、あれから運良く誰にも出会わないまま、あの場所に到着した。  途中、文句ばかり吐きやがる子バフォと二、三度ドツき合った以外は、特 に問題もねぇ。  柄にも無く助けちまった弓手も、なけなしの薬での解毒が効いたのか、死 にかけてたのが嘘みてぇな調子だ。  ああ、説明を挟んどくとな。シーフの類ってのは、毒を扱う事も多いか ら、普段から解毒用の薬物を持ち歩いてる。  最も、俺は弓手の治療で、最後の分使い切っちまったがな。  それから、残りの煙草は塩水に浸かって全滅、自慢の逆毛はヘタレちまっ たまま。  後、さっき子バフォに蹴られたどてっ腹が痛ぇ。まぁ、最後の辺はどうで もいい事だな。  さぁて、話はここまでだ。目的を果たす...
  • 008
    008.悪人と  あれから、どれくらい経ったのだろう。  一時間かもしれず、あるいは五分と経っていなかったのかもしれない。  時間の経過は、ずっと蹲っていた彼女には、よくわからなかった。  涙は、枯れない。今も尚、流れている。  死の匂いがする法衣の生地が、涙で黒く湿っていた。 「おい」  誰かの、声。♀プリーストは、顔を上げた。  そこには、一人の男の姿。木漏れ日が逆光となり、大まかな輪郭しか見て取れない。  嗚呼。私は、ここで人生を終えるのか。  確信にも似た想像。剣が、光に照らされて輝いていた。  それは、男が女の頬に、直刃の抜き身。ツルギを突き付けている光景だった。  片や、酷く目つきの悪い、顔に火傷のある男。♂ローグ。  片や、目を閉じると、胸の前で手を組んだ女。♀プリースト。  それは、静かな、光景だった。...
  • 2-080
    080 彼女【放送直後】 定時放送まで動くつもりはなかった彼女が、ついに重い腰をあげた。 発表された禁止区域。そこに自分が居たからである。 とりあえずここから逃げないとな… 荷物をまとめ、美しいプリースト―淫徒プリは立ち上がった。 一見すれば誰もが完全に女性と見違えるだろう。 女であれば、油断するだろう者も居る。 わざわざ警戒をされそうな男の姿で居る理由もないのだ。 何よりこの姿は、それほどキライではない。 「まずは禁止区域から出るのが先決かしら」 地図を見る限り、南に行くのが良さそうね。 東だと、距離的に区域から出るまでに時間になってしまうだろうし。 既に口調まで女性になりきっている彼女は、ふふりと笑った。 その先に誰が居るのか。もしくは誰も居ないのか。 何があるのかはわからないけど、あたしは何があっても大丈夫。 こう見え...
  • 208
    208.それぞれの幕間~[最後の一人] さて。 最後に今一つ、語らねばならない事が残っている。 とある愚かな白い男の事だ。 彼は、GMと呼ばれる存在であった。 彼についての説明は、この一言に全てが集約される。 命じられるままに仕事をこなす。そんな存在だ。 彼は善良で忠実であったが、それ以外には特に取り柄も無い男だった。 男が、その女と出会ったのは、もうずっと昔の事だ。 彼自身、その当時の場所が何処だったか良く覚えていない。 ただ、はっきりと覚えている言葉が、一つだけある。 『私は、この世界が大好きなの』確かに彼女はそう言った。 時計塔の鐘。大きく大きく世界に鳴り響いている。 それは、祝福だった。世界は、あの日確かに二人にハレルヤを歌っていた。 青い空。まるで細雲の様に鳥が透き通る青に舞う。 冒険者だった彼女がまだ世界を歩いていたあの日...
  • 2-087
    087 ビューティフルデイズ ホルグレン。 多くの冒険者が知っている通り彼は職人である。 そして同時に、泣きもするし、笑いもする一人の人間である。 だが、ベートーベンやミケランジェロなどの多くの偉大な芸術家と同じように 彼も社会生活を営む上である一つの欠点を持っていた。 ホルグレンは人の話を聞くのが苦手だった。 耳に入ってこないといってもいい。 彼の心にもっともすんなり入ってくるのは太陽のように熱せられた鉄と彼自身のハンマーの叫び。 他の事は彼にとってはたいした問題ではなかった。 7段階まで精錬してくれと頼まれた武器を 没頭しすぎて、8段階にまで精錬しようとして叩き折ったことも一度や二度ではない。 「クホホ…」 がっかりした彼の反応は当然こうである。 どの冒険者もまさかホルグレンが楽しみながら叩き折ったなどとは思わない。 ホルグレン自身も依...
  • 2-008
    008.楽園 島の北端―――岩が点在する浜辺に、その男はいた。 波音が響き渡る明るい砂浜には不釣合いなマント。 加えて直射日光に砂からの照り返し。 汗が噴出して然るべき暑さだというのに、男には一筋すらそれが見当たらなかった。 「殺し合い…ですか」 まるで月一つ見えない暗闇のような黒髪。 生気のない土気色をした肌が、更に男の雰囲気を暗くしている。 「ふっ…」 思わず笑いが漏れた。 いつもなら魔術師が集うあの塔に近づくだけで、まるで汚物を見るような視線をぶつけられる自分。 それが何故いきなり呼び出されたのか、これで納得がいった。 実に簡単だ。単純に邪魔だから、この機会に始末してしまおうということ。 頭の固い年寄りどもにしてみれば、またとない好機だったのだろう。 だが… 「ちょうど良いですね」 以前から、人体の研究はしてみたかった。 しかし一般常識とい...
  • 2-108
    108.砕けない拳 【深夜】 夏だって言うのにイヤに冷たい水が私を包み込む さっき出来たばかりの傷に塩水が擦り込まれてえらく痛い 投げ落とされたガケはとてもじゃないけど昇れそうに無いほど高く伸びている なら、ガケの切れ目まで泳いでいくしかない 「速度…増加っ!!」 波に揉まれながら精神を集中して加速の祝福を自分にかける。泳ぐ早さはこれで少しはマシになっただろう 次は崖が短いほうに…北に行くか、南にいくか、ああもっと地図よく見ておけばよかったな畜生 まあどっちだっていい、とにかく死んでなんかやるもんか アイツを殴り倒して『神様には自分で伝えろ』って言ってやるまで死んでたまるか 水に濡れた服は鉛みたいに重くてスカートが足に絡まって凄く泳ぎにくい それでもあきらめてやるもんか 『おまえ、神はこの世にいると思うか?』 まあ私だっておしとやか...
  • 2-088
    088 夢と悪夢と現実と【定時放送後~夜】 幸せな夢を見ていた────はずだった 憧れの冒険者になった時はすべてものが輝いて見えた。 騎士様の振るう剣に憧れ、魔法の神秘的な美しさに惚れ、聖者の癒しに心惹かれた。 (私はおっちょこちょいだから商人はちょっとムリそうだな。  エッチな服は恥ずかしいけど踊るのは好きだからダンサーとかいいな) すれ違う冒険者を見てはその姿になった自分を夢想した。 まだ何になるかは決まっていないけど、転職のことを考えるだけでドキドキした。 優しいカプラさんや案内のお姉さんに挨拶して、今日もモンスターを倒す冒険に出た。 街を出てすぐ一匹のルナティックが目に止まった。 最初は可哀相で攻撃することが出来なかったルナティックも、今では簡単に倒せる。 (可愛くてもこの子はモンスターだし、自分が強くなるためだもん仕方ないよ...
  • 2-085
    085 暗殺者への試練【定時放送後~夜】 ――お前はもっと冷徹になり切れ。     そうすれば、お前は強くなる 月、か。俺達暗殺者の歩く世界には不要の産物なんだがな。頭上に広がる果てなき闇より己を照らす真円を見上げ、♂アサシンは自嘲した。 視線を落とすと、木の下で横になっている♀ノービスの姿。いろいろな事があって流石に疲れたのだろう、すうすうと暢気な寝息が聴こえてくる。支給された鞄を枕に、まるで緊張感のない寝顔。時々むにゃむにゃと何か呟くが、よく聴き取れない。 ・・・やれやれだ。 ♂アサシンは、思考の迷宮を彷徨っていた。 無防備だな。本当に。このゲームじゃあ寝込みを襲われたら、その時点でズィ・エンドなんだぜ。 いや何を言っている、俺がいるからに決まってるだろう。俺が傍にいるから、コイツはこんな場所でも安心して眠れてるんだ。 そうじゃねぇ、少しゆっくり...
  • 2-082
    082 窮地 「果たして間に合うかどうかね・・・・・・」 私達は夜を駆ける。 タイムリミットは多く見積もって25分ぐらいしかない。 しかし、このままF-6側に向かうのが正解なのであろうか・・・・・・? 引き返した方が近いのではないだろうか・・・・・・? ふと、嫌な予感にかられる。 「確か移動時にあなた地図見てたわよね? このエリアに入ってから何分ぐらい経ったか分かる!?」 急いで♀BSに問いかける。 「えっと、大体だけど50分前にはこのエリアに居たはずだよ!」 失礼な事に野生のカンなのであろうか彼女の時間感覚は信頼できる。 誤差はそんなにないはずだ。 急いで頭の中で逆算をする。 50分前にこのF-5エリアに入ったと仮定する。 ここの1エリアは普通の歩きなら1時間30分ぐらいかかると今までの経験で分かっていた。 とするとここは少なくと...
  • 2-084
    084 暗い夜 [定時放送後・深夜] 暗い。 森の中である。襲撃の的にされぬよう火を焚くわけにもいかず、わだかまる闇の中で ♀クルセは木の幹にもたれ、空を見上げる。 やはり、暗い。 黒々とした木々の天蓋を通して、わずかばかりの星の瞬きが見えた。それは昨日まで 見上げていたものと変わらないはずなのに、急に遠くなってしまったように彼女には思えた。 なぜ、こんなに暗いのだろう。 鬱蒼とした木々の陰のせいというだけではない。この島そのものがはらむ闇の気配とでも 言うべきものが、彼女の視界にも、そして心にも暗くのしかかってくる。 血と殺戮、死と恐怖の空気が充満したこの島。あの道化師の忌わしい放送によれば、 すでに9人の人間が二度と復活すら適わぬ死に見舞われたことになる。 そしてそれは即ち、彼らに死をもたらした者がいるということ。今この瞬間にだって、 森の闇の向こうか...
  • 2-089
    089 失った心、取り戻した心 [夜間] ───ずっと答えを探していた 誰かの声が聞こえる。答えを探しさまよう私を呼ぶ誰か。 それが誰であるか分からないまま、私はうたかたの夢から目を覚ます。 目に飛び込んできたのは暗闇、どこまでも広がる黒の世界。 いや、黒だけではなかった。 夜の闇の中でゆらゆらと揺らめく赤銅の光、♂剣士が森の奥、その光を指差しながら私に何かを叫んでいた。 「森が燃えている、だと?」 私は慌てて飛び起き、彼が指差す先にある赤い灯火を凝視する。 遠過ぎてはっきりとは分からないが、それが炎の光であることだけはなんとなく分かった。 肉眼で炎を確認するや、私はコルドボルトの詠唱を開始する。 体に感じられる適度な湿気から山火事が自然発生した可能性は無い。 もし火を焚いているのだとすれば、この状況下であれほど派手にやる...
  • 2-081
    081 私の進むべき道 (定時放送前後) ♂ローグを避けるため、南へと移動していた♀BS一行。 そこへ降ってくるかのように、男の笑い声が響いた。 もちろんそれがGMジョーカーのものであることは言うまでもない。 「あいっかわらずカンにさわる声だねぇ……」 楽しくてしょうがない、といったジョーカーの口調が、♀BSの神経を逆撫でした。 本当なら聞きたくもないのだが、生命に関わる重要事項な以上そうもいかない。 『これより現時点での死亡者の名簿を読み上げたいと思いまーす。よろしいですかー、読みますよー』 軽い口調で、ジョーカーは殺伐とした内容を読み上げる。 9名の死亡者。その最後の人物の名を聞いたとたん、ダンサーの表情が強張った。 「嘘……」 知った仲である♀プリーストの死に呆然とするダンサー。 彼女らしくない表情に♀BSと♂スパノビは顔を見合わせた...
  • 2-086
    086 誰が為の剣【深夜】 ♀Wiz、♂プリースト、♂シーフ。三人の別ベクトルな思考を遮るように入ったGMジョーカーの放送。 固まっていた三人は、禁止区域の放送に慌てて地図を取り出した。 「よかった。幸いここは禁止エリアではなかったみたいですね」 ♀Wizは安堵の表情を浮かべた。しかし同時に、少し悔やんだ。 どうしてすぐに話を始めてしまわなかったのだろう。話をするタイミングをまた逃してしまった。 「そ、そうだな」 「ほ、ほんとよかったですよねー」 ♂プリーストと♂シーフもそれに答える。そして内心で叫んでいた。 あのピエロ野郎、せっかく彼女とじっくりお話できるチャンスだったのに、と。 「そういえば、気になることがあるんです」 「なんだよ?」 「さっきの放送の合間に、どこかで叫び声が聞こえた気がするんですよ」 ♂シーフの言葉に、二人は顔を見合...
  • 2-208
    208.重なる友の記憶 [2日目深夜] 急激にその場に満ちる混乱の気配に、眠っていた♀商人も目を覚ます。 視界に♂騎士と、彼の剣に胸を貫かれた♂アルケミストを認めると、彼女はどうして、と喉の奥で声を漏らした。 ♂アルケミストと♂騎士の信頼関係からして、一番ありえないことのように思えたからだ。 しかし、異なるGMの異なる思惑が絡み合った罠は、♂騎士がそれまで築いてきたもの全てを打ち砕いてしまった。 (……え?) ずるり、と胸に刺さったツルギが引き抜かれるまで、♂アルケミストは自分の身に何が起こったのか理解できなかった。 目の前には、今まさに彼の胸を貫いた♂騎士の顔がある。 (ああ、怖いんだな――) その表情を見て、彼は思う。 ♀クルセイダーが死んだときの自分も、このような顔をしていたのだろうと。 (俺があんな演技をしたから、誤解したんだろうか) それだけ...
  • NG2-08
    ドアをノックするのは誰だ 「せいぜいであと一ヶ月だな」 余命の宣告なんてこんなものか。 自分に残された時間を冷徹に告げられても男にはたいした感慨は沸かなかった。 男は闇に生きてきた。 闇に生まれ闇に死ぬ、それが自分の人生だと思っていた。 だがどうやら闘いの中では死ねないらしい。 彼は暗殺者だった。 物心がついた時にはすでに人の殺し方を教えられ、十になる前に初めて人を殺した。 同じような境遇の者が一人、また一人と消える中、彼は常に生き残ってきた。 やがて年月は過ぎ、彼は暗殺者としては闇の世界では名を知らぬ者は居ないほどとなった。 そしてある日、自分がもうすぐ死ぬことを知った。 自らの命を絶つことは至極簡単だ。 常に常備している毒薬を口に入れてしまえばいい。 それに抵抗があるならグラストヘイムの奥地にでも単身潜り込めばいい。 だが...
  • another2-08
    Assassinate[不明] じりじりと肌を刺す強い日差し。 天に架かる太陽が、恵みではなく悪意となる地。砂漠。 日に灼かれ、色あせた熱砂は降り注ぐ光を同じ強さで照り返す。 さらに乾いた風が焼けた砂を巻き上げ、針となって全身を突き刺す。 毒虫さえも夜を待って砂の下に潜み、動く物と言えば砂そのものの怪物のみ。 砂漠の中心、アサシンギルドの置かれた土地はそんな場所なのだ。 土地の民であれば全身を服で覆い、頭にも布を巻くところだろう。 凶暴な日光に耐えるにはそれしかないのだ。 しかし今、日差しの下を進む半裸に近い姿の男女の列があった。 ドサッ 列の中程で女が倒れた。 しかし前後の男女と手錠を縄で繋がれており、そのまま砂の上を引きずられる。 「…せめて倒れた者の落伍を許せ。これでは他の者も長く保たん」 列の先頭近く、武装した一団に囲まれた男がかすれ声を出...
  • 詳細情報女性
    現在の状態  詳細情報 男性冒険者 女性冒険者 特別枠参加者 その他の人物 021.♀ノービス 022.♀スパノビ 023.♀剣士 024.♀マジシャン 025.♀アーチャー 026.♀アコライト 027.♀シーフ 028.♀商人 029.♀騎士 030.♀WIZ 031.♀ハンター 032.♀プリースト 033.♀アサシン 034.♀BS 035.♀クルセイダー 036.♀セージ 037.ダンサー 038.♀モンク 039.♀ローグ 040.♀アルケミスト 021.♀ノービス <初出:2-011話> <死亡:2-197話> =特徴= [容姿]髪型 ノビデフォ(2-011) [口調] [性格] [備考]死んだふり使用可(2-050) =遺 品= ポイズンナイフ(2-174)→♂ローグに奪われる(2-197) 包丁(♂ローグの手向け品)(2-197) ...
  • 目次2
    目次(101~200) 001~100  101~200  201~A・Bルート完結  番外編 タイトル 登場人物 101.それは運命 ペコペコ管理兵[騎士]、ペコペコ管理兵[クルセイダー] 102.消える目的地 ♂プリースト 103.君泣きたもうことなかれ ♂アサシン、♂ノービス、♀プリースト、♀剣士 104.繰り返される悪夢 ♂プリースト 105.どいつも、こいつも ♂アサシン、♂ノービス、♀プリースト、♀剣士 106.ゆめときぼうと ♂ノービス、♀プリースト、♀商人、♀シフ、ときらぐ主人公、♀モンク 107.嵐の前の ♂ノービス、♀プリースト、♀商人、♀シフ、ときらぐ主人公、♀モンク 108.魔剣と剣士と狐 ♂剣士、クスキューショナー、月夜花 109.いただきます ♂ノービス、♀...
  • 不具合01
    不具合解消報告(08/11) がプラグインと誤認されてしまう問題ですが、@Wikiが修正してくれました。この件に関してはめでたく解決! 一応ココもう少し残しておきますね。 一部のページが表示されない不具合について 現在、バトROワWiki内の一部のページが表示されない問題が起きています。 なんとか無理矢理お話が読めるようにしてみますんで、問題の完全解決まで少々お待ちください。 また、閲覧不可能なページを発見された方は下記フォームにてお知らせください。 よろしくおねがいします。 08/08 代替2-076? どうも文字数が原因かもしれません。 ↑のページの文字数が正常なアップロードが出来る限界のもよう。 08/09 ↑…みたいなこと言ってしまいましたが、状態表で多用している がプラグインと誤認されている可能性もあります。 を特殊文字表記...
  • 更新履歴
    43話までUP。あとNG関係もいくつか。登場人物とか直したいけど#contents構文が上手くいかん… -- ボ ス ケ テ 2005-11-10 14 29 10 何か、萌え板死んでるっぽい? -- 名無しさん 2005-11-12 11 46 40 今さらですが、第一回の目次を修正。(性別の表記漏れ) -- 名無しさん 2005-11-15 12 59 18 ↑おつかれれい。久々に読み返して、♂アルケミのギャップに悶えた。 -- 名無しさん 2005-11-15 19 12 06 第2回ROワの76話から97話までをUP完了 NGもちょこちょこ -- 名無しさん 2005-11-17 15 21 24 忍者の参考(アサシン物語}のリンクが切れていたので修正しました -- 名無しさん 2005-11-21 03 13 11 Webレンタルサービスの方か...
  • 更新履歴表示
    これでも投稿されるだろうか… 更新履歴 名前 コメント すべてのコメントを見る 第一回の目次の表示形式を第二回と同じように変更。第二回NG1話収録 -- ...
  • 第二回目次2
    第二回バトルROワイアル 目次(100~200) 001~100  101~200  201~300  NG話  番外編 タイトル 登場人物 現在位置 時間 101.覚悟と決意 ♂アサシン、♀ノービス 小さな木の下(F-6) 時間 102.QueenBee 淫徒プリ、♀アルケミスト、♂BS G-6草原地帯 夜間/定期放送後 103.間者 GMジョーカー、GM橘、GM森、♂騎士 不明 明け方 104.Lunatic ♀WIZ E-3 深夜~日の出前 105.梟 ♀ハンター、♀スパノビ D-6 深夜~明方未明 106.種族を超えた絆 ふぁる フェイヨン上空 夕方 107.二人は研究派 ♂マジシャン、♀マジシャン 現在位置 時間 108.砕けない拳 ♀...
  • 182
    182.デッドマン・ウォーキング 「ふぅん……不死者の身体ってのも意外と動くもんだね。 やっぱり素材が新鮮だと違うのかね?」 身体の感触を確かめながら、♀ローグは冗談混じりに言った。 返魂の札の力によって不死者として蘇ったとはいえ、ゾンビのような貧弱な身体能力しか残っていないのではお話にならない。 その点が♀ローグにとって最大の懸念材料であったが、どうやらその心配は要らないようだ。 身体は思いのほか軽く、死ぬ前と変わらぬ鋭い動きも可能であった。 「まあ、それでこそ大博打うった価値があるってものよ。 それにしても、バドスケめ……思いっきりぶん殴ってくれちゃって。 うわっ、こりゃ酷いわ。脳みそはみ出してんじゃないの!?」 手をやってみて気づいたことだが、バドスケの渾身の一撃を受けた♀ローグの頭は、まさしくザクロ...
  • 第二回目次3
    第二回バトルROワイアル 目次(201~300) 001~100  101~200  201~300  NG話  番外編 タイトル 登場人物 現在位置 時間 201.何も考えずに走れ! ♀アコライト、♀マジシャン、子デザートウルフ E-9 2日目夜 定時放送③前後 202.死神対死神 ♂クルセイダー E-3にはいってすぐ 2日目夜 定時放送③後 203.ふぁると♀スパノビだけがともだちさ ♀スーパーノービス、♀ハンター、ミストレス、ふぁる E-5南端 2日目夜 204.ひとりだけの世界 ♀BS、♂スーパーノービス F-6 2日目深夜 205.隠し味 ♂騎士、♂アルケミスト、♂プリースト、♂シーフ、♀商人、♀WIZ D-6 2日目深夜 206.信頼の意味 淫徒プリ、♂セージ ...
  • 207
    207.懺悔 ♂アーチャーが深淵の騎士子を連れて♀セージの所に辿り着いた。 既に燃えかすとなっている♂BSを見た♂アーチャーは、戦闘の終了を悟った。 不意に今まで全く無反応であった深淵の騎士子が、♀セージを見るなり声を上げた。 「お主……セージか?」 「ああ」 「そうか。学術に長けたお主なら、この忌まわしい首輪を外す術を知ってるかもしれぬとアルケミが言っておってな」 「……」 「お主を捜しておったのだが……最早手遅れだ。今更この首輪を外したとて……何も変わらぬ。誰も帰っては来ぬのだ」 絶望し全てを諦めた深淵の騎士子に、二人は何かを言うべきだと思ったが、どんな言葉も今の深淵の騎士子には意味を為さないとも感じた。 ♀セージは穏やかに言う。 「とにかく今は体を休めよう。かまわないな深淵?」 深淵の騎士子は全くの無反応だったが、それを了承と無理矢理受け取り、二人は手...
  • 007
    007.弱さ あと一回だけの癒しの祈りでこの悪夢のようなゲームから逃げることが出来る だが司祭の少女には死ぬ覚悟も戦いに身を投じる覚悟も無かった 最後の祈りを挙げることも出来ずただ蹲り嗚咽を上げるだけであった ♀プリースト デッドリースケービューラ[1]一個 獲得 小青箱未開封 戻る 目次 進む 006 目次 008
  • 194
    194.笑顔の不死者 五度目の定時報告が流れた直後。 ♀騎士、ドッペルゲンガー、この2人の名前に深淵の騎士子の心は酷く痛んだ。 隣にいる♂ケミが不安気な視線を送る。 重い沈黙。 そしてそれに耐えられなくなったのは深淵の騎士子だった。 「ドッペル殿の傷はおそらく斧だろうな…」 「そうするとたぶん♂BSかな」 驚いたことに♂ケミはすぐに犯人の検討をつける。 深淵の騎士子は訝しげな表情で何故そう思う?と聞いた。 「最初、全員が集まったとき、各職業の男女が揃ってたんだ」 ♂ケミは今までの考察のまとめるかのように語りだした。 「そしてこれが今までに死んだ人のリスト」 一冊のノートを懐から覗かせる。 「あいつは3回目の放送で残り25人っていってるんだ、そして4回目、5回目で15人が死んでいる」 おもむろにノートをパラパラとめくる♂ケミ。 そしてあるページを指...
  • 186
    186.プロンテラ プロンテラに北側から入った♂ローグ、バドスケ、アラームの三人。 「………?」 突然眉をひそめる♂ローグを見てアラームが訊ねる。 「どうしたのお兄ちゃん?」 「あ、いや……なんでもない。それよりアラームはプロンテラに来た事あるのか?」 そう言って話を逸らす♂ローグ。 一瞬得体の知れない違和感があったのだが、それを説明しきる自信が無かったのだ。 アラームはうきうき顔で答える。 「ううん、だからすんごい楽しみっ♪」 相変わらずのアラームに肩をすくめる♂ローグ。 『もっともあの鬱陶しいぐらいの賑やかさは欠片も無いだろうがな』 ♂ローグの予想通り、プロンテラはひっそりと静まりかえっていた。 街道を埋め尽くす露店も無ければ、カプラサービスに群がる冒険者も居ない。 だが...
  • 198
    198.激闘プロンテラ南フィールド 前編 深淵の騎士子はペコから飛び降りると、一足飛びに踏み込んで♀ローグに斬りかかる。 その予想以上に鋭い踏み込みに、♀ローグは大きくその場から飛ぶ事にした。 そして、ツヴァイハンターが振るわれるが、その軌跡を見て♀ローグは自らの判断が正しかった事を知る。 『早いっ! それにこんな巨大な剣振っておきながら、全く体勢崩れないなんざ大したもんさね』 しかし深淵の騎士子は逃がさぬとばかりに、大剣を横凪ぎに振るう。 それを♀ローグは深淵の騎士子の方に踏み込みながら思いっきりかがんでかわしにかかる。 『猪口才な!』 深淵の騎士子はその卓越した技術と腕力で、無理矢理剣の軌道を低くする。 予想していた剣筋よりも低く剣が襲ってきた事で♀ローグは即座にやり方を変える。 『こなくそっ!』 ダマスカスでなんとかそれを受け止めるが、 ツヴァイ...
  • 200
    200.激闘プロンテラ南フィールド 中編 ♀ローグは目標目がけて一直線に走る。 それを少し遅れて追う♂ローグ。 その行き先に気付いて♂ローグは♀ローグの真意を測りかねた。 ♀ローグの走る先、そこには♂BSが居たのだった。 ♂BS、そして対する深淵の騎士子もバドスケもかなり消耗しているように見えた。 ♀ローグはそんな♂BSに向かって駆け、その足音に気付いたそちらを見もせずに当てずっぽうでブラッドアックスを振る。 もちろんそんな甘い攻撃の通用する♀ローグではない。 スライディングの要領であっさりとそれをかわして♂BSの横をすり抜ける。 ♂BSにとってはそれだけで済んだ。 だがそれだけで済まないのは深淵の騎士子だ。 ♂BSの体が邪魔になって♀ローグの姿は完全に死角になっていたのだ。 『♀ローグだとっ!?』 スライディングから立ち上がり、勢いそのままに深淵の騎士子に...
  • 校正コーナー
    校正コーナー ストーリーに支障の無い些細な誤字脱字(でも気になる)を集めました。 作者さんは気付き次第ご自身で修正お願いします。 007.地獄の煉火…粘着性の液体って喉にべたべたくっついてしまって一気飲みできないのでは。トロトロしてるという意味ならば粘度の高い、とか粘性のある、とかかもしれない。ぺとぺとくっついて糸を引くと言う意味の表現だったならば問題ないです、スマソ -- 名無しさん (2005-11-11 22 46 45) 027.黄昏ベイビー…セージの髪は緑なので「紺碧」の部分が食い違います。参考:goo辞書検索結果、参考:緑色の名前 -- 名無しさん (2005-11-11 22 49 40) 033.脱出計画…忍者の一人称、「僕」になっている部分があります -- 名無しさん (2005-11-11 22 52 39) 035.日常との別れ…♀モンク...
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