バトルROワイアル@Wiki内検索 / 「119」で検索した結果

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  • 119
    119.悲しみのあとに… ♂剣士の死を目の当たりにし…トボトボと砂漠をあるく月夜花。 「トモダチ…ボクのトモダチになってくれる人が死んだ」 悲しんでてもしかたないのに涙があふれる。 「DOPに…会わなくちゃ…彼ならなんとかしてくれる・・・」 しばらく歩いて、誰かいるのに気がついた。 「あ!あの人は…!」 月夜花はその人影に近づいた。そう…♂BSに…。 ♂BS 状況変わらず 現在位置:砂漠 月夜花 持ち物 ほお紅、装飾用ひまわり 戻る 目次 進む 118 目次 120
  • 2-119
    117 助祭の失敗~拝啓何某様リターンズ 一日目 深夜  拝啓神父様。  何となく何処かで聞いた事のあるような文句でごさいますがお加減如何でしょうか?  ♂アコライトです。  先に襲撃者によって離れ離れになった同行者達との合流も果たせず、また彼らの安否も容として知れない事に 僕自身も苛立ちを覚えるばかりでありますが、そもそもからしてこの殺人ゲームに巻き込まれると言う悲運に見舞われ、 また僕一人では何一つ出来る事とて無く只、夜明けと皆を待ちながらじっとしているのみでした。  ところが。  突然がさりと僕の前の茂みがなったかと思うとそこから思いもかけなかった来訪者がやってきたのです。  一瞬、先に出合った珍妙な弓手二人か、はたまた僕の下僕などとお名乗りになられた美しい人かとも思いましたが、 もしその方々であれば、まさかむさ苦しい顔で筋肉で張らし切った服を着て...
  • 118
    ...17 目次 119
  • 詳細情報男性
    ...襲撃を受け重症(2-119)→瀕死状態からは回復、意識不明(2-120)→意識を取り戻す(2-156) おろおろ(2-197) ボスが心配(2-204) =戦 闘= F-3民家付近でダンサーと戦闘するが和解(2-052) F-6で♂剣士と戦闘(2-119) 003.♂剣士 <初出:2-028話> <死亡:2-119話> =特徴= [容姿]ノビデフォ髪(2-028) [口調]一人称「僕」(2-028)      丁寧な口調だが、混乱しやすい。(2-057) [性格]素朴。鈍感。あまり頭は良くない。(2-057) [備考]JOB45の両手剣剣士(2-028)      不器用(2-057)       剣士学校では落ちこぼれだった。(2-057) =遺 品= ヘルファイア(2-089)→♀BSが断ち切る(2-119) 手製の木刀(2...
  • 詳細情報特別
    ...考]♀BSの父(2-119) =遺 品= タバコ(2-039) ハンマー(2-039) 古いカード帖(2-039) メイス(2-119) =状 態= 死体位置 G-6(2-142) 思考 生きて帰って家出した娘に会いたい(2-039) 寄生虫に襲われ死亡(2-142) 048.工務大臣 <初出:2-040話> <死亡:2-098話> =特徴= [容姿]NPC(PvPドアマン)(2-040) [口調] [性格] [備考] =遺 品= 馬牌(残4)(2-040)→♂ローグに奪われる(2-066) 青箱(2-040)→♂ローグに奪われる(2-066) =状 態= 首輪の爆発により死亡(2-098) 死体位置 小屋(I-5)(2-076) 寄生虫入り保存食を食べさせられた(2-066) →死体は孵った寄生虫に食わ...
  • 詳細情報女性
    ... 軽度の火傷(2-119) 決意に漲る(2-120)→父(ホルグレン)の死にショックを受け精彩を欠く(2-159) 肉体的ダメージよりも、精神的なものが色濃い(2-184) ショックに次ぐショックで、軽い放心状態(2-197) ヘルファイアに半分魅了されている(2-204) =戦 闘= F-3民家付近でダンサーと戦闘するが和解(2-052) F-6で♂剣士と戦闘→殺害(2-119) 035.♀クルセイダー <初出:2-020話> <死亡:2-113話> =特徴= [容姿]剣士デフォロング・黒(csf 4j0270g2) [口調] [性格] [備考]守る対象を探す(今は♂ケミに同行)(2-055)      献身Vitバランス型(2-020) =所持品= レイピア(2-020) 青箱 1個 =状 態= 死体位置 E-3...
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    ...目次 進む 119 目次 121
  • 2-118
    119 そして夜は明けて【日の出前後~早朝】 よく狙いをつけて手を離したつもりだったけど、槍は触手野郎に当たらなかったみたいだ。 残念、腕が痛いけどもう一度。今度は当たるように。間違いなく、殺せるように。 ――腰の後ろにくくりつけていたナイフを逆手に引き抜き、後ろに倒れこむ化け物に追いすがる。 はい、マスター。小さい刃物でもちゃんと使えば十分武器になるんですよね。 大事なことは狙いをきちんと…あ。困ったな、急所ってどこなんだろう? 人だったら…頭とか喉とか、心臓なんだろうけど。 あ、化け物に追いついた。もういいや、とにかく頭だ。魔物には心臓がないやつもいるらしいから、確実にいかなきゃ。 うん、日が昇ってきたかな?あいつの肉に覆われた頭部が少し狙いやすくなった気がする。 ――少し開いた口(中に歯と舌が見えるから口なのだろう)にナイフを捻じ込む。 ...
  • 目次2
    ...ージ、♀WIZ 119.悲しみのあとに… 月夜花、♂BS 120.夢見る狐 ♂BS、月夜花 121.Marionette ♀BS 122.聖なる大馬鹿者 ♂ローグ、♀クルセイダー、♀アーチャー、アラームたん、子バフォ 123.定時放送3 神の声 ♀GM秋菜、止区域発表 124.燻ぶる火種 ♂アコライト、♂アルケミスト、深遠の騎士子 125.遺言 ♂ノービス、♂プリースト 126.魂を継ぐ者 ♀クルセイダー、アラームたん、♀剣士 127.貴方を追いかけて 悪魔プリースト、♂マジシャン 128.♂ノービスの戦い ♂プリースト、バドスケ、♀アサシン、♂ノービス 129.闇へと消えている記憶 ♂BS 130.笑う男 ♂ローグ、♀クルセイダー、♀アーチャー、アラームたん、子バ...
  • 第二回目次2
    ...-8 早朝 119.そして夜は明けて ♀アルケミスト、♀BS、ダンサー 、♂スパノビ淫徒プリ、♂剣士 F-6 日の出前後~早朝 120.全てを抱えて ♀アルケミスト、♀BS、♂スパノビ、淫徒プリ F-6 早朝 121.再会 ♂アサシン、♀ノービス D-6 早朝 122.Encount! ♂セージ、♀商人、♀WIZ、♂シーフ、♂プリースト E-3 朝食後 123.イレギュラー GMジョーカー、ジルタス G-6 1日目深夜 124.素敵な朝を 悪ケミ、忍者 H-7 早朝 125.相棒 ふぁる 島まで後数時間の上空 不明 126.プライベート・レッスン? ♂ハンター、♀アーチャー G-5 早朝 127.定時放送② GMジョーカー 不明 2日目朝...
  • 193
    193.定時放送5 定時放送時刻です、と♂GMに起こされたGM秋菜は、渡された報告書(死亡者リスト)を一瞥し、 手元の水晶を模したものを覗き込む。 「ふーん、そろそろ少なくなってきたわね♪  ただ、ちょーっとプロンテラ周辺に固まりすぎかなぁ~。いけない人たちですねっ  ♀セージさん達と♂ローグさん達は再び合流の可能性もあるし、う~ん」 現在位置を見つつ、世界地図を参照しようと手を伸ばすと、♂GMの作ったご飯が目にはいる。 「……ふんっ」 仮眠を取ってやや回復していた気持ちが落ち、反抗的に食べ物を押しやる。 「みんなみんな、さっさと死んでしまえばいいのよ」 生存者の現在位置を再確認すると放送を流すために立ち上がった。 その瞳に映る真意は分からない。 絶望か、高揚か、狂気か、それとも他の何かか。 瞳からは、冷たい色だけがうかがい知れる。 そして、世...
  • 191
    191.覚醒 男はとても器用だった。 自我のいう名のジグソーパズルは確実に完成に近づいている。 男はとても運が良かった。 肉体的にも精神的にも苦痛にしかならないものがパズルの進行を加速させていた。 そして… ついに♂BSはGM秋菜の支配から解き放たれた。 ♂BSは♀BSとただ一度だけPTを組んで狩りをしたことがあった。 その精算の場所だった首都西下水入り口、そこは彼の思い出の場所である。 はからずも♀ローグの後を追うように♂BSは首都西に引き返し、下水入り口前に移動した。 そしてカバンの中から♀BSの生首を静かに取り出した。 ♂BSは大切そうに、そしてかなり辛そうに生首を地面に置く。 無言のまま斧を地面に叩きつける様に掘っていく。 そして生首を埋める。 「なんだよこれ…」 いつの間にか顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。 「なぁ…」 からだ中のチ...
  • 195
    195.肉入り  風に揺られる草が、寝転んだ♂BSの頬をなでていた。  彼は、なんとなくそれが、飾り気の無かった♀BSの手に似ている、そんな事を考えていた。  空だけが、彼と違って相変わらず人工的に青いままだ。  打倒秋菜を目指すに当たって間違いを彼はひとつ犯していた。  それは地図を見返して気づいた簡単な、見落としだった。  つまりは、プロンテラ城が禁止エリアでない筈は無い、という事実。  これまで、正気を失っていたが故だが、このまま進めば空しく爆死する所だった。  しかし、自分は一体どうすべきか。  一気に突き落とされたかのような気分がした。  そんなどん底から見上げてみると、冴えた方法は初めからたった一つしかなかった。 「殺そうか」  彼はつぶやいた。  そうだ。殺そう。  再び秋菜に会い、殺すためにはそうするしか。  復讐...
  • 196
    196.嵐の前の首都南 空はどこまでも青く高く。 港の都市アルベルタは定期的に行われる蚤の市に賑わっていた。 蚤の市用に港が露店用に開放されている。 ♂BSは街と港の境界に位置する大階段に一人座り込んでいた。 太陽の輝きにウミネコの声と行き交う人の話し声。 ♂BSの心もそわそわと浮き立つ。 2日前に隣りに露店をだしていた♀BSの横顔を思い描く。 「2日後、蚤の市みたいね…」 「あ、ああ。 蚤の市か…」 「なんか楽しそうだよね」 「そうだな。ちょっと露店だしにいこうかな」 「あ、私もだしたいなー」 「…もしかしたら会えるかもな」 「そうだねっ」 「…」 「…」 たったこれだけで終わった蚤の市の話し。 別に約束したわけでもないのに♂BSは♀BSの姿を無意識に求めていた。 「テロだーっ!」 突然の怒号。 湧き上がる不安に我を失うほどの焦燥感。 ♂...
  • 111
    111.我儘 朝日。  頭に悪魔の羽の様な飾りを付けたプリーストは、横たわる死体の前に跪いていた。 手を組み、目を閉じている。その傍らには、石版と退屈そうにそれを見ている♂マジシャン。 「例え汝、道の途中にて果てようとも我等が主は汝を忘れず、広き懐の内にその魂を招かん。 灰は灰に。土は土に。汝と汝の霊に、偉大なる我等が主の国での、永久の安らぎがあらんことを」  聖句を唱え、略式の印を僧侶は切る。十字の形に指は、虚空を走る。  それから息を付くと、彼女は♂商人の死体の居住まいを直してやった。  下半身の無い死体の手を胸の上で合わせて、恐怖に見開いた目を閉ざしてやる。 「終わった?」 「ええ」  悪魔プリは答える。  本当なら、埋葬した方が良いのだろうが、生憎とそこまでの労力の余裕が彼女等に在る訳では無かった。 「…にしても...
  • 194
    194.笑顔の不死者 五度目の定時報告が流れた直後。 ♀騎士、ドッペルゲンガー、この2人の名前に深淵の騎士子の心は酷く痛んだ。 隣にいる♂ケミが不安気な視線を送る。 重い沈黙。 そしてそれに耐えられなくなったのは深淵の騎士子だった。 「ドッペル殿の傷はおそらく斧だろうな…」 「そうするとたぶん♂BSかな」 驚いたことに♂ケミはすぐに犯人の検討をつける。 深淵の騎士子は訝しげな表情で何故そう思う?と聞いた。 「最初、全員が集まったとき、各職業の男女が揃ってたんだ」 ♂ケミは今までの考察のまとめるかのように語りだした。 「そしてこれが今までに死んだ人のリスト」 一冊のノートを懐から覗かせる。 「あいつは3回目の放送で残り25人っていってるんだ、そして4回目、5回目で15人が死んでいる」 おもむろにノートをパラパラとめくる♂ケミ。 そしてあるページを指...
  • 197
    197.再会のために ♀ローグが足早に去って行くのを見届け、一息ついて手の怪我を治療していたところ 忌々しい黄ばみ文字…もとい、GMからの定時放送が流れた。 子バフォと一緒に放送を聞いていた♀アーチャーは、思わずその場に凍り付く。 あの胸くそ悪い声に読み上げられた名前は、一体どういう意味をもつんだったか? 不器用な♀クルセ、聡明そうだった♀WIZ、どちらも自分より遥かに頼もしいはずの 二次職が、まさか…まさか、死んでしまったなんて。 そして何より、一番驚いたことは♀ローグの死亡報告がされたことだった。 「あいつが死んだ?つまり…この先にとんでもない化け物が居るってこと?」 「その可能性が大きいのだろうな。奴はプロンテラに入ったものの、何か 不都合があって行き先を変更、西に向かったが強敵が居て殺されてしまった…」 とんでもない化け物…その形容から想像される...
  • 190
    190.理由 「ふわぁあ~」 玉座に座りながらGM秋菜は欠伸をした。 人数も大分減ってきたら当然の事なのだが、各々がチームを作り極力戦闘を避けている。 裏切りや絶望・恐怖・狂気に駆られる者を見るのが楽しいのに、これでは少し興ざめだ。 ゲームが始まって既にかなりの時が経っている。 自分も少し休息を取っておかなければ。 ここぞという時に疲れて眠ってしまっていては面白くない。 GMの一人に何か食事を持ってくるように言いつける。 しばらくしてコンコン、と言うドアを叩く音の後に 「はい…るよ?」 と遠慮がちに、しかし友人に話し掛けるような口調の後に一人の♂GMが入って来た。 年齢は彼女と同じ位だろうか。 しかし優しそうな瞳と幼げの残った顔は青年と言うよりも少年と言った方がしっくり来る顔立ちであ...
  • 192
    192.声 ♀セージ一行は、ブリトニアまで何の障害も無く辿り着く事が出来た。 そんな僥倖を指して♂プリ曰く、 「わざわざこんな狭っくるしくなった土地に来ようって馬鹿もいねえだろ」 だそうである。 北側からブリトニアに入った一行だが、いくつかの城門は完全に封鎖されており、侵入は簡単に出来そうも無かったが、橋をいくつか渡った先にあった城門だけは開いていたので、そこから砦へと侵入する事にした。 砦内部の構造には皆疎かったが、そもそもそんなにややこしい構造でも無い上に、妨害も全く無かったので簡単に奥地までたどり着く事が出来た。 通称エンペルームと呼ばれるそこに辿り着いた一行は、台上に燦然と輝くエンペリウムに見惚れ、そして思った。 『こんなデッカイ物どーやって持っていくんだよ!』 モンスターが時々隠し持っているエンペリウムとは比べ物にならない程の大きさだ。 ♂ア...
  • 019
    019.獣 驚愕と恐怖がこびり付いた、名も知らない女ノービスの死に顔。 醜く崩れ、鮮血で汚されたその死体を見つめているうちに 女ローグは奇妙に心が躍りだすのを感じた。 「それじゃあ、ゲームスタートです。頑張って、殺し合いましょうー」 白い衣装の女が言う。 血に飢えた獣が、女ローグの中で静かに生れ落ちた瞬間だった。 「食料、回復剤……っと。おや、あんたまだ一つも使ってなかったんだ?」 泉に上半身だけを浸し、長い髪を散らしているマジシャンの少女に向かって 女ローグは、まるで親しい友人を相手にするかのように話しかけた。 うつ伏せになったマジシャンの少女の体からは、大量の血が滴り泉の中へと流れてゆく。 当然、少女からの答えは無い。 「ま、有難く使わせてもらうよ。こーゆうのはいくらあっても困らないからね」 言って、それらを自分の鞄の中へと放り込む...
  • 110
    110.夢から醒めなサーイ クリティカルを誘発させる補助的な作用のあるうさみみ 致命的なダメージとなりうる顔面への攻撃を防ぐスマイルマスク 考え方に寄ってはベストとは言えずともかなり良い引きだ 「……とでも思わなきゃやってらんないわよ!コンチクショー」 などとやけっぱちに叫ぶがその表情はスマイルマスクに隠れて判らない 「あとは武器ね…よし!無いなら作ればいいのよ」 彼女もまた極限状態で精神に異常をきたしてしまったのだろうか カンカンボキンカンカンボキンカンカンボキンカンカンボキンカンカンボキンカンカンボキン (中略) カンカンボキンカンカンボキンカンカンボキンカンカンボキンカンカンピロリン 「できた~」 それは木の枝を蔓で寄り合わせただけのお粗末なシロモノであった、だが彼女の心の支えでもあった 「よ~し、さっそく試し切りよ。てやっ」 バキ!!...
  • 199
    199.死ぬ訳にはいかない 幾度目かの属性攻撃が、♂BSを弾き、地面へと投げ出していた。 跳ね起き、深淵とバドスケから距離をとった♂BSは、荒い息を吐きながら考えを廻らせる。 相手は二人。一人は強化を受けた自分にも比する手練れ。もう一人は未知数。 しかも、どういう訳か…物理攻撃を軽減するコートを突き抜けて届く一撃まで持っているらしい。 幾ら、力を得たといっても彼の本領は製造だ。 根本的な部分で、戦闘は余り得意でない。(少なくとも先程、突撃した際にアドレナリンラッシュを発動し忘れる程度には) 強化によって五感と反射は飛躍的に増加したけれども、それに関する知識の不足から元々戦術の引き出しは少ないのだ。 黒い騎士の娘の相手は楽な状況、とは言えなかった。 だが、やるしかない。 ♂BSは唇を真一文字に引き結ぶ。 俄かに血液が沸騰するのを感じていた。 アドレナリン・...
  • 113
    113.エグゼクター 「……もういい、こうなったら他人を利用してでも生き延びてやる」 小一時間ほどorzした後、半ば自棄っぱちに♀アサシンは呟いた とにかく誰かと会おう。出来れば無抵抗な相手かゲームに乗っていない相手と そこで信用を勝ち取って武器を盗めれば、そのままゲームに乗ればいいだけだ もし武器を持っていなくても、逃げる時の囮くらいにはなるはずだ だが、そうするとしたらうさみみにスマイルマスクは流石に妖しすぎた そんな格好の相手が「敵じゃないぞー」と出てきたところで信用するか? 誰もしない、絶対にしない、むしろ出て行った瞬間攻撃される 「そうなると、うさみみかスマイルマスク、どちらかが邪魔ね…」 妥当に考えて捨てるべきはスマイルマスクだろう。流石にこの笑顔は不気味すぎる もって行くにしても少々かさが張るし、着けないならば捨てていくのがいい...
  • 198
    198.激闘プロンテラ南フィールド 前編 深淵の騎士子はペコから飛び降りると、一足飛びに踏み込んで♀ローグに斬りかかる。 その予想以上に鋭い踏み込みに、♀ローグは大きくその場から飛ぶ事にした。 そして、ツヴァイハンターが振るわれるが、その軌跡を見て♀ローグは自らの判断が正しかった事を知る。 『早いっ! それにこんな巨大な剣振っておきながら、全く体勢崩れないなんざ大したもんさね』 しかし深淵の騎士子は逃がさぬとばかりに、大剣を横凪ぎに振るう。 それを♀ローグは深淵の騎士子の方に踏み込みながら思いっきりかがんでかわしにかかる。 『猪口才な!』 深淵の騎士子はその卓越した技術と腕力で、無理矢理剣の軌道を低くする。 予想していた剣筋よりも低く剣が襲ってきた事で♀ローグは即座にやり方を変える。 『こなくそっ!』 ダマスカスでなんとかそれを受け止めるが、 ツヴァイ...
  • 117
    117.思案 「・・・ふぅ、ここまで来れば」 言って、♀ローグは手近な木にもたれ掛かり、息をついた。 ストリップの効果が切れると、またあの斧を持って追いついてくる。 そう思った彼女は、♂ブラックスミスの姿が完全に見えなくなってからも延々と彼から遠ざかるために走り続けた。 周囲は砂漠から草原へと変わり、目前には自分たちの住む国の首都、プロンテラの城壁が見える。 「プロンテラか・・・誰がいるか分かったもんじゃないね」 暫くは、トンネルドライブでこの辺りに潜んでいることにする。 しかし、あの♂ブラックスミス。 血斧を持っている上にゴーストリングカード挿しの防具。そしてオーラ。 あのとき、ストリップが失敗していれば、間違いなく自分は死んでいただろう。 「冗談じゃないね・・・」 言って、顔をしかめて薄く笑う。 あれをどうにかしないと。――運良くこのまま生き延び続けて...
  • 114
    114.あの日の君 チリリーン チリリーン 「ん?この音は・・・?」 フェィヨンダンジョンの奥深く…。 彼、♂剣士はそこに来ていた。 「ヤツか…」 剣士は身構えた。そう、月夜花が現れたのだ。 「ウフフフフ……また来たんだね?」 岩の上に座って、月夜花は剣士を見下ろした。 「月夜花!今日こそはっ!」 剣士は構えた。 「今日こそは僕と友達になってもらうぞ!!」 クスッと月夜花は笑った。 「いいよvただし…ボクに勝てたらだけどね」 彼女のウインクで戦いは始まった。 もちろん、剣士のボロ負けだ。 「ダメダメだね…そんなんじゃあボク、君のトモダチになれないなあ」 「うう~…今度は負けないぞ!」 そう言って剣士はよろよろと帰っていった。 「ウフフvいつでも待ってるから、そして…いつかトモダチになろうね」 「死ねよ!」 剣士はエクスキューショナー...
  • 112
    112.生きるものができること ♀騎士の負った傷は幸いに致命傷こそなかったが、血止めはしないと危険だった アコライトから多少のヒールをもらったものの、それだけでは不十分だったのだ 「はぁ…はぁ………ぐっ……」 ♀騎士は剣を杖代わりによろよろと歩き、荷物の確認をする 大部分が吹き飛ばされていたが、中には無事そうな荷物もあった 治療に使えそうなものをかき集め、暫く時間をかけ赤ハーブと無事だった赤ポーションでなんとか応急処置を済ませる 所々に多少痛みや張りが残っているがなんとか動ける程度には回復できたようだった それを確認した後、爆発で出来た穴の真ん中に♂騎士の遺体を安置して簡単に埋葬する 時々休みながらだったので随分と時間が過ぎ、終わった時には夕刻が間近に迫っていた 「あとの問題は、服だな…」 爆風に巻き込まれた♀騎士の服は、所々裂け破れな...
  • 2-111
    111. 妄想渦巻く夜の姫 【定時放送後~夜】 「はぁ・・・・・・はぁ・・・、多分・・・もう、ここまで来れば・・・・・・大丈夫・・・な、はず・・・」 息を切らせながら、♂ハンターは痛む腕で地図を取り出し、現在位置を確認する。地図の中で一際目立つ赤い輝きは、自分達のいるこの場所が地点G-5であることを示していた。見渡せば砂地交じりの草原が広がっており、ぽつりぽつりとまばらに木々が立ち並んでいる。 見晴らしは悪くないし、こちらには遠くから攻撃ができる武器もある。幸いにして俺もこの子も弓使いだ。研ぎ澄まされた“梟の目”により、夜目は効く。もし近くにゲームに乗り気な奴がいても、襲われる前に手は打てる筈だ。陽も落ちた今、他の参加者達も日中ほど活動は活発ではないだろう。ヘタに動いて誰かとハチ合わせる危険を冒すよりは、こういった視界のいい場所でとりあえず体を休めよう。そう判断し、♂ハンター...
  • 219
    219.彼らの失敗  ──失敗とは、どのような人間にもついて回るもの。  例えば。彼の場合。  遠く、戦いの音が届く。  剣戟の音は、深淵の騎士か。それとも、♀セージ達か。  どちらとも取れるが、すべき事は変わらない。  急がないといけない。それだけは確かだ。  ♂ローグは顔を上げ、共に離脱した♀クルセに視線を遣った。 「よう。直ぐ動けるよな?」 「ああ。…問題ない」  彼女の腕や頬には、反動の衝撃で裂けたのか、幾つもの擦過傷があった。  だが。彼は、敢えてそれ以上は問いかけるのを止めておいた。  問題無い、と言うのならば、その意思を尊重する。  ♂ローグは、そんな風に考えていた。  全く全く。不釣合いと言うならこれ以上は無い。  が、これも自分が変わってしまった、と言う事なのだろう。  完全に彼は、それを自覚していた。  それ...
  • 115
    115.farewell to the innocence 風が吹いた。 木々がざわめき、色づき始めた葉を降らせた。 木の葉はひらりひらりと頼りなく宙を漂い、 幾枚かはつぶてとなって、少年の髪に、鼻すじに舞い降ちた。 肌を撫ぜるかすれた感触は、少年にこう問うているようだった。 ――いつまで、ここでこうしているのですか? (動かなきゃ……) 少年は両手足を踏ん張り、立ち上がろうとした。 力が入らなかった。 体中の力が抜け落ちて、指一本動かすことが出来なかった。 空は雲ひとつない快晴で、日の光が川面できらきらと踊っている。 穏やかでうららかな昼下がり。 目の前には、頭蓋が割れ全身を血にまみらせた♀プリースト。 少し離れて、背中にナイフを突き立て、首をあらぬ方向に曲げた♀シーフ。 背にしたテントの中には、苦悶の表情のままこと切れたときらぐ主人公。...
  • 116
    116.悪魔と獣 「おや、戻って来ちまったね」 常緑樹の林の中に、♀ローグの緊張感のない声が響く。 ♂GMの爆発現場から離れようと、小走りで進んだのは良かったが 結局その前に居たタヌキの丘付近に戻って来てしまったのだ。 彼女の目の前には、少し前に彼女自身の手で葬り去った♂クルセイダーの遺体が放置されている。 「・・・まいったねぇ」 言いながら、♀ローグは頬をかく。 てっきり北に向かっているとばかり、思っていたのに。 ひとつため息をつき、その場に腰を下ろす。 目の前の♂クルセイダーは、彼女が手にかけた後と、ほぼ何も変わらない状態だった。 ひとつ、変わったことといえば、死に際に流した涙が乾いているといったことぐらいか。 ♀ローグは、何気なく♂クルセイダーの頬に触れる。 死後硬直が始まっているのか、その肌は硬く、冷たかった。 「あぁ、そ...
  • 2-194
    194.定時放送③ [2日目夜] 初夏の太陽が人々にひとときの別れを告げ、役目を受け継いだ月と星が、夜の地上をうっすらと照らした。 喧騒も、焦燥も、殺意も、狂気も、すべてを飲み込むように空は青みを帯びて黒い。 殺戮ゲームがはじまって、二度目の夜が来たのであった。 どこからか人の声が聞こえた。 それは否応なく癇にさわる声であり、参加者の全員が聞きたくもない声であった。 男の声は笛の調べのようにきれいで、それでいてどこまでもつめたい。 GMジョーカーの3回目の放送がはじまったのである。 「島での2日目をいかがお過ごしでしょうか。ジョーカーです。  もし寝ている人がいたら起きてくださいね。これから大事な大事な死亡者の発表と、禁止区域の地図への反映を行いますよ。  万が一、寝過ごしてしまうと大変です。そこが禁止区域だったら猶予は30分ほどしかありませんからね...
  • 011
    011.利用 「…………」 木々の隙間から空を見上げているのは♂ウィザードだった。 ノービスの死を目の当たりにして彼が反射的に思ったこと。 ”死にたくない” 次に考えたのは、 ”どうやったら死なずに此処を出られるか”。 「殺すか…逃げるか……」 それはとても難しい二択だった。 首輪に恐る恐る触れる。 「………無理だ」 GMの言った言葉が正しければ、この首輪がついている限りこの箱庭から逃げる事はできない。 だが恐らくこの首輪を強引に外そうとすれば……。 思わず想像してしまった結末を首を振って否定した。 兎に角、この首輪は弄らないほうがいい。それがウィザードが最初に下した決断だった。 そうすると選択肢は他の人間を殺すことしかなくなる。 幸いウィザードは火の魔法を得意とする、高INTの持ち主だった。DEXもあるし、申し訳程度にならVITもある。 し...
  • 2-192
    192.策士vs策士 「さて、これからどう行動していきましょうか……」  淫徒プリは、額に手を当てて呟いた。  PTに対して言っている様だが、実は自分に言い聞かせているのである。  最優先は、己の命。  次に優先すべきことは、自分の楽しみである。  他の人間がどうなろうが、本来であれば関係ない。  他者の行動が自分の行動及び、理念の邪魔とならなければ。  このPTにいて、果たして己は生き残ることができるのか。  現状を振り返ってみる。  唯一の戦闘力の♀BSは父の死に放心し、使い物にならなさそうだ。  彼女の連れである♂スパノビは、傷から回復したものの足手まといにしかならないだろう。  ♂アコ……は、恐らく支援タイプだが、目に狂気を帯びている気がする。  新しく加わった♀ノービス。♂WIZに殺された♂アサに保護されていたらしい...
  • 2-019
    019.利用するものされるもの さて、なぜ俺様がここにいるのか? 突然拉致されて、ここでいきなり殺しあえと言われた。 ただ気がついたらこの会場にいただけだ。 状況はなんとなくわかっている。俺様マジ危ないっていうことだけは。 『愉しい悦しい殺し合いゲームの始まりです!』 そんな趣味ないんだけどな…。 俺様はただちょっと稼いでちょっと贅沢してちょっときれいな嫁さんもらって ちょっときれいな家を買ってちょっと可愛い子供をもうけて… ただの並みの人生送りたいだけの、平凡で善良なただのBSなんだけどなあ。 そして今、現実離れした、『現実』が目の前にある。 「お願い…助けてぇ…許してぇ…ごめんなさい…」 ♀ケミが必死に彼に助けを乞うていた。 特筆すべきは彼女のプロポーションで、ピッチリとしたアルケミストの服装が、 彼女の...
  • 2-191
    191.麗しき毒女 [2日目宵の口] 「さて、これからどう行動していきましょうか・・・」 ♀アルケミストは淫徒プリの言葉を軽く聞き流しながら考える。 最優先は自分だけが生き残ること。 他の人間がどうなろうと知ったことではない。 他者は私に利用されるためにある。 そして現状のPTは何処かしら危険な雰囲気だ。 生き残るためには、このPTに居続けることと離れることの損得を考えねばならない。 「♂アサさんは♂WIZに殺されて・・・私はなんとか逃げ切って・・・それで・・・」 「それじゃ♂WIZは危険ってことかねえ」 「おで・・・こわいんだな・・・」 ♀ノービスが自分にあった出来事を語っている。 ♀BSと♂スパノビがそれぞれの反応を示していた。 気になるのは♀BSの声に覇気がないことだが、父親が死んだことだしそんなこともあるだろう。 そんなことは別...
  • 2-195
    195.死神の世界 [2日目夜 定時放送③後] 『これ、やるよ。この指輪には魔法がかけてあるんだ。  どんなときだってお前をまもってくれる、とっておきの魔法だよ。  だからがんばって強くなって───いっしょに転職しような』 記憶は繰り返される。飽きることもなく、記憶は繰り返される。 いっそ改竄されてしまえば、すくわれるのに。 そう思えるほどに記憶は俺にからみついたままで、けして放そうとはしてくれない。 『ゴメンね。あなたに指輪のひとつもあげられなくて・・・・・・こんな風に自然に咲いてるお花くらいしか、あげられるものがなくて・・・・・・』 『気にするなよ。それにさ、こうすれば、花だって指輪になるだろ。ほら、きれいな花の指輪になった。  いやだって言っても、いっしょに転職するからな』 薬指に銀の指輪をはめた少女の左手と、少年の右手がからみあう。 ...
  • 2-198
    198.涙 [2日目深夜] 「どうしてあんなことしたのよ・・・」 ぽつりと悪ケミストがつぶやいた。 運悪く♂ローグに出会い、追われるはめになったが、大きなパーティーに出会えた時は、まだ運が残っていたと感じた。 しかしその中の♂アコライトが、こちらに血相を変えて向かってきたのには、にわかに信じられなかった。 ♂アコライトをグラサンモンクが発勁で倒し、彼は呆然としている自分の手を引っ張ってその場から逃げ出した。 深い森に入り、木々の間を抜け、闇の中にその身を沈めていく。 彼は濡れた土を避け足跡を残さないように、湿った草や落ち葉の多い道を選び、逃げ続けた。 背後の気配が完全になくなったことを、グラサンモンクが確信するまで、こちらの息が切れかけるまで、森の中を走り続けた。 走り続けながら「なぜ?」と考えた。「どうして?」と疑問に思った。 なぜ、♂アコライトが攻撃し...
  • 211
    211.金色の黎明 夜明けはもう近い。けれど、未だ暗い夜。 本来なら、プロンテラから明かりが漏れて来てもいい筈だが、当然この場所ではそんな物は無い。 夜は、彼女の領域だ。余り、その事実をはっきり認識した事は無かったけれども、今はありがたかった。 深淵の騎士子は、背中に♂アルケミストの死体を乗せ、一人皆の輪から外れる方へ歩いていた。 ペコペコと馬は、あの場に残してきた。たった一人で、やりたかったから。 彼女の背中に、力なくしなだれかかっている遺体。 何時までも、彼をそのままにしておく訳にはいかなかった。 結論は付いたのだ。だから、♂アルケミストにはもう安らかに眠って欲しい。 只、何時までもずっと泣きながら抱きとめている事は、きっと容易いのだろう。 腐っていく死体を前に、ゆっくりと自らも狂っていく。 甘美な想像だった。涙も未だ枯れた訳ではない。 絶望に溺れれば、...
  • 2-196
    196.タイトロープ [定時放送③前後] 「あー、もうっ。ダメっ。ぜんぜんダメっ」  星明りの下で悪ケミとグラサンモンクが、なにやら相談をしていた。  地面にがりがりと文字を彫りつつ、カモフラージュのために会話も同時に行うという、難業だった。  夜のためか、二人ともサングラスを外しており、あらわになった悪ケミの赤い瞳が、苦悩をたたえていた。  地面に書かれた文字を通してグラサンモンクに伝えられた内容は、以下のものだった。 1.振動リンクというシステムを使って首輪に内蔵されたジェムストーンと管理側のジェムストーンが同期していること 2.その同期によって会話内容、首輪の持ち主の生死が管理側に送られていること 3.それぞれのジェムストーンには、わずかの力を与えても砕けてしまうほど、エネルギーが蓄積されていること 4.首輪の持ち主の生死判定は首輪が行っていること ...
  • 2-197
    197.加速する悪意 [定時放送後~深夜] もし俺が死んだ後、生き残りたければこれだけは覚えておけ。 忌まわしいGMジョーカーの定時放送から、どれだけの時間が流れただろうか。地図を確認し、とりあえずこの場所に留まるということで意見は一致した。それから、誰も、一言も話さない。それぞれ思うところがあるのだろうが、合流してまだ時間の浅い♀ノービスに、彼等・彼女等の考えを読むことなどできない。 ♀ノービスは、頭の中で亡き暗殺者の教えを反芻する。 人に気を許すな。 弱みを見せるな。 機を見て敏となれ。 彼の言葉は、♀ノービスの頭の中で鮮明に再生することができた。忘れない、一言一句を頭の中に焼き付けている。 人から食べ物を貰うな。 一人で行動している奴には近付くな。 複数で行動している奴等に付いて行け。但し・・・見限るタイミングは見紛うな。 ...
  • 2-190
    190.あの世だよ全員集合リターンズ  ──ここは、一体どこなのだろう?  解らなかった。手のひらを目の前に翳し見ても、それが自分のものだと理解出来る。  その癖、周囲は真っ黒だ。それらと、それから目を覚ましていた時の最後の記憶を総合して。  ♀Wizは今、己は夢めいたものを恐らく見ているのだろうと理解した。  あの時、私は。♂クルセイダーを殺す為に一人で走った。  悪夢を終わらせる為に、償う為に一人で走らなければならなかった。  少なくとも、そう思い込んでいたらしかった。  ──自嘲したい様な気分だった。  勝手に意気込んで、一人背負い込んで。それでこの様だ。  誰がそうしろと彼女に言ったろう。致命的な周囲に対する注意散漫。  解りやすく言い換えれば、その償いはただの自己満足だ。  何をすべきかも、どうやるべきだったかも見失っていた。 ...
  • 2-117
    118.花【二日目早朝】 今日もつき合わせちゃってごめんね。 あぁ、彼女の声が聞こえる。 私はまだ半人前だけど……お祈りだけは忘れたことがないんだ。 そう言う彼女の笑顔はとても清らかで。 いつか……立派なプリースト様になれるといいんだけど。 大丈夫、君なら慣れるさ。その清らかな笑顔を持つ君なら。 あは、でも君と一緒ならきっと出来そうな気がするよ。 そう、君の笑顔は人に安らぎを与えるんだ。 なんでだろ……君といると、安心する……。 なのに何故― 天の神様、どうか今この私の願いを聞き届けてください― 何故君が― 私の心の中にいる全ての人物をどうかお救いください― どうして君が― そして……どうか彼の願いをかなえ― そんな奴に殺されなければならない― 彼は朝...
  • 2-219
    219.鏡合わせの騎士 [2日目深夜] ここは何処で、自分は誰と戦っているのだろうか。 それすらもわからずに、ただ自分の身を守るために、♂騎士は剣を強く握りしめた。 ひとりになりたい――それだけを考えていた。 ひとりになることの怖さも、心細さも知っていた。今まで仲間という暖かい存在に包まれていたからだ。 それでも、誰かの傍にいることは耐えられないことだった。 死にたいのか、といったらそうではないのだと思う。 目の前の男が自分に剣を振るってきた瞬間、とてつもない恐怖と憎悪がその人物に対して沸き起こってきたからだ。 ――その感情が、GMの介入によって異常に引き出されているのだということを、彼は知らないのだが。 一方で、♂クルセイダーは思う。この青年の瞳はこのような色だっただろうかと。 赤いのは以前からだったように思う。だが、このように血を思い出させ...
  • 2-199
    199.鳥使いと虫使いと [定時放送後] 「…え、なに?」 日も落ち、視線の通らなくなった森の中。 野営の支度になるべく乾いた落ち葉を探していた♀ハンタが突然声を上げた。 木の枝で周囲をカモフラージュしていた♀スパノビも即座に立ち上がり、辺りへ警戒の視線を飛ばす。 その耳に遠くでギャアギャアと複数の鳥が鳴き交わす声が届いた。 「鳥さんですね?何か居ますか」 「…ううん。それが…よくわかんないの」 ♀ハンタは虚空へ向かってちちち、と舌を鳴らすような声を出し、首を傾げる。 「なんだか、怖いモノ?があっちにいる…らしいんだけど」 彼女は北を指さした。 「殺人者ですか」 「うう~ん」 ♀スパノビの問いに♀ハンタの首の傾きが深くなる。 「たぶん…違うと思う。…細かい質問は難しいからよくわからないけど…」 「なるほど」 鳥の言葉が分かると言っても限度はあるんです...
  • 2-114
    114.Devotion 私は、弱かったんだろうか。 薄れてゆく意識の中で、♀クルセは思っていた。 喉からひゅうひゅうと空気が漏れ、熱いものが流れ出していく。 私はここで死ぬんだ。 あなたを守ると言ったのに。 暖かな血と共に、命が流れ出していく。氷のように冷たい死が、全身を犯していく。 あの夜の底よりもなお暗い闇が、自分を飲み込もうとしている。 怖い。 鼻歌を歌いながら、道化師がやって来る。 怖い怖い怖い 9人分の死体をぶら下げて、後ろに4人を引っ立てて、鎌を担いでやって来る。 怖い怖い怖い怖い怖い そしてゆっくりと告げる。さあ♀クルセさん、お迎えに上がりましたよ。 怖い助けてこんなの嫌お父様お母様どうして死にたくない誰か――!! ぽつ、と胸に熱が広がる。ぽつ、ぽつ。 闇に包まれていた私の意識が一気に開けた。 ♂アルケミさんが泣いている。私を...
  • 2-115
    115.Land Seeker 放送後の島の最南端… 海を見下ろす岬の先端に、闇色の半径4メートル程の球形が形成されていた。 月光が皓々と辺りを照らす中、周囲の闇より遙かに暗いそれは、見方によっては底が見えぬ穴のようにも見えるだろう。 そしてあまりに不自然な『それ』の中心に、 「むう、こんなものかの」 やや不満げに眉を顰ませる女性…ミストレスはいた。 背の薄く光る蜻蛉のような4枚の羽と赤く輝く双眸は、彼女が人外であることを物語っている。 リーン…リーンリーン…… 波の音に混じって流れる高周波音…羽から発する震動音にあわせるように闇色の何かは形を変える。 時には空に浮かぶ雲のように、時には海底の砂泥のように。 …変幻自在なそれが何なのか語るまでもないだろう。 苦手な者(例えば♀ローグ辺り?)が間近で見たら卒倒すること請け合いである...
  • 2-193
    193.夜空に輝くもの [二日目 夜~定時放送前] 「おや・・。あのお嬢さんと♂騎士は生き残りましたか・・・。」 すっと左手でとんがり帽子のつばを持ち、帽子を被り直す。 「キキキー、主人ヨ、当てが外れたナ。」 いい加減重いので下ろしたデビルチが、♂WIZの反応が楽しみだとでも言うように、 見上げながら言ってきた。♂WIZはふぅ、とため息を漏らし、彼女たちがいる民家を見る。 「まさか、イグドラシルの実とは・・・。しかも半分にして使うとは・・・。  全く予想していませんでしたよ。あの状態で生き残れるとは・・・。  詰めが甘かったですね。やはり止めは刺すべきでしたか。完全に私のミスです。」 ♂WIZはめずらしくも自らの非を認める。デビルチは何度かうなずくと、 持っているトライデントで、件の民家を指した。 「反省もヨイガ、主人ヨ、こ...
  • 2-211
    211.鋼の意思 ♀BSはその輝きの中に炎を見た。 追い詰められ、全ての進路に深い闇を置かれて立ち尽くしていた♀BSには、その光に惹かれて歩み寄る事しか出来なかった。 それは緩やかに、穏やかに、同時に熱く、激しく♀BSに問いかけていた。 『……いらないのか?』 ♂スパノビが何かを言っているが、良く聞こえない。 『力が……欲しくないのか?』 欲しい。ずっと欲しかった物だ。 『力が無いから悩み、迷い、苦しむ。違うか?』 その通りだ。あたいはずっと……そう、思ってきた。 『全てを手に入れる力、欲しくないか?』 声は心なしか、♀BSの師の声に似ていた。 『強ければ、何も失わない。さあ、この力を手に取れ』 そう囁きかける声は父の声にも似ていた。 ♂スパノビがうろたえた様子でこちらを見ている。 見てな、あ...
  • 2-110
    110.眠れ、愛しき人よ 【朝方】 森の中に埋もれるようにして建つ小屋。 一度は激情に駆られて逃げ出したその場所に、♂騎士は今一度足を踏み入れた。 「♀プリ……」 床に広がる夕陽のように赤い血。倒れ伏す相棒――愛しい彼女。 中の様子は血が乾いているという違いこそあれ、彼に悪魔が降りた夕暮れのままだった。 転がる彼女の遺品――少女の日記と未開封の青箱。 それを拾い上げ、彼は自分の胸に抱きしめた。 そして、魂なき♀プリーストに視線を戻す。 一人倒れる彼女は、本当に孤独で、寂しそうで―― 「ごめんな、こんなところに一人にして。……寂しかったろ」 ゆっくりと彼女を抱き上げる。 氷のように冷たい体が、彼女の死を♂騎士に改めて認識させた。 「……馬鹿だな、俺」 わかっている。殺したのは他の誰でもない、この自分だ。 木陰に遮られることなく、日の光を...
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