バトルROワイアル@Wiki内検索 / 「136」で検索した結果

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  • 136
    136.仇をもとめ・・・ 傷の手当てをして爆発の中でも無事だった荷物をまとめ。 ♂騎士の形見となったコットンシャツを身に纏い、無形剣を帯びて♀騎士は歩いていた。まだ傷は癒えきっていない。 ♀ハンタをみつけ、♂騎士の仇を討ちたくてたまらなかったが、さすがに時期尚早と言えた。 (まずは傷を癒して、十分に動けるようにならないとな。今のままあのハンタに挑んでもやられるだけだ。) (♂騎士・・・。お前のおかげで、わたしは恐怖からも、命までも救われた。絶対に仇は取るからな・・・。) わずかな時間ではあったが、相棒であった♂騎士を思い出し。また涙があふれそうになる。 きっと唇を引き結び涙をこらえてまた歩きだす。あるくたび、体のあちこちが痛む。 (せめて傷が癒えるまでは、あのPTに世話になるべきだったかもしれないな・・・。) (もう過ぎ去ったことを考えても仕方が...
  • 2-136
    136.上等な肉 灯台の頂点。 今そこには、一羽の鷹がいる。 その鷹は弓を提げ、辺りを見回す。 ―――さぁて、聞いた話しに間違いがなけりゃアイツが居るのはこの島だ。 とっとと行ってやりてぇのは山々だが、流石のオレサマも手掛かり無しじゃぁ見つけられん。 ……そうだな。 島に残ってる物好きな同族から、色々聞いて回るとするか。 そして、鷹は灯台から西に向け飛び立ち。 一刻ほど飛んだところで、それに気付いた。 ッ!? 風を切る音。 聞こえた瞬間その鷹はそれが何による音かを直感し、それをわずかに視認するとすぐに回避行動を取る。 少しばかりの痛みが走り、頬を浅く裂いたのは一本の矢。 ♂ローグは茂みの中から空に向けて弓を構える。 空には一羽の鷹。 正確に狙ったつもりだったが、その鷹は避けた。 自分の狙いが甘かったのかもしれないが。...
  • 135
    ...34 目次 136
  • 137
    ...目次 進む 136 目次 138
  • 目次2
    ...DOP、♀騎士 136.仇をもとめ ♀騎士 137.緊張の対峙 DOP、♀騎士 138.死を担う物 ♀アサシン、♀ローグ、♂プリースト 139.温もりの笑顔と冷たい笑顔 ♀アルケミスト、♀セージ、♀WIZ、♂アーチャー、♂BS 140.花婿と花嫁 序 ♂BS、♀BS 141.篭絡 ♀ハンター、深淵の騎士、♂アルケミスト、♂アコライト 142.短距離ランナーと長距離ランナー ♀アサシン、♀ローグ 143.花婿と花嫁~次 ♂BS、♀BS 144.花婿と花嫁~二人は永久に ♂BS、♀BS 145.ローグ姐さん ♀ローグ、バドスケ 146.不味い飯 ♂ローグ、♀クルセイダー、♀アーチャー、アラームたん、子バフォ 147.惨劇 ♂アルケミスト、♂アコライト、深淵の騎士、DOP...
  • 036
    036.狂気 「くっ、もう5人も犠牲者がでてるのかっ、急がなくては」 ♂モンクはGMを倒すべくGMの元へと急ぐ。 「奴らが倒れればこの無益な戦は終わるはずだっ…む!?」 そこに1人の男が立ちはだかった、その男は巨大なカートを引いていた 「BSか…、俺はアンタらとやりあうつもりはない、引いてもらえないか?」 「……」 彼は答えなかった、争うつもりはないのだろうか?そう思ってた矢先カートを担ぎ上げ♂モンクに襲い掛かった 「くっ…やめろっ、無理にやりあう気はないっ!」 そう説得するも彼は攻撃を止めなかった 「ちいっ、仕方がない、殺しはせんっ、だが暫く眠っていてもらうぞ。はっ」 ♂モンクは♂BSに発勁を放った、吹っ飛ぶ♂BS、しかし♂BSは何事も無かったかのように立ち上がった 「……」 「なっ…こいつ強...
  • 第二回目次2
    ...-8 不明 136.上等な肉 ♂ローグ、ふぁる I-6 2日目朝 137.姉妹 ♀スパノビ、♀ハンター D-6 定時放送②前 138.彼女は弱みを見せはしない ♀アルケミスト、♀BS、♂スパノビ、淫徒プリ F-6 早朝 139.殺せっ ♂マジシャン、♀マジシャン C-6 定時放送②前 140.♂WIZの思考(嗜好) ♂WIZ E-7付近 定時放送②後 141.この出会いは幸運か不運か ♂ハンター、♀アーチャー、ジルタス、ミストレス G-5(G-6境界付近) 不明 142.目覚めは恐怖と共に ♂アコライト、ホルグレン、蟲 G-6 不明 143.世界せーふくの才能 悪ケミ、忍者 灯台(J-6) 2日目午前中 144.Goodbye my princess ...
  • 131
    131.狩人の思惑 しんと静まり返った森の奥深くに血走った眼をギラつかせて ♀ハンタは仮初の休息をとっていた。 「あのクソ♀騎士・・・あいつだけは絶対私が殺してやるから」 怒りの表情を浮かばせた向かってきた♀騎士の顔を思い出すだけで吐き気が込み上げる。 鞄から取り出したお粗末な食事を水で無理矢理喉に流し込む。 とてもじゃないが飢えを癒す気分ではない。 しかし今は体力を回復させ苛立った気分を落ち着かせなければ あの女を殺すどころか別の参加者に倒される事になる。 落ち着け…そして考えろ。 最後の一口をろくに噛まずに飲み込みそのまま目を閉じる。 私は冷静沈着な狩人だ常に上位にいなければいけない。 あくまでも狩る側に立たなければ…獲物なんてもってのほかだ。 精神を集中させろ…私が見るのは敵の心臓のただ一点だけだ。 ♀騎士の返り血を全身に浴びなが...
  • 2-236
    236.誤解する人々 [3日目未明] 「遅いですね」 ♀商人が木立に入ってからしばらく経ち、♂セージは首を傾げた。 女性のお手洗いは長いというが、それにしてもずいぶん遅い。 彼は淫徒プリをそっと揺さぶった。 「…ん?はい?」 「すみません、♀商人が排泄に出て戻りません。何かあったらいけないので見てきます」 「はい…って、ちょっと」 頷いた淫徒プリの眠たい眼がそのまま半眼のジト眼に移行する。 「なんでしょう」 「女の子のトイレ覗く気じゃないでしょうね」 「そんな趣味はありませんし、彼女にも来るなと言われました。ですがそれだけにしては遅すぎます」 淫徒プリは首を傾げた。 「ちょと遠くまで行っただけじゃないかしら」 「声の届く範囲に居て下さいと言ったのですが」 「…じゃあなおさら遠くまで行ったかもしれませんよ」 「そういうものですか?」 わけが分からない...
  • 133
    133.道ヲ求メル者 その二人はすでに満身創痍で地べたに横たわっていた だが、その顔に浮かぶのは達成感による喜びであった 「この毛艶、筋肉の張り、食欲、どれをとっても今まで見たペコペコの中でも最高級だ、そうは思わないかクルセの」 「まったくだな騎士の」 感涙に咽ぶ二人の飼育係を気にもせずペコペコはペットフードを啄んでいる 「だが、判っているなクルセの」 「おうよ、確かにここまでは我ら二人の力を併せて為してきたことだ」 言うと同時に二人は気力を振り絞り立ち上がり相対する 「「だが」」 「我らは騎乗用ペコペコを飼育管理する者!」 「優れた乗り手無しで最高のペコペコたる道理無し!」 二人の理想はある一点においては同じであったがまたある一点において決して交わることのないものであった 「どうしても曲げることは出来ないのか?クルセの」 「それはお互いさまだろう?騎士...
  • 138
    138.死を担う物 「ちょっと先行ってて、やらなくちゃいけないことが出来たみたい」 「おい!いきなりな……に……を……」 そう言って振り向いた♀アサシンの顔に♂プリーストは言葉を失った。 そこには一切の感情は無く、冷徹な眼差しだけがあった。 「私なりのけじめってやつよ、心配しないですぐ終わるから」 反論も許さず駆け出す。 「お、おい…」 頭では追いかけるべきだと判っていたが体がまったく動かなかった。 (やれやれ、あれが全開のアサシンってやつかよ…) 一般的に戦力としての暗殺者の評価は決して高くない、♂プリースト自身もその評価が真であり全てだと思っていた。 (あんな殺気常日頃から放ってたら周りの人間もさることながら本人もまともじゃいられねえわな) 暗殺者達は敢えて弱者の名を背負っていたのである、無用な殺しをせぬためにそして己が人であるために。 (血の臭...
  • 2-036
    036 暗い森の小屋  幸いにして、森の中に半ば埋もれる様にして立っていたその小屋の中には、申し訳ばかりの中身が入った救急箱が置かれていた。  ♂騎士は、その汚い小屋に据えられていたベットに上半身を包帯でぐるぐる巻きにして横たわっている。  手当てと言うには余りに稚拙なそれは、♀プリーストが他の二人を制して彼女自身で巻いた物だった。  ベットに縋りつくようにして、緊張の糸が切れて眠っている彼女を見ながら詩人はピュウ、と口笛を吹く。  踊り子は、と言うと唇を苦笑めいた形にしていた。  彼は、幸せな男だ、とダンサーは思う。詩人は一体何を考えているのか軽薄そうな顔を貼り付けたままだった。  やがて、一度呻きを上げたかと思うと、♂騎士が目を覚ました。  踊り子が体を起そうとした彼の胸を、首を振りながら押さえる。 「ぐ……っ、ここ…は?確か俺、ローグに撃たれて…...
  • 130
    130.笑う男 ♂ローグ達はアルデバランに向かって歩いていた、そこに一人の男が寝ている 事に気づいた 「おい……こいつ、寝てるのか?死んで…はいないよな?無傷のようだし」 よくみると男はセージのようだった、満面の笑みでイエロージェムストーンを 散らばせたまま倒れている 「ちょっと待っていろ……脈拍がない、死んでいる」 ♀クルセが生死を確認したところやはり死んでいるようだ。 「うーん・・・安らかな寝顔ね、何かいいことであったのかしら?」 「多分油で何かをしようとしたところインスタントデスが出て死んだんだな」 そんなことを話しながら♂セージの死体の周りに散らばるイエロージェムストーンを ♂ローグは集めていた 「何かの役に立つかもしれないからもらっておこうぜ。…ん、これは?」 ♂セージの所有物から大きな箱が出てきた 「お、こいつまだ空けてなかったのか、ちょうど...
  • 113
    113.エグゼクター 「……もういい、こうなったら他人を利用してでも生き延びてやる」 小一時間ほどorzした後、半ば自棄っぱちに♀アサシンは呟いた とにかく誰かと会おう。出来れば無抵抗な相手かゲームに乗っていない相手と そこで信用を勝ち取って武器を盗めれば、そのままゲームに乗ればいいだけだ もし武器を持っていなくても、逃げる時の囮くらいにはなるはずだ だが、そうするとしたらうさみみにスマイルマスクは流石に妖しすぎた そんな格好の相手が「敵じゃないぞー」と出てきたところで信用するか? 誰もしない、絶対にしない、むしろ出て行った瞬間攻撃される 「そうなると、うさみみかスマイルマスク、どちらかが邪魔ね…」 妥当に考えて捨てるべきはスマイルマスクだろう。流石にこの笑顔は不気味すぎる もって行くにしても少々かさが張るし、着けないならば捨てていくのがいい...
  • 134
    134.悪魔対悪女 ♂マジの遺体を埋葬する悪魔プリ。 だが、♂マジの行為を責める気は起きなかった。 『私だって……同じですから』 思い人を無くした時の絶望はそれを味わった者にしかわからない。 自分の場合はすれ違いと勘違いの為せる技であったが、彼女の場合はそうではなかったのだから。 「ふふっ……いつのまにか私、彼の事を彼女って思ってます。……でも、確かに彼は彼女でした」 埋葬が終わり、祈りを捧げる悪魔プリ。 それは悪魔プリにとって、いや全てのプリーストにとって欠かすことの出来ない行為であるが故に、容易に予測可能の絶対的な隙となってしまったのだ。 「ひうっ!?」 背中に短刀を突き立てられる悪魔プリ。 それを為した♀ローグは、力一杯その突き刺さった短刀、ダマスカスを下に押し下げ、悪魔プリの背中を縦に引き裂く。 悪魔プリは即座に護身の為の行動に移る。 速度増加を唱...
  • 132
    132.迷宮の森 プロンテラ北に位置するそのダンジョンは通称「迷宮の森」と呼ばれている。 どんなに方向感覚に優れている者でも、自らの位置を把握しそこねる。 それは例え何らかの手段で自身の現在位置を正確に把握出来る者でもだ。 ♂BSはとても迷っていた。 「…………」 そこに何者かが入るのに気付いた♂BSは、迷うことなく森に入り、見事完全に迷ってしまった。 「…………」 困った。彼はこのゲームに参加して以来初めてそう思ったのであった。 バフォメットJrが先行して案内する迷宮の森は、極めて快適な旅となった。 「ほっほ~。お前でも役に立つ事あるんだな」 珍しく感心した♂ローグの言葉にバフォメットJrはJTで答える。 すぐ側の木が轟音と共に倒れ、♂ローグは表情をひきつらせる。 「ふむ、確かにここを迷うこと無く突破出来たのは私も初めてだ。見事だぞバフォメッ...
  • 詳細情報男性
    ...闘(捕食目的)(2-136)→策を悟られ、逃げられる(2-148) I-6で忍者、悪ケミを襲撃→忍者を殺害(2-169) G-7で♀ノビを殺害(2-197) F-6で♀BSPTを襲い(2-224)、♀BSを毒状態にするが自らも足を負傷し離脱、痛み分け(2-226) F-6で♂スパノビを再度襲う(2-244)が、♀アルケミにクロスボウで殺される(2-247) 020.♂アルケミスト <初出:2-020話> <死亡:2-208話> =特徴= [容姿]BSデフォ・青(csm 4j0g50k2) [口調] [性格] [備考]BRに反抗するためゲームからの脱出を図る、ファザコン気味?、半製造型(2-055)      メマーナイトなし?(2-187) =所持品= マイトスタッフ(2-055)→♂プリーストが持つ(2-208) 割れにくい試験管・空きビ...
  • 139
    139.温もりの笑顔と冷たい笑顔 「待て、止まれ」 突然の静止命令を聞いて、止まる。 「見ろ…誰かが通った後がある…この方向は、迷いの森か…?」 地面を調べつつ、ブツブツとセージは何かを考えているようだ。 「この足跡の主は乗っているか否か…多数の足跡がある…きっとパーティを組んでいるな」 「ほなら、うちらと同じでなんや考えてるかもしれへんなぁ」 「…待て、そっちから誰か来るぞ。一旦身を隠そう」 森の方から聞こえる足音にただならぬ予感を感じたので、オレ達は少し距離を置いて様子を見ることにした。 「あれは…♂BSか…一人のようだ」 視界のぎりぎり届く範囲に写る人影を見、詳細を報告する。 「得物はブラッドアックス、スマイルマスク…右腕が無い… 見る限りでは相当殺しまわってるようだが…む?」 確かな殺気を覚えた。馬鹿な、この距離で弓手以外が相手を捕捉出来るわ...
  • 013
    013.究極の知能の融合 オレはこいつらと生きて帰る…。 将来を夢見てひたすら修練に励んだ日々を、あのバカなGM達によって崩されると思っていた。 しかし、天はまだオレを見放していなかったようだ…必ず、復讐してやる…。 時は少し遡る… あてもなく、生きることを諦めた人形のように、オレは歩いていた。 的にでもされて、自分でも気付かずに死ねれば、それはどんなに楽なことだろうか。 視界が暗転する。 どうやら、草で編まれた単純な罠に引っかかったようだ。 「両手をあげて、おとなしくせぇや」 頭上から声がした。 ああ、オレはここで死ぬんだな…と思いながら、両手をあげてその場に棒立ちになる。 今まで神を信じたこともなかったが、目を瞑って、最期に思いきり空気を味わおうとした。 「って、あんた…支給品あけてすらいないんだ?」 突然の声に、はっと息を呑む。 いつものオ...
  • 詳細情報特別
    ...♂ローグと戦闘(2-136)→危険を察知し飛び去る(2-148) E-5でミストレスと戦闘、撃退する(2-203) ※BR参加者とは見なされない。
  • 2-138
    138 彼女は弱みを見せはしない 黒焦げの燃え滓となった♂BSの死骸に土を被せながら、♀アルケミストは素早く胸中で計算を始めていた。 (これならまだ、初心者用ガードの方がマシだったわね……) 使えないにも程がある。俺は戦闘専門だから任せておけとか大口を叩いていたくせに、あんなひ弱そうな♂剣士に殺されて、なんて情けない男なのだろうか。 しかも、死体の後始末を私にやらせるなんて何様のつもりだろう無能のくせに。 人目が無かったら、蹴りの一つでも入れてやりたいところだ。 これならお預けにしておいて正解だったかもしれない。愚図を飼っていられるほど、今の状況に余裕はないのだし。 そう……余裕は無い。私の盾として使える人間が、一気に二人も減ってしまったのだから。 ♂BSを埋めた穴の隣に、これまた似たような穴を掘っていた♀BSがダンサーだったモノへ丁寧に土を被せていた。♀BSの顔...
  • 213
    213.狼煙 先ず最初に♂ローグを出迎えたのは、拍手だった。 ♀ノービスを切り殺した時と、まるで変わらない衣装の秋菜が、進んでくる彼を見つめながら、手を叩いていた。 ぱちぱち。ぱちぱちぱち。 その周囲では、生気の無い顔をしたGM達が同じように、全く同一のリズムで手拍子を打っている。 ぱちぱち。ぱちぱちぱち。 耳障りな音だ。ローグは顔をしかめる。 塗装も無い簡素な木組みの棺を、ずるずると引きずりながら歩く彼は、秋菜の前で足を止めた。 「おめでとーございまーすっ。最後の最後であの大番狂わせ。もーっ、秋菜、惚れ惚れしちゃいましたっ♪」 「んなこたどうでもいい。とっとと、このクソ忌々しい首輪を外してくれねぇか?」 朗らかに言う秋菜に、♂ローグは窮屈そうに首輪を弄びながら続ける。 「こんなもん着けてると蒸れていけねぇよ」 「ハイハイ。秋菜、わっかりましたぁ♪」 ぴょ...
  • 2-133
    133 ミッシング・マップ [第2回定時放送より30分以内] ざざぁと静かに打ち寄せる波が、心を落ち着かせてくれる。 海は穏やかだ。晴天にきらめく日差しも心地よい。 隣ではデザートウルフの子供が暢気に、砂浜をごろごろと転がり回って遊んでいる。 その空間だけを切り取るならば、そこはとても平和な空間であった。 しかし。 「・・・・・・困った」 傷はまぁいい、雀の涙ほどの効果ではあるがヒールで多少痛みは和らいだ。強調する部分は「多少」。 いつの間にか昇っていたお日様が、服もある程度は乾かしてくれている。強調する部分は「ある程度は」。 彼女――♀アコライトはたった今、GMジョーカーの定時放送が流れてきたことによって目を覚ましたのだが、問題はその定時放送だった。 新たな禁止エリアが発表された。♀アコライトもすぐに地図を確認しようとしたのだが、そこで地図は♂クルセイダ...
  • 2-135
    135 人ではない者達の遭遇  ずるり。ずるずる。  ずるずる。ずるり。  薄い、無臭の粘液を足跡として、蟲は進んでいた。とうに血の後は地や草木にふき取られている。  獲物を求めてしばらく、奇妙な気配をやや遠くで見つけてからは本能的にそちらへ向い出した。蟲にとっての獲物よりは近い種の王の下へ。  ずるり。ずるずる。  ずるずる。ずるり。  ずるり。ずるずる。  ずるずる。ずるり。  ふと、ただ草木だけが立ち並ぶだけの周囲に小さな異変が起きた。行く匹かの小さな小さな羽虫が、蟲を見つけ観察するかのように遠巻きに回りだしたのだ。  空中のそれを察知する術を持たないのか、それとも無視しているのか、蟲は変わらず進む。  ずるり。ずるずる。  ずるずる。ずるり。  ずるり。ずるずる。  ずるずる。ずるり。  ずるり。ずる… 「ほう」...
  • 2-013
    013.商人の生きる道 「っつ~…」 窮屈な格好で目を覚ました♂商人は、後頭部の痛みにすぐさま縮こまることとなった。 そっと撫でるとひどいコブができている。 割れてはいないのがせめてもの救いか。 「何があったんだっけか」 この島に来てからのことを思い返す。 『愉しい悦しい殺し合いゲームの始まりです!』 その言葉と共にポータルで飛ばされた彼は瞬時に他の地点に現れ―― 着地と同時にバランスを崩した。 『…はいいっ!?』 出現地点はかなり急な斜面だったらしい。 なんの心構えもなかった♂商人はひとたまりもなく滑り落ちた。 「あ~そか。転がって何かにぶつかったんだ、俺」 彼を受け止めたらしい立木を背に、転げ落ちてきた斜面を見上げた。 「カート取り上げられてて助かったかもな、こりゃ」 高低差にして5m、距離にすれば10m程も転がり落ちたらしい。荷物を満...
  • 2-134
    134 数奇な出会い[第2回定時放送後] 2回目の放送で彼女の名前が呼ばれるであろうことはわかっていた。 そのことで♀騎士の笑顔が、また遠いものになってしまうこともわかっていた。 この世界では死んだ人間が生き返ることはない。そして殺したのは他ならない、この俺だ。 だけど─── 『まずは・・・♀剣士さん』 なにも一番最初に彼女の名前を読み上げることはないんじゃないかと思った。 おそるおそる顔を♀騎士の方へゆっくりと向ける。 ほら、やっぱり。 ♀騎士は出会ったときの今にも泣き出しそうな顔に戻っている。 いや、あのときはたしか、本当に泣き出しちまったんだっけ。 一見勝気そうに見えるつり目がうっすらと涙を湛え、こぼれ落とす準備を始めている。 小さくすぼんだ口がかすかに震えながら、けれど泣き出すことを懸命にこらえているようにも見てとれる。 ♀騎士の...
  • 2-137
    137 姉妹[第2回放送前] どうしようもないほどの悪夢。ううん、違う。これは現実。忘れようとしても忘れられないあたしの過去。 首を鎖につながれ、翼をもがれた一羽のあわれな大鷲がオリの中で好奇の視線にさらされている。 人の姿をしているのに口から出る言葉はたどたどしく、鳥と話すときにだけその口はなめらかに動いた。 サーカスの観客はそんな大鷲の一挙手一挙動に沸き返る。けれどそれは決して喝采ではなくて、嘲笑に過ぎない。 そう、あたしはただの見世物だった。 観客の受けが悪ければその日の食事はパンのひとかけらすら与えられず、鞭打たれ、 団員の虫の居所が悪ければ、熱湯をかけられ、蹴られ、唾を吐き捨てられた。 そのうちにあたしは人をまともに見ることができなくなり、 月日が流れ、あたしは人を見るだけで知らずガクガクと震えるようになっていた。 そんなある日のこと...
  • 2-130
    130 GMの疑念[放送直前] 『つまり、貴方は夢の中でこの幸せゲームらしきものを主催していた、と言う事ですか』 『え、ええ。そう言う事になりますね。…所詮夢の出来事ですけど』 「ふむ…」 文書化された盗聴記録を読み終え、GMジョーカーは切れ長の目をゆっくり閉じた。 椅子に深々と背を預け、机に脚を乗せて天井を振り仰ぐ。 そのまま長い沈黙が流れた。 「どうしました?彼女が疑わしいのは間違いないと思いますが」 記録文書を持ってきたGM橘がせっつく。 しかしGMジョーカーは視線を下ろそうともしない。 「これで全部ですか?」 「全部とは?」 「彼らの会話ですよ」 何か物足りなそうに言うジョーカーに、GM橘は少々いらだたしげな顔をした。 これだけあれば充分ではないのか。 「前半は分かりません。私が聞いたのは報告があってからですから。それ以前の部分については...
  • NG2-36
    NG.定時放送③ 黄昏時を過ぎ、月と星が夜空に浮かんだころ、男の声が島中に響きはじめた。 聞き覚えのある嫌らしいまでに慇懃な彼の声は、参加者全員にとって忘れることなどできようもない。 GMジョーカーの3回目の放送がはじまったのであった。 「・・・・・・はい、皆様、2日目はいかがお過ごしだったでしょうか。ジョーカーです。  さて、私がこれからなにを伝えるか、聡明な皆様方でしたらもうご存知かと思われます。  それでは以前の放送からここまでの死亡者を読み上げさせていただきますよ。  そのあとで禁止区域の決定も行います。どうかお聞き逃がしのないよう、よく耳を傾けてお聞きになってくださいませ」 参加者もこのときばかりはGMジョーカーの声を聞くしかない。 禁止区域は自分がいる場所かもしれないし、参加者の誰が死んで誰が生き残っているかを知ることは、 これからを生き...
  • 2-139
    139 殺せっ [第2回放送前] この島に来て、はじめての夜が明けた。 気になったことといえばどこからか梟の鳴く声が聞こえたくらいで、 それ以外はバトルROワイアルの名にふさわしくない、本当に平和な夜だった。 けれどローブの中に隠し持ったスティレット、刀身を浸食した赤黒い色が俺に現実を、 この島における絶対不可侵なルールを俺に教えてくれる。 スティレットを右手に握り締めたまま、獲物を狙う蛇のようにゆっくりと視線を左隣りに流す。 疲れ果てているのであろう、貪るように眠り込んでいる俺と同職の女がひとり。 つるんと長くのびたまつげが閉じきった目蓋に、けして起こさぬようにと自己主張しているように見える。 お世辞にも色気があるとは言えない体つき、 短くまとまった薄い褐色の髪がこの魔導師の少女にまるで年端もいかぬ少年のような印象を与えている。 しかし、彼...
  • 2-131
    131 進め、生きるのならば [放送直後] 何処からか響く道化の声。 告げられる死者の名の中には、もちろん『彼女の名』も含まれていて。 ――♀クルセイダーさん。 ♂騎士はその名が聞こえた瞬間、彼の前で慟哭する青年へと視線をやった。 少しだけ落ち着いてきていた♂アルケミだったが。その肩が、再び震えだす。 (あぁ、♂アルケミ。本当にお前は俺と似ているな) もちろん死んだ大切な人のために泣くとはいっても、二人に違いはあったが。 ♂騎士は、手にかけてしまったことへの後悔。♂アルケミは、ただ虚ろに絶望する。 共通する感情は――この理不尽なゲームへの怒り。 慰めの言葉もかけてやることができずに。ただ、ほとんど見知っていない少女の為に祈りを捧げる。 ♂アルケミがこんなに大切に想う娘だ。きっといい娘だったのだろう。 ♂騎士はぼんやりとそんなことを考えていた...
  • 2-132
    132 人殺し達の戦い [第2回放送直前] 青箱に手をかける♀ノビを♂アサが止める。 怪訝そうな顔で口を開きかける♀ノビの口を、♂アサは手で塞ぐ。 「……人が来た。お前はここで待て」 そう小声で言って、すぐにその場を立とうとする♂アサの動きが止まる。 ♀ノビが♂アサの手を握ったままで居るからだ。 一瞬振り払おうと思った♂アサだったが、すがるような表情の♀ノビを見て考え直した。 『……くそっ』 心の中だけで舌打ちしながら、♀ノビの手を握り返す♂アサ。 「良く聞け。お前はそこの茂みに隠れて、俺が合図するまでその場を動くな」 「は、はい」 「そして俺が『貫け』と叫んだら、その場から真っ直ぐ前に向けてソードを突き出せ。腰の高さでソードを両手に持ち、体当たりする要領で全力で突っ込め」 その指示の内容に驚く♀ノビ。 「それがお前の役目だ。それさえ果たせば最悪の事態も回...
  • 2-113
     113.誰ぞ罪を償うか  がきぃぃん。  前触れ無く響いた金属音に♂アルケミストは振り向いた。  まず最初に彼を襲ったのは剣と剣が打ち合ったその音であり、次は混乱だった。  なぜなら。そこに居たのは冒険者であるなら誰しも見慣れている衣装の女性──つまり、カプラサービスの職員。  普段の温厚な眼差しが剥げ落ち、冷たい殺人者の目をしたグラリスが、♀クルセイダーと剣を打ち合わせていたので。  ♂アルケミの思考が混乱から覚めるのとほぼ同時にぎゃりぃっ、と言う音。滑る刃金に火花が散る。  彼は、とっさに手にしたマイトスタッフをグラリスの両手剣に叩き付けた。  ♀クルセイダーの得物は、一対一では両手で扱う剣に対しては余りも不利なので。  これは不意打ちだったらしく、驚いた様な顔でグラリスが弾かれたバスタードソードを両手で押さえ込んだ。 「…っ!!矢張り少し無茶だった...
  • 2-213
    213.異端 [2日目夜~深夜] 最初に起きたのは、♀マジだった。 ♀マジを背負いながら、騎士を乗せたペコペコさながらの疾走を披露した♀アコはよほど疲れたのか、いまだ轟沈していた。 ともかく先に起きた♀マジは、痛む片方の足を気にしつつ、先ほど急に直った♀アコの首輪について一考するのだった。 どうにも引っかかることがあったのである。 それは、この首輪がそう簡単に壊れるだろうか? ということ。 首輪は現在島で行われている殺し合いを殺し合いとして成立させるための、なによりの鍵だ。 壊れてしまいました、では済まない。 それに、この殺戮ゲームが過去に何回も行われているということから考えても、変だった。 管理側から渡された地図を見るに、自分たちの現在地が管理側に情報として送られていることは間違いない。 とすると、♀アコが禁止区域に入って無事だったことが伝わっていないは...
  • NG2-13
    復讐者と殺害者 一日目 夕刻前~夕刻  一人の男と一人の女。バードとグラリス。  けれども、そこに在るのはロマンスではなく交わされる鋭い視線だった。  水平に構えられた大柄のボウガンが、互いに互いの急所を狙っている。  落日は近い。遠く血の匂いがした。死が近く感じられる。そんな状況。  口を開いたのは、詩人だった。言いつつも片手で羽帽子を正す。 「血の匂いってのは消えないものでゲスねぇ。アンタ、一体何人殺してきた」  グラリスは、その言葉に眉一つ動かさない。詩人は言葉を続ける。 「答えない。堪えない。けれど応えるのは、貴女が手にした連弩って訳ですかぃ、アイアン・メイデン。  まぁ、それでもいいでしょうさ。ですが俺っちはそうムザムザと殺されはしませんぜ?  むしろこっちから御首(みしるし)を頂戴する勢いでさ」  それはそうだろう。とグラリスは思う。...
  • 詳細情報女性
    現在の状態  詳細情報 男性冒険者 女性冒険者 特別枠参加者 その他の人物 021.♀ノービス 022.♀スパノビ 023.♀剣士 024.♀マジシャン 025.♀アーチャー 026.♀アコライト 027.♀シーフ 028.♀商人 029.♀騎士 030.♀WIZ 031.♀ハンター 032.♀プリースト 033.♀アサシン 034.♀BS 035.♀クルセイダー 036.♀セージ 037.ダンサー 038.♀モンク 039.♀ローグ 040.♀アルケミスト 021.♀ノービス <初出:2-011話> <死亡:2-197話> =特徴= [容姿]髪型 ノビデフォ(2-011) [口調] [性格] [備考]死んだふり使用可(2-050) =遺 品= ポイズンナイフ(2-174)→♂ローグに奪われる(2-197) 包丁(♂ローグの手向け品)(2-197) ...
  • another2-13
    another 追憶の彼方 「おにーさーん、コレもう一本追加でー」  空っぽのワインボトルを指さして、マジシャンらしい少女が店員に声をかけた。 「それ3本目だろ? やめとけよ」  テーブルに向かい合わせに座る若いアサシンが溜息を付く。  それほど大きくないテーブルの上に彼女が開けたワインボトルと彼が飲んでいるマステラ酒のボトルが並んでいるせいで、つまみに頼んだトマトサラダとほぐした蒸し鶏を置く場所すら狭い。 「別にいいじゃない? 誰かに迷惑かけてるわけじゃあるまいし」  悪びれもせずに、彼女は店員が持ってきたワインをグラスに注いだ。 「一昨日も別の酒場で男3人相手に呑んだらしいな? ……相手を酔い潰したから良いものの自分が酔い潰れたらどうするつもりだったんだ」  蒸し鶏を器用に箸でつまみ上げて口に放り込み、グラスを傾けながら...
  • 目次
    バトルROワイアル 目次 001~100  101~200  201~A・Bルート完結  番外編 タイトル 登場人物 001.狂気の夜明け ♀GM秋菜、♀ノービス 002.青箱1ヶ、空ける ♂アコライト 003.嘘付きは商人の始まり ♀商人、♂ハンタ 004.狸 ♀商人 005.決意 ♂アサシン 006 ♂プリースト 007.弱さ ♀プリースト 008.悪人と ♀プリースト、♂ローグ 009.お約束 ♂アルケミスト 010.憤怒 DOP 011.利用 ♂WIZ 012.狩る者、狩られる者 ♀ハンター、♂商人 013.究極の知能の融合 ♀セージ、♂アーチャー、♀アルケミスト 014.正義の拳 ♂モンク 015.運の無い男 深遠の騎士子、♂シーフ 016....
  • 077
    077.定時放送2 「こんばんわっ、あなたのお耳の恋人GM秋菜です☆  みんな順調に殺してるねー、秋菜嬉しいわ♪」 日が傾いた頃に流れてきた、場に似つかわしくない能天気な声 それは何よりも憎むべきあの白い死神の声だった 「さあ、今回も嬉し恥ずかし死亡者公表のコーナー♪ ♂モンクさん バードさん 禿ちゃん ダンサーさん ♂クルセさん ♀アコさん ♂GMさん…あらら、もうちょっとネバってほしかったなー。残念っ♪ ♂ウィズさん ♂騎士さん 以上9名が死亡確認でーす♪この調子で皆さん楽しく殺し合いしましょうねー」 流れる名前にある者は舌打ちし、ある者は安堵の息を吐き、ある者は友人の死に呆然とする 「続いて禁止エリアでーす 赤芋虫峠 フェイヨン東側の森 ...
  • 037
    037.闇 俺は・・・誰だ・・・ ♂BSは記憶を失っていた、覚えている言葉はGMという女が言っていた「突然ですが殺し合いをしてもらいます」 の言葉だけだ。 俺は誰だ・・・思い出そうとしても闇が広がり頭が痛くなる。何も考えたくない。 「殺す」 殺せばいいのか?わからない、ただ俺の記憶にあるのは殺せと命じられたこと 「コロス」 もう考えるのも面倒だ、全員殺す 「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス  コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス...
  • 第二回目次
    第二回バトルROワイアル 目次(プロローグ~100) 001~100  101~200  201~300  NG話  番外編 タイトル 登場人物 現在位置 プロローグ 女王イゾルデ、内務大臣等 プロンテラ王城 承前 女王イゾルデ、内務大臣等 プロンテラ王城 001.惨劇開幕 GMジョーカー、♀モンク 不明 002.ご利用は計画的に ♀アコライト、子デザートウルフ(支給品) 島の東部 003.殺せぬ騎士 ♀騎士 東南部の森の中 004.指名 ♂アサシン 島の南部 005.暗殺者の美学 ♀アサシン 不明 006.夢の島 ♂騎士、♀プリースト、バード、ダンサー、♂ローグ 不明 007.地獄の煉火 ♀剣士、♂ノービス 島の西部 008.楽園 ♂WIZ 島の北...
  • 不具合01
    不具合解消報告(08/11) がプラグインと誤認されてしまう問題ですが、@Wikiが修正してくれました。この件に関してはめでたく解決! 一応ココもう少し残しておきますね。 一部のページが表示されない不具合について 現在、バトROワWiki内の一部のページが表示されない問題が起きています。 なんとか無理矢理お話が読めるようにしてみますんで、問題の完全解決まで少々お待ちください。 また、閲覧不可能なページを発見された方は下記フォームにてお知らせください。 よろしくおねがいします。 08/08 代替2-076? どうも文字数が原因かもしれません。 ↑のページの文字数が正常なアップロードが出来る限界のもよう。 08/09 ↑…みたいなこと言ってしまいましたが、状態表で多用している がプラグインと誤認されている可能性もあります。 を特殊文字表記...
  • 035
    035.選択肢  きゃりっ。♂アサシンは、不意に、自分の足元からそんな音を聞いた。  足をどけてみると…そこには、一枚のコイン。10000z金貨だった。そして、それは表を向いている。  一瞬、どうしてこんな高級貨幣が道端に転がっているのか、と考えてしまうのは貧乏人の性というものだろう。  それを拾い上げ、土を払って、しげしげと見つめる。  まーちゃん等は、意外と質量のあるこれを思いっきり投げつけて、相手を撲殺するのかもしれない。  世に言うメマーナイト、である。嗚呼、ブルジョワジー。  金の力万歳に万歳三唱。大合唱。  それはともかく。 「俺が持っていても、意味は無い」  というのだけは、確かだ。 「さて、随分と歩いてきた」  既に、砂漠と思しき地形はあっと言う間に超えてしまった。  距離感が妙な気がするのは…まぁ、深く...
  • 2-114
    114.Devotion 私は、弱かったんだろうか。 薄れてゆく意識の中で、♀クルセは思っていた。 喉からひゅうひゅうと空気が漏れ、熱いものが流れ出していく。 私はここで死ぬんだ。 あなたを守ると言ったのに。 暖かな血と共に、命が流れ出していく。氷のように冷たい死が、全身を犯していく。 あの夜の底よりもなお暗い闇が、自分を飲み込もうとしている。 怖い。 鼻歌を歌いながら、道化師がやって来る。 怖い怖い怖い 9人分の死体をぶら下げて、後ろに4人を引っ立てて、鎌を担いでやって来る。 怖い怖い怖い怖い怖い そしてゆっくりと告げる。さあ♀クルセさん、お迎えに上がりましたよ。 怖い助けてこんなの嫌お父様お母様どうして死にたくない誰か――!! ぽつ、と胸に熱が広がる。ぽつ、ぽつ。 闇に包まれていた私の意識が一気に開けた。 ♂アルケミさんが泣いている。私を...
  • 第二回目次3
    第二回バトルROワイアル 目次(201~300) 001~100  101~200  201~300  NG話  番外編 タイトル 登場人物 現在位置 時間 201.何も考えずに走れ! ♀アコライト、♀マジシャン、子デザートウルフ E-9 2日目夜 定時放送③前後 202.死神対死神 ♂クルセイダー E-3にはいってすぐ 2日目夜 定時放送③後 203.ふぁると♀スパノビだけがともだちさ ♀スーパーノービス、♀ハンター、ミストレス、ふぁる E-5南端 2日目夜 204.ひとりだけの世界 ♀BS、♂スーパーノービス F-6 2日目深夜 205.隠し味 ♂騎士、♂アルケミスト、♂プリースト、♂シーフ、♀商人、♀WIZ D-6 2日目深夜 206.信頼の意味 淫徒プリ、♂セージ ...
  • 第一回マップ
    禁止区域 第一回定時放送 港町アルベルタ 沈没船 砂漠の町モロク ピラミッド周辺 山岳の町フェイヨン 第ニ回定時放送 赤芋虫峠 フェイヨン東側の森 聖カピトーリナ修道院 オークの村 蟻地獄のある砂漠 第三回定時放送 国境都市アルデバラン アサシンギルド周辺 ゲフェン西門鉄橋周辺 ゲフェン東 ポリン島 第四回定時放送 廃鉱周辺 モロク—フェイヨン間南の橋周辺(moc_field13) ゴブリン村 サベージ親子の森(prt_field11) アルデバラン南 第五回定時放送 ゲフェン北東 砂漠の分岐 バッタ海岸 GH古城 クリーミーの野道
  • 129
    129.闇へと消えている記憶 ♂BSはむっくりと起き上がった 「・・・・・・」 右手がなくなっているな、まあいい。 右手を損失したがあまり気にしないそぶりで再び獲物を探し歩き出す。 探知機を見ると近くに人はいないようなので場所を変えることにした (♂WIZと♀ローグのハイドを見破ったのは実は探知機を持っていたらしい) 「・・・・一つ思い出した」 そういえば俺にはたしかかけがえのない大事な人がいた・・・誰だったか? まあいい、忘れた…。 ♂BS所持品、探知機所持していた 戻る 目次 進む 128 目次 130
  • 更新履歴
    43話までUP。あとNG関係もいくつか。登場人物とか直したいけど#contents構文が上手くいかん… -- ボ ス ケ テ 2005-11-10 14 29 10 何か、萌え板死んでるっぽい? -- 名無しさん 2005-11-12 11 46 40 今さらですが、第一回の目次を修正。(性別の表記漏れ) -- 名無しさん 2005-11-15 12 59 18 ↑おつかれれい。久々に読み返して、♂アルケミのギャップに悶えた。 -- 名無しさん 2005-11-15 19 12 06 第2回ROワの76話から97話までをUP完了 NGもちょこちょこ -- 名無しさん 2005-11-17 15 21 24 忍者の参考(アサシン物語}のリンクが切れていたので修正しました -- 名無しさん 2005-11-21 03 13 11 Webレンタルサービスの方か...
  • another2-06
    本編115と133の間の一幕 ミストレスは虫たちに言った。 「妾が探しておるのは人間ではなく器じゃ」 心なしかしゅんとしたように見える虫達。 「まあ良い、気にするでないわ。さて、いつまでもこうしていてもしたかあるまい。先を急ぐとしよう」 てくてくと歩き出すミストレス。 歩き行く先に何やら人影が見える。 器の気配はしない。 てくてくてくてくてくてくぶしてくてくてくてくてくてく さりげなく倒れている♀アコの顔を踏んでいるのだが、いっそ感動的な程にスルーするミストレス。 「空を飛べぬというのは不便な事よのう、足の裏とかに変な物とかついておらぬか?」 他の虫より一回り小さな虫がぶんぶんと返事をする。 「はっはっは、人菌えんがちょーだと? まったく何処でそういうのを覚えてきたのだお前は」 何が楽しいのかからからと笑いながらミストレスは歩き続けるのであった...
  • 2-148
    148.殺人者VSファルコン 「この・・・・・・トリ公が・・・!」 ♂ローグは、全身に作った細かな傷口に苛々していた。どれも浅いものだし痛み自体は気になる程ではないが、相手ははじめに矢が一発掠ったきり無傷、自分はこの有り様。一方的にやられっぱなしなのが、彼にとっては癪だった。 とはいえ、彼の対峙している相手――ファルコンは、標的が小さい上に動きが素早く、何より空を自分の領域とするその攻撃は、360度立体的な軌道から成り、未だに掴めない。このまま攻撃を外し続けると、無駄撃ちしてしまった矢もバカにならない。 人間様より狩り辛いじゃねぇかよ、と♂ローグは吐き捨てた。 だが、こいつは野性の動きではない。自分を狙っている人間を恐れず、逃げるどころか挑発に乗るように攻撃を仕掛けてくるとは。 何より、野鳥は鳥のくせに滑稽なヘアバンドをつけていたりはしない。 「・・・・・・オイ...
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