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ハイ・バトルメード - (2008/11/30 (日) 11:08:06) のソース

#image(HiBattleLOGO.gif,center)

L:ハイ・バトルメード = {
 t:名称 = ハイ・バトルメード(職業)
 t:要点 = 箒型銃、かわいい、派手なエプロン
 t:周辺環境=市場

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#center(){&font(b){設定文章}}

#image(Himaid.jpg,center)

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バトルメードを語るに当たって、必要なことは三つであると言われている。
即ち、メードとしての能力、戦闘員としての能力、そして三つ目が、

&sizex(6){かわいさ}

である。異論は認めない。
この三つを兼ね備えているものだけがバトルメードと呼ばれ、国民の尊敬を一身に受けるのだ。

だが、バトルメードという職業は、ただその呼称のままであってよいのだろうか。
発展形としてハイパーメードお局さんや隠居したメードさんが存在することは事実である。
しかし、そこには残念ながら一種のネタ精神が存在するように思えてならない。
そんなものもなく、全くの現役メードで、三つの要素が高まった者はいないのか。
いるとして、その者もただバトルメードと呼んでよいものか。
答えは否。断じて否である。
これがビギナーズ王国立メード協会の公式見解である。

協会で次に上がった議題は、呼称であった。
そういうメードが居るのは間違いない。主な出没地点は市場らしく、目撃情報も多数出ている。
ならば呼称を考えてやらねば、メードのもつ能力に対して非常に失礼である。
では、その呼称はどうすべきか??
この議題が出てからの数時間、会議は今まで見たこともないほど踊り狂ったという。
以下にその一部始終をお送りする。
まぁ、それ以外の部分はただうんうん唸るかクロスカウンターかましているかのどちらかだったので、実質ここだけが会議の肝とも言える。

 ハイパーメードだけとかは?
 お局さんなめてんのか貴様ー!お局さん馬鹿にするやつぁ俺が許さんぜよ!
 馬鹿にしてねょ!

 バトルメードセカンドとか、どーよ。
 略せないじゃん。
 あー……せ、セカンドさんとか。
 却下。

 ウルトラスーパーデラックスメード!これでどうだ!
 U(ウルトラ)S(スーパーに)DM(ダメ)じゃボケッ!

 サブタイつけるとかは……だめかなぁ。
 サブタイツだとぉ?!
 ……はい、粛正ー
 (バックに流れる人がボコボコにされる音)

等々、くだらない意見から有用な意見まで雑多に飛び交い、拳も飛び交い、ハリセンも飛び交った。
そしてまともに話し合っている者が少なくなったころ、頬を会議開始の2倍くらいに腫らした人間の言葉で、それは終了した。

「あーもう、あれでいいんじゃない?ほら、あの某伊達じゃないメカの発展形みたいなやつで。ACEもそれついてるし」
「あ、じゃあそれで」

こうして、長い長い会議の末に彼女たちの呼称は決まった。
それこそが、

ハイ・バトルメード

日本語表記でHiとすると会議に参加した面子が怒るので注意である。


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男達の尊い犠牲(ムダ時間的な意味で)によってハイ・バトルメードはその名前に力を持った。
丁度その頃、本人の与り知らぬところで名前がグレードアップした一人が市場にいた。

箒の藁から柄、内部の銃構造に至るまで余すところ無く手を加えたカスタム箒を背負い、
バトルメードらしからぬ、バトルをまったく意識しない派手なエプロンを身に纏う。
エプロンを留めるリボンは長すぎて大きすぎて、まるでマントの様に彼女の歩いた跡に広がった。
常にたたえている微笑みはすれ違う人をすべからく笑顔にし、
漂う髪の香に人々は恍惚の笑みすら浮かべる。
これが、一歩上を行くバトルメードの姿である。
その姿は、まさしくハイと付くにふさわしいものだった

さて、そんなすばらしい彼女が市場にいる理由がなぜかとお思いの方も多いだろう。
ずばり言おう。それは、戦いのためである。
そうでなければ先述の容姿を持つ彼女がここに来る意味はない。
屋敷についている他のメード、その数20。
そのことごとくが敗れた相手がこの市場にいる。
真の強者とは、日常の中に潜んでいるものなのだ。
数多くの戦場を渡り歩いてきた彼女も、多少の緊張を味わっていた。
今日ここで自分が勝たなくては、我が主人に、我が屋敷に明日は無い!
目的地の前にたどり着いた。足を止める。
ここからは覚悟だけが己の武器となる。
そしてその覚悟は、もうできていた。
意を決して足を踏み出す。いざ!

「あい、らっしゃい!」
「こんにちはー」

値切り勝負(VS八百屋の親父さん)開始っ!


「うーん……初めて来たけど、おじさんなかなか気合が入ってるわねぇ、いい色してるのばかり」
まずはハイ・メードのジャブから試合は始まった。持ち上げることは基本中の基本である。
「へへ、お嬢さんも口が上手いねぇ」
おじさんの伝家の宝刀『だからって値切らないよ(言外に)』反撃が突き刺さった。これは痛い。これで来ると次の手を打ちづらくなるのだ。これにハイ・メードはどう返すのか?
「あら、そういうおじさんも、その口でこんなにお店を立派にしたのではなくって?」
ハイ・メードがさらに持ち上げる。しかもおじさんの反撃を巧みに利用した反撃の反撃だ。
「お、嬉しいこといってくれるじゃないの」
流石にこれはおじさんも揺らいだようだ。やはり客は顔なのかおじさん。
「お世辞じゃなくて本心よ?本当のことしか言わないのが信条なの」
笑顔でダメ押しの一手。さらに押すハイ・メード。
「あっはっは、いやー、嬉しいねぇ。こんな若い娘さんにそこまで言われたの初めてだよ」
「それは他の人の見る目が無いのね」
「違いねぇ!さ、お嬢さん、何にするんだい?」
満面の笑みを浮かべて手を叩くおじさん。
この時点で勝負はハイ・バトルメードの勝利である。
もうおじさんは言われるがままに値切ってしまうだろう。
まぁ、こんなかわいらしい娘さんにほめられているのだ。最初っから不利だったぞおじさん。
ついでに言うと、この後の方が大変だぞおじさん。
そこには、笑顔の仮面を被った鬼が待っているのだから……



数分後、ホクホク顔で両手いっぱいの野菜を持ったハイ・メードが店から出てきたという。
おじさんの顔色は、ナスのように青かったと、その時一緒にいた客は後に語っている。


/*/

若干ひどい話もあったが、どれだけ彼女がメードして優れているか、その一端を垣間見ることができたと思う。
見ることはできなかったが、戦闘員としても優秀なのは間違いない。
話では暴動が起きた際に町内の迷惑になるからという理由だけで単騎駆けし、暴動を鎮圧してのけたという。
おかげで町内ではそれ以降暴動が起きることは無かったという。
まさしくハイが……と二度同じことを言いそうになるくらい、彼女たちはすごい。

ビギナーズ王国の新しいメードの形、ハイ・バトルメード。
そう認定される者が増えるのも、そう遠い話ではないかもしれない。

#right(){絵:yuzuki/文:里樹澪}
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