(裁定の謄本の送達)実意
第八七条
特許庁長官は、第八十三条第二項[通常実施権設定の裁定]の裁定をしたときは、裁定の謄本を当事者及び当事者以外の者であつてその特許に関し登録した権利を有するものに送達しなければならない。
2 当事者に対し前項の規定により通常実施権を設定すべき旨の裁定の謄本の送達があつたときは、裁定の定めるところにより、当事者間に協議が成立したものとみなす。
旧法との関係 当該条文なし
趣旨
本条一項は、裁定があった場合にその裁定の謄本を送達すべきことを規定する。送達の名宛人は当事者(請求人及び特許権者)及びその特許に関し権利を有する者である。これらの者が裁定に不服を有するときは、法律上の利害関係を有する者であるから行政不服審査法による異議申立てをし(九一条の二に該当する場合を除く)、さらにその決定に不服ならば行政事件訴訟法の一般原則に従い訴えを提起することができることはいうまでもない。
二項は、裁定をもって協議の成立を擬制する規定である。この規定により当事者間に通常実施権の許諾について契約が結ばれたものとみなされるので、裁定に定められた対価を支払いの時期までに支払わないときは民法上の債務不履行となるが、当該特許発明を実施しても特許権者から差止請求権や損害賠償請求権を行使されることはない。(青本第17版)
最終更新:2009年11月21日 05:49