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特許法第九九条

(同前)実意
第九九条
通常実施権は、その登録をしたときは、その特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての専用実施権をその後に取得した者に対しても、その効力を生じる。
2 第三十五条第一項[職務発明の通常実施権者]、第七十七条[先使用による通常実施権者]、第八十条第一項[無効審判の請求登録前の実施による通常実施権]、第八十一条、第八十二条第一項[意匠権の存続期間満了後の通常実施権]又は第百七十六条[再審による通常実施権]の規定による通常実施権は、登録しなくても、前項の効力を有する。
3 通常実施権の移転、変更、消滅若しくは処分の制限又は通常実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅若しくは処分の制限は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。

旧法との関係 五二条
趣旨
 本条は、通常実施権の登録の効果について規定したものである。
 一項は、民法六〇五条で「不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。」と規定しているのと同じような趣旨で、通常実施権の登録をしておけば、その後、特許権若しくは専用実施権の移転又は新たな専用実施権の設定等がされても、通常実施権の地位はくつがえし得ないことを定めたものである。なお、旧法においては質権者に対する関係についても規定していたが、これは特許権を目的として質権を設定されると通常実施権者の地位もくつがえることになるので、その手当てとして規定されたものと思われるが、質権について九五条のような規定を設けた現行法においてはこのような問題は生じないので、本稿においては質権者との関係については規定しなかった。
 二項は、法律の規定により当然に生ずる通常実施権については登録がなくても、特許権の転得者に対しても効力のある旨を定めたものである。
 三項は、通常実施権の移転等又は通常実施権の目的とする質権の設定等については、登録をもって第三者対抗要件とする旨の規定をしたものである。通常実施権の場合は特許権又は専用実施権の場合と異なり登録をもって効力発生要件とせず第三者対抗要件としたのは、通常実施権が債権であるということにもとづく。
[字句の解釈]
1 <登録>九八条参照
2 <処分の制限>九八条参照
3 <第三者に対抗することができない>第三者に対して通常実施権の移転等を主張することができないということである。たとえば、甲から通常実施権を譲り受けた乙が移転の登録をしない間に丙がさらに甲から譲り受けたときは、乙は丙に対して通常実施権を取得していることを主張し得ないから、丙に対する関係では甲はなお通常実施権者であり、したがって、兵は甲から通常実施権を譲り受けることができる。(青本第17版)
最終更新:2009年11月24日 00:55
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