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特許法第一〇五条

(書類の提出等)実意商
第一〇五条
裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。ただし、その書類の所持者においてその提出を拒むことについては正当な理由があるときは、この限りではない。(改正、平一一法律四一)
2 裁判所は、前項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された書類の開示を求めることができない。(本項追加、平一一法律四一)
3 裁判所は、前項の場合において、第一項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかについて前項後段の書類を開示してその意見を聞くことが必要であると認めるときは、当事者等(当事者(法人である場合にあつては、その代表者)又は当事者の代理人(訴訟代理人及び補佐人を除く。)、使用人その他の従業者をいう。以下同じ。)、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該書類を開示することができる。(本項追加、平一六法律一二〇)
4 前三項の規定は、特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟における当該侵害行為について立証するため必要な検証の目的の提示について準用する。(本項追加、平一一法律四一、改正、平一六法律一二〇)

旧法との関係 該当条文なし
趣旨
 本条は、特許権侵害訴訟における書類の提出義務について規定したものである。文書一般の提出義務については民事訴訟法二二〇条に定めるところであるが、本条の規定は民事訴訟法二二〇条の要件を充足していない場合にも適用されるわけである。本条の提出命令は申立によりされるわけであるが、申し立てることができるのは原告たる特許権者又は専用実施権者のみならず、被告である侵害者もすることができる。
 本条の規定により提出命令があったにもかかわらず、当事者が書類の提出をしないときは民事訴訟法二二四条一項の規定が適用になり、裁判所は相手方の主張を真実と認めることができる。または相手方の使用を妨げる目的をもって書類を減失等をした場合も、民事訴訟法二二四条二項の規定により同様な効果を生ずる。
 なお、平成一一年の一部改正において、一項に規定する書類の提出の対象として「侵害行為について立証するための必要な書類」を追加規定した。これにより、侵害行為の立証に際しても、裁判所は訴訟上必要な書類の提出を命じることができるようになった。
 また、平成一一年の一部改正において、二項を新設し、一項における書類を拒む「正当な理由」があるか否かの判断について、裁判所のみが書類を見ることにより行う手続(インカメラ手続)を規定した。
 さらに、平成一六年の裁判所法等の一部改正に伴って、三項の新設し、二項で提出された書類については、何人も開示を求めることができないが、侵害行為の立証の容易化と営業秘密の保護とのバランスを図る観点から、正当な理由があるかどうかについて二項後段の書類を開示して意見を聴くことが必要であると認めるときは、裁判所の裁量で、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し当該書類を開示することができることとした。主として営業秘密に該当するか否かの審理において、秘密保持命令と併用して利用されることが想定される。
 四項は、平成一一年の一部改正において新設した旧三項を、平成一六年の一部改正において移動し、同項中の「前二項」を「前三項」に改めたものである。本項により、検証物の提示についても、書類の提出に係る特則(一項から三項)を準用し、検証物の提示義務について、「正当な理由」の有無の観点から判断が行えるようにした。(青本第17版)
最終更新:2009年11月28日 03:03
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