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特許法第一〇七条

(特許料)
第一〇七条
特許権の設定の登録を受ける者又は特許権者は、特許料として、特許権の設定の登録の日から第六十七条第一項[存続期間]に規定する存続期間(同条第二項の規定により延長されたときは、その延長の期間を加えたもの)の満了までの各年について、一件ごとに、次の表の上欄に掲げる区分に従い同表の下欄に掲げる金額を納付しなければならない。
各年の区分 金額
第一年から第三年 毎年二千六百円に請求項につき二百円を加えた額
第四年から第六年 毎年八千円に一請求につき六百円を加えた額
第七年から第九年まで 毎年二万四千三百円に一請求項につき千九百円を加えた額
第十年から第二十五年まで 毎年八万千二百円に一請求項につき六千四百円を加えた額
(改正、昭四五法律九一、昭五〇法律四六、昭五三法律二七、昭五六法律四五、昭五九法律二三、昭六〇法律四一、昭六二法律二七、平五法律二六、平六法律一一六、平一〇法律五一、平一一法律四一、平一五法律四七)
2 前項の規定は、国に属する特許権には、適用しない。(改正、平一一法律二二〇、平一五法律四七)
3 第一項の特許料は、特許権が国又は第百九条の規定若しくは他の法令の規定による特許料の軽減若しくは免除(以下この項において「減免」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、第一項の規定にかかわらず、国以外の各共有者ごとに同項に規定する特許料の金額(減免を受ける者にあつては、その減免後の金額)にその持分の割合に乗じて得た額を合算して得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。(本項追加、平一一法律二二〇改正、平一五法律四七)
4 前項の規定により算定した特許料の金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。(本項追加、平一〇法律五一、改正、平一一法律二二〇、平一五法律四七)
5 第一項の特許料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
(本項追加、昭五九法律二四、改正、平八法律六八、平一〇法律五一、平一一法律一六〇、平成一五法律四七)

旧法との関係 六五条
趣旨
 本条は、特許料について規定したものである。
 工業所有権行政の運営経費である特許特別会計は、収支相償の原則に基づく、必要な費用を受益者の負担により賄う制度である。料金の全体的な水準は、収支見通し、特許制度の利用状況、諸外国での料金水準等を総合的に勘案し、種々の料金全体として産業財産権行政に関する総経費を支弁するように設定されている。
 特許料については、明治一八年の専売特許条例の施行時から財産権の付与の対価として位置づけられており、金額は法律において規定されている。また、特許権は、その権利に係る発明が活用されることによって、権利者が徐々に利益を享受することが可能であり、その利益によって更に研究開発が促進されるという知的創造サイクルの円滑な循環にも寄与できることから、権利者が利益を享受する蓋然性が低い期間における権利維持を容易とするために初期の特許料を低く設定している。
 一項は、特許権についての各年分の特許料について規定したものである。金額については表を設けて規定しているが、昭和三四年の改定以降、昭和四五年の一部改正で五割の引上げ、昭和五〇年の一部改正、昭和五三年の一部改正及び昭和五六年の一部改正においては物価水準の上昇率その他の実情を勘案して引き上げられた。昭和五九年の一部改正においては、特許特別会計創設に伴い、各種手数料等の改定の一環として五割の引上げが行われるとともに、昭和六二年の一部改正においては五割の引上げ、平成五年の一部改正により四割の引上げが行われた。
 この規定は旧法とはかなり相違している。まず請求項(昭和六二年の一部改正により導入)の数の増加によって特許料を増額せしめていることである。旧法においては七条ただし書の規定により二以上の発明を一出願に包含せしめた場合も一発明のみを包含する特許権と同額であったが、現行法においては、三六条五項及び三七条の規定により二以上の請求項を単一の特許出願に包含せしめたものは、その請求項の数に応じて特許料を増加せしめることとした。三七条の規定により旧法においては二以上の特許出願によらざるを得なかったものが一の特許出願ですることができることになったことにかんがみてこのように改められた。金額欄中の「毎年二千六百円」「毎年八千円」等はいわば基本料金で、その基本料金で、その基本料金に一請求項毎の料金を請求項の数に比例した金額を加算してゆくものである。
 昭和六〇年の一部改正で追加の特許の制度を廃止したことに伴い、本条一項から追加の特許権に関する部分が削除された(追加の特許の制度の廃止については三一条の[参考]を参照)。
 昭和六二年の一部改正で特許権の存続期間の延長登録の制度が導入されたことに伴い、特許権の存続期間が延長登録により一五年を越えることとなる場合のために第一六年から大二〇年までの各年の特許料を規定した。
 平成五年の一部改正において、特許権の存続期間が延長された場合について、延長された存続期間の満了まで年金を納付する必要があることを明確に規定するための改正を行った。
 平成六年の一部改正で本文について特許料の算出の起算日が設定登録の日からである旨を明確化するとともに、特許権の存続期間についての規定(六七条一項)が改正されたことに伴い、第二一年から第二五年までの各年の特許料を規定した。
 平成一〇年の一部改正において、改正前には「第十年から第十二年まで」、「第十三年から第十五年まで」……「第二十二年から第二十五年まで」と区分し、特許料の金額をそれぞれ規定していた(各年の区分毎に特許料の金額は累進的に設定されていた。)ものを、「第十年から第二十五年まで」に改定し、一〇年目以降の特許料の金額を平準化する改正を行った。これは、後年時の特許料の額が高額であり特許権を長期に維持すると権利者にとって負担が大きいこと、並びに、審査処理の早期化に伴い特許権を存続期間満了時まで維持しようとすると負担はさらに大きくなることに配慮したものである。
 平成一一年の一部改正において、創造的技術開発の推進の観点から重要性が増している基本発明は多面的にその内容を権利化する必要があり、請求項が多数とならざるを得ないが、一請求項毎の料金が割高であると請求項数の増加を抑制する可能性があるため、一請求項毎の料金を引き下げる改正を行った。
 平成一五年の一部改正においては、特許率の高い出願人と低い出願人との間の費用負担の不均衡を解消し、適正な出願・審査請求を促進することを目的として、出願審査の請求の手数料の引下げ・出願料の引下げとともに、特許料の引下げを行った。その結果、平均的出願(権利維持期間九年、請求項数七・六項(平成一三年の出願の平均値))一件あたりの出願から権利維持に係る総費用については九万円程度の減額となり、出願人による特許権の効率的な取得を奨励する料金構造となった。また、これまでの特許料の累進構造を維持しつつ、更に、権利維持機関における初期の特許料を重点的に減額し、一~三年目は八割減、四~六年目は六割減、七~九年目は四割減とし、一〇年目以降の特許料については原稿料金の水準を保つこととした。
 二項は、国庫内の資金循環を防ぐ観点から、国に属する特許権については特許料の納付を必要としない旨を規定したものである。本項の適用は、特許権が国に属している間であって、当初国に属していた特許権が後に国以外の者に譲渡されたときは適用されない。
 独立行政法人制度の発足に伴い、独立行政法人の大半は国からの予算措置である運営費交付金を財政基盤としており、特許料を負担すれば結局のところ国庫の自己資金循環が生じることから、平成一一年の一部改正において、独立行政法人通則法に規定する独立行政法人のうちその業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものを国と同様の扱いとする旨規定された。
 しかしながら、平成一三年に成立した特殊法人改革基本法により、従来特許料の減免措置の対象とされていなかった特殊法人等(特殊法人及び認可法人)が、平成一五年一〇月移行順次独立行政法人に移行し、研究開発型特殊法人等を期限とする独立行政法人と従来の国の試験研究機関を起源とした独立行政法人は、同じく国から運営費交付金を受けて士試験研究を業務として行うこととなった。したがって、これらに対する減免措置を同一とし、産業技術強化の観点から大学と同様に重要な存在とされていることを踏まえて、大学と同様の内容の軽減措置をするため、平成一五年の一部改正において本項の対象から独立行政法人を削除し、国と政令で指定された独立行政法人が共有する場合も特許料の納付を要しない旨規定されていた従来の第三項も削除された。
 三項は、平成一〇年の一部改正において新設した規定であり、新設当時は、特許権が国と国以外の者との共有の場合の特許料の納付の取扱いを明確にしたものである。新設以前は、国と国以外の者との共有の場合、二項の適用はないものとしており、特許料の全額納付を求めていたが、これにより、国以外のが自己の持分以上に経費を負担している例があった。本規定を設けることにより、国以外の者は自己の持分に相当する額のみ負担すればよいこととなり、これは民法二五三条一項の「各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を払い、その他共有物に関する負担を負う」の制度趣旨に合致するものである。
 更に近年、特許法、産業技術強化法、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律、産業活力再生特別措置法及び中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律において減免措置を受けることのできる者として定められている大学、企業、TLO(技術移転期間)と企業等による共同研究が推進されており、権利の享有に係る減免措置の導入への要請が顕著化したことから、平成一五年の一部改正において、これらの法令により特許料の減免措置を受けることのできる者が共有者に含まれる場合、共有者ごとに、単独出願の場合の納付額(減免対象者は減免後の納付額)に持ち分の割合を乗じ、その結果から得られた共有者ごとの負担額を合算した額を納付額とする旨規定した。
 本項の適用を受ける際には持分の割合を示すことが必要であり、各共有者の負担額の合計額を算出された特許料として国以外の者が納付する。
 四項も平成一〇年の一部改正において新設した規定である。特許料の納付の際に使用される特許印紙は一〇円単位からの設定となっており、三項の規定により算定した特許料の納付額に一〇円未満の端数が生じたとき、適正な額の納付が行えないという問題に対処するものである。
 五項は、特許料の納付方法について規定したものである。昭和五九年七月の特許特別会計の創設に伴い、特許料を特許特別会計の歳入として特定するため、その納付方法として特別の印紙(特許印紙)を採用することとした。
 また、平成八年の一部改正においては、ただし書を追加することで、特許印紙による納付の他に日本銀行(本店、支店、代理店又は歳入代理店)を通して現金による納付もできることとした。これは、大量の特許印紙を購入・貼付し特許庁に持参・郵送する出願人等の手続負担や安全面での問題、及び印紙貼付金額を確認する特許庁の事務負担の問題の改善を図ったものである。なお、この場合における振込み手数料は不要である。
 ただし書中の「経済産業省令で定める場合」とは、事前に特許庁長官に対する一定の届出手続がなされている場合を指し、「経済産業省令で定めるところにより」とは、日本銀行歳入代理店等現金納付のできる場合、納付書の様式等納付手続の詳細を指す。現金納付に関する具体的な手続については「工業所有権の手数料等を現金により納付する場合における手続に関する省令」(平成八年通商産業省令第六四号)に、納付書の様式については「歳入徴収官事務規定」(昭和二七年大蔵省令第百四一号)に定められている。(青本第17版)
最終更新:2009年12月04日 11:40
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