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特許法第一一二条の二

(特許料の追納による特許権の回復)
第一一二条の二
前条第四項若しくは第五項の規定により消滅したものとみなされた特許権又は同条第六項の規定により初めから存在しなかつたものとみなされた特許権の原特許権者は、その責めに帰することができない理由により同条第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に同条第四項から第六項までに規定する特許料および割増特許料を納付することができなかった日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内に限り、その特許料及び割増特許料を追納することができる。
2 前項の規定による特許料及び割増特許料の追納があつたときは、その特許権は、第百八条第二項本文[特許料の納付期限]に規定する期間の経過の時若しくは存続期間の満了の日の属する年の経過の時にさかのぼって存続していたもの又は初めから存在していたものとみなす。
(本条追加、平六法律一一六)

旧法との関係 なし
趣旨
 本条は、平成六年の一部改正で新設された規定で、特許料の不納により失効した特許権の回復について規定したものである。
 平成六年の一部改正前においては、特許料の納付は、その納付期限を経過した後であっても六月に限り割増特許料も徒過してしまった場合には、特許権は納付期限の経過の時にさかのぼって、若しくは存続期間の満了の日の属する年の経過の時にさかのぼって消滅したもの又は初めから存在しなかったものとみなされ、(一一二条四項から六項まで)、事情の如何を問わずこれら失効した特許権の回復は認められていなかった。
 これに対し、パリ条約五条の二第二項では、「同盟国は、料金の不納により効力を失つた特許の回復について定めることができる」旨規定され、また諸外国においても、本規定に相当する特許料の不納により失効した特許権の回復を認める制度が設けられており、我が国においてもこれを認めるべきであるとの要望が国内外から寄せられていたこと等の状況に鑑み、平成六年の一部改正において導入されたものである。
 一項は、所定の期間内に特許料を納付せず特許料が失効した場合に、失効するまで特許権者であった原特許権者がなし得る特許権の回復のための手続について規定したものである。具体的には、次の条件の下に特許権の回復を認めることとしている。
(1)追納期間内に特許権料を納付できなかった理由が特許権者の責めに帰することができないものであること。
(2)追納期間の経過後六月以内であつて、かつ、その理由の消滅から一四日(在外者にあっては二月)以内に、納付すべきであった特許料及び割増特許料を納付すること。
 このような条件としたのは、すでに特許法上設けられている拒絶査定不服審判や再審の請求期間を徒過した場合の救済の条件や他の法律との整合性を考慮するとともに、①そもそも特許権の管理は特許権者の自己責任の下で行われるべきものであること及び②失効した特許権の回復を無期限に認めると第三者に過大な監視負担をかけることとなることを踏まえたものである。
 また、在外者が特許権の回復のための手続を行うための期間を二月としたのは、遠隔であることを考慮したものである。
 二項は、一項の規定による特許料及び割増特許料の追納があった場合の効果(特許権の回復)について規定したものである。特許料の納付期限経過後の六月の追納期間内に特許料の追納がなかった特許権は、納付期限の経過の時に遡って消滅したものとみなされ、又は初めから存在しなかったものとみなされる(一一二条第四項から第六項まで)が、一項の規定による追納があったときは、その特許権は納付期限の経過の時に遡って存続していた又は初めから存在していたものとみなすことにより、一旦失効した特許権を遡及的に回復することとしている。
[字句の解釈]
<その責めに帰することができない理由>天災地変のような客観的な理由にもとづいて手続をすることができない場合が含まれるのはいうまでもないこととして通常の注意力を有する当事者が万全の注意を払ってなお納付期間を徒過せざる得なかったような場合は、主観的な理由による場合であってもその責めに帰することができない場合に含まれよう。(青本第17版)
最終更新:2009年12月07日 14:18
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