(同前)
第一二八条
願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決が確定したときは、その訂正後における明細書、特許請求の範囲又は図面により特許出願、出願公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなす。
(改正、昭四五法律九一、平六法律一一六、平一四法律二四)
旧法との関係 該当条文なし
趣旨
本条は、訂正審判の審決のうち、訂正を容認した審決が確定した場合の効果について規定したものである。本条は訂正審判制度の果たす機能から考えて当然のことを規定したものである。先にも述べたように訂正審判による明細書または図面の訂正は、主として当該特許権についての無効審判の請求に対する防衛策であるとされるのであるが、もしその訂正の効果が特許出願の時点までさかのぼらないものであるならば、訂正審判はなんらその本来の機能を果たし得ないのである。
すなわち、無効審判の請求理由は特別の場合(後発的事由の場合)を除き、特許出願の時点をとらえて申し立てられるものであるからである。
なお、昭和四五年の一部改正で出願公開制度が採用されたことに伴い、出願公開にも訂正審判による訂正の効力が及ぶ旨の改正を行った。また、平成六年の一部改正において出願公告制度が廃止されたことに伴い、該当箇所を削除した。
ところで、訂正すべき旨の審決についてこのような効力を認める以上、特許を無効にすべき旨の審決の場合と同様、民事訴訟及び刑事訴訟における再審事由になり得るかどうかが問題となるわけであるが、民事訴訟法三三八条一項八号および刑事訴訟法四三五条六号でこれを読み得るものと解する(刑事訴訟法について若干問題があるが、一号から五号までは六号の例示であり特許の無効の場合ももし五号がなければ六号で読み得るという解釈をとる)。
なお、平成一四年の一部改正において、三六条二項の「明細書」から「特許請求の範囲」が分離されたことに伴い、本条にも同様の修正が加えられた。(青本第17版)
最終更新:2009年12月11日 23:39